最終更新日:2017/3/1

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平和酒造(株)

本社
和歌山県
資本金
1,000万円
売上高
当社規定により非公開
従業員
全社員50名 男性社員25名、女性社員25名(パート社員含む)
募集人数
1〜5名

特集記事

仕事・働き方を知る特集 「企業の存在価値」

「おいしい日本酒」が巻き起こす、価値の大変換!ムーブメントは始まったばかりです。

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キーワードは『ローテク・ローカル・手づくり』

代表取締役専務 山本 典正さん

おいしいお酒が食のシーンに加わることで、なにげない日常がより豊かなひとときになるように。楽しい気持ちがいっそう膨らんでいくように。そんな願いを込めて、平和酒造の蔵人たちは酒づくりに取り組んでいます。 蔵を飛び出し、プロモーションにも力を入れた結果、今やTV、雑誌、ラジオなどのメディアで引っ張りだこ!想像をはるかに超える勢いで、ファンの輪が広がっています。 そんな中「日本酒には力がある。こだわりのものづくりで、社会を変えることができる」と力を込めて話すのが蔵の若きリーダー、山本専務。どんなイノベーションを起こそうとしているのか。日本酒業界にとどまらない、社会的価値の転換がここから始まる予感です。

手づくりのお酒が15倍の売り上げに!めざした方向性は、間違っていなかったと確信しました

世界にはどんなお酒があるのか?平和酒造では毎日、お酒のテイスティングを行っています。視野を広げるため、日本酒だけでなく洋酒も飲み比べます。その数年間2000種以上。

平和酒造は昭和3年創業。江戸時代から続く会社が少なくないこの業界では、比較的「若い」酒蔵といえますが、それでも昔ながらのやり方や業界の慣習にどっぷり浸っていた時期がありました。たとえば、酒づくりのノウハウを熟知しているのは蔵のリーダーである杜氏だけ。商品の99.9%は低価格で売りやすい紙パック酒。約10年前、四代目として蔵に戻ってきた私は、それらを一つ一つ改革していきました。 新卒を中心に若手を採用し、全員で酒づくりができるようきちんと教育し、情報を共有する。高付加価値のお酒をつくり、手づくりのおいしい酒を醸す。ほかにも数え上げればキリがないほどいろんなことを変えました。後継とはいえ、一般企業から戻ってきた人間がいきなり蔵に入り、急激な変革をもたらすのですから軋轢も生まれます。辞める人が続出したときは本当につらかった。もちろん、そのときは悩み、若手の蔵人に向き合い、軌道修正すべきところは勇気を持って改めました。 ただ、「『おいしいね』『もう一杯ください』と言ってもらえるほどのおいしいお酒をつくる」という信念だけは揺るぐことはありませんでした。それこそが、メーカーが提供できる最大にして唯一の価値だと思うからです。清酒市場は1970年代の最盛期と比べ売り上げが30%と激減していましたが、おいしいお酒をつくれば必ずお客様が支持してくださるという確信がありました。そもそも大手ではありませんから、市場の影響をまともに受けることもない(笑)。時代の風を読むことは重要ですが、蔵を危機感で満たすのではなく「当たり前を突き詰め、人の手で、おいしいお酒をつくろう!」という前向きな方向性を示すことを心がけました。 その方向性が間違っていなかったことは、この10年間、縮む市場とは逆に当社の売り上げが伸び続けていることからも明らかです。とくに、若手杜氏とともにつくりあげた『紀土(キッド)』の人気は高く、当初の15倍に。「透明感があって飲みやすいお酒を」という私たちの思いが醸された日本酒は、想像以上に多くのお客様に愛される商品として広まっていきました。

