最終更新日:2024/6/17

佐藤工業(株)

  • 正社員
  • 既卒可

業種

  • 建設
  • 住宅
  • 設備工事
  • 建築設計
  • 建設コンサルタント

基本情報

本社
東京都

取材情報

研修・教育について伝えたい

技術職も、事務職も徹底サポート!一人前の人材に成長する過程を、完全バックアップ

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「建設品質。」の源=人材

建設の世界に飛びこんでいく新人は、数多くの問題に遭遇することになる。そんな入社1年目の新入社員にとって、心強い味方となるのが、同社ならではの研修制度だ。


行き届いた研修制度で、新人が向き合うことになるであろう、あらゆる問題を解消。佐藤工業が実践する研修は、ひとあじ違う密度の濃さに仕上がっている。「土木職・機電職」「建築職・設備職」「事務職」という3つの分野別に展開される研修について詳しくお話を伺った。

【土木職・機電職】入社後のローテーション研修で施工管理の基本を習得。習熟度を設定することで目標を達成

全職種共通の全体研修が終わるとまず、土木職・機電職の導入時教育を2週間行います。ここでは、実際に足場を組む体験や、基本的な測量実習のほか、座学でWord・Excelや図面作成のCADといった基本ソフトの使い方を学んでもらいます。
最近ではドローンを使っての測量・出来形管理、トンネル工事においては3D画像を利用した断面計測を採用する施工も増えているため、ICT研修にも注力しています。

導入時教育後には1年3ヶ月間の現場および本社での研修が用意されています。この研修の目的は、現場での施工管理の基本業務と本社での設計業務等の基礎知識を習得していただくというものです。

まず現場研修では、山岳トンネル、シールドトンネル、高架橋の建設現場などから、2つの異なる工種の工事を経験してもらいます。複数の現場を経験してもらうのは、工種や工事の進捗に応じて、現場の雰囲気・業務内容が異なることを体感していただきたいという意図からです。新入社員のうちに多工種に携わり広く学んだ施工管理の基本は、どの現場でも活かせます。

次に本社の研修では、現場から設計協力があった構造計算等の実務を中堅社員と取り組んでいただきます。設計研修は1対1形式で行われるため、不明点もその場で解消することができます。ここでの業務内容は、技術者としての必須スキルでもあります。

研修実施にあたっては、測量や写真撮影など、テーマ別の達成目標を示した指針が設けられています。上長はその習熟度を評価し、新入社員本人にフィードバックします。この指針は、新入社員として1年間の目標・計画を立てる1つの指標となります。一方、指導を行う先輩・上司にとっては、教えるべき内容が明確化されているため、効率よく指導が進められます。こうすることで研修を形骸化させず、最大限活用できる環境を整えています。

新入社員の場合、業務面だけではなく、社会人として人との関わり方に不安を抱くこともあると思います。
研修を通じて、さまざまな上司や先輩と出会うことで、コミュニケーションスキルを向上させ、社内にたくさんの相談相手を作ってほしいと考えています。また、研修は同期との情報共有・意見交換が行いやすいよう、ローテーション形式としているため、横の繋がりも深まります。

業務の基礎を実践に即して学びながら、周囲との関係を築くことは、佐藤工業の一員としての成長に欠かせないと考えています。

【建築職・設備職】施工現場で必要となる考え方を徹底習得。自ら計画・実行する習慣を身に付ける

建築職・設備職の研修においては、まず、施工管理で重要となるQCDSE(*1)の基本について、理解を深めていただくことに力点を置いています。なぜなら、佐藤工業のようなゼネコンにおいて、この5つの要素をしっかりおさえておくことは、工事を円滑に進めていく上で不可欠だからです。
全体研修が終わった4月中旬からは、導入時教育として約2週間にわたり東京本社と佐藤工業創業の地・富山の2カ所において、QCDSEの5つに関する講義を実施。また、富山県では、当社がこれまで手掛けてきた建物を見学するほか、北陸支店で工事写真の撮影方法についても学んでいただきます。

5月に入ると配属先が決定されますが、以降、9月までは導入研修時に配布された研修ノートを使った指導が継続されます。これは、ひとくちに言うなら、毎日欠かさずPDCA(*2)サイクルを回していくというもの。日々、上長から与えられた計画を実行するとともに、その実施内容について評価し、改善策を考えることを繰り返して習慣付けるのです。さらに、その内容を現場のOJT指導者にチェックしてもらうことで、より完成度の高い改善活動につなげていきます。こうして、デイリーベースで記入された研修ノートは月末になると本社に提出され、各現場で適切な指導が行われているのか確認しています。毎年、その内容を見ていると、9月を迎える頃には、新人ながら高度な問題意識を持って業務に取り組むようになっていることが伺えます。

その後、12月に入ると5日間にわたる集合研修を実施します。ここでは、品質やコンプライアンスについてなど、さまざまなテーマを取り上げます。また、当社では技術職の全社員にタブレットPCが配布されていますが、新しいアプリケーションの使い方についてレクチャーすることも多いです。基礎的な知識から当社社員として求められる意識まで、12月が終わる頃には今後活躍していくためのベースとなる知見が身に付けられます。

