最終更新日:2024/8/8

山本電気(株)

  • 正社員
  • 既卒可

業種

  • 自動車・自動車部品
  • 家電・AV機器

基本情報

本社
福島県

取材情報

事業について伝えたい

車や家電に使われる多彩なモータを製造。搭載製品を通じて世の中の暮らしを支える。

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精米機、フードプロセッサー、掃除機など自社製品も展開。

福島県須賀川市に本拠地を置く山本電気では、車や家電に使用されるモータを手掛けています。その現場でものづくりや新卒採用に取り組む若手従業員たちに、事業や担当業務と世の中との接点について話を聞きました。

小林里央さん(中央)
新潟県上越市出身。福島大学人間発達文化学類文化探究専攻を卒業後、2018年に入社。総務部財務課に配属され、モータの原価管理や関連会社の損益報告に従事。2021年からは新卒採用も担当。
熊田令さん(右)
福島県郡山市出身。日本大学工学部機械工学科を卒業後、2018年に入社。技術部ファンモータ課に配属され、ファンモータの設計や試験、環境負荷も含めた使用物質調査などを担当。

山本電気で働く際に、心掛けていること。

モータの原価管理や新卒採用を担当している小林さん。普段の仕事では自分の考えをただ口にするだけでなく、その裏付けや根拠などを示しながら伝えようと意識しています。
モータの設計や試験に取り組む熊田さん。試験時には計測データに矛盾が出ないよう、注意しながら進めています。試験後には数値を細かく確認したうえで報告するそうです。

1950年にミシン用モータ製造を始め、1970年代には全世界の7割ほどを供給。

当社は1934年、プレス加工を行う会社として東京都港区に誕生しました。1945年には現在の本拠地である福島県須賀川市に移転。1950年にミシン用モータの生産を開始し、1970年代には全世界のミシン用モータの7割ほどを手掛けるまでになりました。
現在の主力製品は自動車用のモータで、その売上は会社全体の半分を占めています。次に多いのが、全体の2割ほどとなる調理家電製造などの関連事業です。掃除機用モータが1割ほどと、その後に続いています。
車載モータを主力にしている点は当社の大きな特徴でしょう。開発や製造はお客様からのご要望を受けて取り組むのですが、長年続けていることもあって細やかに対応できているのではないかと思います。当社で手掛けているのは車のエアコン用モータや、エンジンを冷却するファンモータが中心です。冷やすためのパワーや安定性はもちろん、快適なカーライフを支えるための静粛性も大きなポイント。海外向けの車にも使われるため、厳しい環境でも稼働するよう高い耐久性も備えています。
インドにも関連会社があるのですが、現在は現地でモータ製造をスタートさせるべく技術面の支援に取り組んでいるところです。モータ製造だけでなく、その生産設備も製作するなどして関連会社のバックアップに取り組んでいます。
当社はこのように、モータで世の中を便利にするメーカーとして活動してきました。車のエアコンやエンジン冷却に関わる物のほか、家庭用精米機やフードプロセッサーなど家電に搭載されるモータも製造。モータとそれが搭載される車や家電などを通じ、みなさんが快適に暮らせる世の中を支えています。
そんな中、私も所属する総務部財務課で社業をバックアップ。担当しているモータの原価管理、関連会社の損益確認と報告、新卒採用などを通じ、当社のものづくりをフォローしてきました。直接モータ製造に取り組む立場ではありませんが、原価管理などは会社の利益を左右しかねない業務であるため、正確性やスピードを意識して取り組んでいます。
さまざまなデータから当社や市場の動きを把握できる点は、この仕事ならではの面白さかもしれません。今後はただ情報をつかむだけでなく、さらに発展させたり改善したりするための提案まで行えるよう知識を積み重ねていければと思います。
(小林里央/総務部財務課・2018年入社)

