最終更新日:2021/6/28

(株)宇徳【東証一部上場】

  • 正社員
  • 既卒可
  • 上場企業

現在、応募受付を停止しています。

業種

  • 物流・倉庫
  • 海運
  • 設備工事
  • 陸運(貨物・バス・タクシー)

基本情報

本社
神奈川県

特集記事

仕事・働き方を知る特集 「理系の選択」

ダイナミックな超重量物の運搬を支えるのは、細部にまで気を配る綿密な計画力

専門系

PHOTO

経験とともに、じわじわと面白さが分かってくる宇徳の仕事とは?

「海外で働くチャンスがあるから」という理由で、宇徳に飛び込んだ田中さん。入社11年目に入った今、超重量物を動かす仕事の奥深さを実感中だ。世間に知られざるその業務の実際を、わかりやすく語ってもらった。

■田中 慎也さん(2010年入社/社会環境工学科卒)
 技術部 技術チーム
小・中・高とサッカーに熱中し、大学でもサッカーのサークルに所属。身体を動かすことがもともと好きで、社会人になってからは会社の人と楽しむゴルフが休日の楽しみとなった。社内にはゴルフ好きの人も多く、自然発生的なコンペが随時開催されているとのこと。

超重量物のバランスを保ち、確実に運搬する仕事。その奥深さに1年目から引き込まれた

宇徳の魅力は「何でも話し合える雰囲気の良さ」と語る田中さん。難しい課題に直面したときなどは部署の壁を超えて気軽に声掛けし、一緒に解決法を探っていくという。

大学の研究室では、主に河川工学・流体力学などについて学んでいたのですが、就職にあたっては広く海外で働くことができる会社に入りたいと思いました。
入社1年目、まず配属となったのは工事管理チームです。ここでは、文字どおり最前線で工事を動かしていく仕事に取り組みました。以降、入社5年目まで大小さまざまな現場作業を担当しましたが、仕事を覚えるうえで特に勉強になった案件は、川崎における火力発電所の新設工事現場でしたね。発電所建設の現場には、さまざまな超重量物を搬入しなければなりません。発電機本体からタービン、排熱回収ボイラー、煙突など。重量、形状が異なるだけでなく、一つひとつ取り扱い方の異なるものをどうやって確実に運ぶか。スーパーキャリアという特殊車輌を用いて輸送するのですが、貨物の重量に応じてどれくらいの軸数(タイヤの数)を持った車輌を用意しなければならないか。そういったことを検討する必要があります。計画段階でお客さまから「発電機は150トン」「煙突は60トン」といった具合に提示されるので、その数字に基づいて必要な軸数を割り出し、運搬方法を決めていくのです。もちろん、これだけでなく具体的な作業の段取りや必要な重機、道具類についても綿密にシミュレーションします。さらに、協力会社のスタッフに対する作業手順の説明など、現場担当としての仕事は多岐にわたります。
この発電所の仕事でもっとも神経を使ったのは、港に接岸された船から貨物を降ろす作業でした。ワイヤーを巻きつけてクレーンで吊るすのですが、途中で荷ブレを起こして船に貨物をぶつけてしまったら一大事です。どれくらいの長さのワイヤーを、何本巻きつければもっとも重心が安定するのか。いくつもの方法を考え出しては検討を加えるという作業を繰り返しました。しかし、そこまで準備しても、いざ現場で作業をしてみると思うように貨物が安定してくれない場合もあります。そんな場合はクレーンのオペレーターに指示を出していったん貨物を降ろしてもらい、再度ワイヤーのかけ方を検討します。超重量物が空中で重心を失ってしまうと、とんでもない事故につながりかねません。したがって、水切り(船から貨物を吊り上げて陸に降ろす作業)では特に細心の注意を払いながら作業を進めていく必要があるのです。

工事から計画へ。綿密なシミュレーションで難しい課題を克服していく仕事へシフト

「何度現場を重ねても、ひとつとして同じことはありません。その現場ごとに最適な方法を見つける姿勢が求められます」

入社以来、現場を指揮する仕事に取り組み、2015年4月から現在の技術チームに異動となりました。主な仕事の内容は、現場で作業が開始される前段階で行う調査と作業計画の立案です。ここでは、6年の間にさまざまな現場で吸収した実践的な考え方が大きく役立っています。自分自身が現場に出てさまざまな状況を確認したり、ワイヤーロープやナイロンストリングなどの資材選定、具体的な搬出入の段取りについて考えたり、そうした一つひとつの作業を頭の中で再現できるため、よりリアリティのある計画を立てることができるのです。
計画立案に先立ち、まず現地まで足を運んで周囲の状況について詳しく調べます。その上で、貨物の具体的な輸送方法について検討し、ワイヤーなどの資材選定、どれくらいのクレーンが必要で、なおかつそのクレーンを動かすために必要なスペースが確保できるのかなど、多くの点についてチェックします。そのうえで図面に落とし込み、詳細な作業計画を立てていきます。
このほか、すでに動き出している現場であっても、不測の事態によって当初予定していた計画が進められないようになった場合は、現場監督の要請を受けて現地まで足を運び、一緒に貨物の運搬方法を検討するケースもあります。
計画を立てる際は、現場作業で使用するさまざまな特殊車輌、クレーン、資材などのスペックや特性について詳細に把握しておく必要があります。そのうえで一つひとつの現場にもっともフィットしたものを選定します。また、運搬車輌の起用にあたっては、どれくらいの負荷がかかるかを計算し、耐荷重の範囲内に収まるようにしなければなりません。私自身、この計算方法は仕事をしながら独学で身につけていきましたが、大学までの力学や数学的な知識があれば、場数を踏むうち習得していくことができると思います。
しかし、貨物によっては思うように計画が立てられない場合もあります。例えば、クレーンで吊り上げる際、重心を取るために是非ともワイヤーをかけたい部分に、どうしてもワイヤーをかけることができない場合などです。荷主から「その部分は弱いので負荷がかからないようにして欲しい」といった要望があれば、運搬のための専用ケースを製造してもらうなど、何らかの手段を講じなければなりません。

