最終更新日:2025/4/7

(株)城南製鋼所

  • 正社員

業種

  • 鉄鋼
  • 金属製品
  • 環境・リサイクル

基本情報

本社
埼玉県

取材情報

研修・教育について伝えたい

技術を受け継いで一人前になる職人仕事。学びの姿勢が成長につながる!

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想像していた以上に奥が深い「棒鋼」の製造現場

鉄をリサイクルし、建築物に欠かせない材料である棒鋼を製造している城南製作所。モノづくりの現場で働く社員は、どのような学びを得て成長しているのだろうか? 2人の先輩社員にインタビューした。

田中 正彦さん(写真左)
製綱部 製綱課 炉前班
2023年入社/工学部応用化学科卒
 
石上 佳宣さん(写真右)
圧延部 圧延課 精整班
2022年入社/医療科学部医療福祉学科卒

今後の目標

「マイペースなところを直し、仕事のスピードアップを図らなければと思っています。教わるばかりでなく、早くチームのために役立つ存在になりたいですね」(田中さん)
「覚えなければならないことが沢山ある仕事なので、これからも勉強が欠かせません。スキルを高め、後輩に教えられるくらいのレベルになりたいです」(石上さん)
1年違いで入社した石上さんと田中さん。配属先が異なるので仕事上の接点はないが、向上心が豊かな点と職人仕事が好きな点は共通している。

電気炉を操作する溶解工程。手厚いOJTが不安を解消してくれました

就職活動中の私は、規模は小さくても存在感のある企業で働きたいと思っていました。また中学・高校で陸上をやっていたことから、体力を活かした仕事に就きたいという気持ちもありました。
当社の工場を訪問して驚いたのは、工場全体の圧倒的なスケールです。見たこともない大きな空間で、電気炉や鉄鍋、圧延機などの機械が規則正しく動いている。溶けた鉄の熱を間近に受けながら、モノづくりの感動を覚えました。
とはいえ、私に鉄づくりやリサイクルの知識はまったくありません。不安はありましたが、それを解消してくれたのが10日間の基礎研修と、その後3カ月にわたって行われたOJTでした。基礎研修では外部講師によるビジネスマナーのほか、安全知識、製品知識、作業全般の知識などをしっかり習得し、その後は配属先で先輩から直接仕事を教わりました。

製綱部の仕事は、鉄スクラップを電気炉に投入する「クレーン」、それを電気炉で溶かす「溶解」、溶けた鉄をビレットと呼ばれる中間素材に成形する「連続鋳造」の各工程に分かれます。私が所属しているのは、製綱作業のスタート段階にあたる溶解。この工程ではスクラップを溶かすだけでなく、炉を高温にするための酸素投入や、コークスや石灰石などの副原料を投入して不純物を取り除く成分調整も行います。

OJTでは、班長を含む5人の先輩社員が一つひとつの作業について丁寧に教えてくれました。例えば溶解の途中で投入するコークスは機械の設定で自動投入されますが、微妙な調整が必要な場合は私たちが手で投入しなければなりません。コークスは1つだけでも結構な重量があるので、最初はかなり苦戦しました。先輩から体の使い方を細かく教わった今では、毎回スムーズに投入できています。
また、班長からは「責任感を持って仕事に取り組みなさい」と指導されました。現場の仕事は油断すると事故につながりかねません。以来、私は気を引き締めて作業にあたっています。

入社から半年少々が経ち、仕事の基本はほぼ理解することができました。今は電気炉のメンテナンスを教わっている段階です。道具が沢山あるので覚えることが多く大変ですが、分からないことや迷うことがあれば、頼りになる班長や先輩方が必ず手を差し伸べてくれますから、不安はまったくありません。
(田中さん)

2年目に入って作業スピードがアップ。資格取得も成長の後押しに!

大学で学んだのは医療福祉ですが、車が好きだったので卒業後は車関係の仕事に就こうと考えていました。鉄鋼業界とは縁がなかったのですが、入社に至ったのは、勤めていた友人から「一緒に働かないか?」と誘われたことがきっかけです。元々野球をやっていたので体力には自信がありましたし、建築業を支えるモノづくりにも興味がありました。

配属先は、製綱部で造られた125ミリ角のビレットを細物と呼ばれる棒鋼に仕上げる圧延部です。同部には圧力をかけて棒鋼に加工する圧延班と、棒鋼をサイズ毎に切断・結束する精整班があり、私は後者に所属しています。

具体的な仕事の手順は、切断する前の外観検査、専用機械によって複数の棒鋼を規定の長さにカットする切断工程、結束機による結束工程へと続きます。各工程は自動化されていますが、機械の設定変更、消耗品交換、整備などは自分たちの判断で行うことが基本。また、切断時は途中でレーンに棒鋼が引っかかることがあるので、すべてを機械任せにはできません。上手く切断できても微妙な曲りが見つかることがあるので、神経を使いますね。

仕事では、こうした複数の工程について順を追って学んでいきます。私は2年目なので全工程を経験しましたが、まだまだ覚えることばかり。各工程でスキルを高めるには、多くの場数を踏む必要があると感じています。
もう一つの成長要素は資格を取ることです。私は1年少々で玉掛けとフォークリフトの資格を取得しました。結束機に結束ケーブルを装填する際、フォークリフトを使う必要があるからです。また入社して3年以内に生産に必要な資格は、会社の費用負担で取得します。次はアーク溶接の資格にチャレンジしようと思っています。

