最終更新日:2024/11/1

社会福祉法人みその

  • 正社員
  • 既卒可

業種

  • 福祉サービス
  • 幼稚園・保育園

基本情報

本社
神奈川県

取材情報

仕事・キャリアパスについて伝えたい

一人ひとりと深く向き合うことから、地域の福祉を変えていく

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みそので働く職員が共有する思いとは

藤沢市をはじめ各地で児童や高齢者を対象とする福祉活動を展開する社会福祉法人みその。日々どのような思いで支援を必要とする人々に向き合っているかを、江草理事長、そして現場で働く二人の職員に聞いた。

江草 明彦さん
理事長

豊福 一太さん(写真左)
聖園子供の家 保育士
2021年入職

平川 薫さん(写真右)
聖園ベビーホーム 保育士
2017年入職

社会福祉法人みそのの仕事

子どもたちと他愛ない会話を楽しんだり、一緒にゲームに夢中になったりすることも。「そんな何気ない時間を通して徐々に信頼関係が育まれていくんです」と、豊福さん。
それぞれのスタッフが個性や強みを発揮して仕事に向き合える環境がある。「マイペースな性格を生かして、ゆったりした雰囲気をつくりたいです」と、平川さん。
2023年4月に建て替えた聖園ベビーホームにあるプレイルーム。子どもたちが心身ともに健やかに成長できるように、つねに生育環境を見直している。

支援を必要とする人々の人生に温かな光を灯し続けたい【江草理事長】

社会福祉法人みそのは、藤沢市や秋田市など各地で児童養護施設や乳児院、高齢者施設を運営しています。また、西日本で活動する「社会福祉法人みその児童福祉会」とは、同じルーツを持つ法人として緊密な関係にあります。当法人の前身は1920年に設立されたカトリック女子修道会。その精神を今に受け継ぎ、「一人ひとりを愛し慈しむ心で接する」を基本理念に掲げ、施設を利用されている方のみならず、その背景にある地域や社会全体に働きかける活動にも力を入れています。一例を挙げると、児童虐待の通告件数は年々増加しており、家庭や地域、社会を変えていかなければ、子どもたちが健やかに成長できる環境は実現されません。そのため近年は、地域のNPO法人と連携して、制服のリユースやフードドライブの運営に協力するといった活動も始めました。これからも長年にわたり児童福祉を中心として培ってきた専門性を生かして、地域福祉の核として社会に貢献していきます。

福祉の道を志そうと思われている学生の皆さんに伝えたいのは、最初は誰もがプロではないということです。その状態から成長していくために最も大切なのは、「自分が何をやりたいか」をしっかりと見つめることだと思います。そういうビジョンさえあれば、要領が良くなくても不器用でも全く問題はありません。自分の目標に向かって少しずつ学び、経験を重ねるうちに、誰からもプロと認められる人材に育つことができるでしょう。そのために法人として支援は惜しみません。現場では先輩が丁寧に指導して着実にスキルを身につけられますし、法人全体の教育・研修制度も充実しています。中でも、西日本のみその児童福祉会と合同で実施する「研究発表会」は、乳児院や児童養護施設、高齢者施設、保育園などの多様な取り組みを共有して視野を広げる場として機能しています。例えば、高齢者施設で実践されている「ユマニチュード(人間らしさを尊重する介護の姿勢・手法)」の考え方を、児童福祉に生かすといった展開例も見られます。

あなたが福祉の世界で自らのあるべき姿をイメージして、その実現に努めることで、支援を必要とする人々の人生に温かな光が灯り、社会を優しく照らすことになれば、同時に、あなた自身の人生もいっそう明るいものとなっていくでしょう。そのような実践ができる法人であり続けたいと考えています。

子どもと一緒に遊んでいる何気ないひとときに幸せを感じます【豊福さん】

自分が通っていた保育園の先生のようになりたいと思い、いったん保育園に就職して保育士として働きました。その後、まったく新しいことにチャレンジしたくなり、もっと幅広く子どもの支援をしてみたいと考えて聖園子供の家に転職してきました。

聖園子供の家は、2歳から18歳までの子どもたちが生活する児童養護施設です。今は2歳から小学校1年生までのユニットを担当しており、生活の支援や家事全般のほか、一緒に遊んだり勉強を見たりと、忙しい毎日を過ごしています。保育園での勤務経験が役立っている一面もありますが、児童養護施設は生活の場でもあるため、全く異なる対応が求められるケースが少なくありません。例えば、子どもに問題行動が見られたときなどには、保育園なら保護者にバトンタッチしてサポートをお願いできますが、ここでは私たちがどこまでも向き合う必要があります。そういうときには根気強く話し合うように心がけていますが、簡単に解決できる問題ばかりではありません。

子どもたちと過ごす日々は、まさに学びの連続です。ある男の子は生活面が安定せず、なかなかおむつも外れませんでした。つい先日、その子が「トイレができた」と報告してきたので、「すごいじゃん!」と全力で褒めると、「もうパンツで大丈夫!」と、一気に自信を高めて少しずつほかのことにもチャレンジするように。この経験を通して、私たちが何でもしてあげるのではなく、子どもに成功体験を得てもらい、自信を高めていく支援が自立につながるのだと改めて学びました。

若手職員がアイデアを提案して実行できることも仕事の楽しさにつながっています。自分がゲーム好きなこともあって「施設内でゲーム大会をやりませんか」と提案すると、上司もすぐに賛同してくれて実現。大会は大いに盛り上がって今年で2回目を開催し、子どもたちからは「次はいつやるの?」と、何度も急かされています(笑)。私が心がけているのは、笑顔を絶やさない楽しい職員でいること。子どもは大人の表情をよく見ており、こちらの気持ちがすぐに伝わって反応するからです。そういう楽しい気持ちで子どもたちと一緒に原っぱで寝転んで遊んだりしていると、私自身も癒やされて本当に幸せな時間を過ごしていると実感します。

