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業界研究

総合商社

概要

ある製品やサービスを売りたがっている企業や国家と、買いたがっている企業や国家とを結びつけるのが商社

なかでも総合商社は、ありとあらゆるものを手がけるといっても過言ではないほど、多岐に渡る製品やサービスを取り扱う。

欧米には存在しない日本独特の業態で、海外においても「Sogo Shosha」と呼ばれている。

総合商社業界

多岐に渡る事業展開で規模の拡大をはかる総合商社

「ラーメンから航空機まで」という言葉で表されるように、総合商社は、身近な食料品から産業の根幹をなす石油や天然ガスなどの資源、さらには金融から宇宙開発まで、あらゆる事業を手がけている。

総合商社の主な役割は、流通(貿易・販売・物流)、金融、情報の3つ。

これまでメインにしてきた流通(仲立ち事業やトレーディング事業)が減少していることから、金融の比率が高まっている。

金融では貿易金融といわれる代金決済やファイナンス、投資などを行っている。投資の対象は鉱物・エネルギー資源を中心に、不動産物流、環境、インフラ、メディア、医療などさまざまだ。

特筆すべきは、総合商社の生命線といわれる“情報”。世界各国に幅広く展開する総合商社が築き上げてきた有力政治家・実業家とのネットワークや現地情報の蓄積は、インターネットで情報検索ができる時代においても、貴重な財産である。

原油価格の大幅下落で貿易収支が前年よりも10兆円改善

財務省が2016年3月10日に発表した2015年の貿易統計によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支はマイナス2兆7,916億円となり、マイナス12兆8,161億円で過去最大の赤字を記録した2014年から大きく改善する結果となった。

輸出額は3.4%増の75兆6,139億円で、商品別では食料品が前年比24.3%増、電気機器が5.0%増、輸送用機器が7.3%増となり、それぞれが0.2ポイント、0.9ポイント、1.7ポイントずつ輸入比率の増加に貢献した。

一方、輸入額は前年比8.7%減の78兆4,055億円で、2014年を7兆5,036億円ほど下回った。
最大の理由は原油価格の下落。本来は円安によって、原油や液化天然ガスなどの鉱物性燃料の輸入価格は上昇するはずだが、それ以上に原油価格下落の影響が大きかった。

鉱物性燃料では、原油及び粗油が前年比41.0%減、石油製品が同32.7%減、液化天然ガスが同29.8%減、液化石油ガスが同40.1%減と軒並み大きなマイナスとなっている。
鉱物性燃料の輸入は前年比34.2%減の18兆2,181億円となっており、鉱物性燃料の輸入だけで前年より9兆4,690億円のマイナスとなっている。

他にも、非鉄金属や鉄鉱石価格下落の影響が大きい原料品が前年比13.2%減の4兆8,530億円となっているが、化学製品(前年比12.9%増)や一般機械(同4.5%)、電気機器(同4.2%増)、輸送用機器(同2.3%増)などは円安の影響もあり輸入価格は上昇している。

日本人の生活を支えている輸入製品

個々の日本企業が力やノウハウを付けてきたこともあり、商社に頼らず、独自の商品を自社ルートで生産・販売する企業が収益を上げているというケースもある。

だが、たとえば食料ひとつをとっても、2014年度の日本の食料自給率は、農林水産省のデータによればカロリーベースでわずか39%、生産額ベースでは64%という事実がある。

日本人は輸入に頼らなければ生活できず、商社の果たす役割は大きい。ここ数年、輸入食品に対する安心・安全が揺らいでいるが、商社としては、消費者のニーズを的確にとらえ、より安心・安全である食料を輸入するための企業努力が必要になってきている。

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豆知識

資源価格の下落で受けた大打撃を跳ね返す総合商社の底力

会社によって数値は異なるが、総合商社の収益で資源分野が占める割合は高い。
資源の輸出入といったトレードビジネスによる収益もあるが、全体的に投資権益から得られる収益の比率が高まっている。
石油・石炭などのエネルギー資源、鉄鉱石や銅鉱山など鉱物資源の開発に投資することで、投資比率に応じた権益を確保し、そこから生じた収益が権益に応じて分配されるのが権益確保によるビジネスモデル。

