最終更新日:2025/7/10

苫小牧埠頭(株)

  • 正社員

業種

  • 物流・倉庫
  • 陸運(貨物・バス・タクシー)

基本情報

本社
北海道

取材情報

仕事・キャリアパスについて伝えたい

国際拠点港である苫小牧港をベースに、北海道の生活に欠かせない物資の輸出入を担う!

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多様な現場でスムーズな物流を支える業務を行う社員の仕事と思い

輸出入の物流をトータルに担う港湾物流事業者である苫小牧埠頭。それぞれ一連の業務のコーディネート、通関、保管を担う3名の社員に、一般には触れることの少ない仕事内容と、そのなかで感じるやりがいを聞いた。

港運事業部 物流営業グループ
高橋 徹さん/2015年入社

港運事業部 通関業務課
谷野 真歩さん/2021年入社

港運事業部 物流営業グループ
吉田 瑞希さん/2021年入社

学生のみなさんへ伝えたいこと

新領域戦略室という部門を兼務し、経営計画にも関わる高橋さん。「コアとなる4部門をベースにしつつ、社会に役立つ事業展開を目指す、チャレンジングな気風の会社です」
物流や通関の知識がないところからスタートし、業務を身につけてきた谷野さん。「視野を広げてみてみると、予想外におもしろみを感じる仕事に出会えるかもしれませんよ」
社名になじみのある地名が入っていたことから興味を持ったという吉田さん。「どんなきっかけが待っているかわかりません。いろいろな企業に目を向けてみてほしいですね」

多様なジャンルの貨物を取り扱う「乙仲」の仕事で、国際物流の要を担う業務にやりがいを感じています。

2015年の入社以来、本社管理部門で財務系の業務に携わり、1年ほど前に港運事業部に異動しました。管理部門で会社全体の動き、業界内での立ち位置などを見てきたなかで強く感じたのは、当社の財務基盤の強さです。展開する4事業部それぞれに、倉庫、サイロ、荷役設備などがすでに整っており、物流の遂行能力が高いことが特徴です。また、石油元売会社、穀物飼料商社、食品を扱う農協をはじめ、多様なジャンルのお客さまと取引があるため、業界ごとの景況の変動をカバーし合うことで、社会の変化の影響を受けにくいといった強みもありますね。

今回配属になった港運事業部は、物流の実務を担うセクションです。私が所属する国際業務課では、物流用語で乙仲(おつなか=海運貨物取扱業者)と呼ばれる業務を担っています。輸入に際して必要となる外貨(外国貨物)の通関手続きから、輸入許可を得て内貨(国内貨物)となった貨物を、国内の最終目的地に送り届けるまでの一連の手配を行うことが仕事です。輸出の場合は、貨物を集荷し、通関手続きを経て船会社に依頼するまでの業務を、荷主(輸出入業者)の代わりに行います。国際物流のコーディネーターと言ってもいいかもしれません。

とはいえ、一般には目にすることのない仕事ということもあって、輸出入という華々しい経済活動のなかでは地味な存在と見られがちです。けれども、この仕事がなければ国際物流が成り立たないことを、今は実感しています。乙仲の調整がなければ、海外から輸入したトレーニングマシンを店頭に並べることができなかったり、原料のポテトフレークが届かずお菓子をつくれなかったり。海外で人気の日本酒を届けられないといった事態にもなりかねません。輸出入の当たり前を維持するという役割に、大きな意義を感じています。

社会に貢献できる仕事を軸として就活を行うなかで、国際物流を担う当社を知りました。地元の業界のなかで実力のある企業であることと同時に、社員の方々がフランクで明るい雰囲気だったことも入社の決め手でしたね。業務の段取りをめぐって、営業事務と倉庫の担当者の意見が対立するといった場面もありますが、それはあくまでも仕事上のこと。雰囲気が悪くなるといったことはありません。現在の業務のスキルを高めつつ、物流の基本となる倉庫務も経験し、トータルな知識を持つスペシャリストを目指したいですね。
(高橋さん)

