最終更新日:2024/9/6

日本電設工業(株)【東証プライム上場】

  • 正社員
  • 既卒可
  • 上場企業

業種

  • 設備工事
  • 建設
  • 通信・インフラ
  • 鉄道

基本情報

本社
東京都

取材情報

仕事・キャリアパスについて伝えたい

“電車の生命線”の改修・新設現場で活躍。技術力を高め、末長くインフラに貢献したい

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若手から中堅へ、仕事の醍醐味とキャリアアップに迫る

鉄道電気設備工事のエキスパート集団として、社員の技術育成に力を入れている日本電設工業。入社6年目のAさんも一から学び、電車線支社とインテグレート支社を経て着実に成長中。その軌跡とやりがいを追った。

■A.S.
2016年入社/工学部電気システム工学科卒
鉄道統括本部 インテグレート支社
工事1グループ 工事課
スポーツが好きで、趣味は野球観戦。広島カープのファン。入社3年目の2018年に結婚し、現在は2児の父となり1ヶ月の育児休暇も取得した。
取得が難しいと思われがちな育児休暇も会社としてフォローがあり、ワークライフバランスも取りやすい。

仕事シーンを紹介

山手線内の現場で、電車線をインテグレート化するにあたり、架線の高さを測って調整しているAさん。作業は協力会社と共に安全第一に行われる。
現場の施工管理は先輩と2人体制で100人近い作業員をまとめる。そのため日頃の報告・連絡・相談は欠かせない。Aさんは話しやすい人柄で、先輩・同僚からも慕われている。
現場での作業だけでなく、日中はJR東日本に提出する必要書類や資材発注などデスクワークも多い。施工図を見て、現場に適した施工方法を検討することも大切になる。

現場で通用する知識・技術を学び、安全第一を念頭に事故防止に努める

大学では燃料電池などを研究していましたが、就職先は学びを生かしたいのはもちろん、好奇心の赴くところを探しました。大学の先輩が就職していた関係で当社を知り、人々が見ていない裏方としてどのように鉄道インフラを守っているのかに興味が湧き志望しました。JR東日本グループの一員で鉄道電気設備工事を支えつづける安定感、教育研修制度が充実している点も、不安なく長く働けそうな印象で迷いはなかったです。
入社後、千葉県柏市にある『中央学園』で技術系新入社員研修を1年間受けました。当社の鉄道電気工事部門は「電車線」「発変電」「送電線」「電灯電力」「信号」「通信」という6つの専門業種がありますが、最初2ヶ月間の基礎研修で各業種がどのような役割でどう連携しているか全体図がわかり、その後の研修と業務になじむことができました。6月から翌年3月までは各業種に分かれ、それぞれ専門的な技術研修を受けました。私は希望していた「電車線」への配属が決まり、同期と専門知識を実践的に学んでいきました。学園には電車現場を再現した実習設備が整っているほか、共用の食堂や大浴場で生活を共にすることで仲間との絆も強くなったと思います。
中央学園での研修が終わると、4月から1年間にわたるOJT研修がはじまり、実際の工事現場で作業員に交じって作業方法を覚えました。電車線とは電車の上部にあるパンタグラフに接続する電線のことで、架線またはトロリー線と呼びます。架線はパンタグラフと接するので摩耗が激しく、断線したら電気が流れず電車の運行に支障をきたすので、電車の生命線といえるもの。常に点検や張替え工事が必要になり、首都圏を中心にさまざまな路線の現場ニーズが常にあります。
現場を知った後、3年目からは電車線支社に配属され、架線の張替え、さらに架線を支える電柱など支持物を含めた工事の計画・施工管理を行っていきます。施工管理は、安全・工程・原価・品質の4つの管理が基本。架線に電気が流れると感電する恐れがあり、人の命に関わるため、特に安全管理は徹底します。基本的には終電後に夜間工事を行いますが、最初に検電によって電気が流れていないことを確認。さらに高所作業に備えて作業員はしっかり安全帯をつけているか、作業工程で忘れている点はないかなどをチェック。感電だけでなく、墜落や触車などの事故も未然に防ぐよう、幅広い世代の作業員との積極的な対話を心掛けています。

架線張替えだけでなく、新設工事に着手し電車が走ったときの感動は忘れられない

電車線支社ではJR東日本からの要請を受け、例えば山手線や横須賀線など、1日数百メートル単位で架線の張替え工事を行います。大変なのは、計画段階です。夜間に作業を終わらせ始発に間に合わせることは絶対の使命なので、協力会社の選定と作業者の人数の調整などは難しくなります。腕の良い作業者が多ければ作業もはかどりますが、必ず思うようになるとも限りません。その辺は作業内容と規模、協力会社の技術を推し測り、先輩にも相談し確認の上で準備を進めます。ちなみに、夜間作業については工事内容や業種によって異なり、それ以外の日中勤務はJR東日本に出す必要書類の作成、資材の発注、施工方法の検討などに費やします。勤務はシフトで組まれますが、最初は夜勤と昼間の勤務がある生活リズムに戸惑ったりもしましたが、次第に解消され、今ではシフトに合わせてうまく体を調整することもできるようになりました。
これまで最も印象に残っているのは、3年目のときに、相鉄線とJR線を結ぶ約 2kmにわたる直通線の架線新設工事を担当したこと。JR東日本と路線の仕様が異なり、改めて覚えることも多くありました。単なる張替えと異なり、従来なかった土地に新規に電柱を建てて架線を張る場所もあり、計画通りにいかない工程もあります。そんななか、新設の架線や電柱を施工管理できる経験は貴重でしたし、協力会社の作業員と共に汗を流し1年近くかけて新路線が誕生しました。そして試運転で真新しい架線からの電気をしっかり受けて電車が進むと、車内が大きな感動に包まれました。私もそれまでの頑張りが報われたようで、うれしかったです。その後も新路線が何事もなく安全に運行されていることを見聞きすると、大勢の人が利用する社会インフラを支えている充実感が得られました。
当社の社員は電車好きばかりかというとそんなこともなく、安全かつ定刻通りに電車を走らせよう、そのために社会インフラを守ろうという責任感・使命感をもった人間が集まっています。一人ひとり責任感が強く、チームワーク良く仕事を進める社風といえるでしょう。

