
テーマ解説
インタビュー

世の中の「不」を解消するために、ファンケルがこれから取り組むべき、新しい製品・サービスを考えてください
株式会社ファンケル
西田 佳菜子さん
浪江 優花さん
不安、不満、不便、不健康に不快感……。“不”が付く言葉って、マイナスなイメージの言葉が多いですよね。そんな、生活の至るところに潜む「“不”を解消する」ことを理念として掲げている企業があります。それが、無添加化粧品事業やサプリメントなどの健康食品事業などを展開する株式会社ファンケル。創業当時からの変わらない理念を掲げ、人を大切にしながら、常にまっすぐな気持ちで、失敗を恐れず世の中の「不」に挑み続けています。今回は、ファンケルで人事を担当する西田さんと浪江さんのお二人に、テーマの意図やそれに込めた想い、課題の考え方のヒントなどをお聞きしました。
お客様視点とチャレンジ精神が、ファンケルらしさ。

───ファンケルという会社について、改めて教えてください。
浪江さん
今でこそ、無添加化粧品と健康食品という2つの事業を軸に、様々な事業を展開していますが、元々は創業者の池森が「妻の肌悩みを解決したい」と無添加化粧品をつくったところから、ファンケルはスタートしました。1970年代は、池森の妻だけでなく添加物を使った化粧品の皮膚トラブルに悩む女性が多く、「化粧品公害」という社会問題にまでなっていたほどです。「きれいになるための化粧品で女性が苦しむのはおかしい」と池森が無添加化粧品を製造して販売したところ、多くの肌悩みを抱える女性からの支持をいただきました。
池森が当時の女性の「不安」を解消したように、
“世の中にある「不」を解消すること”は、創業当時からファンケルが大切にしている理念です。
───なるほど、その理念が今回の課題テーマにも通じているのですね。西田さん、浪江さんのお二人が普段働いていて「ファンケルらしさ」を感じる部分って、どんなところでしょうか?
浪江さん 私が思うのは、従業員全員が「お客様視点」をすごく意識しながら働いていることですね。お客様との繋がりが強い会社でもありますし、日々働く中で従業員同士が相手の立場になって考えていると感じる場面も、多くあります。実際、社内の会議でも「それ、ちゃんとお客様の視点で考えている?」といった発言が本当によく出てきます。元々、肌にお悩みを持つ方の「不」を解消したいという思いからスタートしているので、「困った人」や「悩んでいる人」の気持ちをプラスに変えていくような、サービスや製品を提案していくのがファンケルらしさなのかなぁと思っています。
西田さん お客様もそうですし、自然と従業員同士も相手に寄り添って仕事をしている人が多いですよね。もう一つ私から挙げるとすれば、経営理念にもある通り、みんなが常に「もっと何かできることがあるのではないか」という視点を持っていることですね。その言葉の意味って、ファンケルとして世の中の「不」に挑み続ける中で、自分たちの限界を決めずにチャレンジ精神を持つことだと思うんです。時代ごとに出てくる新しい「不」を解決する方法は、決して一つではありません。絶えず、その解決方法の可能性を探っていく気持ちや、新しいことに挑戦していく姿勢が、ファンケルにはあるんじゃないかな、と思っています。
自分事で考えられる「不」を探してほしい。