心豊かに育ってほしいと願い、一人ひとりにいっぱいの愛情を注ぐ毎日【平川さん】

大学で児童心理を学ぶ中で乳児院という施設があることを知り、自分なりに調べるうちに仕事として関わりたいと思うように。在学中に保育士試験を受けて資格を取得するとともに、実際に子どもと関わる体験をしたいと思い、別の乳児院で2年ほどボランティアを経験しました。就職にあたっては、複数の施設を見学しました。聖園ベビーホームを選んだのは、小規模の養育に一番力を入れていると感じたからです。乳児院は子どもの生活の場ですから、できる限り少人数の家庭的な雰囲気のある施設で子どもと接したいと思ったのです。

聖園ベビーホームでは新生児から3歳過ぎくらいまでの子どもが、1ユニット6人で生活しています。私はそのうちの1ユニットに所属しており、保育士のほか、看護師や心理士、児童指導員など、様々な専門職がチームで子どもの育ちを支えています。食事や入浴、トイレ、お昼寝といった、生活全般の介助をするほか、散歩や遊びを楽しむなど、1日を通して子どもと接しています。一人ひとり性格は違いますし、同じ子でも毎日異なる対応が求められるなど、いまだに悩みや迷いは尽きません。新人の頃に比べると支援の引き出しは増えましたが、今も他の職員に相談してアドバイスをもらいながら試行錯誤しています。

そんな日々の苦労の先に仕事の喜びがあります。ある子どもはちょっとしたことで感情的になりやすく泣き出すと止まらなくて、毎日悩みに悩みました。それでも少しずつ成長して喋れるようになると、大好きと言ってくれたり、私の好きなキャラクターを一緒に気に入ってくれたり、心が通じ合って信頼されているのが伝わってきて、一緒に過ごした時間は無駄ではなかったと報われた気持ちになりました。ここで一緒に暮らした子どもたちが家庭に戻ったり里親に迎えられたり児童養護施設に進んだりと、お別れの日が訪れると、楽しかった思い出や寂しい気持ちなど、いろいろな感情が押し寄せてきます。そのときまで、一人ひとりが心豊かに育つように願いつつ、いっぱいの愛情を注いで、その後の成長の基盤をつくれるような支援をしたいという思いで毎日を過ごしています。

学生の方へのメッセージ

■職員の多くはカトリックに入信しているわけではありませんが、私たちの事業のバックボーンとしてその精神が息づいています。子どもたちや高齢の方々など支援を必要とする人のために何ができるかを考え続けると、究極的には、一人ひとりを愛することに行きつくというのが私たちの考えです。そこを出発点として支援のアイデアを生み出し、実践につなげています。こうした理念に共感できる方との出会いを期待しています。
<江草理事長>

■児童養護施設の職員は楽な仕事ではありません。頑張った結果が、すぐに目に見える形で表れることもめったにありません。それでも、子どもたちと長い時間を一緒に過ごす中で喜びを感じられる瞬間がたくさんあって、気づかぬうちに自分自身も成長しています。子どもたちを支えたいと心から感じる人であれば、きっと大きなやりがいを感じていただける仕事だと思います。
<豊福さん>

■「福祉の仕事って大変そう」というイメージを持つ人は多いかもしれません。たしかに大変ではありますが、それ以上の喜びのある仕事です。子どもと一緒にいるとあっという間に時間が過ぎますし、とことん元気な笑顔やかわいい姿を見ると、こちらが癒やされて元気をもらえます。福祉の仕事を検討している方は、ぜひそういうポジティブな側面にも目を向けてみてくださいね。
<平川さん>

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多様な専門職のスタッフが協力するチーム支援を重視しており、一人で悩みを抱え込むことはない。スタッフが語り合い、高め合っていく風土が根付いている。

マイナビ編集部から

社会福祉法人みそのの福祉活動は、約100年前に秋田市のカトリック女子修道会「聖心の布教姉妹会」が始めた奉仕活動にさかのぼる。職員はシスターたちが大切にしてきた「一人ひとりを愛し慈しむ心で接する」という精神を受け継ぎ、支援を必要とする人々を温かく支え続けている。今回の取材でも、児童福祉施設で過ごす子どもたちなどへの慈しみの思いとともに、日々の実践を通して自らの生き方や考え方を見つめ直す真摯な姿勢が伝わってきた。福祉の仕事を深めていくことは、人生と向き合うことにつながるのかもしれないという思いを持った。

法人の理念や支援のあり方に加え、職員の入職動機として多いのが、施設のある環境だ。今回の取材で紹介した2つの施設は、いずれも藤沢市みその台の本部内に立地する。東京ドーム約3個分の広大な敷地には鳥獣保護区の指定区域もあり、タヌキやリスも生息する。散策コースや広場、公園も整備されており、子どもたちが健やかに育つ環境としては申し分ない。江ノ島まで直線距離で5キロに位置し、「海のそばで働きたくて」という声も聞かれた。職員も気分良く快活な気持ちで過ごせそうなロケーションだ。福祉の道に入り、同じ理念を共有する仲間とともに理想を追い求めていくのにはこの上ない環境と映った。

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児童福祉施設、高齢者福祉施設が集結した藤沢の本部は江ノ島までほど近く、湘南の海を満喫できる絶好のロケーションでもある。

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