最終更新日:2024/3/1

東京書籍(株)

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  • 教育
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東京都

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仕事・キャリアパスについて伝えたい

教科書出版社=文系のイメージは古い! DXで教育を変える私たちの仕事

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理系出身の私たちが、教材のDXを推進しています!

教科書出版で100年以上の歴史を持つ東京書籍。その教科書の世界にもDXの波は押し寄せている。コロナ禍以降、加速する教材のDXを牽引する理系出身の2人に、その現状を聴いた。

■日野綾香さん(教育DX局 DX開発本部 教育システム開発部 第二チーム/2016年入社)
総合理工学研究科 知能システム科学専攻修了(写真左)
■我妻琢磨さん(教育DX局 DX開発本部 DX企画部 企画開発チーム/2013年入社)
環境情報学部 環境情報学科卒業(写真右)

東京書籍の魅力

「DXの転換期にあり、理系出身者にアドバンテージがあるかもしれません。でも、文理問わず、自分の強みを生かして働ける会社です」(日野さん)
「長く続く中で培ってきたものがある一方、新しい社会に通用するために変えていく必要もある。そこを考えていけば、次の100年と長く続いていくと思います」(我妻さん)
理系出身者であるメリットを生かし、DX開発本部で活躍する日野さん(写真左)と我妻さん。現在の業務は異なるが、『タブドリLive!』での接点はあるという。

自分の企画がカタチとなって教育現場で役に立つ。それが当社の仕事のやりがいです

私は大学で数値解析を学び、その後、大学院に進みました。ゲームや映像で使われるCGの動きを数学的、物理的に解析し、研究していたのです。情報系なので、就職活動では周囲と同じようにSIerを中心にまわっていました。しかし、どこに行っても「何か違う」という想いを抱えていました。たまたま説明会に参加したSIerで「教科書会社から委託されて、デジタル教科書のシステムをつくっている」という話を聞いて、「自分は既にある企画をカタチにするのではなく、ゼロから何かを創る仕事がしたかったのかもしれない」と思い立ち、教科書会社のリーディングカンパニーである当社に入社しました。

現在は、小・中学生向けのオンラインドリル『タブドリLive!』のディレクターを務めています。現行版の『タブレットドリル』は2017年にリリースされましたが、コロナ禍以降、ユーザーが一気に増え、ネットワーク負荷の問題や対応すべき機能がふくらみ、これを解決するために大幅なリニューアルを行うことになりました。リニューアルといっても、既存のものを修正するというレベルではなく、当社の営業が集めた学校の先生方やユーザーの声を反映し、より使いやすいように内容も機能も改善することが必要になりました。企画から練り直し、社内での意見を集約して社外の制作会社とともに完成させていきます。次の教科書改訂のタイミングである2024年4月のリリースをめざすという一大プロジェクトになりました。現在(※取材当時)はほぼ基礎部分は完成していて、バグ(不具合)を消していく段階にきています。

システムの要件をつくったり、仕様書を読んだり、制作会社さんとやり取りをしたり、情報系出身ということもあり、専門用語への理解など、プロジェクトを進行する上で多少のアドバンテージはあります。ただ、本当に求められるのはどんなデジタル教材をつくるかという企画力であり、社内の意見や外部のスタッフさんをまとめるディレクション力であり、コミュニケーション力であると思います。そして何より教育に興味があって「こんなものをつくってみたい」という情熱が必要です。
自分たちが企画したものが、多くの人の手を経て完成し、子どもたちや先生方にダイレクトに使ってもらえる。これは教科書もデジタル商品も同じだと思うのですが、東京書籍という会社のいちばんの魅力だと思います。(日野さん)

自分のIT知識を生かして社内で頼られる存在に。ダイレクトなリアクションが嬉しい

私は「文系と理系の融合」をテーマにしている環境情報学部の出身です。テレビゲームやエンターテインメントに関心があったので、当初はゲーム会社や漫画・雑誌を主に扱う出版社などにターゲットを絞っていたのですが、身近に教育関係に詳しい方がいて「最近はおもしろい教材もたくさんあるし、アイデアを生かす場もあるかもしれない」というアドバイスをくれました。確かに私が卒業プロジェクトでつくったのは英単語学習アプリでした。当時は、ICT営業という部署でなら「大学で学んだITの知識が、開発者と消費者のつなぎ役として活用できるかもしれない」と思い、入社を決めました。

入社してみると意外にも、配属されたのは開発の部署で、小中高生用のデジタル教科書や学習塾向けの教材を担当することになりました。現在は無料で公開されている教育総合サイト『Edu Town』に携わりつつ、広くデジタル関連の教材にも携わっています。このサイトでは、今日的な教育課題である、キャリア教育・SDGs・プログラミングといったテーマを学べます。私は特にプログラミング領域のコンテンツをメインで担当しています。また、全体の運営にも関わり始めています。サイトは立ち上げたら終わりではなく、コンテンツをアップデートしていかなければなりませんし、うまくいくコンテンツもあれば、そうでないコンテンツもあります。そういうコンテンツをどうすればテコ入れできるかといったことも検討しています。

最近、増えてきたのが「この業務を効率化したいんだけど、どうすればいい?」とか、「こういうプログラムがつくれないかな」という社内からの相談です。私はもともとラクして効率を上げたいタイプ(笑)。「自分でやるよりも、プログラムを組んで業務に取り入れたほうがいいんじゃないか」と思うと、それを実行していたのが社内でも知られるようになったのです。社内の裏方的な業務ではありますが、期待通りの機能が実現できて、社内の人が喜んでくれたり「きみのやり方を採用したおかげで、見積額がこんなに下がったよ」などという言葉をかけられると、本当に嬉しくなります。そういう仕事をしていくうちに、学ばなければならないことが次々に出てきて、それを解決できたときに喜びが得られる。このサイクルがまわっていくことで自分の成長が感じられるので、仕事がとても楽しいです。(我妻さん)

理系人材が求められる時代、東京書籍とDXの親和性は?

