最終更新日:2022/1/11

独立行政法人 鉄道建設・運輸施設整備支援機構 【鉄道・運輸機構】 (JRTT)

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  • 公益・特殊・独立行政法人
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仕事・働き方を知る特集 「理系の選択」

土木工学の基礎知識は、新幹線や都市鉄道の建設において必ず役立つと確信できた。

土木・建築系

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鉄道の土木構造物をゼロから建設できる日本で唯一の公的機関。

中島 悠樹
東京支社 綱島鉄道建設所
大学院 理工学研究科 都市システム工学専攻
2017年入社

橋りょうやトンネルなど、圧倒的なスケールの構造物を何もない状態から作り上げていけるのは土木系職員ならではの醍醐味。地方公共団体、鉄道事業者、電力・通信事業者や地元住民との協議も多く、交渉力や調整力も必要とされる仕事だ。

※掲載内容は取材当時のものです

初めての担当工区は相鉄・東急直通線『新横浜トンネル』

「会社説明会や面接では整備新幹線事業が中心だと聞いていましたが、都市鉄道の建設にも興味がありました。いずれは新幹線建設にも携わってみたいですね」と中島さん。

大学院では構造工学・地震工学・維持管理工学の研究室に在籍。光ファイバセンサによる構造物の健全性モニタリングに関する実験的研究を行っていました。地震などで橋りょうや高架橋などの土木構造物に大きな負荷がかかった時に発生する歪みやひび割れの計測を光ファイバセンサによって行うという研究です。このテーマを選択したのは、大学院に進もうと決めた時点で最も興味があったからで、将来的に仕事に生かそうと考えたことはなかったですね。

そんな私に機構のことを教えてくれたのは、研究室のOBで、この大学から初めて機構に入社した先輩です。在学中に面識はなく、研究テーマも違いましたが、リクルーターとして大学を訪問されるたびに、熱心に誘っていただいたのです。惹かれたのは、山岳トンネルや橋りょうなど、鉄道の土木構造物をゼロから建設できる日本で唯一の公的機関ということ。私が研究していたのは新しいものを作るための方法ではなく、今あるものを維持・管理するための技術でしたが、学部時代から習得してきた土木工学の基礎知識は新幹線や都市鉄道の建設において必ず役立つと確信できたので、「ここしかない!」という気持ちで機構の土木職を志望しました。

入社後の新人研修・職種別専門研修を経て配属された東京支社での最初の仕事は、神奈川東部方面線(相鉄・東急直通線)の新横浜トンネルに関する工事内容の変更について、支社内関係者から承認を得る業務でした。例えば、当初の計画とは違う場所にシールドマシンから排出される泥水の処理設備を設置することになった時、地質の確認のため追加のボーリング調査を行う時などがそれにあたります。

ゼロから鉄道を作っていく者が背負う責任の重さを知った。

週に1~2回はシールドマシンで堀進中の地点まで歩き、建設会社の施工監理技術者と進捗状況を確認。「まだ教わることばかりですが、できることが増えてきました」

2年目の春には、相鉄・東急直通線の新横浜駅(仮称)・日吉駅間(5.6km)の建設を担当する綱島鉄道建設所へ異動しました。入社後に見学に来た時はほとんど更地の状態でしたが、着任後は夜間工事時の音漏れを防ぐための巨大な建屋(防音ハウス)が完成していました。そして7月以降はトンネルを掘削する直径9.7mのシールドマシンが地下35mの場所で組み立てられていく様子を追い、組み立て完了後の12月には掘削開始の瞬間に立ち合いました。着任当初はそのスケールの大きさに圧倒されるばかりでしたが、掘削開始の瞬間は身が引き締まる思いでした。

トンネル掘削の前には、近隣住民の皆さんに小学校の体育館に集まっていただき、機構と建設会社による工事説明会を開催。機構の職員が工事計画や、泥水で地山を安定させながら掘り進めるシールド工法について説明し、住民の皆さんからの質問に答えさせていただきました。新横浜トンネルは住宅街の直下を通るため、工事中の振動や騒音に関する質問が集中しました。