車のエンジン冷却用ファンモータを設計。既存品の物質調査や試験業務にも取り組む。

技術部ファンモータ課で、車載ファンモータの設計や試験に取り組んでいます。設計ではお客様のオーダーに合わせて図面を作成していますが、ご要望として多いのがモータの寿命を伸ばすこと。主にブラシと呼ばれる電極部品を調整して対応し、長さや素材を工夫するなどしてご要望に添えるよう苦心しています。
求められる仕様を忠実に再現できたとき、他社製品よりいい性能にできたときには、やりがいを実感します。既存モータを基に再設計した際には、素材などを調整して寿命を約2倍に伸ばせました。この案件ではお客様にも喜んでいただきました。
またモータの試験では、さまざまな条件下で稼働させて性能をチェック。当社の車載モータはインドネシアやタイなど主に東南アジアで使用されるため、気温80度の環境で試験を行うほか、振動や水などの影響も調べています。
既存モータにどういった物質が使われているか調べることも、私の担当業務のひとつです。どんな物質を組み合わせて使うかによって、部品やモータの寿命が左右されます。この業務には製品の環境負荷を明らかにするという目的もあります。
そんな私が担当しているのは、車に搭載されるファンモータの設計です。これはエンジンルームに取り込まれ、エンジンを冷やすための重要な部品。もしこれが不具合を起こせばエンジンを冷やせず、車を走らせることができなくなります。私の手掛けるモータはこのように、車やエンジンを通じてみなさんの快適なカーライフを支える物。もしかしたら、みなさんが乗った車にも私の手掛けたモータが搭載されているかもしれません。
私が当社を志望したのも、車好きだったことが大きな理由です。小さいころに初めて触れたモータは、私にとって機械を象徴する物でした。そんなモータを手掛けながら車にも携われるため、ここで働きたいと考えるようになりました。さらに当社ではモータを通じ、車以外の幅広い製品に関われることも魅力的に感じました。
今後については、もっと電気関連の知識を身に付けたいと考えています。私は機械工学科出身なのですが、モータ試験などのために必要な装置を組まなくてはなりません。そんなときに役立つのが、電気に関する幅広い知識です。独学でもいいので少しずつ学んでいきたいと考えています。
(熊田令/技術部ファンモータ課・2018年入社)

学生の方へメッセージ

企業に求める要素は人によっていろいろありますが、さまざまな企業を見比べていく中では漠然と規模の大きさや経営の安定感に注目してしまうのではないでしょうか。しかし企業研究に取り組む際にはそういった点だけでなく、自分が思うように働ける環境かどうかを見極めることが大切ではないかと思います。
そういった点を判断するには、興味を持った企業のインターンシップや職場見学に参加することが有効です。その企業で働く先輩方の様子、リアルな職場の雰囲気などに触れ、肌で感じた判断材料を基に働きやすいかどうか見極めてもらえればと思います。
たとえば当社は上場しておらず、それほど規模の大きな企業でもなく、大手のグループ企業という訳でもありません。しかし、株式市場やグループ企業に影響されにくいことから私たち従業員への縛りも少なく、比較的自由かつスピーディーに働ける環境となっています。若手でも上司に意見を上げやすい雰囲気という点も特徴のひとつです。それが働くモチベーションにもつながっているのではないかと感じますね。
従業員の傾向としては、仕事に対して真面目な方が多いようです。技術系の部署ではお客様のご要望に合わせてモータの製作や試験を繰り返すため、ものごとに根気強く取り組めるタイプが向いているのではないかと思います。
(小林里央/総務部財務課・2018年入社)

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笑顔で話す若手従業員。山本電気はそれほど上下関係が厳しくなく、若手にも重要な仕事を任せる社風なのだとか。管理職の中には30代で課長や次長を務める方もいるそうです。

マイナビ編集部から

取材で感じたのは「これだけの規模のモータメーカーが福島県内で活動していたのか」という驚きだ。そのようにとらえる学生も少なくないようで、取材した對馬さんは「車載モータ製造に興味を持ったが、地元にそんな会社があるとは知らなかった」と当時の印象を語っていた。
同じく取材した小林さんによると、一時は世界中のミシン用モータの7割を供給していたという。1世紀近い歴史を持つ企業だけにノウハウも豊富。ただし単純に伝統を重んじるだけでなく、時代に合わせたものづくりで現在の姿を築いてきたようだ。
その姿勢は「時代の変革に生きのこり 利潤をあげ 以って働く人々の幸福をはかり 社会に奉仕する」という企業理念にも現れている。取材対象者は3名ともこの文言に共感している様子。それを裏付けるように、取材時の受け答えからは仕事に対して試行錯誤する姿勢もうかがえた。
そんな現場の仕事ぶりに支えられているのが、山本電気の強みなのかもしれない。熊田さんの「仕様に対して忠実に再現できたときにやりがいを感じる」という言葉からも分かるように、顧客の要望を形にしようとする姿勢はあくまで強い。年代を問わず仕事に責任感を持って取り組むからこそ、そういったスタイルが根付いているのだろう。
モータを通じて日本の産業や暮らしを支えている山本電気。家電など自社製品も展開しているという同社の今後が楽しみだ。

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モータの製造を中心としながら家電などの自社製品も展開している山本電気。精米機、フードプロセッサー、コーヒーメーカー、掃除機などラインアップは多岐にわたります。

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