日本酒の酒蔵がビールをつくる!?苦労の末に生まれた『平和クラフト』が与えてくれた新たな気づき

休憩時間には各部門で作業をしていた蔵人たちが集まり、その日の状況を共有。悩みや課題を皆で解決しています。コミュニケーションを通して、酒も人も日一日と成長中。

日本酒の原料である米も、リキュールの原料となる和歌山名産の南高梅も自分たちで栽培する。蔵に若手が増える中、既存の酒蔵では考えられないような新たなチャレンジが形になっていきました。そんな当社の次なる挑戦がクラフトビール。3年の準備期間を経て、2016年夏、市場に出すことができました。 ビールの発案者は当時入社2年目の蔵人。彼女は入社当初からビールづくりに関心を持っていましたが、私は個人的にビールはあまり好きではなかったのです。しかし、ある夏の日、汗だくで入ったお好み焼き屋さんで猛烈に飲みたくなったのがビール。30代にして初めて自分から生ビールを注文し、グラスごと冷えたビールをぐいとあおってみると…。炭酸の刺激がたまらない!気がついたら3杯目を注文していました(笑)。 そんなとき、醸造設備が手に入ることになり、2年目の若手が「やります!やらせてください!」と元気に名乗りを上げ、ビールづくりがスタート。しかし、その後「日本酒よりも簡単で、すぐにできるのではないか」という当初の予想は大きく裏切られることになります。製造について知れば知るほど、簡単ではないことがわかり、ビールの原料となるモルト(麦芽)を挽くミルが必要であることも知りました。これはなかなか手強いぞ…と腹をくくり、急がずじっくり取り組むことにしました。 そして、「お客様にぜひ飲んでもらいたい」と思える『平和クラフト』が完成!蔵人とBBQをしたとき、自分たちのつくったおいしい生ビールを飲んだときの喜びは、今でもよく覚えています。10年前に蔵を一から改革したときの苦労を、改めて味わった私たち。柔道である程度の段位まで昇段している人が剣道を始め、もう一度下積みをしていくような感覚といったらいいでしょうか。 一方で「妥協せず、とことんこだわることの大切さは日本酒でもビールでも同じなんだ」という貴重な気づきを得ることもできました。

ネガティブワードが新たな価値に変わっていく。今、この瞬間にも。

改築した吟醸蔵は、快適で働きやすい環境に。ただし、酒づくりのほとんどの工程は人の手で行い、機械化はほんの一部。ローテクにしか出すことのできない味があります。

これまでの日本酒から連想される言葉といえば、「保守的」「肉体労働」「中小企業」「地方」といったネガティブワードだったように思います。これからは、その全てが『価値』に変わっていくと私は感じています。日本酒にはまだまだ力がある。売り上げ数字だけでなく、私たちの挑戦が世の中に受け入れられ、年々、平和酒造のファンが増えていることからそのことを体感しているんです。 『紀土』は、IWC(インターナショナル ワイン チャレンジ)という世界でもっとも権威あるコンテストで2年連続、金賞を受賞。全国の精鋭蔵が集まる松尾大社の『酒ー1グランプリ』でも、蔵としてグランプリに輝きました。平和酒造の知名度が上がり、お酒を楽しむ人が増えることで、一地方にある大手ではない酒蔵でも社会に影響を与えることができる。30%にシュリンクした市場でも、成功のルートを切り開いていけることを知ってもらえるのではないかと思っています。 人口減少の日本で、もう一度、見直されるものがあるとすれば、それは「ローテク・ローカル・手づくり」ではないでしょうか。科学技術の発展は確かに素晴らしい。しかし、それも取り入れながら伝統的なローテク・手づくりで行う私たちの仕事が価値の大転換を起こせるとしたら、なんと痛快なことか。そうなれば、日本酒はもはや衰退産業ではなく、強靭なビジネスになり得るのです。フランスが海外に出荷するワインは1兆円といわれます。対して日本酒は100億円。つまり日本酒の輸出市場は、100倍に拡大する可能性を秘めているのです。 社名、ブランドともにこの数年間で想像以上に浸透し、著名な方々とご一緒させていただいたり、講演の依頼を受ける機会が増えました。当社のやり方を真似る蔵も出てきました。規模やイメージでなく、私たちがやっていることそのものに興味を持ってくださっているからこそ、声がかかるのだと思います。影響力の大きさとともに責任も感じながら、これからもイノベーションに挑戦し、ムーブメントを巻き起こしていきたいと思っています。

学生へのメッセージ

日本酒業界と聞いて「年齢層が高い」というイメージを抱く方も多いのではないでしょうか。残念なことにそのイメージは間違いではなく、若い飲み手がいない、つくり手としても若い人材が入ってこない業界でした。今もその傾向はありますが、平和酒造の酒蔵は平均年齢30歳。全国の酒蔵の平均が40歳ですから、かなり若い蔵であることがわかっていただけると思います。 平和酒造では若手がお酒をつくり、自ら発信することにもチャレンジしています。全国の販売店や会場で試飲会を開いたり、和歌山のイベントで世界的に活躍するDJを招き、年間1万人を動員。そこに来てくださるお客様の多くが20代〜30代。確実に、若い日本酒ファンが増えています。クラフトビールを出すことで、その年齢層をさらに引き下げることにも成功しました。クラフトビールはライトな風味で間口が広いため、20代前半、まさにみなさんと同年代のお客様が気軽に楽しんでくださるのです。ビールやリキュールで当社と出会った方が、日本酒に興味をもって楽しみを広げていく。和洋中、さまざまな食事との相性も抜群であることを知り、日常の食卓に『紀土』を取り入れてくださるようになる。この流れを広げ、おいしい日本酒をもっともっとたくさんの方に楽しんでいただくため、ほかにどんなことができるでしょう。斬新な発想力と行動力で日本酒の可能性を切り開いてみませんか。

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蔵人の多くが20代〜30代。経験年数が浅くとも、おいしさと品質ではどこにも負けない自信あり!小さな歩みが大きなエネルギーを生み出せることを皆が実感しています。

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