最終更新日:2024/6/26

三波工業(株)

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  • 総合電機
  • 半導体・電子・電気機器
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仕事・キャリアパスについて伝えたい

航空整備、ゴルフ部、超音波研究からディフェンステクノロジーの世界へ

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充実の学生時代を過ごした若手社員3人の挑戦と成長

海上自衛隊の航空機や艦艇などに装備される電子機器類の製造、フィールドエンジニアリングを行っている三波工業株式会社。同社の若手社員は学生時代の学び、経験をどのようなかたちで仕事に役立てているのか。

航機技術部第1課 H.Fさん(2021年入社/航空整備科卒)(写真中)
資材部資材課 S.Kさん(2022年入社/経営学部卒)(写真左)
艦艇第2技術部第1課 T.Oさん(2023年入社/工学部卒)(写真右)

先輩たちからひとこと

「やりがいを感じるのは、修理して出荷した機器が問題なく動いているときです。また最近は英語の勉強にも力を入れています」(Fさん)
「新入社員向けの技術研修には文系出身の社員も参加できます。基礎知識を一から身につけられますし、技術職の同期と仲良くなっておくと仕事にも役立ちます」(Kさん)
「苦手なことを長く続けていくのは難しいのではないでしょうか。自分の好きな分野について徹底的に勉強し、知見を活かせる会社を選ぶことが大切です」(Oさん)

技術が足りなくて困った経験はほとんどゼロ。電子機器・装備品の整備スキルを最大限に活かす(Fさん)

子どもの頃から航空や宇宙に憧れていた私は高校卒業後、中日本航空専門学校航空整備科の航空電子コースに進学。主に航空機に搭載されている電子機器や装備品の整備について勉強し、電子機器組立て技能士の資格を取得することができました。企業研究をしていく中で、重工メーカーや旅客機の整備会社も視野に入れていましたが、航空電子コースのOB・OGが活躍しているということで、当社の見学会に何度も参加。ほかの企業ではなかなか関わることのできない防衛に関する仕事に魅かれ、当社への入社を決意しました。また、先輩社員が楽しそうに作業する姿に魅力を感じたこと、取り扱っている機材そのものへの興味も決め手となりました。

入社後は、航空機の回転翼や固定翼を扱う「航機技術部」に配属。フィールドエンジニアとして、回転翼に搭載される装備品の修理を担当しています。本社に持ち込まれた電子機器の故障・不具合の原因を究明した上で、修理を行い、正常に動くように戻して出荷するのが私のミッションです。この電子機器は、数年前に取り扱いを始めた製品ということもあり、不具合の前例があまりなく、原因の究明に苦労することもあります。その際に電子機器の組み立て方や基本的な工具の使い方、計測器の扱い方、図面の見方が基礎となり問題解決に役立つことも。しかしそれでも解決しない場合は、航空自衛隊から送っていただく故障状況に関するレポートを参照したり、機器を取り扱っている商社に過去の不具合事例を聞いたりしながら対応を進めています。この仕事に携わるようになり数年が経過し、「不具合の原因はここだろう」「ここが故障しているなら、あちらも駄目になっているはずだ」といった仮説、予測の精度は高まってきました。しかし、まだ経験したことのない不具合が見つかるケースはあるので油断は禁物です。

チームには整備のスペシャリストが揃っています。私が困っていると質問する前に、声をかけてくれることも多く、スムーズに仕事を進めることができています。今後の目標は、いま取り扱っている装備品について完璧に把握することです。将来的には、さまざまな機材を取り扱う力を身につけるとともに、仕事を通して培った知識・スキルを後輩に教えられる人材になりたいです。

ゴルフで学んだ「やり続けることの大切さ」。先輩のアドバイスを参考に、努力を積み重ねる(Kさん)

私の学生時代は経営学部の市場戦略学科でマーケティングについて学ぶ一方、ゴルフ部の活動に力を入れていました。ゴルフは小学3年生の頃に始め、高校では県の高校総体で優勝。大学でも個人・団体で全国大会に出場しており、国体選手にも選出されて毎週のように大会へ出場、合宿に参加したりと充実した日々を過ごしていました。当社との出会いもゴルフがきっかけで、大学生のときに、キャディのアルバイトをしていた際、当社の元取締役のキャディを務めたことがありました。これをきっかけに当社の存在を知り、国を守る仕事に自分も携わってみたいと思うように。また、元取締役が一緒にラウンドをしていた外国人と英語で話す姿が本当にかっこよくて、私も元取締役のような人になりたいと思いました。そして知識と経験ともにゼロからの出発ということで不安もありましたが、思い切って未経験の業界に飛び込んでみることにしました。

入社後は資材部資材課に配属。技術部が使う部材の発注や仕入れに携わっています。技術部とメーカー、専門商社や外注先の橋渡し役として、双方とコミュニケーションを取りながら価格や納期の調整を進めていくのですが、配属当初は商品名や専門用語がなかなか理解できずに苦労することがありました。過去の発注履歴を参考にしながら一つ一つ覚えていったのですが、こうしたときに役立ったのがゴルフ部の活動を通して得た教訓。特に「やり続けることの大切さ」です。ゴルフでは、どんなに努力をしてもスコアが伸びないときがありますが、その際も諦めることなく、とにかくやり続ける。そうすると知らず知らずのうちに問題点が解決し、大きな成長を成し遂げることができたという経験が何度かありました。仕事も同様で、最初のうちはわからないことばかりですし、各業務の意味や目的も理解できていない部分があっても、とりあえずやり続ける。上司や先輩社員のアドバイスを参考に努力を重ねていくうち、少しずつ理解できるようになると思っています。