───今回のテーマ設定の背景を教えてください。
浪江さん 社内でも新規事業本部という事業部があり、「ファンケルにできることってもっとあるよね!」という思いで、新規事業開発も進めているんですが、従業員が考えるとどうしても既存事業からの派生で考えてしまうことが、課題を感じている部分なんです。多くのことが変わっていく時代の中で、ファンケルにしかできないこと、やるべき事業が、まだまだあるんじゃないか。それを、従業員の視点ではなく、学生のみなさんの視点で考えてもらいたいと思い、期待を込めてこのテーマにしました。
───課題を考える上で、学生のみなさんにどんなことを大事にしてもらいたいですか?
浪江さん
まずは身近な人や大切な人、あるいは自分が抱えている「不」は、どんなことがあるのか探してもらえたらいいなと思います。ファンケル自体が、「大切な人の悩みを解決したい」という創業者の想いから始まっているので、みなさんにもぜひ、周りや自分自身と向き合ってみて、自分事で考えられる「不」を見つけて、その解決方法を考えていただけたら、嬉しいですね。
───御社の中にも、自分が抱えている「不」からアイデアを出す従業員さんもいらっしゃるんですか?
西田さん
それで言うと、実は今回みなさんにお願いする課題と同じことを「アイデアコンテスト」として、1年に1回社内で開催しています。2名以上で他部署の従業員とチームを組むことが参加条件で、多くの社員が参加しています。その中で入賞して先日実現まで進んだのは、まさにみずからの悩みを解決するアイデアでした。
───どんなアイデアだったんでしょう?
西田さん
アイデアを出したのが子どもを持つ従業員のチームだったんですが、それが「従業員食堂で夕飯用のお惣菜を販売する」というアイデアだったんですね。しかもそのアイデアが良かったのは「お弁当」にはせず、「お惣菜だけ」を販売するところ。なんとなく全部を買って済ませてしまうことに罪悪感があるという従業員の気持ちを汲んで、ご飯やお味噌汁は用意してもらう余地をつくったんですね。
───すごくいい取り組みですね! そのアイデアは社内向けのものですが、今回の課題のテーマを考えるにあたっても何かヒントにありそうです。
西田さん そうですね。そのアイデアも、自分事の悩みだからこそ、はっきりとみんなに説明もできるし、自然と熱もこもって、多くの方の共感を得やすくなるのではないかと思います。学生のみなさんにもぜひそこは大事にしてもらいたい部分ですね。
周囲に共感してもらえるかは、「お客様視点」を確かめるバロメーター。
───今回、挙げていただいた5つの審査項目のうち、とくに重視している項目はありますか?
浪江さん 冒頭でもお話した「お客様視点」はすごく大事に考えているので、審査項目としても一番最初に持ってきました。やっぱりこの視点が前提というか、ベースにないとファンケルらしさを失ってしまう感じがしています。それは、もちろんアイデア自体に「お客様視点があるか」もそうですし、プレゼンをしたときに「聞く人の気持ちに立っているか」という視点もそう。私が学生の時には「お客様視点」について考えることはありませんでしたが、課題を通じて学生のみなさんにその視点を考えてもらうことは、きっと就活のときにも役に立つのではないかと思います。
───本当に強く、社内に「お客様視点」が根付いているんですね。
西田さん 私自身、入社して10年以上になりますが、「お客様との絆を大事にしよう」というファンケルのスピリットは、随所に感じますね。例えば、窓口や販売店舗から上がってきたお客様の声を全従業員がいつでも見られる「ヤッホーシステム」というシステムがあるんですが、みんな、それを定期的に確認しながら、業務に活かしているんですよ。人事部でも、販売スタッフでも、研究職でも。それに加えて、対面、オンライン両方でイベントも頻繁に開催しているので、お客様と密にコミュニケーションを取る機会を増やす努力は、絶えずしていると思います。
───学生のみなさんが課題に取り組むにあたって、「お客様視点」に立つために具体的なアドバイスはありますか?
西田さん
アイデアを出してみたら、ぜひ周りの人たちにもヒアリングして、「共感が得られるかどうか」を確かめてみてほしいです。例えば、先ほどのアイデアコンテストで入賞した「社食でお惣菜を販売する」というアイデアで言えば、子どもを持つ従業員たちが「夕飯の準備に困っている」というのは、社内では誰も口に出していない隠れたお悩みだったんです。言われてみれば「助かるかも!」みたいな。
実は社会って、そういう“隠れたお悩み”がたくさんあると思うんです。アイデアを出した従業員も、最初の出発点は自分事だけど、多くの従業員にヒアリングを重ねて共感してもらうことでアイデアを固めていったので、それは今回の課題でも役立つ手法かな、と思います。
失敗を恐れずにチャレンジしてほしい。

───1点気になったんですが、ファンケルさんは割と女性従業員の方が多くて、アイデアも自然と女性寄りのものが多い気がするんですが、課題に関して、男性側のアイデアというのもアリなんですか?
西田さん もちろんです。男性の健康や美容にも多くの「不」が潜んでいると思いますし、男性用の脱毛や化粧品は今、拡大しつつある分野ですよね。ファンケルでどんな「不」が解消できるかを、ぜひ既存の事業にとらわれないアイデアとして考えていただけたら嬉しいですね。
───もう一つ、難しそうだなと感じたのが、テーマの中の「ファンケルがこれから取り組むべき」という部分です。
浪江さん そうですね。その言葉は審査項目の中にある「企業理解」にも繋がってくるのですが、アイデアを考えていただく上で、「なぜファンケルが取り組むべきなのか」という理由を明確に説明していただきたいなというのが、考えていたことです。
西田さん 課題に取り組むにあたって「ファンケルのことをもう少し知りたい」という方は、公式HP内の「ファンケル100の事実」というページを見ていただくといいかもしれません。製品のスタンスメッセージとして、「正直品質。」というのを掲げているのですが、それに基づいて私たちのこだわりがぎゅっと詰まっているページなので、当社のことを理解するのに役立つと思います。
浪江さん より楽しく見ていただけそうなもので言えば、YouTubeの「そこまでやりますチャンネル」ですね。これは、美と健康について、知るとちょっとうれしいこと、面白いことなどを取り上げて、ファンケルがとことんやってみるというエンターテインメントチャンネルです。動画の中でファンケルの安全な製造環境や製品力だけでなく、いろんな切り口で、従業員たちが出てくるので、会社の雰囲気も含めて伝わるのではないかと思います。
───課題取り組む前に見ておけば、すごく役立ちそうですね!ありがとうございます!最後に学生のみなさんへ、お二人からメッセージをお願いします!
浪江さん 従業員になると、どうしてもファンケルの視点で物事を考えてしまいがちなところもあるので、ぜひ柔軟でフレッシュなアイデアを、「やってやるぞ!」という気合いを込めて、応募していただけたら嬉しいです。楽しみにしています!
西田さん 創業当時からいろんなチャレンジをして、チャレンジする分失敗も多くしてきました。トライアンドエラーを繰り返しながら成長してきた会社でもあるので、ぜひみなさんも失敗を恐れず、チャレンジしてもらいたいと思います。ありがとうございました!
───本日はありがとうございました!

西田 佳菜子さん
株式会社ファンケル 管理本部
人事部採用グループ
2010年総合職入社。
3年間、販売員として店舗運営に携わり、その後ファンケル大学で店舗スタッフや正社員向けの教育に従事。産前産後休業・育児休業を経て、2020年から人事部採用グループに。現在は新卒採用中心に携わっている。ファンケルの愛用商品は、『マイルドクレンジングオイル』。 毎日使用しているお気に入り商品です!
浪江 優花さん
株式会社ファンケル 管理本部
人事部採用グループ
2021年総合職入社。
新卒採用を担当。インターンシップの設計、選考サポート、SNS運用などを務める。ファンケルの愛用商品は、『カロリミット』です。ランチや旅行の時も常に持ち歩いています!