輸出入の的確な手続きを通して、生活に欠かせないものをスムーズに届けることで誰かの役に立つ仕事です。

私が所属する通関業務課は、高橋さん(上)が担っている乙仲の仕事の一つで、部署名にもあるように通関手続きを行っています。通関というのは、貨物の輸出入にあたってその種類・数量・価格などを税関に申告し、検査を受けて許可を得ること。輸入の場合、関税を支払います。港に陸揚げされた貨物も、この手続きを経るまでは外貨(外国貨物)のままで、基本的に国内へと動かすことはできません。私の仕事は、輸出業者から提示される書類、カタログなどを精査して申告すること。基本的には内勤ですが、開披検査といってコンテナを開けて検査する場に立ち会うことも稀にあります。

輸出の場合は関税の支払いはありませんが、輸入では貨物(商品)の種類を、関税率別に分けた税番と呼ばれる分類番号を付す必要があります。これまで自分が扱ったことのない貨物だと、どの税番に該当するか、特に慎重に確認する必要があります。もし、間違った税番を振ってしまうと、誤った関税を納めてしまうことになりかねないからです。貨物は、許可後、国内・道内へと輸送されるスケジュールが決まっています。その日程を常に意識しながら、的確に通関手続きを進めることが、この仕事の勘所ですね。

通関業務課では、石油製品、飼料原料、食品等々、当社で扱っているすべての貨物の通関を扱うため、幅広い知識が求められますが、上司・先輩たちは、わからないことがあっても聞きやすく、ていねいに教えてもらえるので、一人で悩むことはありませんでした。私は、人々の生活を支えるような仕事に就きたいと思うなかで、直接ものを届ける物流の分野に興味を持ち、当社のことを知りました。就活時に担当してくれた採用担当の方が、とても温かな印象だったことも入社の決め手でしたが、その雰囲気はそのまま社風として感じられました。

適正な輸出入を担うのが私たちの仕事ですが、この業務に携わっているからこそ、感じられるやりがいがあります。たとえば、カタログを確認して通関手続きを行った海外の新商品が街の店頭に並んでいるのを目にすると「あ、これこれ!」と、ちょっとうれしくなります。また、北国の生活に欠かせない灯油、北海道の一大産業である畜産の餌など、必需品の流通を担うなか、誰かの役に立っているという実感もありますね。通関業務に関する国家資格である通関士の取得が、まずは直近の目標です。
(谷野さん)

『苫小牧』の地名が入社のきっかけに。なじみのある土地で身近な物流の一端を担うやりがいを感じています。

当社との出会いは、社名がきっかけでした。就職活動のなかで、私も谷野さん(上)と同じように生活になくてはならないものを扱う仕事がしたいと考え、電気・ガスなどのエネルギーや流通系の分野を見ていましたが、そのなかで、祖父母が暮らしていることからなじみのあった『苫小牧』という地名が気になったんです。興味を抱き、インターンシップへの参加などで話を聞くなかで、さまざまな商品を保管、輸送する物流はなくてはならない仕事であり、必要とされ続ける業界であることを知り、入社を決めました。

倉庫・物流課の仕事は、ひとことで言えばデリバリー(受発注)業務です。荷主であるお客さまからの依頼を受けて倉庫の担当者と連絡を取り、商品の入出庫作業や在庫管理を行っています。商品は、食品関連から肥料、化学製品、木材など多種多様です。私は、入社から3年ほど主に木材を担当していましたが、たとえばその種類やサイズによって、屋外で保管できるもの、倉庫内に入れなければいけないものがあるなど、商品に応じて保管の方法などが細かく決まっており、それらを把握した上で現場に指示を出しています。

扱う商品ごとに専門知識が必要になるなか、私は最近、新たに食品や雑貨類の担当になり、一から学んでいるところです。食品には木材にはなかった賞味期限があり、その関係で特定の入荷日の商品だけを倉庫から出すといった細かな対応も必要となります。現場への指示にミスがあると、要望と異なる商品が届いたり、数量が合わなくなるといった事態にもなるため、慎重に作業を行う必要があるんです。まだ、わからないことも多く、戸惑う場面もありますが、わからないことも気兼ねなく聞ける環境ですし、忙しそうにしていたら先輩の方から声をかけていただけるような職場なので、とても働きやすいですね。