*1 QCDSE… Quality(品質)、Cost(原価)、Delivery(工程)、Safety(安全)、Environment(環境)の施工管理で重要な5つの要素。
*2 PDCA… Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)の4つ。「PDCAサイクル」とも呼ばれる。この4段階を繰り返していくことにより、仕事を改善していくことができる。

【事務職】専門知識、ビジネススキルの2軸で展開。年次に応じて、高度なスキルも身に付くよう工夫

事務職は全体研修が終わった後、4~5日程度の導入時教育を設けています。ここでは、総務や経理、現場事務など、実際に取り組むことになる仕事について、詳しく紹介。また、事務系として取得を推奨している建設業経理士という資格について、外部講師を招き、受講していただきます。
このほか、事務作業を円滑に進める上で必要となるメールの書き方、社内文書のまとめ方等について、事務職に特化した内容の講義を設けています。

また入社して約半年後には、新入社員事務研修を実施。ここでは、事務職員が求められる総務系・経理系の業務知識を中心とした内容について、社内各セクションより講師を招き、実際の業務に即したレクチャーを行っています。
加えて、この業界で働く者としては、建設業法をはじめとするコンプライアンスや安全についても、幅広い知識を備えていなければなりません。また、当社が特に注力する人権に関する知識も、しっかり身に付けられるよう内容を組み立てています。そのほか、入社2・3年目の社員、4・5年目の社員をひとつのグループとし、新人社員事務研修と同じテーマをさらに掘り下げた集合研修も実施されています。

さらに、建設業界で必要とされる専門性に関する研修に加え、ビジネススキルを高めるための研修も用意されています。例えば、円滑にコミュニケーションを取るためのスキル、後輩に分かりやすく仕事を指導するためのOJT研修などです。また、入社4~5年目を迎えた社員には、論理的思考力を培うためのロジカルシンキングや、仕事に優先順位をつけて効率的に進めていくスキルを学ぶインバスケット研修も行っています。その後についても、入社10年目を目安に行われる中堅層向け研修、新たに管理職に昇格した社員向けの管理職研修など、キャリアに応じた研修が用意されています。

学生の方へメッセージ

当社の研修は、いずれも新入社員の目線に立って、何が問題となりうるか?という観点から組み立てられています。特に、土木・建築の現場に配属される技術職については、新人が現場で直面する可能性がある問題について、ベテラン社員がさまざまな角度から検討。早い段階で、そうした問題が解決できるよう工夫されているのです。

一方建設現場の仕事においては、資格の有無が問われる場面も多くあります。そのため、当社では資格を取得するための支援も充実させています。まず特定の資格について、取得に必要な通信講座の費用を会社が負担。そのほか社内にも学習システムを整備しています。例えば、作業所長として仕事をする上で必要な1級建築施工管理技士取得のためのWeb講座を開設しています。コンクリート技士を目指す人に向けても、模擬試験問題を定期的に社内の教育サイトにアップロードしています。

職種を問わず全職員に取得するよう指導されているのがeco検定(環境社会検定試験)です。これは当社の安全環境室が主体となって進めており、新入社員は初年度に全員合格することを目標としています。

専門知識や学びは、成長していくうえで必要不可欠なもの。当社ではその重要性を踏まえ、社員全員が着実にステップアップできるための環境の整備について、検討を重ね、アップデートを行っています。充実した環境を最大限に活用し、自身の可能性を広げてほしいと願っています。

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マイナビ編集部から

今回、3つの職域における研修制度について、それぞれ取り上げさせていただいた。しかし、ここでは紹介できなかったものの、同社では海外で活躍する人材の育成にも積極的に取り組んでいるとのことだ。海外勤務を希望する社員については、まず、出向という形で3~6カ月間にわたり、現地勤務を経験してもらう。その上で、適性ありと判断された社員については、正式に赴任・勤務してもらうとのこと。今後、海外事業の拡大とともに、こうした試みはさらに活発化していくものと見られている。

幕末、1862(文久2)年に、越中・富山で「佐藤組」として誕生した佐藤工業。以来、同社のたどってきた道程は、まさに日本経済の盛衰とリンクしたものであった。そんな同社が、経営理念の1つとして掲げているのが「活力ある人材育成と人間尊重の経営推進」だ。創業者である佐藤助九郎が、わずか16歳でありながら、近郷の仲間を束ねて発足した同社。令和の時代に入った今日、どんなに時代が進みテクノロジーが発展しても、建設業においては、いつも「人」がその中心に立ちつづけるだろう。だからこそ、同社は人材の育成に力を注ぎつづける。その根底にあるのは「社員は会社の発展・成長の基盤となる貴重な財産」という考え方にほかならない。自発的で意欲あふれる企業人集団を形成するために、同社はこれからも、社員一人ひとりの能力の開発・向上を目指し、たゆまぬ人材開発に取り組みつづけるのだ。

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常願寺川大改修工事(明治25年)における撮影写真。オランダ人技師ヨハネス・デ・レーケを招聘して行ったこの工事は、度々、大洪水に悩まされていた多くの人々を救った。

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