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業界研究

百貨店・スーパー・コンビニ

概要

高級イメージや名物催事、あるいは「デパ地下」という言葉がすっかり定着した「百貨店」、食料品を中心に日常の買い物に不可欠な存在である「スーパーマーケット」、さまざまな商品の買い物や用事が24時間いつでも1つの店で済む利便性が受けている「コンビニエンスストア」。

消費者としてもっとも身近な存在であるこれらの店だが、それぞれに厳しい競争を繰り広げており、店舗数を絞る、再編が進むなど激動の時代にある。

百貨店業界

インバウンド効果で来客数と免税売上は好調を維持したが衣料品の不振で2015年は前年比マイナスに

日本百貨店協会の発表によると、2015年の売上高は、前年比0.2%減の6兆1,742億円で4年ぶりに前年割れとなった。

訪日外国人客の来場客数は前年比163%増の250万人、免税売上は同162%増の1,943億円と引き続き好調だったが、売上の32.7%(2015年の数値)を占める衣料品が前年比3.4%減の2兆171億円、27.6%を占める食料品が同0.3%減の1兆7,017億円となったことが響いた。

一方で、前年比12.5%増で4,016億円を売上げた化粧品や、同8.0%増で3,588億円を売上げた美術・宝飾・貴金属、同7.6%増で1兆2億円を売上げた雑貨などは好調だった。

日本政府観光局(JNTO)の推計によれば、2015年に日本を訪れた外国人は1,973万人。政府は2020年までに年間2,000万人を目標としてきたが、これがほぼ達成できたことから、2020年の目標を4,000万人に引き上げている。

観光の人材育成なども進め、訪日外国人の旅行消費額を現在の3兆5,000億円から2020年に8兆円、2030年に15兆円に拡大することを目指している。
訪日外国人は消費税増税の影響を受けないので今後も有力な購買層として期待できそうだ。

相次ぐ百貨店・デパートの新装開店と将来を見据えた大改装

百貨店業界では、近年、東京や大阪の旗艦店とよばれる大型店舗での改装やリニューアルオープンが相次いでいる。

百貨店の老舗「伊勢丹新宿店」は2013年3月に全面改装、“世界最高のファッションミュージアム”をテーマに新しく生まれ変わった。

大阪では、「阪急うめだ本店」も、7年間もの建て替え工事を経て、2012年11月に待望のグランドオープンを迎えた。
また、60階建ての超高層ビル“あべのハルカス”には「あべのハルカス近鉄本店」もオープンした。

さらに、既存店を取り壊し、新しい商業施設へと生まれ変わるケースも増えている。

松坂屋銀座店はエリア最大の複合施設として、阪神百貨店梅田本店も店舗やオフィスビルとして建て替えられることが決定している。

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豆知識

“シャワー効果”と“噴水効果”

いずれも、百貨店などで売上に効果的とされる販売戦略。

“シャワー効果”は、最上階にレストラン街を充実させたり、バーゲンや物産展など人気の催し物会場を上階に配置したりするなどして、上から下への流れを作り、途中の階で何かを購入してもらうという戦略。

一方、“噴水効果”は、人気の高い食品売場や集客力の高いテナントなどを下の階に配置することで、下から上への流れを作る戦略。
人気の高い食品売場が1階や地下にあるのは、こうした理由がある。

また、もう1つ“デパ地下”特有の事情がある。デパ地下では“中食”といわれる惣菜の人気が高く、来店者から常に新鮮な商品が求められている、そのため店内に大規模な厨房設備が欠かせないが、上層階ではこうした設備の確保が難しいこともある。

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業界関連用語

●大規模小売店舗立地法
それまでの「大規模小売店舗法(大店法)」に代わる法律として、2000年6月に施行。店舗面積が1,000平方メートルを超える大型店を対象に、交通渋滞や騒音、環境汚染など、周辺の生活環境や住民への影響などに配慮することを求めるもの。

●イートイン
主にデパートの地下食料品売り場(デパ地下)やコンビニエンスストアなどで、販売エリアとは別に数席から10席程度のスペースで飲食ができるようになっているエリア。デパ地下には有名老舗店が多く出店しているが、イートインではそれら有名店の商品を手ごろな値段で味わうことができる。また、一人で軽食を取りたいときなどに適しており、女性客に人気だ。

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どんな仕事があるの?

