最終更新日:2024/5/19

(株)豊島屋

  • 正社員

業種

  • 食品
  • 専門店(食品・日用品)
  • 外食・レストラン

基本情報

本社
神奈川県

取材情報

仕事・キャリアパスについて伝えたい

こだわりのお菓子と一人ひとりに寄り添った接客で、「豊島屋のファン」を増やしたい

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鎌倉を拠点に、伝統の味を広げています!

◆大口 将汰さん(2020年入社)
横浜高島屋店勤務 店舗スタッフ

◆岸田 伸幸 さん(1996年入社)
横浜高島屋店勤務 店長

「鳩サブレー」を看板商品として、128年という歴史を紡いできた鎌倉の老舗企業・豊島屋。次世代を担う若手社員と売場責任者を務める社員に、同社が大切にしているものや店舗での仕事の様子について伺った。

先輩からひと言!

「大学時代は大学合唱団で活動し、現在も2つの社会人合唱団を掛け持ちしています。仕事後の練習にも通えていますし、休日にはコンサートにも出演予定です」(大口さん)
「コロナ禍を経て、最近は少しずつ少人数でご飯に出かけるなど職場内での交流を深めています。来年は鎌倉を感じられる社内イベントにも参加してみたいです」(大口さん)
「『数年後どうなっていたいのか』というビジョンを持つことが成長の鍵。20代後半の社員が店長を務める店舗もあり、次世代の活躍には大いに期待しています」(岸田さん)

お店の看板を背負って立つ立場。楽しみながら接客や商品知識の習得に励んでいます

大学で心理学を学んでいた私が販売の仕事に興味を持ったのは、アルバイトがきっかけです。カラオケ店で4年間楽しく働き、人と接する仕事に興味や適性を見出しました。食べることが大好きだったので、就職活動では食品業界の企業を中心に検討。当社に興味を持ったのは、鳩サブレーの名前を見てそのおいしさを思い出したことがきっかけですね。また最終面接の雰囲気がなごやかで、「こんなにも笑顔あふれる社長の会社なら、長く働いていけそうだ」と思い入社を決めました。

1年目は大丸東京店からスタート。スタッフ4名ほどの小さな店舗ではありますが、国内有数の乗客数を誇る駅構内にあり、お土産の需要はとても高かったです。乗降時間に合わせて急いでいるお客さまや忙しいビジネスパーソンのお客さまも多かったため、スピーディーな対応に尽力しました。

入社後すぐに1回目の緊急事態宣言下となり、新人研修はイレギュラーになりましたが、例年より早く現場に立つことができたからこそ成長できた部分もあると感じています。百貨店にふさわしい所作や言葉遣い、熨斗紙の使い分けなど風習・礼節に関する知識を身に付けるまでは多少の苦労もありました。それでも豊島屋の看板を背負ってお店に立っていることを常に念頭に置いて、お客さま対応をしていましたね。

2年目からは、現在の横浜高島屋店へ。こちらは店舗の広さ・スタッフの数ともに大丸東京店の2~3倍ある大きな店舗です。社内で最も売り上げが高い店舗でもあるので、比例して、ご来店されるお客さまの数も非常に多い状況があります。以前の店舗では扱っていなかった和菓子類や季節限定の商品も多数扱っているため、異動後はまず和菓子の知識や常連のお客さまを覚えることに注力しました。オンライン商品や季節商品も含め、品物名、値段、原材料などを全て頭に入れられるよう意識しており、大変ではありますが、お菓子の知識が増えていくのはとても楽しいです。

また当店では、お客さまから「こんな感じの詰め合わせを作りたい」と個別のオーダーを頂く機会も少なくありません。予算や用途、好みを聞いた上でご提案をし、「こういうのが欲しかったのよ」と喜んでいただけた際には、とてもうれしく感じます。ご高齢のお客さまも多い店舗なので、配送伝票を代筆する場面もあり、「親切にやってくださってありがとう」といったお礼の言葉もやりがいになっています。
(大口さん)

対面接客ならではの楽しさや喜びを提供したい。のびのびと意見を出せる風土です!

