最終更新日:2025/4/19

いすゞエンジン製造北海道(株)

  • 正社員

業種

  • 自動車・自動車部品
  • 非鉄金属
  • 金属製品
  • 機械

基本情報

本社
北海道

取材情報

事業について伝えたい

製造は再生へ。エンジンはEVへ。CN時代におけるエンジン製造技術の存在価値。

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ものづくりの精鋭が挑み続ける産業イノベーション。

製造業の振興が積年の課題だった北海道に自動車業界から初進出し、今日の産業基盤の基礎を築いた『いすゞエンジン製造北海道』。今なお“未踏の地”へ挑み続ける同社の挑戦について、2名の技術者たちに話を伺った。

技術部(グループリーダー) 土田 和義さん
技術部(指導職)      岡本 大輔さん

当社のココがすごい!先輩たちの“我が社自慢”

「当社の生産技術や生産設備を生かすべく、航空宇宙分野参入プロジェクトも始動。既にJISQ9100も取得し、約20名の精鋭チームが試作品開発に取り組んでいます」(土田さん)
「定食310円程度~、ラーメンやソバなど麺類160円程度~と、安・早・旨の三拍子そろった食堂完備。軽食や菓子類、飲み物、雑貨類を販売する売店もありますよ」(岡本さん)

「エンジン製造」の壁を越える! カーボンニュートラル時代のビジネス戦略。

自動車業界は今、「100年に一度」とも言われる大変革期を迎えています。その大きな波源のひとつは、環境問題。欧米各国では既に将来的にガソリン車などの新車販売を禁止する方針が打ち出され、日本政府も2020年に「2050年カーボンニュートラル」を宣言。それを受けて「いすゞ」グループでも「いすゞ環境長期ビジョン2050」を掲げ、グループ一丸で持続可能な社会の実現に向けた取り組みを進めています。
中でもグループの生産拠点と位置付けられる「いすゞエンジン製造北海道」が担うのは資源循環推進。つまり、いすゞ製品に関わるリデュース・リユースです。当社では既にエンジン等のリビルト事業を展開していますが、動力パーツのライフサイクルに伴って発生する環境負荷はエンジン搭載車に限ったものではありません。“ゼロエミッション車”と謳われるEVは、走行中こそCO2や窒素酸化物を排出しませんが、搭載するバッテリーやコントローラもその生産・廃棄時にはエンジン搭載車同様に温室効果ガスを排出します。そのため当社では、将来の様々な環境変化に対応出来る様にリビルド事業で培ったノウハウを活かし、EVバッテリーの再生やエンジンをモーターに、燃料タンクをバッテリーに置き換えるエンジン車両のEV化技術を習得しようとしています。
いずれも現時点では、EV技術を実践で学んでいる段階ですが、将来を思い描いて様々な活動に取り組んでいます。
もちろん、現在当社が持つEV領域の知見は十分でなく、立ちはだかる壁は決して低くはないでしょう。けれど、1からノウハウを組み立て、リビルト事業を軌道に乗せた実績を持つ当社にとって、「未知である」「前例がない」はあきらめる理由にはなりません。目指すゴールが定まったら、あとはそこへどう辿り着くかを考えるのみ。専門知識や技術が足りないのでれば学び、ノウハウが必要なら自ら築きあげればいいのです。
欠かせないのは前向きなチャレンジ精神と、最後までやり遂げる粘り強さ。機械系から電子制御系まで工学分野の幅広い人材を集め、ともに切磋琢磨しながら、カーボンニュートラル時代の資源循環ファクトリーを目指したいと思っています。
■技術部(グループリーダー) 土田 和義

「まさか」の時こそ力量が試される。不屈の精神で、不可能も可能にする。

以前は自動変速機メーカーの生産技術職で、EV隆盛の時流の中で事業が縮小し転職を検討。当社も同じ自動車業界ですが、リビルト事業をはじめ次代を見据えた先進的な事業展開で成長力は十分。今後エンジン需要が減少しても伸び続けられると確信し、入社を決意しました。

ちょうど当社がリビルトエンジンを活用した新事業の稼働を目指していた時期と重なり、生産技術職経験者の私は、入社3カ月目で新規立ち上げプロジェクトに参画。予算確保から工法・工程の検討、設備・治具の段取りの他、試験場に車両を搬入し、実際の流れに沿ってエンジンの載せ替えや繋ぎこみを行うトライアル施工を実施。安全性や工法の可否と改善を検証のうえ、運輸局や地元自治体、ゼネコンなど関係各所との調整にも奔走し、多くの業務に携わりました。

