アビームコンサルティング株式会社

アビームコンサルティング株式会社
代表取締役社長

山田 貴博

山田 貴博写真

徳島県出身。外資系コンサルティングファームでの経験を経て、2003年にアビームコンサルティングに入社。2023年に同社代表取締役社長CEOに就任。

バレーボールが教えてくれた「チーム」で戦う魅力。

教師の一言を機に、学業と部活動の両立に挑戦

「有名大学へ行きたいなら、部活動はやめておけ」
高校の入学式後のホームルームで担任に言われたその言葉が、今でも忘れられない。きっと部活動と受験勉強を両立することの難しさを身に沁みて理解しているがゆえの発言だったのだろう。
だけど、その言葉が、逆に挑戦心に火をつけた。そんなに難しいなら、あえて挑戦してやろう。そう決意した瞬間から、学業と部活動に没頭する日々が始まった。

専門性の結集が生み出す力

小学校入学から受験勉強を繰り返し、スポーツは剣道、陸上、水泳等の個人競技に取り組んだ。しかし、バレーボールには勉強や個人競技にはない魅力があった。勉強や個人競技は自分一人の勝負。それ以上でも、それ以下でもない。一方で、バレーボールは団体競技。それぞれに役割を担ったメンバーたちが力を合わせて勝負をする。
チームプレーの面白いところは、個々の専門性を持ち寄って挑むことで、ある瞬間に、化学反応にも近い絶大なパワーが発揮されることだ。必ずしも全ての運動能力が高いメンバーばかりでなくとも、専門性を結集させれば、個々の運動能力では敵わない相手に勝つことができる。
この気づきを得てからは、ますますバレーボールに没頭した。勉強も大事だが、バレーボールも諦めたくない。進学校であるがゆえに同級生には勉強に専念する生徒も多かったが、結局、高三の総体まで部活動を全うした。

仕事にも活きた「共創精神」

社会人になって数年が経ち、自分がチームマネジメントをする立場になると、バレーボールの経験が仕事にも活きていると感じることが多くなった。個々が専門性を持ってそれぞれの役割を果たすことで、チームの力が最大化される。しかし、一人ひとりの役割を果たすだけでは足りない。
例えば、セッターがファーストタッチした場合、誰が代わりにトスをあげるか、事前に決めた役割と状況に応じて瞬時に判断して動くといったように、本来の役割から一歩踏み出してカバーする柔軟性も大切。この“共創”精神は、お客さま、コンサルタントという垣根を超えて、同じゴールに向かってチームとして共に進んでいくという、アビームコンサルティングの姿勢にもつながっている。高校時代、ただ強くなりたいと没頭していたバレーボール。当時、夢中になった経験が、はからずして今の自分を支え、マネジメントスタイルを創っている。
30代後半になってから、長らく離れていたバレーボールを再開した。忙しい仕事の合間を縫って、練習やトレーニングに励む日々。チームメイトたちと汗を流していると、あの頃の想いが今でも蘇ってくる。

学生への応援メッセージ

私たちの仕事は、変革をリードし、お客さまと共に新たな価値を創造することです。人の行動変容を促すためには、何らかの専門性や、他の人に負けない強みが必要となってきます。だからこそ、学生時代は様々なことに没頭して、その経験を強みにしてください。どんな経験でもかまいません。大事なのは経験を経験で終わらせないこと。今は、将来の役に立つかわからないことでもいい。一生懸命、全力で没頭した経験は、必ず社会人になって活きてきます。