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業界研究

医療機関・調剤薬局

概要

医療業界には、病院や診療所などの医療機関、製薬会社、医薬品卸、医療機器メーカーなどがある。
また医療事務や入院患者給食、患者搬送、リネン・サプライなどの医療関連サービスも医療業界の仕事といえる。
調剤薬局・ドラッグストア業界では、病院で医師が処方する薬や大衆薬などの小売を行っている。

医療業界

年々増え続ける国民医療費

厚生労働省が2015年9月に発表した「平成26年度 医療費の動向〜概算医療費の年度集計結果〜」によれば、2014年度に病気やけがの治療のために医療機関に支払われた医療費は前年度比1.8%増で過去最高の39兆9,556億円。

増加率を診療種類別に見ると、入院1.7%、入院外1.3%、歯科2.9%、調剤2.3%となっている。

高齢化や医療技術の高度化が原因と厚生労働省では見ている。
一方、医療費抑制のために診療報酬の改定、薬価改定などもあって医療機関(病院、一般診療所、歯科)の経営が厳しくなっている。

病院、診療所、歯科いずれも減少傾向。病床は年間で1万以上減

診療報酬の引き下げや薬価引き下げなどの影響もあり、医療機関の競争は激化している。

毎月集計されている厚生労働省の「医療施設動態調査」によれば、2016年2月末時点で、全国の医療施設総数は17万8,303施設。そのうち病院が8,469施設、一般診療所が10万1,107施設、歯科が6万8,727施設となっている。

施設数は2015年2月より287施設増加しているが、病床数は減少傾向にあり、2016年2月は166万9,342病床と2015年2月より11,122病床の減少となった。
診療科目では、病院、一般診療所ともに小児科、産婦人科の減少が目立っている。

理由としては、小児科や産婦人科、救急医療部門では、当直明けも働く連続勤務が常態化する傾向にあり、現在の医師不足がこうした病院勤務医の長時間労働に拍車をかける事態を招いていることや、医療紛争になりやすい診療科であることがあげられる。

というのは、小児科や産婦人科は病状が急変しやすく、特に救急医療においては、既往症や妊娠中の状況などの情報が不十分ななか、その場で診断し治療を行わなければならないこともあり、患者や家族の願いとは相反する結果になることがあるからだ。

質の高い医療提供体制の構築を図ることを目的に成立した2016年度の診療報酬改定

診療報酬が改定され、2016年4月から新たな制度によるスタートとなった。

今回の改定では、『「病床の機能分化・連携」や「かかりつけ医機能」等の充実を図りつつ、「イノベーション」、「アウトカム」等を重視。地域で暮らす国民を中心とした、質が高く効率的な医療を実現。』することを基本的視点としている。

診療報酬は0.49%のプラスとなったが(医科プラス0.56%、歯科プラス0.61%、調剤プラス0.17%)、薬価(マイナス1.22%)や材料価格(マイナス0.11%)はマイナスとなっている。

また今回の改訂では、紹介状なしの大病院受診時の定額負担についても改定されており、特定機能病院及び一般病床500床以上の地域医療支援病院については、現行の選定療養の下で、定額の徴収が責務とされた。

初診については5,000円(歯科は3,000円)、再診については2,500円(歯科は1,500円)が最低徴収額となっている。
国としては最低金額を設定するにとどまり、より高額に設定するかどうかは、個々の病院の独自判断にゆだねられている。

ただし、緊急時に救急車で大きな病院に運ばれてしまった場合などや、がん検診などの結果により精密検査の指示を受けた場合などは、この負担は免除される。

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豆知識

「7対1」入院基本料(「7対1」看護体制)

入院時に医療保険から支払われる診療報酬は看護体制が手厚いほど多くなっている。

看護師1人が何人の患者に対応するかで、「15対1」、「13対1」、「10対1」、「7対1」の4種類の報酬区分があり、多くの看護師が必要となる「7対1」が最も高い入院基本料を報酬として請求できる。

そのため、現状では、「7対1」の病床数が最も多くなっている(厚生労働省「平成26年度診療報酬改定の概要」)。

ただし、単に看護師が多いだけでは「7対1」の診療報酬を得ることはできず、重症患者が一定割合以上、平均入院日数が定められた期間以内などの要件がある。

2014年の診療報酬改定で、この要件が厳格化されていたが、2016年の診療報酬改定でも一部が見直しされている。

「重症度、医療・看護必要度」の基準を満たす患者の割合を15%から25%に、 在宅復帰率の基準は75%から80%に見直すとともに、重症患者を受け入れている10対1病棟に対する評価を充実させている。