経営企画
予算編成や業務管理、店舗開発、情報システム構築、人事管理など、会社全体の経営方針の策定や経営改善策の企画立案・推進を行う。

バイヤー
世の中のトレンドを予測し、商品を仕入れる。月や週単位での売上げ計画策定、期間限定ショップの誘致、折り込み広告の商品選定などを行う。

●セールスマネージャー
売り場全体の責任者。販売員をまとめ、企画バイヤーなどの関連部署と連携をとりながら売り上げ増を図る。

●販売
ディスプレイなどの売り場作り、お客さまが商品を購入する際のアドバイスを行う。顧客のニーズを汲み上げて売り上げにつなげるのも大切な仕事。

流通・チェーンストア業界

競争が激化するなかでも収益率アップをめざす

日本チェーンストア協会(57社9,362店)によれば、2015年度の総販売額は前年度比2.1%増の13兆1,842億円と、2014年度のマイナスからプラスに転じた。

当初は一部の商品に消費税引き上げの駆け込み需要の反動が見られたほか、梅雨明けの遅れによる影響も見られたが、夏以降は順調に推移し2年ぶりに総販売額が前年度比でプラスになった。

取扱品目別では、総販売額の64.5%を占める食料品が前年度比3.6%増の8兆5,046億円。

農産品や畜産品が夏以降の相場高の影響もあり堅調に推移したほか、ライフスタイルの変化もあり惣菜が年間を通じて好調、さらに健康志向の高まりもあって食用油や乳酸菌飲料のなかに動きのよい商品が登場した。

総販売額の9.0%を占める衣料品は、梅雨明けの遅れや秋以降の気温高の影響で秋・冬商品の動きが鈍ったことが影響してが、前年度と変わらずの1兆1,817億円。総販売額の20.4%を占める住関連商品は前年度比0.7%増とほぼ微増。

梅雨明け以降は日用雑貨、家具・インテリア、家電製品が堅調に推移したが、秋以降の気温高では一部商品が苦戦している。

流通・チェーンストア業界は、拡大しているネット通販や専門店との競争が激化している。
そのため、仕入れ・物流などの効率化やリーズナブルなPB商品の拡充、大手メーカーとの共同開発の強化など、収益率アップを目指して様々な取り組みを進めている。

積極的な環境問題への取り組みに成果

流通業界でも環境問題を真剣に考えさまざまな施策を講じている。

具体的には、レジ袋無料配布の中止、容器包装の簡素化・減量化、店頭での牛乳パックやペットボトル、アルミ・スチール缶などの回収、食品リサイクルの推進、といった取り組みを積極的に行っている。

例えば、レジ袋の無料配布中止を実施しているのは、31社2,409店舗、年々増加するレジ袋辞退率は51.69%となっている(いずれの数値も2015年9月時点)。
また、売れ残り食品のリサイクル率も向上しており、肥料や飼料に還元される食品は、2006年度の30.6%から2013年度は48.8%へ向上している。

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豆知識

「日本で最も見学者が多い」といわれるスーパー

福岡県を中心に展開するスーパーマーケット「ハローデイ(HalloDay)は、“日本で最も見学者の多いスーパー”として知られている。

人気の秘密は“魅せる”売場作り。商品のディスプレイに様々な工夫が凝らされており、アミューズメントパークのような光景が広がっている。
効率化を図る他のスーパーと異なり、手間隙をかけた“魅せる”を追求することで売上と利益を伸ばしている異色のスーパー。
同業者のみならず、多方面から注目をあびている。