「硬い路盤を掘削すると騒音が大きくなるんじゃないのか?」
「工事用車両が行き来することで、道路の渋滞が慢性化するのでは?」
入社2年目の私の仕事は、配布する資料の準備と議事録の作成でしたが、住民の皆さんの意見や質問に対して真摯に答え、不安を解消しようと努める上司や建設会社の代表者の姿を見て、ゼロから鉄道を作っていく者が背負う責任の重さを知りました。そしてこうした近隣住民の皆さんに喜んでもらえるトンネルを、鉄道を作らなければと思いました。

構造力学や土質力学の知識をフル活用して困難を乗り越えていく。

相鉄・東急直通線の新横浜トンネルの全長は3,304m。1日最大14m掘り進め、2020年11月に貫通した。

3年目からは、工事現場の施工監理を行っています。機構は発注者なので、仕事の軸は受注者である建設会社の技術者との協議です。現場の状況は工事の進捗に応じて変化しますので、そのたびに現状を確認して課題解決の道筋を立てていきます。土木の知識、現場経験とも相手の方がはるかに上なので着任当初は気後れしていましたが、上司の「教えてくださいと言えるのは今のうちだけだぞ」の言葉で気持ちが吹っ切れました。半年以上経験を積んだ現在は、専門用語が多用される会話に戸惑うこともなくなりました。

ガス、電力、水道など、埋設物の管理会社との協議が多いのも、都市でのトンネル工事の特徴のひとつですね。既設のライフラインに影響を与えないコースを掘り進んでいくのですが、地表面の計測値が事前に取り決めた数値に近づいた時は、連絡をして対策を協議する必要があるのです。

最も慎重を期したのは河川の下を掘進する時です。地盤が軟弱なことは事前のFEM解析で明らかになっていたので、その管理値に基づいて工事を進めていたのですが、想定の数値を超えそうになったことがあったのです。当初はどうなることかと思いましたが、土質やトンネルに作用する土圧、水圧等のデータを揃えて関係者と議論を重ね、対策を講じて難局を乗り越えていくことにやりがいを感じました。大学で習得した構造力学や土質力学の知識が十分に活用できていると実感できた出来事でもありましたね。

機構では、一定期間ごとに全国的な異動があるため、ここで開業を迎えられるかは分かりませんが、土木系技術者としてのキャリアはまだスタートしたばかり。全国どこでも、与えられた場所で全力を尽くしたいと思っています。

学生の方へメッセージ

機構の他系統(機械、建築、電気、事務)の職員。建設会社の技術者と作業員の皆さん。地元住民の皆さん。地方公共団体の担当者。ライフライン(電気、水道、ガス等)関連企業の担当者。学生の皆さんに伝えておきたいのは、機構の土木系職員はこうしたさまざまな人たちと密接に関わる仕事ということです。私自身、入社前に先輩から聞いていましたが、コミュニケーション力がこれほどまでに問われるとは想像していませんでした。この3年で一番伸びたと感じるのは間違いなく、伝える力、聞く力です。 学生のうちから意識しておくといいでしょう。

都市鉄道のトンネル工事を担当している今、学生時代を振り返って思うのは、地盤や地質に関するところをもっと真剣に勉強しておけばよかった、ということです。でも将来、鉄道建設に関わるなんてまったく考えていなかった割に、学部と大学院で学んだことは要所で役立っています。特にコンクリートについては研究室で打設して試験体を作っていた経験が生きています。「大学で勉強したことが社会ですぐに役立つわけじゃない」と言う人がいますが、機構の土木職は、あらゆる工学の知識が活用できる仕事ですよ。

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同期入社の職員は60名。建設所には新綱島駅(仮称)を担当している同期の職員もいる。「新人研修から一緒の仲間がいるのは心強い。切磋琢磨して成長したいですね」

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