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業界関連用語

●民間救急サービス
正式には「民間患者等搬送事業」といい、緊急性の少ない人の入退院や通院、転院、社会福祉施設への送迎時などに移動手段を提供しているサービスで、いわゆる公的救急車の出動回数を緩和するために、今後ニーズが増大することが予想される。

●レセプトオンライン化
保険医療機関・調剤薬局と審査支払機関などをレセプトコンピュータ処理システムによって結び、診療報酬、調剤報酬の請求データ(レセプトデータ)をオンライン化すること。
メリットとしては、紙印刷が不要となり、レセプトの点数算定等が機械的にできるため、人的労力・経費の削減が可能である点。
また全国規模で診療行為や薬の使用状況、病名と行為の関係等が分析できるようになる、データが蓄積されることで診療報酬改定の根拠となる情報が集まりやすくなり、適した診療報酬改定が行われる等がある。

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どんな仕事があるの?

MR
医療情報担当者。薬の販売先である病院や卸会社に薬の正しい情報を伝える。また、販売先からの薬への要望や意見を取りまとめる。

●医療コーディネーター
病院などで患者とその家族のサポートを行う。カルテの情報や治療内容を患者にわかりやすく解説、さまざまな相談に乗り、アドバイスを行う。

●医療事務
医療機関での受付、カルテ管理、さらにカルテを元に保険点数を計算し、レセプト(診察報酬明細書)を作成する。

●介護福祉士
国家資格の1つで、専門知識と技術をもって、身体上または精神上の障害で日常生活を営むうえで支障がある人に対し、入浴、排せつ、食事そのほかの介護を行う。

●社会福祉士
国家資格の1つで、身体上、もしくは精神上に問題を抱えていたり、環境上の理由で日常生活を送ることが困難な人やその家族の相談に応じて、適切なサービスの利用を紹介、諸手続きを行い、福祉施設や病院などの調整を行う。

ホームヘルパー(訪問介護員)
各都道府県や政令指定都市、市区町村、専門学校、民間団体が実施している養成講習を受講して、介護保険法に基づいた研修講座を修了することで資格を取得できる。1級、2級、3級の3種類がある。

調剤薬局・ドラッグストア業界

後発医薬品調剤率が増加するも順調に拡大を続ける調剤薬局市場。

2015年9月に公表された厚生労働省の「調剤医療費(電算処理分)の動向〜平成26年度版〜」によれば、2014年度の調剤医療費(電算処理分に限る)は、前年度比2.3%増の7兆1,515億円。

処方せん1枚当たりの調剤医療費は前年度比0.5%増の8,899円だった。
その内訳は、技術料が1兆7,682 億円(前年度比1.8%増)、薬剤料が5 兆3,711億円(同2.4%増)、特定保険医療材料料が122億円(同3.6%増)で、薬剤料のうち後発医薬品は7,195 億円で前年度比19.9%増と大きく伸びた。

後発医薬品割合は、2015年3月末の段階で数量ベースが58.4%となっている。
年度平均では数量ベースが56.4%(前年度比8.4%増)、薬剤料ベースが13.4%(同2.0%増)、後発医薬品調剤率が60.8%(同5.8%増)と、着実に割合が向上している。
年々、調剤医療費は増加傾向にある。

また、2015年9月に公表された厚生労働省の「平成26年度医療費の動向」によれば、2014年度の国民医療費は39兆9,556億円でこちらも前年度より約0.7兆円(1.8%)増加しており、うち調剤医療費の占める割合は18.0%の7.2兆円となっている。

2009年の薬事法改正により、登録販売員がいれば、大型スーパー、コンビニエンスストアなどで第一類、第二類の一般用医薬品の販売が可能になり、調剤市場には総合商社、医薬品卸も本格的に参入してきた。

また、一般用医薬品のネット販売も解禁となり、今後、調剤薬局市場は、ドラッグストア市場とともに再編の動きをますます加速させていくと見られている。

生き残りをかけて質の高いサービス提供を目指す

多くの調剤薬局は、患者ごとの薬歴管理システムを整備している。このシステムによって、たとえば複数の病院にかかっている場合、それぞれで処方された薬が重複したり、危険な飲み合わせだったりするようなことが避けられるというメリットがある。
地域密着型の独立系調剤薬局は、今後、こうした質の高いサービスを提供することで、生き残りを図っていくと考えられる。

売上高は増加するも1店舗当たりの売上高は2年連続でマイナス

薬だけでなく日用品から食品までの幅広い商品を、低価格で販売しているドラッグストア。

ひとくちにドラッグストアと言っても、「薬局」として営業許可を得ているところもあれば、「一般販売業」で営業許可を得ているところもある。

日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)が発表した「2014年度日本のドラッグストア実態調査」によれば、2014年度のドラッグストア総店舗数は1万7,953店舗(前年度比390店舗増)、総売上高も6兆679億円(前年度比1.0%増)と、調査を開始した2000年度から14年連続でプラス成長が続いている。

