最終更新日:2024/5/8

コマツ物流(株)【コマツグループ】

  • 正社員

現在、応募受付を停止しています。

業種

  • 物流・倉庫
  • 情報処理
  • 陸運(貨物・バス・タクシー)

基本情報

本社
東京都

取材情報

仕事・キャリアパスについて伝えたい

ICTを導入し、知恵と工夫で物流現場の改善にチャレンジ!

PHOTO

現場の課題を洗い出し、改善策を考える

現場作業の効率化を図るため、新システムの導入や設備のレイアウト変更を行うなど、コマツ物流の改善チームは日々、独自の視点で現場改善を進めている。今回は、改善チームで実績をあげた先輩社員に話を伺った。

Y.A.さん
東日本物流部 企画グループ 改善チーム(2018年入社)
東京都市大学知識工学部経営システム工学科(在学時)卒

大学は理系の学部に進み、経営を科学的視点で研究する学科に所属。情報分析、人間工学、生産管理などの手法に加え、プログラミングの基礎も身に付けた。入社後は栃木県小山市の小松製作所(以下、コマツ)小山工場内にある自社事務所に勤務。
現場と事務所を行き来しつつ、業務改善に努めている。

先輩の仕事スタイル

現場改善は作業の変更を伴うので人によってはなかなか受け入れられないもの。Y.A.さんは担当者と十分なコミュニケーションを取り、改善内容を一緒に考えるようにしている。
18日以上の年休取得義務や充実した福利厚生も大きな魅力。「キャリアに関係なく、若いうちから様々なことに挑戦できる社風も気に入っています」とY.A.さん。
2種のコードの同時読み取りと、情報の紐付けの自動化を実現させた自動紐付け装置。作業時間の短縮を成功させたことから、他の工程への導入も期待されている。

コマツ物流の「物流技術職」について

まず、当社が技術系職種の募集を始めた経緯からお話します。
当社はコマツのグループ会社の中で唯一、物流業務を専門に行っており、国内だけではなく、海外工場で製品製造時に必要な部品の調達から保管・梱包まで幅広い物流機能を担っています。
特に、当社の場合は、コマツの生産に深く関わっており、グループ全体の物流最適化のためには、技術的視点から物流業務の改善を提案・実行できる人材の育成が必要でした。

そこで、2016年度より、新たな取り組みとして総合職での募集から職種別の募集へと変更し、技術的改善を担う人材の枠組みとして、「物流技術職」を設けました。新卒担当者によると、当時は物流会社の多くが総合職での募集を行っていたので、理系学生を対象とした物流技術職の募集は手探りの部分が多かったそうです。しかし、工場見学やインターンシップを通し、私のように多くの学生が物流技術職に興味を持ってくれて嬉しく思っていると聞いています。

2017年度以降、2022年4月までの間に物流技術職として14名(男性11名、女性3名)が入社しました。最初の代はすでに中堅社員となり、各所属部門で活躍しています。物流技術職は、資料だけで具体的な業務内容をお伝えするのは難しいので、入社前後のミスマッチを防止するためにも、同職種の先輩社員との交流や工場見学時に業務(改善)事例の紹介、インターンシップでの業務体験などを行っています。また、入社後1年間は、データ集計から現場との調整、設備導入後の効果の確認まで物流技術改善の一連の流れや基礎を先輩社員の元で学ぶ実習期間となっています。このような活動を継続してきたこともあり、物流技術職社員の離職者は出ていません。(22年5月末現在)

昨今、多くの企業が少子高齢化による人手不足を課題に挙げており、物流現場においても効率化・改善の必要性が増しているため、物流技術職への期待は高まっています。そのため、入社年次に関わらず早いうちから、責任のある仕事を任せられています。
そんなコマツ物流に私が興味を持ったきっかけや、コマツ物流の技術職の仕事の面白さなどを次の記事からご紹介します。

学生のときの当社での経験が、入社の決め手になった

大学3年時の夏から、複数日程のプログラムを中心に10社以上のインターンシップに参加しました。理由は職場の雰囲気や、企業の深い部分を知りたかったからです。参加した業界は物流をはじめ、建設、流通など様々です。様々なインターンシップに参加して気づいたのは、現状をより良くする仕事がしたい、ということでした。

私が参加したインターンシップは、「実作業体験を通じ、現状の課題を見つけ改善策を提案する」というテーマのもと、参加学生が社員と一緒に物流現場の改善が体験できる5日間のプログラムでした。会場の物流センターでは、部品の出庫作業を体験しました。センター内には、作業中の社員同士が位置を確認できるよう、通路に鏡が設置されていました。
しかし、その鏡の設置位置が身長157cmの視点で見ると、鏡の手前に照明が被って鏡自体が見づらいことに気づきました。私はこれが課題だと思い、鏡を照明と被らない位置に変更することを提案しました。

その後、選考中に開催された工場見学で再び物流センターを訪れた際、インターンシップ内で私が提案した案が採用され、鏡の位置が変わっていたのを見て驚きました。当時提案を聞いてくれた社員に「そのアイデアいいね」と言っていただきましたが、学生に向けた誉め言葉程度だと捉えていたので、まさか実用化されるとは思っていませんでした。とても驚きましたし、自分の提案が採用され実行されていたことがとても嬉しかったです。
この経験から、この会社なら自分がやりたい改善の仕事ができると確信しました。インターンシップでの提案が実用化されたことで、入社前から改善業務の楽しさ、やりがいを感じることができ、この会社で働きたいと思うようになりました。内定をいただいた時は本当に嬉しかったです。

