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【後編】最大のピンチ、やりがい、メッセージ

ホテル×ブライダル

サービス業に就きたいと考える学生に人気のあるホテルとブライダル業界。外から見ていると、「きれいで高級感のある場所で働く華やかな仕事」という印象があるが、果たしてその実態は!?  業界をよく知る二人に本音を語ってもらった。

profile

川崎竜彦さん(仮名)
外資系高級ホテルに勤めて8年。ホテル内で最も格式のあるメインダイニングでギャルソンを務めている

黒田恵美子さん(仮名)
大学を卒業して、新卒で都内有名結婚式場に就職。2013年3月までウエディング・プランナーとして活躍。現在はブライダル業界専門の出版社に勤務

それぞれの業界の、仕事の大変さってなんでしょう? また、今までの最大のピンチは?

川崎(敬称略) どんな状況下でも、ゲストを楽しませる心を維持することだと思います。イレギュラー対応力といいますか、裏で何が起ころうがホールの現場では何もなかったように振る舞わなくてはいけません。たとえ休憩できなくても、体調がすぐれなくても、それをお客さまの前では出さない精神力が必要です。

こんなことがありました。入社4年目のクリスマス、12月25日のお昼のことでした。11時半にランチ営業をオープンするのですが、フロアの入り口に50名のお客さまがオープンをお待ちになっていらして。何かの手違いで50名分オーバーブッキングしてしまったらしいのです。「川崎、なんとかしろ」とマネジャーに言われ、10分くらいで対処法を考えました。結局、個室ともう一つのエリアを開けて、ほかの部署から2人ヘルプをもらい、午後出勤のスタッフも昼から出勤させて乗り切りましたが、あのときは最大のピンチでしたね(笑)。

黒田 私の最大のピンチは、一年目にして訴えられそうになった経験です(苦笑)。写真撮影のスポットがあるのですが、そこはどうしても花嫁がバッティングしてしまうんです。それは新規接客の打ち合わせのときにお客さまに伝えていたのですが、打ち合わせが進んだとき「ここ、さっき見たら花嫁さんが何組かいたんですけど、バッティングしませんよね?」と聞かれまして。「いえ、ここはバッティングしてしまうんです」とお答えしたら、お客さまが「それは聞いてない。詐欺だ」とお怒りになってしまわれたんです。式は3カ月後だったのですが、その3カ月間はずっと「訴えられちゃう!」と不安で仕方ありませんでしたね。当日は、ほかの部署のみんなや、部長にも協力してもらい、なんとかバッティングすることなく事なきを得ましたが。

「この仕事をやっていてよかった」と感じるのはどんなときですか?

川崎 シンプルに、お客さまが満面の笑みで「ありがとう。美味しかったよ」と言ってくださることです。「あなたの接客が料理の魅力を引き出しているのよ」「料理だけじゃ満足しない。あなたの接客がよかったのよ」って言ってもらえたときは、大きな自信につながりましたね。また、最近ですと、実習生が僕の接客を見て、「レストランサービスには正直あまり興味なかったのですが、川崎さんのように僕もなりたいです」って言われたときは、「ああ、やっててよかった」と心から思いました。

黒田 ある時、弟さんとお姉さんがお二人で来館されました。その日は私が一生懸命説明したのですが、成約されずにお帰りになったんです。ところが、一年半後にその時のお姉さんから電話をいただいたんです。そのお姉さんはこんなことをお話されました。
「実は、あのとき一緒にお邪魔した弟は亡くなりました。私は、本当は結婚式を挙げたくなかったのですが、弟がやりなよってずっと背中を押してくれていたんです。亡くなった後手紙が出てきました。そこには、『結婚式しなよ。黒田さんは二人のことを思ってくれるプランナーさんだから、必ず黒田さんに担当してもらってね』って書いてあったんです」

大事な手紙に私の名前が書き記されていたということに驚きつつ、弟さんの想いを少しでも汲んで差し上げられて、本当に良かったと感じました。

入社後に驚いたことや、初めて知ったことなどはありますか?

川崎 働いてみて初めて知ったことは、シンプルな作業にもプロフェッショナルの意識を持つ大切さでしょうか。ギャルソンって、ある意味「使い走り」だと思っているんです。料理を運んだり、ドリンクを作ったりすることは小学生でもできることです。そのシンプルな作業に、いかに価値を与えられるか。そうでなければギャルソンを置く意味がありません。シェフが作った料理を無事に届ける。運び方とか置き方。たとえ4枚、10枚同時に運ぼうが、そのままの状態で完璧に出せるかとか、単純に「運ぶ」という作業でも、しっかり考えないと務まらないんです。

黒田 ちょっと極端な例ですが、なかには新郎新婦に対する愚痴を言ってしまうプランナーもいます。結婚式という幸せな門出を演出したいというキラキラした思いで業界に入った新人が、先輩のこういう愚痴を耳にするのはショックなことだと思います。ただそれは、会場によって違うんですよね。もちろん、まったくお客さまの愚痴を言わない式場もありますし。そういった式場は皆さんの想像により近いものがあるのではないでしょうか。余裕のある環境、ない環境、その違いかも知れませんね。

最後に、ホテル業界、ブライダル業界を目指す学生さんにメッセージをお願いします。

川崎 ホテル業界を目指されている方には、まず色んなホテルを見ることをオススメします。流れている雰囲気や、接客の様子など、ホテルによって異なりますから。その中で自分の居心地の良さを確かめて志望先を選択するのが良いと思います。可能であれば、ホテルのレストランなどで実際に食事をしてみてはいかがでしょうか。ホテルで働くというのは、大変ですが、素晴らしい仕事ですよ! 頑張ってくださいね!

黒田 業界研究はした方が良いですね。企業選びの際「いいな」と思うところは、ぜひ実際に見に行ってみてください。また、川崎さんと同じになってしまいますが、自分の居心地のよさは大切です。あとは「自分のことを勉強する」こと。自分は何が楽しくて、何が悲しいのか、どんなことで心が動くのか…それはブライダル業界に入って、お客さまに接するときに活きてくると思います。みなさんの就活がうまくいくことを願っています!

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