ビームや架線柱など設備一式を造れたときの一体感は格別。先輩のようにマネジメント力のある存在へ

5年目の2020年4月から現在は同じ「電車線」業務の担当ながら、インテグレート支社に異動になりました。インテグレートとは簡素・統合化という意味で、一度の工事が約1600mに及ぶなど大規模になります。私は架線の張替えチームと連携し、ビームや鉄道架線柱など支持物全てを取り付けていくチームで仕事をしています。ビームとは、架線を支持するために線路を挟んだ架線柱の間に渡された梁のこと。金物による形状はさまざまですが、その先には電線を支持する絶縁体の碍子(がいし)がついています。
ビームには、さまざまな架線が支持されているため、取り付け工事には簡単に倒れない耐久性が求められます。例えば山手線と京浜東北線が並行で走っている場所は4路線が集中し、地盤に大きな荷重かかるために架線柱も深く掘る必要があります。そこではどれくらい穴を掘削したらいいのかなども検討します。例えば普通は2mの掘削ですむところ、4路線が走る線路脇は4m近く掘る必要があることも。土壌や荷重を入念に調べ、建柱車と呼ばれる専用車両も使って作業が効率的にはかどるよう施工管理を進めています。
一つの場所で掘削作業からビームと架線柱の新設や架線の張替など、通常1週間以上かかります。それだけに一式の新規の設備を無事につくれたというときは、先輩や作業員と共にやり遂げたという一体感を感じますし、安全運行に欠かせない設備として形に残る点もやりがいです。これまで電車線支社とインテグレート支社で、架線の張替え、新路線工事、ビームなどの大型設備工事と着実に良い経験が積めていると感じますし、責任とやりがいはより大きくなっています。
2021年には社内の講習会や受験費用の補助・報奨金制度も活用して、1級電気施工管理技士の資格を取得することができました。主任技術者(監理技術者)として仕事に携わることはできますが、まだ先輩のレベルには達していません。今は先輩が複数の工事を統括し、自分が一つの現場の施工管理をする役割で、知識や経験不足の面から相談を持ち掛けることもあります。今後は先輩方を良き目標に、後輩も指導しながら大型案件や複数案件にも対応していきます。将来は人・モノ・金をマネジメントできる存在となり、鉄道インフラを守りつづけていきたいです。

学生の方へメッセージ

私の場合はほぼ一社専願に近い形で就職活動をしましたが、振り返ってみるといろいろな業界や会社を調べてみても良かったと感じます。最終的に志望は変わらなくても、比較することで視野が広まるからです。例えば同じ電気設備でも、鉄道関係と一般の建設関係では大きく異なります。その辺はしっかり調べてみるといいでしょう。
当社の場合、私が志願して配属となった「電車線」業種は、一般的な電気知識はもちろん役立ちますが、施工方法など入社後に学ぶことも多くあります。それに比べ、他業種では電気・電子工学や通信の学びが比較的ダイレクトに生きるのではないでしょうか。
ただ、いずれにせよ、当社の技術系職種は「中央学園」で約1年の教育研修期間があるので、心配には及びません。何よりもバイタリティ旺盛に一からいろいろなことを吸収できる人、多くの作業員と接するので人と対話するのが好きで、コミュニケーションを活発に図れるような人は活躍できるでしょう。

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休憩時間は社内のリフレッシュルームで、同僚と談笑することも。研修を共にしていると休日の予定や自らの家庭の話など、何でもざっくばらんに話せる間柄になる。

マイナビ編集部から

私たちが普段から利用する鉄道や駅。その電気設備工事を担うプロ集団が「日本電設工業株式会社」だ。JR東日本グループの一員として、新幹線や在来線の鉄道電気工事をはじめ、東京駅丸の内駅舎など、スケールの大きなものを手掛けてきた。近年は山手線の新駅「高輪ゲートウェイ駅」の新設工事プロジェクトも担当し、開設時には大きな話題にもなった。さらにSuicaネットワーク構築に関連する工事、空港関連施設や病院、ホテルの工事まで、一般電気工事分野と情報通信工事分野にも事業フィールドは広がっている。時代と共に変化するニーズを捉え、人々の移動や快適な生活に欠かせないインフラを最前線で構築・提供しており、それだけにやりがいも大きい。近年はコロナ禍の影響を受けたものの、その間も計画に沿って工事が行われており、常に必要な存在でありつづけている。
同社は「中央学園」などエキスパートになるための教育体制も完備され、また資格取得支援体制や福利厚生も充実している。今回お話を伺ったAさんも「手厚い教育に加え、家賃補助も助かっています。常に社員へのバックアップがあるので安心して人生設計が立てられます」と語る。社会インフラの安全・安心を支えるには責任と覚悟が必要になるが、技術エキスパートの誇りを胸に、多くの人の毎日を支えていこうという人に格好の会社といえる。

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都心の交通の要衝ともいえる「山手線」。品川と田町の中間にある「高輪ゲートウェイ」の新駅誕生にも同社の技術は生かされ、今日も安全かつ定刻通りの運行を支えている。

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