最近は、商品・備品の発注や申請業務なども少しずつ経験させてもらっています。目の前の作業に没頭しがちだった新人時代に比べると、周りを見ながら動けるようになった実感がありますね。「配送が溜まっているな」「先に会計をやっておこう」など目配りや気配りをしながら店内での連携にも努めています。包装などまだまだ不得手な業務もありますが、皆で協力しあい、忙しい時間帯を段取りよく乗り越えられたときは、達成感が大きいです。

折々で他店の応援にも行かせてもらっていますが、店舗によってお店のつくりも異なりますし、地域ごとにお客さまの層も異なるので大変勉強になっています。自店に戻ると、店長が「どうだった?」と尋ねてくれるので、「こういった点は当店にも応用できるのでは」といった意見を出すこともしばしば。頭ごなしにアイデアを否定されるようなことは一切ないですね。提案すると「やってみようか」と柔軟に採用してもらえる機会も少なくないので、のびのびと発言させてもらっています。老舗ということもあり、入社前は堅い社風をイメージしていましたが、「変えていくべきところは変えていこう」という柔軟な姿勢がある会社だと思います。

店頭に立っていると、お店のファンでいてくださるお客さまにたくさん出会えます。前店舗で「周りの人に配りたいから」と50枚、100枚と大量に鳩サブレーをご購入くださっていた常連のお客さまのことは特に印象に残っています。私たちスタッフのために差し入れをしてくださることもあり、「豊島屋は愛されているな」と感じたことを覚えています。鳩サブレーは広く知られた商品ですが、味は1種類のみで、変わらない素朴な味を守りつづけていることは大きな特徴。季節の和菓子など彩りある商品展開も行いながら、一本筋が通った商品づくりを続ける企業姿勢も、お客さまに評価いただいているポイントではないかと感じています。

オンライン販売も好調ですが、実際の商品を見て選ぶ楽しみや、自分だけの詰め合わせを作れる喜びは店舗でしか提供できないもの。これからもしっかりと販売スキルを磨き、お客さまからもスタッフの皆さんからも信頼される存在になっていきたいです。その先は、会社を裏から支えていく人事や総務の仕事にも興味を持っています。店舗か本社かのポジションを問わず、豊島屋の一角を支えられるような存在になることが目標です。
(大口さん)

全てのお客さまのご満足を追求し、「幅広い世代に愛される豊島屋」を目指して

幼少時代から食する機会が多くあり、「シンプルなのにほかにはないおいしさがある」と感じていた鳩サブレー。この商品に魅力を感じて、当社に興味を持ちました。モノづくりが好きだったので、当初は製造部門を希望していましたが、自宅近くに工場がなかったこともあり、「まずは販売から経験してみよう」と考え入社を決めました。

接客は初めての経験で、新人時代は右も左もわからず戸惑う場面もありました。しかし、ご提案したお菓子をお客さまに喜んでいただける経験を重ねるなかで、接客の楽しさがわかるようになりましたね。店舗によって異なりますが、当社は鳩サブレー以外にも多彩な和菓子を扱っており、年間200種類にのぼる商品から、お客さまの目的や好みに応じたご提案が可能です。

現在は売場責任者として、接客や店舗運営、店舗メンバーのマネジメントや育成を担っています。常に先を見て、ビジョンを持って導いていくことが店長の役割だと認識していますので、「どういうお店にしたいか」を共有する姿勢は特に意識しています。幅広い世代のメンバーがいますが、年次や経歴に関係なく、なんでも相談できるような明るい雰囲気の職場です。お中元・お歳暮シーズンや帰省シーズンなどの繁忙期は膨大な配送件数になり、梱包作業に追われますが、皆で協力しあって乗り越えています。

今後も鳩サブレーという当社の代表菓子を通じて、多くのお客さまに愛される豊島屋であれるよう尽力していくことが目標です。店舗責任者となってからも休日はしっかり取れており、子どもと遊んでリフレッシュしています。
(岸田さん)