最近はパソコンスキルなどの面でも、自らの成長を実感しながら仕事に取り組むことができています。今後の目標は、英語を駆使して海外の取引先と仕事をしている先輩社員の仕事をしっかりと引き継げるようになることです。英語力に磨きをかけるとともに、安全保障輸出管理実務能力認定試験などの資格取得にも力を入れていきたいと考えています。

超音波研究で学会発表も。自分の整備した部品が「護衛艦」に取り付けられる喜び(Oさん)

学生時代は工学部で電子情報工学を専攻。基盤設計やプログラミングなどについて幅広く学ぶ一方、研究室では超音波の研究に取り組んでいました。具体的には、二方向から超音波を放射して、発泡スチロール製の微小物体を空中に浮遊させる研究で、私は理論的なシミュレーションや、3Dプリンターを使った装置製作などを手がけるとともに、学会発表も経験することができました。ちなみに超音波を研究対象として選んだのは、元々防衛に関する分野に興味があったからです。なかでも最前線で日本を守る「護衛艦」が大好きで、将来はソーナー(水中音波探知機)などの防衛技術に関わりたいと思い、超音波について研究していました。このような背景もあったたため、企業研究をする際には、護衛艦に関わることに加えて、超音波に関する知見を活かせる会社に絞り込みました。私の希望した条件を満たす企業は当社以外になかったため、会社選びはほぼ一択でした。

入社すると、最初は約3ヶ月間の新入社員研修を行います。研修ではアナログ回路やデジタル回路、プログラミングの基礎を学ぶ「技術研修」のほか、海上自衛隊での3日間の「体験入隊」を経験。体験入隊では自衛隊隊員の皆さんの日々の苦労を、身をもって体験することができ、良い人生経験となりました。

研修終了後は艦艇第2技術部第1課に配属となり、護衛艦や潜水艦に搭載されている水中通話機などの音波関係の部品の整備、水中無人機の整備に取り組んでいます。機械の整備方法に関しては一つ一つ覚えていく必要がありますが、学生時代に研究していた超音波に関する知識やノウハウを最大限に活かすことができますし、何よりも護衛艦に自分の手で触れられる仕事なのでやりがいがあります。今後は、取り組んでいる業務の第一責任者になれるよう、知識やスキルにより一層磨きをかけていきたいと思っています。

学生の方へメッセージ

企業研究をする際には、最初から業種・業界を絞るのではなく、できるだけ広い視野をもって会社選びを進めることが大切だと思っています。学生時代の研究内容や自分の強みを活かせる会社を探すことも重要ですが、合同セミナーや会社見学会に積極的に参加して、あまり興味のない分野の企業ブースでも話を聞いてみるなど、視野を広げる努力を重ねていただきたいです。

それから、仕事内容や給与面のほかに、譲れないポイントを考えておくことも大切です。残業時間や有給休暇の取りやすさ、転勤の有無、リモートワークの可否など、働く環境に関する制度面で何を重視するのか、自分はどのようなスタイルで仕事がしたいのかなど、できるだけ具体的に考えてみてください。当社の場合は有給休暇を取りやすい環境を整えているのはもちろん、生理休暇をはじめとした特別休暇制度も整備。最近は育児休暇を取得している社員も増えてきています。上記をふまえて、広い視野を持って実際に自分の目で見て、肌で感じる情報も大切に会社選びを進めてみてください。

総務課 齋藤拓真さん

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「当社は防衛産業のため売上が飛躍的に増大することは少ないですが、その逆もありません。社員は安心して技術を追求できる環境です」(齋藤さん)

マイナビ編集部から

海上自衛隊の航空機や艦艇などに装備される電子機器類の製造、フィールドエンジニアリングをはじめ、極めて専門性・特殊性の高い分野で技術力を発揮しているプロフェッショナル集団「三波工業株式会社」。今回、同社で活躍中の若手社員3人にお話を伺って驚いたことがある。それは、3人ともが「会社選びを進める際、先輩社員が楽しそうに仕事をしている姿に魅力を感じた」と口を揃えて仰っていたことだ。同社には、日本の防衛を支える「ディフェンステクノロジー」に魅せられた人材が集まっている。また、技術研修やメーカー研修、通信教育など、技術力のアップデートを支える仕組みも整っている。好きなこと、やりたいことを極められる環境があるからこそ、楽しみながら仕事に精をだすことができるのだと思った。

ディフェンステクノロジーに興味・関心がある方のみならず、機械・電気・情報系の知識・スキルを、国を守るために活用していきたいという志がある方、エンジニアとしてたゆみなくレベルアップを図っていきたいという向上心のある方には企業研究をおすすめしたい会社である。

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横浜市金沢区に本社・工場を構える。このほか広島県呉市及び長崎県佐世保市に事業所。東京・舞鶴・大湊・神戸・岩国に事務所を有している。

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