物流技術職の新入社員は、2か月間のコマツグループ合同新入社員研修に参加した後、1年目は技術職実習員として改善実習を行います。私の実習地は小山でした。
2か所の物流現場で改善実習を行い、それぞれの現場で最初の約1ヶ月は現場実習を行います。その経験を踏まえて残りの期間に改善活動を行います。そこで仕事の考え方、取り込み方等を覚え、2年目に配属先が決定します。私は東日本物流部の改善チームに配属されたので、引き続き小山の物流現場の改善に加え、茨城県の拠点の改善も行っています。

現場の効率化を進める「自動紐付け装置」を導入し、2021年度社長表彰を受賞

コマツの物流センターでは、個装、部品の保管、出庫、梱包などの作業を行っています。私たち改善チームの役割は、それらの作業の中から課題を見つけ出し、改善策の考案、実施することで課題を解決し作業効率を向上させることです。
課題の発見に重要なのはデータ解析です。当時、私は物流センターでの個装作業の改善を担当していました。

まず、データを集めるために視点を追跡するアイトラッキングというメガネ型のカメラを使い、一連の個装作業を撮影しました。その動画を見て作業分析を行った結果、正味作業(メイン業務)より付帯作業(メイン業務に付属する業務)が占める割合のほうが多いことがわかり、付帯作業を減らす方法を考えました。
付帯作業の中で最も時間がかかっている、コードを読み取る携帯端末を使用して、搬送容器に入れた部品の情報を紐付ける作業に着目し改善を進めました。

当社は、センター内のコンベアを使用し個装完了品を複数の作業場へ運んでいます。目的地までは分岐点で搬送容器を読み取りながら運搬するため、その搬送容器に入れた部品の目的地情報を紐付ける必要があります。現状把握から作業自体を無くせないことがわかり、人の手作業をやめられる方法を考えました。
様々な案を検討した結果、自動紐付け装置の導入を提案しました。この装置は、コンベアの最初の分岐点前に設置し、搬送容器と部品それぞれのコードを同時に読み取り自動で情報を紐付けするものです。導入する為にはまず、その装置を買うお金が必要です。作業時間、投資額、効果など数値的な根拠を示すことで、会社は予算を設けてくれます。楽になるなど人の感覚的な理由だけでなく、様々なデータを活用して数値で語る理系の考え方がこの部分で生きます。この装置の導入は1年以上の歳月をかけ多くの方々の協力を得ながら進めていきました。そして昨年無事に稼働し、手作業の廃止と個装作業時間の短縮を実現しました。

導入した当時は、自分はあまり大きな仕事をした実感はありませんでしたが、この改善で社長表彰をいただき、会社に評価してもらえる大きな仕事をやり遂げたのだと達成感を感じました。改善対象は物流センター業務に限らず、運輸業務、部品調達供給業務、各現場の管理部門などたくさんあります。これからも物流現場の更なる効率向上に貢献していきたいです。

学生の方へメッセージ

福利厚生や休日の多さ、さらには職場の雰囲気など、企業を研究する際のポイントは人それぞれでしょう。私自身も複数のポイントを自然に検討していましたから、ここが絶対に重要という言い方はできないと思います。それより大切なのは、自分が興味を抱いた企業について可能な限り深掘りし、仕事の内容や社員の人柄を知ること。それにはインターンシップへの参加が一番だと思います。内容が複数日にわたる実践的なプログラムであれば、かなり深いレベルでその企業の全体像が見えてくるはずです。

私は特定の業界への興味からではなく、その企業がどのような業務をやっているのかに関心があったので、複数の業界のインターンシップに参加しました。仕事に対する理解が深まって魅力が増した企業もあれば、想像と違っていてギャップを感じた企業もあります。当社の場合、入社前から社員の方々との交流の場や現場見学が多くあったので、入社後にギャップは感じませんでした。学生の皆さんにはインターンシップへの参加を強くおすすめします。
(Y.A.さん)

PHOTO
コマツ物流が大切にしているのは「失敗を恐れず、前向きかつ主体的に業務に取り組む」姿勢。コマツグループ合同の研修制度など、新入社員の教育制度も手厚い。

マイナビ編集部から

建設機械・鉱山機械の部門で世界的に知られるコマツ。コマツ物流はグループ唯一の物流企業で、パワーショベルやブルドーザーなどの重量建設機械輸送はもちろん、国内外の拠点に向けた生産部品や補修部品などの供給を一手に引き受けている。親会社の輸送業務に特化した物流企業は少なくないが、同社の特徴もまた、この点にある。建設機械メーカーは世界的に見ても数が少ないため、コマツ物流には同社でしか経験できない“類例のない仕事”が豊富にあるのだ。
もう一つの大きな特徴は、同社が「物流改善」に力を入れていること。人手不足が深刻化していることは業界全体の課題だが、同社の場合はそこに最新のICTを組み合わせている点に強みがある。Y.A.さんが語っていた「メガネ型のカメラ(アイトラッキング)」はその一例。コマツはグループ全体が一丸となってICTを導入し、各現場の効率化や省力化を積極的に推し進めているのだ。コマツ物流においても、今後はこれまで以上に情報系の素養を持った人材の活躍が期待されている。
同社なら、そんな物流改善業務を若手のうちから経験できる。入社年次に関係なく、若手にチャンスを与えるのはコマツ物流の良き伝統。お話を伺ったY.A.さんも、入社4年目に大きな実績をあげている。企業研究の際は、ぜひ同社の人材育成面にも注目してほしい。

PHOTO
「物流改善」という課題に対してICTを駆使することで独自の現場改善を実現しているコマツ物流。多様な場面での改善が求められる今、物流技術職の活躍の可能性は無限大だ。

トップへ

  1. トップ
  2. コマツ物流(株)【コマツグループ】の取材情報