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業界関連用語

●ネットスーパー
大手・中堅スーパーがこぞって参入しているネット通販。
店頭と同じ価格で24時間365日注文でき、注文後2〜3時間で配達してくれるなど、乳幼児のいる主婦や高齢者にとっては特に便利。
一定の価格以上購入すれば配送料も無料になる場合が多い。
対象エリアが限定されるが、今後ますます拡大すると予想される。

●プライベートブランド(PB)
スーパーやコンビニエンスストア、デパートなどが生産して販売する独自のブランド商品のこと。
食料品や日常品、家庭用品や電化製品などで展開されている。
OEM(相手先のブランド名で製造すること)で生産されることが多く、流通業者が販売価格を主体的に決定しやすい、商圏特性や店舗特性に応じた商品を提供しやすい、有名ブランドと比較すると安価である場合が多いといったメリットがある。

●容器包装リサイクル法
家庭から出るごみの約6割(容積比)を占める容器包装廃棄物のリサイクル制度を構築することで、廃棄物の減量と再生資源の十分な利用を図る目的で1995年に制定、97年に施行された法律。

●牛肉の輸入規制解除
BSE対策の見直しで、2013年2月から輸入牛肉の規制が緩和された。
それまで生後20カ月以内に限定されていた米国やカナダ産牛肉に加え、輸入が禁止されていたフランスやオランダ産牛肉について、それぞれ30カ月以内であれば輸入できるようになった。
米国産牛肉の安定供給につながるこの規制緩和により、大幅な輸入量の増加が見込まれている。

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どんな仕事があるの?

経営企画
予算編成や業務管理、店舗開発、情報システム構築、人事管理など、会社全体の経営方針の策定や経営改善策の企画立案・推進を行う。

バイヤー
商品の発注・検品などを行う。仕入れではその店舗がある地域の土地柄や顧客の層を分析し、それに合った商品をそろえることが重要。

スーパーバイザー
店舗を巡回し、よりよい売り場作りやスタッフ教育など総合的なアドバイスを行う。

●ストアマネージャー
売場全体を管理するいわば責任者。商品管理や売上管理、店内のレイアウトの提案、販促用ディスプレイの企画、スタッフの育成や管理などを行う。

●販売
各売場での販売。担当売場で直接顧客と接し、顧客の望む商品やサービスを提供する。

コンビニエンスストア業界

2015年も売上高、店舗数、客数は好調を維持

買い物以外にも日常のあらゆる用事が済ませられるコンビニ。
ATMはもちろん、オンラインで注文した商品の受け取りや、新たにクリーニングの受付を始めるところも現れ、サービス内容は広がるばかりだ。

日本フランチャイズチェーン協会が正会員10社(2015年12月より9社)を対象に行った調査によると、2014年の消費税増税後のたばこなどの買い控えに対する反動があったことや経済の緩やかな回復基調などもあり、2015年年間売上高は前年比4.7%増の10兆1,927億円。初めて10兆円を超える結果となった。

また、客単価も全店ベースで前年比0.5%増の609.2円と増加、淹れたてコーヒーやカウンター商材、弁当や惣菜などの中食、デザートなどが好調に推移したことが客単価の増加につながったようだ。
その理由としては、単身世帯や有職女性の増加に伴う個食、簡単需要の増加、嗜好の多様化などをあげている。

また2015年12月末現在のコンビニの店舗数は5万3,544店。店舗数の伸びは前年比2.9%増(1,510店)で、大幅な増加となっている。
来店客数に関しても、年間を通じ、前年比プラスで推移。年間来店客数は167億3,089万人(前年比4.2%増)となった。

少子・高齢化に備える店作り

一人暮らしをする若者にとってコンビニは、住みよい生活環境として欠かすことのできないものとなっている。

しかし、少子高齢化が進む中、若者だけではない、中高年を含むすべての年代に受け入れられる工夫が不可欠であろう、と日本フランチャイズチェーン協会は述べている。

また、景気の低迷が続く中、価格を抑えたPB商品の充実や、定価販売が原則だったメーカー品の値下げ販売も行われるようになった。
大手コンビニはどこも独自のポイントが貯まるカードを発行して、客の囲い込みを図る一方、自然素材重視、生鮮食料品専門の店など、特徴のある店づくりで差別化に力を入れている。