幅広い現場経験で計画立案のスキルを身につけながら成長。海外勤務や車輌開発など新たな目標も

計画の立案は、荷主や取引先担当者、社内スタッフなど、さまざまな人と対話を重ねながら進められていく。齟齬のないコミュニケーションが必要とされる仕事でもある。

このように計画を進めるうえでは、いろいろな立場の人とコミュニケーションを取っていかなければなりません。荷主、ゼネコンなどの担当者、そして当社の工事担当者など。荷主からは大切な貨物の取り扱いについて情報をご提供いただく必要があります。ゼネコンの担当者とも、工事を円滑に進めるうえでよく連携していかなければなりません。例えば、現場の地盤が緩く巨大なクレーンの据え付けに耐えられない場合には、作業に先立ってゼネコンに地盤改良の要請をすることもあります。
また、計画を煮詰めていく過程で、工事担当者と共に現場を訪れ、計画に修正を加える場合もあります。工事担当者それぞれに自分が採用したい方法というものがありますから、可能な限りそれを尊重するようにしています。また、工事担当者の意見から、図面を見て考えているだけでは気づかなかったトラブルの芽が思いがけず浮かび上がってくることもあります。
こうして練り上げた計画を現場担当者に引き渡し、さらに計画どおりに作業を終えることができたときは、心の中で「うまくいってよかった!」とつぶやきます。ささやかなことですが、計画に携わる者としては、これがもっとも嬉しい瞬間かもしれません。
この仕事では、1つとして同じ現場はありません。そして、100の現場があれば、100通りの異なる計画が必要になります。それぞれに潜む難しい状況にどう対応していくか、そこで知恵を絞り、一見不可能と思われることであっても何とかして実現していく。そこにこの仕事ならではの面白さがあると思います。
私自身、どうしても良いアイデアが浮かばず先輩や上司に相談したところ、思いがけない視点に立ったアドバイスをいただき、驚かされることがよくあります。経験を積むにつれ、こうした問題解決のための引き出しが少しずつ増えていくわけです。その引き出しの数がもっともっと増えていったとき、私もようやく計画のプロになれるのでしょう。
今後はさらに経験を積んで、どんな現場にも対応できるスキルを身につけていきたいと思います。また、将来的には海外に出て仕事をしてみたいとも考えています。メーカーとの共同による新しい特殊車輌の開発にも興味があります。現場経験を生かして、難しい状況をクリアする車輌のあり方を考えるなど、入社11年目を迎えてやりたいことの幅がグンと広がってきましたね。

自慢の社内制度

当社には、先輩社員が3カ月間にわたって新人の教育を担当する「教育係制度」があります。教育係の先輩はいつもそばにいて、仕事のことや会社のことなど、わからないことがあれば気軽に尋ねることができるので、新入社員にとっては心強いですね。この3カ月の期間で教育係の先輩と仲良くなり、期間が過ぎてからも、いろいろ相談にのってもらえます。私も新人の頃は何でも質問しました。貨物の積載方法や特殊車輌の動かし方、図面に表す軌跡の描き方、力学の基礎などなど、基本を身につけていくうえでとてもありがたい制度でしたね。そして、現在は、私が指導員として新入社員を教える立場にあります。自分が新人であったときのことを思い出し、わかりにくい用語についてはできるだけ噛み砕いて説明するなど、いろいろと心がけています。
とはいえ、私自身もまだまだ勉強しなければならないことがたくさんあると思っています。資格面では、土木技術検定試験に向けての準備を着々と進めているところです。さらに、入社11年目に入ったため、中堅社員研修も受けました。そろそろ自分の仕事だけにとどまらず、管理職としての役割を果たしていかなければならないでしょう。今後はチーム全体の仕事や、後輩一人ひとりのフォローについても目を向けていきたいですね。皆さんも企業研究では「制度」について注目してみてください。

PHOTO
新人指導にあたる際は、知識量や経験値のギャップを考慮した教え方を心がけている。「自分で調べさせることも必要だが、その前段階のサポートを意識している」とのこと。

トップへ