商品別では、「医薬品」が1兆9,479億円と前年度比1.1%の増加、「日用雑貨」が1兆2,914億円(同1.0%増)と3年ぶりにプラスとなった一方で、「化粧品」は1兆3,260億円で前年度比0.1%のマイナスになった。

大手を中心に積極的な出店が続いているが、1店舗当たりの売上高は3億3,799万円(前年度比1.3%減)と2年連続でマイナス。
規模としては成長を続けているが、異業種も含めた企業間の競争は激しく、経営実態としては厳しさを増しているようだ。

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豆知識

女性を中心に人気が高まっている漢方

女性を中心に、免疫力向上や不定愁訴(頭が痛いとかイライラするとか気分がすぐれない異常があるにも関わらず、診察をしても原因となる特段の病気が見つからない状態)、不妊治療などで漢方薬を服用する人が増えている。

漢方は、中国で発達し、日本に伝わって以来、独自の発展をしてきた伝統医学で、西洋医学とは考え方が大きく異なる。
「病気を治すのではなく病人を治す」漢方では、病気を身体自体の不調ととらえ正しく整えることを目的としている。

また、人が本来持っている自然治癒力を高めることに重点を置いている。
漢方で使われる漢方薬では、複数の生薬を決められた分量で組み合わせて使う。

たとえば、葛湯と生姜湯はそれぞれ風邪気味のときに飲めば効果があることは知られているが、両方が配合された葛根湯(実際は7種類の生薬が配合されている)は、風邪に対してそれぞれを飲むときよりも大きな効果を示す。

また、生薬を組み合わせて作るので、複数の症状に効果を発揮するものもあるのが特長だ。

なお、漢方薬の原料生薬(希少植物という意味でレアプラントと呼ばれている)の多くは中国からの輸入でまかなわれている。
近年、資源保護などを理由に生産や輸出を規制する動きもあり、供給面での不安定さをかかえている。
そのため、国内企業でも原料生薬栽培の研究が活発化している。

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業界関連用語

●一般用医薬品のネット販売解禁
薬品には医療用医薬品(処方箋が必要な薬で対面販売のみ)と一般用医薬品(大衆薬)がある。
一般用医薬品は、薬局やドラッグストアで販売されており、リスクに応じて第一類から第三類まで3つに分類されている。

従来は、リスクが高いとして、厚生労働省が第一類と第二類のネット販売を禁止していたが、2013年1月に「ネット販売規制は違法」との最高裁判決が下されたこと、安倍内閣が成長戦略の1つとして一般用医薬品のネット販売の解禁を掲げたこともあって、多くの会社が一般用医薬品のネット販売市場に参入した。

一部の医薬品については、要指導医薬品としてネット販売ができないが、横ばいが続いている一般用医療品市場にとって販路の広がりは、市場拡大の起爆剤として期待されている。


●ジェネリック医薬品(後発医薬品
新薬には特許期間があるが、それが終了した後、新薬と有効成分や効能・効果、用法・用量が同じであり、しかも新薬に比べて低価格で売られるのがジェネリック医薬品

2010年前後に大型主力品の特許が相次いで切れたため、業界では「2010年問題」と言われた。


●スイッチOTC
医師の処方箋によらなければ使用できなかった医療用医薬品の中から、使用実績があり、副作用が少ないなどの要件を満たした医薬品を処方箋なしで購入できるよう一般用医薬品に変更したものをスイッチOTC薬という。
医師からの処方の場合も、処方箋なしで購入した場合も薬の内容・効果に違いはない。


●セルフメディケーション
WHOの定義では、「自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調(minor ailments)は自分で手当てすること」となっている。
今後は疾病の予防・未病改善が重要とされる。

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どんな仕事があるの?

薬剤師
医療機関や調剤薬局などで、処方箋に基づき薬の調合や服薬指導などを行う。大学の薬学部などで6年間の課程を終え、国家試験に合格する必要がある。

●調剤事務
調剤薬局での受付会計業務、薬剤師の調剤補助を行う。薬歴管理や薬品在庫管理も行う。

●登録販売者
2006年の薬事法改正(2009年6月施行)で新しく設置された資格。薬局やドラッグストアで一般医薬品の95%を占める第2類および第3類医薬品を販売する際に必要となる。高校卒業以上で実務経験1年以上などを満たせば受験資格がある。

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