しかし、鉄鉱石は2011年をピークに、2015年にはピーク時の4分の1程度の価格にまで下落。1バレル100ドルを超えていた原油も一時的に30ドルを割り込んでいる。
権益確保による資源ビジネスは総合商社の好業績を支えていたが、その比率が高まれば高まるほど、短期的な資源の価格変動によって収益は大きな影響を受ける。

2016年3月期の大手5社の決算はそうしたリスクが一気に噴出した結果が如実に表れた。
中でも三菱商事と三井物産の大手2社は、資源価格が大幅に下落したことによる損失の計上で創業以来初となる赤字に転落。また、丸紅と住友商事は黒字を確保するもやはり資源価格の下落が影響して大幅な減益となった。

一方で、伊藤忠商事も資源価格の影響を受けて損失を計上したが、資源以外の事業割合が高いこともあり、2,403億円の利益を確保、最終利益で業界トップとなった。

総合商社は権益ビジネスで多くの収益を上げていた時期に、資源以外のさまざまな分野にも注力している。
今までに何度も「冬の時代」を経験しながらも、柔軟に事業内容を変えて生き残ってきた体質こそが、「Sogo Shosha」の特徴だ。

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業界関連用語

●排出権取引ビジネス
「排出権」とは、国や企業が二酸化炭素などの温室効果ガスを一定量に限って排出してもよいと割り当てられた権利。

割り当ての排出枠が余った国や企業は足りなかった国や企業との間で権利を取引(トレード)してもよいとされているため、近年はこの分野に進出する商社も多い。


●社内カンパニー制
もともと総合商社は、事業本部が独立した企業体の機能を有する「事業本部制」を敷いていた。

これをさらに推し進めたのが「社内カンパニー制」。従来の事業本部になかった人事権や人材採用、査定の権限が加わる。

これにより各カンパニーの自主・自律性が高まり、競争力の強化が図られるが、一方で採算の合わないカンパニーは完全分社化という形で整理されることもある。


●シェールガス
泥土が堆積した頁岩(けつがん=シェール)層から採取する天然ガスで、従来のガス田とは異なる場所から生産されることから、非在来型天然ガスとも呼ばれる。

採掘が難しいので放置されていたが、技術革新が進み低コストで採取できるようになり、天然ガスの低価格での供給が可能となった。

世界のエネルギー安全保障の枠組みを変える可能性があるともいわれ、シェールガス革命という言葉も話題になった。
総合商社を中心に、すでにさまざまな企業が権益確保に乗り出している。


●資源メジャー
資源分野で、他の企業の追随を許さないほどの生産量と埋蔵量を持ち、採掘・流通・販売・製品化などの権益を有する世界的大企業。

需要側の企業に対して、強い価格交渉力や供給量の調整力を持つ。かつて資源メジャーといえば、石油生産をほぼ独占したセブン・シスターズと呼ばれた石油メジャーが有名だったが、今ではさまざまな分野で資源メジャーが存在している。

BHP Billiton(ビー・エイチ・ピー・ビリトン)、Rio Tinto(リオ・ティント)、Anglo American(アングロ・アメリカン)、Vale(ヴァーレ)といった会社がよく知られている。

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どんな仕事があるの?

営業
よい製品を売りたい企業と買いたい企業を開拓して結びつけ、適正な価格設定や仕入れ数量の調整、流通経路の確保などを調整する。グローバルに活躍するため、語学力も必要。
営業事務
営業の仕事をサポートし、スムーズな取引を支える。

システムエンジニア(SE)
商社物流、輸出入、経理などのシステムを構築、管理・運営する。

●商品管理
商品の仕入れ、在庫管理、潤滑な出荷など、商社の機能の1つである物流システムを管理する。

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