●全国の児童生徒に1人1台の学習用パソコンと高速ネットワークを整備するという文科省の取り組み「GIGAスクール構想」の前から、当社では指導者用のデジタル教科書や教材を開発していました。コロナ禍で「GIGAスクール構想」は一気に加速し、教科書とのより深い連携が求められています。たとえば学習者用のデジタル教科書と他のデジタル教材を連携して学習履歴を取り、さらにそれを分析して子どもたちの活動や学習の見取りができるような高度な機能です。これまではパッケージ商品をDVDで納品すれば、あとはバグが出れば修正するレベルで終わったものが、DX化によって、商品の供給方法や導入後のサポート、運用・運営など、さまざまな変化に対応していく必要が出てきています。他の業界も同様だと思いますが、教科書業界ではまさに過渡期を迎えており、会社全体でもDX化に取り組んでいます。その意味では、理系出身の私が少しでも役に立てているなら嬉しいですし、今後もDXに関心がある人材が求められると思います。(日野さん)

●特に目的もなく情報技術を学ぶことはつまらないと思います。「自分で何かをつくりたい」とか「こういうことを実現したい」という意欲があるからこそ、ITを使おう、学ぼうという意識を持つ人のほうが、世の中では活躍しているように思います。私が東京書籍に入って感じたのは「IT人材はお得だよ」ということです(笑)。もし、IT企業に入っていたら、現在のようなやりがいのあるポジションに起用されていたかどうか。新卒や入社2~3年目の段階でも十分な裁量を与えられて、自分の希少価値も保つことができる企業ばかりではないと思います。企業としてはいろいろな特性を持った社員を採用し、同質化しないで次の活路を見出すことが可能な体制をつくっておくことは必要です。十人十色のバックボーン、多様性を受け入れて、のびのびと仕事をさせてくれる企業が当社。感謝していますし、楽しく仕事をさせてもらっています。教育業界はますますDX 化の波が進むと思いますし、未来は明るいと感じています。(我妻さん)

学生の方へメッセージ

●私自身も最初は企業やプロジェクトの規模感、福利厚生などを重視して企業研究を行っていましたが、それよりも自分が入社してから携わるのはどういうプロジェクトなのか、そのプロジェクトに対してどういう役割を担うのかといったことをよく考えたほうがいいと思います。入社すれば1日の3分の1の時間は仕事をすることになります。商品やプロジェクトに対して、どういう役割をする会社なのか、その中で自分はどういう仕事をしていくのかが大切ではないでしょうか。また、その会社の社風が合うかどうかも重要だと思うので、入社後の自分の姿を思い描きながら、多角的に検討してみてください。(日野さん)
●大学生になったら、あるいは企業研究を始める頃には、ご自身が描く未来像ができあがってくるのではないでしょうか。「こういう企業に入って、こういうキャリアデザインをして……」というイメージが固まってくると思うのですが、必ずしもそのイメージどおりにいくとは限りません。考えが変わることもあるし、どんな素晴らしい出会いがあるかもしれない。そういう意味で、企業研究を行う段階では、あまり業界を狭める必要はないと思います。IT志望の人なら、「IT人材を求めているけれど、IT企業ではない」というところに敢えて飛び込んでみるのもおもしろいのでは?(我妻さん)

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日野さんが担当する『タブドリLive!』の問題データをチェックできるようなプログラムを作成中という我妻さん。チームは異なるが、協力体制はしっかりできている。

マイナビ編集部から

東京書籍といえば、教科書出版で名を知られた大手企業であり、子どもの頃から同社の教科書にお世話になった人は多いだろう。「出版社」「教科書」というワードからは、どうしても文系のイメージがつきまとう。しかし、同社が今、切実に求めているのはDXに対応できる人材だという。日野さんの話に出てきたように、文科省が打ち出した「GIGAスクール構想」は、コロナ禍で一気に進んだ。そのため、教材のデジタル化は教育出版界の急務となっている。もちろんDXとはいっても、プログラムを組むことは業務の一部でしかないし、全員に必須の能力という訳でもない。制作会社と協力し、求められる内容や機能を開発し、なおかつリリース後の運営まで担当することになる。そうなれば、DXに詳しい人材が必要になるのは自然の流れだ。企画力だけでもなく、DXに詳しいだけでもない。教育業界への関心と情熱、モノづくりへのこだわりなど、あらゆる能力が求められる。
我妻さんの言葉が印象的だった。「鶏口となるも牛後となるなかれ」。理系だからIT業界というイメージに凝り固まることなく、本当にDXを必要としている企業を広く見渡し、そこで存在感を示すという生き方もある。そんな「本当にDX人材を求める企業」の選択肢の一つとして、東京書籍はおもしろいと言えるだろう。

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東京都北区にある本社ビル内風景。ゆったりとしたスペースで、子どもたちのための教材づくりに専念できる環境が整えられている。

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