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豆知識

食品流通における3分の1ルールが生み出す食品ロス

3分の1ルールとは、食品流通業界の商慣習で、食品の製造日から賞味期限までを3分割し、「納入期限は、製造日から3分の1の時点まで」「販売期限は、賞味期限の3分の2の時点まで」を限度とするもの。
食品流通過程で製造者(卸も含む)・販売者(小売り)・消費者が、食品の製造日から賞味期限までの期間を3分割して分け合おうと考え方がベースになっている。

例えば賞味期限が6カ月の場合、3分の1の2カ月目が販売者への納品期限、3分の2の4カ月目が消費者への販売期限となる。

つまり、製造から2か月以内で販売者に納品できなかったり、賞味期限まで2か月を切ってしまった商品は、賞味期限が残っているにもかかわらず大半が返品、破棄となる。
日本だけで、推計で年間500万〜800万トンもの食品ロスが発生していると言われている。
日本での年間の米の生産量が約800万トンであることを考えれば、莫大な量が破棄されていることになる。

政府をはじめ、食品メーカーや流通各社でも積極的にこの問題に取組んでおり、小売りへの納品段階で賞味期限の“3分の2残し”から“2分の1残し”へ緩和する動きもある。

また、賞味期限が間近となった食品食品衛生上問題がない規格外品はフードバンク活動などへ寄贈するといった活動も行われている。
一方で、消費者が賞味期限にこだわりすぎるという意識の変化こそが最も重要かもしれない。

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業界関連用語

●コンビニスイーツ
量が少なく手軽に買えるコンビニスイーツは、男性の購買が増えたことによって売上を伸ばしている。
今までスイーツを買うのが恥ずかしかった男性も、コンビニなら抵抗なく購入できるとあって、「今やコンビニでスイーツを購入するのは、半数以上が男性」と言われるほど。
各社とも包装や味などに工夫を凝らすなど、男性向けスイーツの開発に力を入れている。

●登録販売者制度
薬事法の一部改正により2009年6月から新たに始まった制度。
それまで医薬品の販売が可能なのは薬剤師のみだったが、登録販売者資格を取得すると、ドラッグストアなどで売られている一般用医薬品の第2類(解熱鎮痛薬、主な風邪薬など)と第3類(ビタミンB・C含有保健薬、主な消化薬など)の販売がコンビニエンスストアなどでも可能になった。

●コンビニいれたてコーヒー
コンビニエンスストアの店頭で購入できるコーヒー。
専用のマシンを使い、いれたての香りや味わいが低価格で楽しめると人気を集めている。
コンビニごとに、豆の種類や焙煎方法、ブレンドなどにもこだわっていて、すでに売上や収益に影響する規模にまで販売数は拡大している。
コンビニ同士はもちろん、コーヒーチェーン店やハンバーガーチェーン店なども巻き込んだ熱い戦いが繰り広げられている。

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どんな仕事があるの?

●経営指導(ストアインストラクター
店舗に合った品揃え、製造数の改善、衛生管理などを店長をはじめ、新入社員、パート、アルバイトに指導する。

●マーチャンダイザー(MD)
オリジナル商品を開発する。商品評価、テスト販売、販売戦略についての情報発信、販売効果の検証など、開発から販売までの流れを一貫して受け持つ。

●情報システム
データベース・ネットワーク構築、POSなど、チェーンストア運営のために必要不可欠な情報システムを管理・運営する。

スーパーバイザー(SV)
直営店の店長やスタッフ、およびフランチャイズオーナーに対し経営指導を行う。販売データ、顧客データを分析し、売り上げ増のための対策を練る。本部と加盟店とのパイプ役。

●店舗開発(RFC)
立地選定のため通行量や人口密度、顧客の層などを調査する。加盟店のオーナー候補者に店舗運営を説明し、新規出店契約を結ぶ。出店したい土地・建物の所有者や経営者に直接アプローチするのも仕事。

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