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業界研究

マスコミ(放送・新聞)

概要

「ありとあらゆる情報を大勢の人に一度に伝達する」のがマスコミュニケーション、略してマスコミ。主なマスメディアに「新聞」「放送」「出版」「広告」がある。どの業界もインターネットや携帯電話といった後発メディアの発達に大きな影響を受けており、それらと上手に共存できるかどうかが、生き残りのカギと言っても過言ではないだろう。

新聞業界

購読率も1世帯当たり部数も減少するなか、ネットとの共存を図る

新聞は「全国紙」「地方紙」「スポーツ紙」「業界紙」の4つに大別される。

一般社団法人日本新聞協会の調査データによれば、2015年の一般紙とスポーツ紙を合わせた合計発行部数は前年比97.5%の4,424万6,688部となった。

2007年までは1部を超えていた1世帯当たり部数も年々減ってきており、2015年は0.80部と前年の0.83部からさらにマイナスとなっている。
何らかのメディアでニュースに接する人は多くても、新聞を読む人は減っているというのが現実のようだ。

紙としての新聞をめぐる環境が厳しくなるなか、「持ち運び性」「一覧性」というメリットを強調しつつ、各社インターネットとの共存を図って生き残りへ懸命だ。

紙でもネットでも読める新しい購読スタイルも

新聞各社では、それぞれにWebサイトを持ち、紙面との棲み分けによる共存を図っている。

日本新聞協会が2015年4月に新聞・通信各社のデジタルサービス提供状況を調査したところ、本紙購読者向けデジタルサービスを提供しているところは18社、電子新聞および有料デジタルサービス(本紙購読者向けデジタルサービス以外のサービス)を提供しているところは30社となった。
また、PC向けにWebで情報を提供しているところは87社あった。

さらに、スマートフォンやタブレット端末の普及により、こうした機器への情報提供も進んでおり、スマートフォンへ情報を提供しているところは69社だった。
スマートフォンやタブレット端末では、専用アプリでの展開も進んでおり、スマホ専用アプリで情報提供するところは33社となっている。

内閣府の「消費動向調査」によれば、2016年3月末のスマートフォンの普及率は67.4%と高く、今後はさらにサービスの拡大、増加によって市場は広がっていくと予想される。

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豆知識

「3Bの法則」と「カリギュラ効果」

広告や記事などの注目率や閲読率を高めるのに効果的な手段として有名なのが「3Bの法則」と「カリギュラ効果」。

「3Bの法則」とは、広告などに「Beauty:美女」・「Baby:赤ちゃん」・「Beast:動物」を使うと目を引きやすく、また好感を持たれやすいという法則。

一方の「カリギュラ効果」とは、情報の閲覧や接触を禁止されると、かえって見たくなるという心理のこと。
ローマ皇帝のカリギュラ(カリグラ)をテーマにしたアメリカ映画「カリギュラ」の内容があまりにも過激なため、各地で上映禁止になり、かえって話題になったことにちなんでいる。

顔などにあえてモザイクをかける、雑誌の袋とじ、「本当に興味がある人以外は買わないでください」などのキャッチコピーも、「カリギュラ効果」を狙ったものだ。

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業界関連用語

通信
情報を自ら発信するのではなく、新聞社や放送局などのマスコミ、あるいは民間企業の求めに応じて提供する会社。
特に独自に支局(特に海外)を持つことのできない地方紙では通信社提供のニュースに頼る割合が大きい。
組織としては、営利を目的とした会社法人、複数のマスコミの共同出資による組合法人、半国営企業的なものの3つに大別される。

●業界紙
たとえば金融、証券、各種工業、観光など特定の業界に限定した情報を提供する新聞。
平日のみの日刊、週刊など発行形態はさまざま。一部宅配やキオスクなどで販売されるものもあり、ほとんどは定期購読。

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どんな仕事があるの?

記者
政治・事件や社会現象、街ダネなどを取材し、記事を執筆する。日夜を問わないハードな職場だけに機動力と体力が求められる。

●校正・校閲
記事に誤字・脱字がないかをチェックする「校正」と、事実関係の誤り、表現の適切さなどのチェックなどを行う「校閲」がある。

●技術
新聞製作のためのコンピュータシステムの開発、保守・管理を行う。紙面に使う原稿や写真などのデータを印刷工場へ送る。

営業
広告代理店と連携し、収益源となる広告を募集。自社が発行する新聞・雑誌に掲載する。

●販売
販売政策を企画・立案し、実行する。また、全国の販売店と連携し、購読者獲得を目指す。

●事業
展覧会や博覧会、舞台公演など、文化事業やイベントを企画・運営する。

放送業界

テレビはハイビジョンから4K/8Kへ

従来のアナログ放送は、高画質・高音質の映像と音声が楽しめるフルハイビジョンの地上デジタル放送へ、2011年度末をもって完全移行となった。

また、ケーブルテレビについても、2015年4月30日までにデジアナ変換サービス(地上デジタル放送をアナログに変換し、従来のアナログテレビでも地上デジタル放送が視聴できるサービス)はすべて終了した。

さらに、テレビの主流は地上デジタル放送が提供しているフルハイビジョンから、さらに高画質な映像や高音質の音声が楽しめる4Kや8Kに移行しつつある。

*4Kはフルハイビジョン(2K)の4倍の画素数を持つ映像で、大画面テレビでもきめ細やかな映像の再生が可能。8Kは4Kの4倍、フルハイビジョンの16倍の画素数を持つ映像で、4Kよりもさらに高画質となっている。
2016年8月から、BS17chを利用した4K/8K試験放送が行われる。

