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ホテル業界の規模や歴史、特色

ホテルって何軒くらいあるの?

就職活動を控えた学生の皆さんに、ホテル業界をコンパクトにご案内するこのコーナー。第1回は、業界の概要を簡単にご紹介します。ホテル業界は2020年の東京オリンピック開催を控え、新規開業、リニューアルのラッシュが続いています。最近では訪日観光客の増加により、ホテルなどの宿泊先不足がニュースでも話題になっています。

では、日本にはホテルはいったい何軒くらいあるのでしょうか? 厚生労働省の発表によると、2015年度末のホテルの軒数は9,967軒。8,363軒だった2001年度から1,604軒、約19%増えています。一方の旅館は4万0661軒。2001年度に6万3,388軒あったのが、15年間で2万2,7272軒、約36%減っていることになります。ホテルは2012年度で若干減ったものの、15年のスパンで見れば増え続けて現在1万軒弱、旅館は減り続けて4万軒弱ということを頭の隅に置いておいていただければと思います。

厚生労働省 衛生行政報告例

日本のホテル業界の歩み

続いて、歴史を振り返ってみましょう。日本最古のホテルは、1868年(明治元年)に開業した築地ホテル館と言われています。また、明治維新とともに開国して外国人が日本にやってくるようになった明治時代初期に開業したホテルには、日光金谷ホテル(1873年)や富士屋ホテル(1878年)、万平ホテル(1894年)、奈良ホテル(1909年)、東京ステーションホテル(1915年、2012年リニューアルオープンして話題に)などがありますが、ホテルが“業界”と呼ばれるまでに増えていったのは、このころから何十年もあと、1964年に開催した東京オリンピックの頃です。東京ヒルトン、ホテルオークラ、銀座東急ホテル、パレスホテル、ホテルニュージャパン、ホテルニューオータニなど、日本を代表するホテルが次々に誕生しました。その後、日本の高度経済成長とともに、ホテルの軒数は増えていったのです。

バブル経済時の高級志向を受けて、1990年代前半にはパークハイアット東京など、続々と高級外資系国際ホテルチェーンのブランドを冠するホテルが誕生。2005年から2007年には、マンダリンオリエンタル東京、ザ・ペニンシュラ東京などが開業し、第2次外資系ホテル開業ラッシュと呼ばれました。2014年から2016年は第3次開業ラッシュとなり、ザ・リッツ・カールトン京都、大阪マリオット都ホテル、ヒルトン沖縄北谷など東京以外の地方にも外資系ホテルが続々とオープンしました。

2000年代は、高級ホテルのみだけではなく、日本社会の成熟化にともない宿泊ニーズの多様化が進み、宿泊特化型ホテル(いわゆるビジネスホテル)やリゾートホテル、会員制ホテルなども増えていったのです。ホテルというと、「高級」「非日常」の代名詞というイメージがありますが、今では、そういった高級テイスト、ラグジュアリーといった流行をけん引するホテルも数多くある一方で、ビジネスマンを対象とした、自宅以外で宿泊するインフラという存在に特化した業態もあります。また東京オリンピックを受け、不足する宿泊施設を補うため“民泊”の規制緩和が進められており、今後さらに宿泊業界は多様化していくことが考えられます。

ホテル業界の特徴

ホテル業界は、実は非常に複雑で、業界の外から見ただけでは分かりづらい構造になっています。その理由は、ホテル業が、不動産業とサービス業の両方を併せ持つ事業だからです。

一般的に、ホテルはサービス業としてとらえられていますが、土地と建物がないと始まらない事業であるため、不動産業でもあります。「不動産にサービスという付加価値をつけて一日単位で空間を販売している」事業なのです。そしてこのことが、ホテル業界を構造的にとらえることを難しくしています。

運営受委託契約という契約形態で運営されているホテル(ウェスティンホテル東京やコンラッド東京といった外資系ホテルに多い)は、3つの企業が絡みつつ経営・運営されていることはご存じでしょうか。不動産を所有するオーナー企業、経営を管理する経営会社、そして、ホテルの運営を行う運営会社の3社です。帝国ホテルやホテルニューオータニのように、この3つの機能をすべて一社で行っている直営ホテルももちろんありますが、不動産所有企業がホテル運営をプロに託すやり方は、現在では多くのホテルで取り入れられているのです。

運営受委託契約のホテルにおいては、大半のホテルスタッフが帰属するのは経営会社になります。よって「外資系ホテルブランドのホテルで働く」と言っても、実際に就職したのは日系企業のホテル子会社だった、ということもざらにあります。ホテル業界を志望する場合、自分が将来やりたいことによって就職するホテルや企業が変わってくるため、業界研究はちゃんと行った方が良いでしょう。

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