最終更新日:2025/4/15

NTTワールドエンジニアリングマリン(株)

  • 正社員
  • 既卒可

業種

  • 通信・インフラ
  • 設備工事・設備設計

基本情報

本社
東京都

取材情報

仕事・キャリアパスについて伝えたい

日本の通信インフラを海底ケーブルで支える。未経験からプロフェッショナルへの軌跡

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インフラを支える誇りのもと、あらゆる挑戦が専門性を深める!

NTTワールドエンジニアリングマリンは100年以上にわたって海底ケーブルの設計から建設、保守までを一貫して担う企業だ。未経験からスタートし活躍している先輩たちに、成長課程と仕事のやりがいを語ってもらった。

【マリンオペレーション部 エンジニアリング技術部門】
山口 貴博:長崎工事技術担当(2008年入社)※写真中央
長崎鶴洋高校専攻科(機関)卒業

高橋 絢子:設計担当(2022年入社)※写真右
山口大学 国際総合科学部国際総合科学科 卒業

井黒 航介:設計担当(2018年入社)※写真左
富山高等専門学校商船学科航海コース 卒業

先輩たちの仕事風景

「船上での仕事だけでなく、引き上げたケーブルを陸上のケーブルと繋ぐのも私の仕事。社内外の様々なメンバーと協力して敷設していきます」と語る山口さん。
「自分で設計したケーブルルートは海図に残ります。自分の実績が形として残る、とてもやりがいのある仕事です」と語る高橋さん。
「PCに向き合う設計の仕事もありますが、関係各所の調整をしたり、現場を確認する業務もある。コミュニケーション力が必要な仕事です」と語る井黒さん。

チームでプロジェクトを達成するやりがいと使命感

学生時代は船舶のエンジン運用・点検・整備を学んでいましたが、就職先を考えた時、単にエンジンのスペシャリストになるよりも、幅広いスキルを身につけたいと考え、当社にたどり着きました。入社してからは、ケーブルの構造、敷設方法、種類について基礎から一つ一つ丁寧に学んでいきました。この仕事を通じて、日本の各離島、さらにはフィリピン、インドネシアへと足を運ぶ機会がありましたし、イギリスで専門家から研修を受ける機会にも恵まれました。早や15年が経過しましたが、この分野の奥深さと広さには、今でも新たな驚きを感じることが多く、学ぶことの楽しさを日々実感しています。

海底ケーブルの進化も、その魅力のひとつです。昔は直径100mmもあったケーブルが、現在は30~40mmの細さ。しかし、その小さなケーブルが、海を越えて世界を繋ぐ重要な役割を果たしています。敷設船の船内にはケーブルタンクがあり、約2500キロのケーブルを乗せることが可能で日本からアメリカまでを敷設するとなると約7500キロ。船を3往復しないと繋ぐことができません。この海底ケーブルを海底の地形に応じた難しい設計のもと、敷設していくのが私の仕事です。

入社して間もない頃は知識がゼロだったからこそ新しいことの連続で、目の前のタスクに全力を尽くし、必死で仕事の流れを学びました。一人前になれたのは、入社から3年が経過した頃です。海底ケーブルの設置工事は、潜水士や他社のエキスパートたちとチームを組み、共同作業で行われます。現在は主査として、多様なバックグラウンドを持つメンバーを統率しています。チーム内の多彩なプロフェッショナルたちから寄せられる意見を一つの方向へと導くのは難しいですが、プロジェクトを成功に導いたときの達成感、チームメンバーとの固い絆、そして工事終了後の最終試験結果良好を得た際の喜びは、計り知れない充実感をもたらしています。

この経験から学んだ最大の教訓は、チームワークの重要性。個々の技術や知識も大切ですが、それを超えるチームとしての結束と協力が、より大きな成果を生むのです。海底ケーブルを通じて、世界と繋がるこの仕事は、チームワークで成り立っている。そして、それがこの仕事の最大の魅力であり、やりがいだと感じています。
(山口 貴博)

最短距離のルートをいかに見極めるか

大学時代、国際総合科学部で異文化交流や海外コミュニケーションについて学ぶ中、ハワイ留学の経験が私の進路に大きな影響を与えました。台風の影響で通信が乱れ、情報が途絶えてしまったことがあり、日常生活で当たり前に使われている通信の重要性を深く実感したのです。それが、インフラを守る当社への興味に繋がり、最終的に入社を決める要因となりました。

文系出身である私にとって、設計職への配属は未知の領域への挑戦でした。専門用語が理解できず、会議では何が議論されているのか分からないことも少なくありません。先輩方が親身になって一つひとつ丁寧に教えてくれたおかげで、徐々に設計業務を理解することができ、先輩の隣で、設計ソフトの操作や設計の考え方に至るまで、学ぶことができました。設計業務の一環として、工事に影響を与える漁協への挨拶を担当することもあり、緊張しながらも心を込めた笑顔で接し、可能な限りわかりやすく状況を伝えました。その結果、漁協の方々から温かな理解と支持を得られたことは、私にとって大きな自信となりました。学生時代に鍛えたコミュニケーションスキルと持ち前の明るい笑顔が、この場面で大きく貢献できたのだと実感しています。

設計の仕事で初めて達成感を感じたのは、入社してから1年が経った頃です。例えば、島から島へのケーブル敷設を想定する際、海底の地形などを考慮し、どこにケーブルを敷設すればいいのかを緻密に計画していきます。初めて一人で描いた設計ルートは、最短距離とコストのバランスを考えるのに苦労しまたが、上司から「いい所に着目したね」とおっしゃっていただけたことがとても嬉しく、成長を実感できた瞬間です。先日、初めて関わった設計案件の工事現場に立ち会いました。細かな準備が功を奏し、大きなトラブルなく工事が完了したときの安堵感は言葉にできないものでした。この仕事を通して、多くの人々の日常生活を支えるインフラをつくり上げることへの誇りを新たに感じています。
(高橋 絢子)

