光製薬(株)

医薬品の品質を管理するために、日本薬局方やGMP省令により定められた項目の試験を実施しており、現在は主に微生物試験に関わる業務に携わっています。弊社は輸液や注射剤などの無菌製剤を中心に製造しており、細菌やエンドトキシンなどの微生物の管理を厳密に行うために、微生物試験を行う必要があります。微生物試験の対象は、製造環境や原料、製品そのものなど医薬品製造の過程の様々な部分に関わります。試験で扱う微生物は目に見えないほど小さく、空気中のゴミや埃などの汚染物質の影響を受けずに取り扱うためには、クリーンベンチや安全キャビネットなどの清潔に管理された装置内で正確に操作を行わなければなりません。また、清潔な装置内での作業では人の体も汚染物質になってしまいます。そのため、作業時には清潔な作業着や無菌操作用の手袋等を用いて、汚染の危険を最小限に押さえて作業を行います。試験する対象を目で見ることが出来ないため、微生物に関する知識や正確に操作を行う集中力が求められます。

製薬企業の品質管理部での業務を行う中でやりがいを感じるのは、医療現場で治療を行うのに欠かせない医薬品を製造する側として仕事ができる点と、安全な医薬品を供給するための重要な業務に携わっていると感じられる点です。医薬品は病気の予防や診断、治療のために病院などで医療を提供するために必要不可欠な物です。直接的に患者と関わることはありませんが、人々に十分な医療を提供するために欠かせない医薬品の製造に携わる業務を行うという点にやりがいを感じています。また、医薬品の製造に関わる業務の中でも、品質管理の仕事は製品の品質や安全性などを保証するための重要な役割を担っています。現在携わっている微生物試験も無菌製剤を製造する際には、厳密に管理することで供給する製品の品質や安全性を保証し、安心して医薬品を使用してもらえるようになります。そのため、業務を行う上で責任も伴いますが、重要な仕事を担っているというやりがいを感じることができます。医薬品製造は医療を提供するために重要な職業なので、責任をもって日々の業務に望んでいます。

私は薬学部出身で薬剤師免許を持っていますが、大学時代の実習や研究室等の経験から直接患者と対面して服薬指導等を行うよりも、実験のように手を動かす仕事の方が自分にあっていると感じたため、薬局や病院ではなく製薬企業への就職をすることにしました。実際に品質管理部での仕事は試験などで手を動かす業務を行うことが多く、自分にはあっていると感じています。また、薬局や病院での業務では医薬品に関する適切な指導やアドバイス、相談対応などで薬剤師として患者に寄り添った仕事ができるという魅力がありますが、製薬企業での医薬の製造に関わる業務も医薬品を供給するために重要な役割を担っています。大学時代の経験などから薬局や病院での業務が向いていないと感じた人や、実験自体が好きな人には品質管理部の仕事は向いていると思います。医薬品製造や試験等に興味のある方は、品質管理という仕事も選択肢の一つになるのではないでしょうか。ぜひ考えてみてください。