体を使いますし、工場内は熱いので、学生さんには敬遠されがちな仕事かもしれません。でも実際に経験してみて、私はこの仕事でしか得られない達成感や充実感があることを知りました。職人仕事なので奥が深く、学べば学ぶほど成長することができます。また、材料を造っているので目立ちませんが、自分たちが建築業界を支えている自負もあります。
今の私は班長や先輩から教わったことをどう実践するかで頭がいっぱいですが、作業のスピードは徐々に早くなり、仕事中の気づきも増えてきました。この調子でさらに経験を積んでいきたいですね。
(石上さん)

平日に休みを取れる3交代制。大切な趣味の時間に充てています

当社は3交代制なので、各工程に3つの作業班があります。各班は5~6人構成で、私は炉前のC班で最も若い新人です。ちなみに朝勤は6時から13時、昼勤は13時から21時、夜勤は21時から6時までの勤務時間。班ごとに各勤務を3~4日でローテーションする形になっています。私もすべての時間帯を経験しましたが、正直なところ、馴れないうちは体のリズムを整えるのに苦労しました。
でも、今は逆にこの勤務態勢が気に入っています。なぜならシフトの間に休日が入るので、例えば朝勤から夜勤へ代わるときは実質2日間の平日休みになるからです。私は会社の寮で暮らしているので、このタイミングで実家へ帰り、ゲームやアニメを思う存分楽しんでいます。

社風はとても明るく、どの部署もどの班も和気あいあいとして賑やかです。社員同士の交流が多い点も特徴で、新人歓迎会や飲み会などのイベントはもちろん、秋には日光への社員旅行もありました。私はこの“大きな家族”のような雰囲気が大好きです。
(田中さん)

馴れない人も少なくない3交代制ですが、私は意外に平気でした。実は学生時代に夜勤のアルバイトを経験していたので、夜働くことには何の抵抗もなかったのです。確かにシフトが代わる際の体調管理は簡単ではありませんが、それも馴れだと思いますね。夜勤から朝勤へ代わるときは長めの休日になるので夜更かししがちですが、私は意識して早めに寝るようにしています。睡眠のリズムを上手く調整すれば、勤務中に眠くなることはありません。私の場合、平日の休みは好きなドライブを楽しんでいます。

私が当社で好きなところは、上司や先輩との人間関係ですね。危険が伴う仕事なのでミスをすれば指導されるのですが、その後のフォローが万全なんですよ。気遣いや心遣いが伝わってくるので、頑張って期待に応えようという気持ちになります。
実利的な面でも意外なメリットがありました。給与や賞与がいいことは事前に分かっていましたが、当社は社会的な信用があるのでローンの審査が通りやすいです。私は入社後すぐに前から欲しかった車を買うことができました。
(石上さん)

学生の方へメッセージ

当社が手掛けているのは鉄スクラップのリサイクル事業です。職場は熱気が感じられる工場内で職種も体を使った仕事が中心ですから、詳細を御存知ない学生さんは少々引いてしまうかもしれません。そんな先入観を覆す、当社の押しポイントを挙げましょう。

第1に、給与面の待遇が手厚いこと。2023年4月から初任給を26200円上げました。ボーナスも手厚く、30歳の平均年収は600万円を超えています。第2に、3交代制なので平日に休みを取れること。変形労働時間制なので年間休日は少なく見えますが、実労働時間では完全週休2日の企業と同水準です。第3に、早めの昇進が期待できること。世代的に中間管理職が少ないため、やる気があればどんどんキャリアアップできます。第4のポイントは、事業に永続性があること。100%国内資源を扱っているうえ、棒鋼は建築業界で必須の部材。需要がなくなることはあり得ません。そして最後は、早くから海外輸出に力を入れていること。昨年実績では、売上の5割近くを海外販売が占めました。国内需要が落ちてもさほど大きな影響を受けません。
ほかにも、当社の強みは数多くあります。ぜひ、表からは見えない当社の魅力を知ってください。前向きで明るく、意欲ある方々との出会いを期待しています。
(総務部/足立 俊信さん)

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総務の足立さんは、同社が取引していた金融機関から転職してきた経営のプロフェッショナル。城南製鋼所が持つ安定性と将来性について熱く語ってくれた。

マイナビ編集部から

城南製鋼所の取材は驚きの連続だった。2万平米を超える広大な敷地に立つ工場。その中にある巨大な電気炉と溶解した鉄スクラップやレーンを流れる棒鋼材料のビレット、それが圧延されてできる長い棒鋼、その棒鋼を切断・結束する専用の大型機械…。ここで造られるさまざまな種類の棒鋼が、私たちが働き、居住するコンクリートの建物で使われているのだ。その意味で、この工場は建築業界を支えるモノづくりの原点と言えるだろう。

体を使う現場仕事なので、学生の注目度は高くないかもしれない。総務の足立さんも、採用面の難しさを正直に語ってくれた。一方で、今回取材に応じてくれた田中さんと石上さんの口からは、実際に働いているからこそ分かる同社の魅力がひしひしと伝わってきた。給与や休日などの実務面から得られるメリットはその一部にすぎない。彼らがそれ以上に大切だと思っているのは、“職人仕事の奥深さ”と“仕事を通じて社会の役に立っている感覚”ではないだろうか。仕事の難しさを語りながらも、その端々には「今の仕事が楽しいから、もっと成長したい」という気持ちが滲み出ていた。

数多いモノづくり業界のなかでも、鉄鋼業は日本の土台を支える重要産業だ。安定性と将来性のある同社を舞台に、未来に向かって飛躍してほしい。

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2019年3月に竣工した本社社屋。外観だけでなく内部にも多くのガラスが使われ、明るい空間が広がっている。工場から歩いて数分の距離にあり、利便性も高い。

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