様々な経験を通して、自分の新たな可能性に気づく

海を身近に感じながら育った私は、海底ケーブルの存在を漠然と知っていましたが、これほどにまで、人々の生活を支える重要なインフラであることを想像していませんでした。その驚きが、当社へ入社する決め手となりました。

船の運航を専門に学ぶ商船学科を卒業した後、入社2年半で設計職に異動しました。設計業務は未経験ですし、現場経験の豊富なベテランが担当する部署だと思っていたので、最初は大きな戸惑いを感じていました。知らないことは先輩に聞き、過去の資料を見て習得。一連の仕事の流れを理解できるようになったのは最近のことで、2年ほどかかりました。設計の仕事は、海底の地形や地質などを考慮して海底ケーブルのルートを設計します。調査船で海洋部を調査し、予期せぬ障害物や異変をチェック、ルート決定後はケーブル工事の準備に尽力します。工事に立ち会ったこともあるのですが、陸側にどうしてこのような設備があるのか、なぜここにケーブルを通しているのか深く考えたことはありませんでした。設計の仕事を通じて、一つひとつに意味があることを学び、設計の前段階である営業や、敷設し終わった後の保守も含めて、一連の流れに携わりたいという気持ちが芽生えています。

忘れられないのは、設計に配属されて1年経った頃のプロジェクトです。指導してくれる先輩と共に現場調査に臨む予定でしたが、先輩の病気により急遽私がチームを率いることに。他部署の方、そして外部の関係会社の方も巻き込むチームでの仕事で大きなプロジェクトということもあり、失敗は許されません。自分でなんとかしなくてはならない。その瞬間、自分がどれだけ受け身で仕事をしていたかを痛感しました。細部にわたる調整や意思決定には苦労しましたが、大きなプレッシャーを乗り越え、プロジェクトを無事に完遂したときの達成感、そして未知の自分を発見できた喜びは、計り知れないものでした。

現在は、島しょ部の海底ケーブル安定化プロジェクトに取り組んでいます。再来年の完成を見据え、日々モチベーションを高く保ちながら、より一層成長できる機会にワクワクしています。設計の立場でも、まだまだ学ぶべきことがたくさんありますが、ゆくゆくは海底ケーブルのプロフェッショナルとして、活躍していきたいと思っています。
(井黒 航介)

学生の方へメッセージ

■山口さん/私は福利厚生や休日の充実度を企業研究の重要なポイントとして考えていました。当社では、長期間航海に出る際の休日の取り扱いが気になる点だったので、面談時にこの点を詳しく確認したところ、船上で取得できなかった休日は陸に戻った後にきちんと取得できることがわかり、安心して選考を進めることができました。働き方に関する細かい部分まで理解することが、安心して企業選びをする上で重要です。

■高橋さん/企業研究を始める前に、自己分析を入念に行い、自分が何を大切にしたいのか、どんな業界で働きたいのかを考えました。志望業界が絞られたら、友人や教授など周囲の人たちに相談することをおすすめします。異なる視点からのアドバイスが得られると、企業研究をより幅広く、深く進めることができます。実際、私が現在勤めている会社は、教授の紹介で知ったものです。そんなご縁も生まれるかもしれませんね。

■井黒さん/私が特に重視したのは、企業が業界内でどのような立ち位置にあるかです。競争が激しい業界では価格競争が主流になる可能性がありますが、当社のようにニッチな業界であれば、特有の技術や知識が身につきますし、私は入社後に必要な資格を取得することができました。様々な仕事を通じてスキルを身につけられる点などにも考慮するといいかもしれません。

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日本の島々から近海、フィリピンを始めとする東南アジア海域に至るまで、通信ケーブルの設計、敷設、海洋調査を手掛ける同社。スケールの大きな事業に挑戦できる。

マイナビ編集部から

皆さんが手にするスマホから広がるネットの世界。携帯の電波やWi-Fiでどんな場所でもつながるサービスを支えているのは、実は世界中に張りめぐらされた海底ケーブルだというのはご存じだろうか。無線通信の背後には、建物や基地局から海を越えて国境を越える有線の海底ケーブルが存在し、銀行ATM、インターネットバンキング、テレビ、地震速報など、多様な情報もこの海底ケーブルを通じて流れる。NTTワールドエンジニアリングマリンは、海底ケーブルの敷設・保守を担っており、日本はもちろんのこと、アジア、欧米、欧州と世界中の人々との通信を支えているのだ。

想像してみてほしい。海底ケーブルが自然災害や異常気象で損傷したら、どうなるだろう。通信の途絶は、私たちの日常生活に計り知れない影響を及ぼす。極めて重要なインフラを守る役割を担う同社の社員たちが、その責任と使命に誇りを持ち、日々の業務に取り組んでいる姿が印象的だった。

経験値の豊富な先輩も、最初はゼロからのスタートだった。海や機械、通信の専門知識など必要とされる知識や技術は資格取得支援制度を利用しながら、全て入社後に身につけていける。グローバルな案件も少なくないため、語学なども磨ける環境だ。フラットな関係でオープンにコミュニケーションが取れる企業文化が根付いているのも同社の魅力だと言っていいだろう。

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最新鋭の海底ケーブル敷設船「きずな」を背景に取材した3名の先輩社員たち。人々の通信インフラを守ってきた技術は、脈々と受け継がれている。

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