2015年の総広告費はほぼ横ばいの6兆1,710億円

電通が発表した「2015年日本の広告費」によれば、2015年の総広告費は前年比100.3%の6兆1,710億円。
うち、テレビメディア広告費(地上波テレビ+衛星メディア関連)は、
同98.8%の1兆9,323億円となった。

地上波テレビは、前年比98.6%の1兆8,088億円で4年ぶりに前年を下回った。
経済環境の先行き不透明感から出稿を手控える動きやあったことや、前年の大型スポーツイベントの反動が大きな理由。

2015年も、「2015年世界水泳選手権」や「2015年世界陸上競技選手権大会」、「世界野球プレミア12」などのスポーツイベントが続いたが、前年の「ソチオリンピック2014」や「2014年FIFAワールドカップブラジル大会」といった超大型番組の反動減が大きかった。

衛星メディア関連は、前年比101.5%の1,235億円。番組編成が多様化したこともあり、さまざまな企業による出稿が増えたことで、年間を通じて堅調に推移しプラスとなった。

ネットを中心とした通信との融合が進む

放送開始から50年が経過。インターネットがテレビに次ぐ第2のメディアへと成長し、否応なしに新時代に突入したテレビ業界。

そんな状況の中、各局とも動画ポータルサイトの運営、ワンセグ放送の開始、番組で紹介した食品やグッズの通販(テレビショッピング)などに力を入れている。

また、テレビ局にとっての強みは過去の膨大なアーカイブ。人気のあった番組の数々はもちろん、放送が終わったばかりのドラマなどもオンデマンドで有料配信するサービスなど、ネットを中心とした通信事業との融合が進んでいる。

ラジオ業界でも広がるネット配信

ネットとの融合が進むのはラジオ業界も例外ではない。

全国のラジオ放送事業者が新たに制作した音声コンテンツや過去に放送された番組を有料で配信するサイトがオープンしている。
全国を対象に配信できるので、たとえば東京に転勤してきた地方出身者が、地方のラジオ番組を聞くことができる。

また、2010年から在京・在阪の民間ラジオ局と電通の計14社で「株式会社radiko」を設立し、日本のラジオ放送をインターネットで同時にサイマル配信(ライブストリーミング)する、IPサイマルラジオ(Internet Protocol simulcast radio)サービスをスタートした。
2016年5月9日よりKRY山口放送が配信を開始。全部で83のラジオ局が参加している。

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豆知識

放送局の経営に大きく影響する「視聴率」の測定方法

視聴率とは、テレビ番組やCMがどれくらいの世帯や人々に見られているかを示す指標のこと。
視聴率データは、広告効果を測る重要な指標になるだけでなく、番組制作や編成にも役立っている。

視聴率には、テレビ所有世帯のうち何世帯がテレビをつけていたかを示す「世帯視聴率」と、4歳以上の家族で誰がどれくらいテレビを視聴していたかを示す「個人視聴率」があり、一般的に「視聴率」という場合は「世帯視聴率」のこと。

こうした「視聴率」を調査するには、「PM(ピープルメーター)システム」、「オンラインメーターシステム」、「アンケート」の3種類の方法がある。

「PMシステム」とは、家庭内に「PM」を設置し測定する方法。「PM」には世帯内の個人それぞれのボタンがあり、視聴の開始時と終了時にボタンを押すことで視聴を登録、1日分の視聴データはオンラインで送られ集計される。

「オンラインメーターシステム」は、ボタンを押すことなく1日分の視聴データが蓄積され集計されるシステム。

「アンケート」は、日記式の調査票に1週間分の視聴番組を記録し、調査員が回収して集計するというもので、現在では行われていない。

国内では、かつては「ニールセン」と「ビデオリサーチ」の2社が視聴率データを提供していたが、今では「ビデオリサーチ」だけになっている。

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業界関連用語

●IPサイマルラジオ
ラジオの地上アナログ放送と同時に、インターネットなどのIPネットワークを通してサイマル配信(2つ以上の媒体で同時に配信)すること。
ネットに接続できるPCやスマートフォンがあればラジオの受信機がなくても、専用のサイトにアクセスするだけで、チューニングに手間取ったりすることなく、常に安定した音質で聴くことができる。

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どんな仕事があるの?

●編成
番組企画や放送中に入るCMの本数を決定したり、放送のタイムテーブルなどを作成する。

●ディレクター
いわば“現場監督”。番組の構成や演出、スケジュールなどすべてを指揮、監督する。

●プロデューサー
番組を制作する際の全体の責任者。予算を決定し、スタッフを管理するなど、管理職的な面を持つ。

●アシスタントディレクター
文字通り、ディレクターの助手を務める。スタッフ・出演者の弁当の手配や出演者の世話など雑用を一手に引き受ける。

●技術
カメラマン、照明、編集など、番組製作現場のスペシャリスト。それぞれの専門知識や経験、センスなどが問われる。

営業
民放の収入源であるCMを確保するため、スポンサーとなる企業に番組やCM枠をセールスする。

アナウンサー
ニュースキャスター、番組の司会、スポーツの実況中継などに携わる。一見華やかだがあくまでも放送局の社員であるため、デスクワークも多い。

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