【若手社員・大口さんが岸田店長に教わっていること】
丁寧さとスピードの両方を意識しつつ、段取りよくテキパキと対応される接客姿勢から、日々学ばせてもらっています。空き時間には想定問答を通じて、ノウハウの共有もしてもらっています。例えば「お客さまからこういうご指摘やご不満の声を頂いた際は、どう対応するのがいいと思う?」いった質問を投げかけて、私の意見を聞いた上で「こういう話し合いや代替案を提示するといいよ」といったアドバイスをしてくれます。「お客さま全員が納得して帰ってくださるような接客をしよう」という言葉もよくかけられており、それを意識しながら、皆で一丸となって接客に励んでいます。
(大口さん)

学生の方へメッセージ

企業研究においては、まず「自分は何が好きか」「これまでどんなことをやってきたか」といった自己分析からスタートしてみるといいと思います。そこから少しでも興味を感じられる業界を見出し、業界研究を行っていくことをお勧めします。

私もこの方法で企業研究を進めました。「サークル活動で体験したパンフレットの制作業務が面白かったな」と思えば、広告系の制作会社を見てみたり、「学校の勉強は嫌いではなかったな」と思い出して教科書出版の会社を調べたりと、興味の向くままに業界を見ていきました。

なかでも、特に好きだった食品やお酒の企業についてはたくさん調べましたね。最初は「そういえばおいしかったな」と食べたことがある商品を手掛ける企業から見ていきましたが、名前や商品を知っている企業以外にもたくさんの会社があることがわかりました。一般消費者向けの商品を手掛けるメーカーだけでなく、企業向けの商品製造を手掛けている企業や、食品の物流・運搬を担っている企業。枝葉を広げるようにいろいろな会社の存在を知ることができました。

その会社の事業内容に興味を持てないと、必要な知識を勉強する過程を楽しむことができず、成長初期でつまずいてしまう可能性もあります。その点にも注目して企業研究を進めてみてくださいね。
(大口さん)

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鎌倉の海水浴場の命名権を買い取ったり、近隣企業と保育園を運営したりと、地域とのつながりがとても強い同社。「鎌倉に貢献したい」という思いを持った社員も多い会社だ。

マイナビ編集部から

鎌倉を代表するお菓子の一つであり、神奈川銘菓として知られる「鳩サブレー」をはじめとした商品の製造・販売を手掛ける豊島屋。真心のこもった接客によってファンを増やすことを大切にしているため、同社の店舗では「店舗予算」や「マニュアル」を設けていない。これは店舗運営を手掛ける企業としては、非常に珍しいことだ。この特徴だけでも「通り一遍な接客やビジネスライクな対応はしない」「お客さま一人ひとりを大切にした結果として、数字は後から付いてくるもの」という同社の信念が伝わってくるのではないだろうか。「数字を追うよりも、顧客満足を追求したい」という志向の方にマッチする風土といえるだろう。

贈答品や土産など“目的買い”のお客さまが多いため、同社が目指しているのは、必要なときに「豊島屋へ行こう」と頭に浮かべてもらえるような長期的な関係を築くこと。お客さまとスタッフがお互いの名前と顔を覚えているような関係となることで、さらに豊島屋のファンになっていただける、そんなお店づくりを続けている。今回取材した大口さんも「当社がどのような接客をしているか、学生の方にもぜひ見てみてほしい」と語っていたが、近くに店舗がある方は一度、覗いてみることを勧めたい。老舗でありながら、親しみやすい社風の魅力にも気付けることだろう。地元のパレードには先頭を切って仮装参加するという、明るく朗らかな4代目社長の人柄にも注目だ。

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神奈川県内に10の直営店と、東京都内の商業施設に30カ所の販売店を展開。「さまざまな店舗で経験を積みつつ、この地域に根差して働きたい」という方にも適した企業だ。

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