谷野さんと同じように、倉庫に入っていたものと同じ商品を見かけると、ちょっとうれしい気持ちになりますし、現場への出荷指示を行うなかで、納入先としてよく行くスーパーやホームセンターの名前を見かけると、身近な物流の一端を担っているというやりがいを感じます。お客さまからの指示の意味を理解し、間違いのない業務を心がけながら食品、雑貨を扱うための知識を身につけ、仮に上司・先輩が不在のことがあっても、自分一人で業務を回せるようになることが、今の目標です。
(吉田さん)

学生の方へメッセージ

就職活動では、いろいろな企業の話を、できるだけ多く聞くことをお勧めします。その理由として、自分が知らない世界を知ることができるから、というのはよく耳にするアドバイスですが、説明会での質問、採用担当者との会話を繰り返すなかで、大人を相手した話し方に慣れるということが、面接、選考に進んだ段階で役立つからです。

近年は、説明会や面談をWebで行う企業も増えていますが、実際に会って話さなければわからないことは少なくないはずです。仕事に就く時に大切なのは、どこで働くかという以上に、誰と働くかだと思います。職場にはどんな人がいて、どのような雰囲気なのかを感じるためには、当事者に会うのが一番です。時代は違いますが、私が就職活動をした時代は、気になる会社があれば電話をかけ、見学やOB訪問をよく行っていました。当社でも、そうしたアプローチは歓迎しています。

また、会社のことだけでなく、その企業がいる業界のこと、業界のなかでの位置付けなども調べてほしいと思います。ちなみに当社は、苫小牧港の開港年と同じ1963年から倉庫業務を営み、多くの輸出入業者から信頼をいただいています。歴史をもつ企業でありつつ、新たな事業展開に目を向けると同時に、若手のうちから責任ある仕事を任せ、成長を支援するという社風があります。そうしたことも、ぜひ、リアルに確かめてほしいと願っています。
(総務部総務課主任・採用担当 志津 公章)

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「私は、総務部の前は、木材の輸出入を担当していました。書類に学生時代に留学したカナダの地名を見つけると、世界基準で仕事をしている実感が湧きましたね」(志津さん)

マイナビ編集部から

「物流業界は、資金調達を前提に、新たな設備の建設などを行うことが一般的です」。そう話すのは、インタビューに答えてくれた港運事業部の高橋徹さん。長年、財務系の業務を経験し、与信管理にも携わってきている。そうしたなか、苫小牧埠頭は早い段階から倉庫、サイロ、荷役設備などを整備し、輸出入業務にあたってきたことが強みだと話を続ける。

同社の設立は1960年。石狩炭田から産出される石炭の積み出しを行うため、1963年に開港する苫小牧港の港運を見越して倉庫の営業を始めたのが事業の最初だ。翌年には海運仲立業(乙仲)、70年には通関業、運送業を、穀物サイロ事業を開始。74年にはオイルターミナル事業を開始している。こられを土台に、現在は港運事業部、オイルターミナル事業部、飼料サイロ事業部、クールロジスティクス事業部の4事業を展開するが、いずれも先行投資によって施設の設備などを進めてきている。

「今の部署に異動するまでは、港運事業部で木材の輸出入を担当し、50社ほどの木材関連企業を担当。大企業とやりとりし、代表と話す機会を与えられた経験は、勉強にもなりましたし、大きな刺激でした」とは、メッセージを寄せてくれた総務部の志津公章主任。先進的な社風が、積極的に若手を起用するオープンな環境を生み出しているのではないかと感じた。長い歴史が築いてきた信頼と経営基盤を土台に、チャレンジ精神に溢れる企業という印象を強く受けた。

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上司・先輩のフォローを受けつつ早い段階から裁量を持って仕事をするのが、同社のスタイル。慣れていけば、業務を調整し、プライベートの時間を確保するのも裁量次第だ。

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