ものづくりは、設計図面や仕様に従って正しく作業を遂行すれば、ある程度想定通りに、製品をつくれるかもしれませんが、新規生産ラインの立ち上げは、多くの場合、完全手探り状態からスタート。実績や経験のない工法・工程を確立する際は、想定外の事態も発生します。先日も、AI技術を駆使した自動外観検査ライン立ち上げの最中、半導体不足の影響で制御盤が入手できないことが発覚し、半ば諦めかけたこともありました。そんな中心強かったのは「一度決めたら何が何でもやり抜く」技術チームの逞しさ。「新品がないなら、不要な既存品を転用すればいい」と部長の一言で、旧設備の保管倉庫から必要部品をかき集め、不足していた機器をカバー。無事ラインを立ち上げました。計画を遂行できた達成感はもちろん、上司の高いリーダーシップと当社の柔軟で前向きな機運を実感し、モチベーションがさらに高まりました。

もちろん日々の業務の中心は、主力の部品生産ラインの立ち上げ・改善で、新事業や新技術ばかりに関わっているわけではありません。けれど、意欲に実力が伴えば仕事の幅を広げていけるのが当社の魅力。従来のコストセンターの考え方から、新たな付加価値を生み出せるプロフィットセンターになれるよう、当事者意識を持ちながら業務に取り組んでいます。現在はEVビジネスに向け、EV商用車の調査・改造およびバッテリのリサイクルに向けた活動を行っています。電気の分野に活動を広げるため、技術交流や資格の取得など成長環境も万全なので、引き続き研鑽を重ねていきます。
■技術部(指導職) 岡本 大輔

学生の方へメッセージ

自動車は誰にとっても身近な存在ですが、理工学系の学生であっても「エンジンを触ったことがある」という人はほとんどいません。ましてや、自分でリビルトした経験のある人などまずいないでしょう。つまり、エンジン部品を主力とする当社において、新卒の技術者は全員経験値ゼロからのスタート。そのためOJTをはじめ社内プログラムやグループ内外の技術交流等を通じた技術者育成に注力していますが、それ以上に大きな成長のブースターとなるものがあります。それは、本人の着実な経験の積み上げと不屈のチャレンジ精神です。

仕事上の力量を形成する知識と技術、ノウハウは、エンジンを載せ替えるようには簡単にブラッシュアップできません。挑戦と失敗を繰り返し、その過程でコツコツと体得していくことで磨かれていくもの。初めはうまくいかないことばかりで当然。経験を積んでも、挑戦の難易度が上がれば、やはりうまくいかないことはたくさんあります。けれど決して目先の状況に流されることなく、自分の頭で考え、常に前向きに可能性に挑み続けることが、不可能の壁を超える力になるのです。

カーボンニュートラル、EV時代のニーズに応じた新事業・サービスを開拓し続ける当社にとってもそれは同じ。機械工学のみならず、電子系や制御系、IT関連の先進技術など、幅広い分野に可能性を広げていくためにも、今後はさらに多種多様な知見を持った人材を集めたいと思っています。

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環境負荷軽減の観点から運輸業界を中心に注目を集めるエンジンのリビルト事業。今後は、このノウハウをEVバッテリー&コントローラーに応用した新事業の実現を目指す。

マイナビ編集部から

『いすゞエンジン製造北海道』は、大型商用車両を製造・販売する国産自動車メーカー『いすゞ自動車』を親会社に持つ、エンジン・トランスミッション関連部品の生産拠点。巨大な車体を力強く走らせる一方で、耐久性に優れ、また、騒音や振動の少なさでも高く評価されるいすゞエンジンの本丸とも言うべき存在だ。IMM(いすゞ・マニュファクチャリング・マネージメント)による厳密な品質管理に裏打ちされた高品質な同社製部品は、トラック・バスのみならず、船舶や建機にも生かされている。

そんな同社が近年、「ものづくり」とは異なる切り口で、独自の新事業を次々と打ち出しているのには訳がある。

「いすゞ本体は横浜市に本社を構え、当社が国内向け製品を納入する同社直系工場も関東エリアに集まっている。それを考えれば、本来、当社もその周辺に身を置いた方が物流効率的には適当なのかもしれません。けれど、当社は北海道に進出した初めての自動車メーカー関連工場で、長年この地に支えられてきた恩もあれば愛着もある。今後は、私たちがこの地にいる意味、つまり存在意義を、自分たちの手で紡ぎ出していきたいのです」と佐藤さん。

そんな同社が目下注力するのは、航空宇宙分野参入に向けた生産技術の確立。既に陸を走り、海を渡る同社の技術が、空に向かってはばたく日もそう遠くはなさそうだ。

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生産技術と製品からなる「ものづくり事業」とエンジンのライフサイクルを循環させる「稼働サポート事業」の両輪で、「運ぶ」を支える『いすゞエンジン製造北海道』。

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