最終更新日:2025/3/1

リンナイ(株)

  • 正社員
  • 既卒可
  • 上場企業

業種

  • インテリア・住宅関連
  • 金属製品
  • 機械
  • 設備工事・設備設計

基本情報

本社
愛知県

取材情報

事業について伝えたい

熱エネルギー機器で、日々の暮らしをもっと豊かにするために

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エネルギー変革に対して、柔軟な対応を推進

熱エネルギー機器で国内外の暮らしを支えるリンナイ。創業100年を超える企業の過去・現在・未来をひも解き、次の100年に向けた技術・品質への取組みをご紹介します。

◆経営管理・IR部 係長/小林 大記さん(2012年入社)
2020年の「創業100周年プロジェクト」に中心となって関わった小林さん。創業時からの事業の変遷や海外展開への想い、カーボンニュートラル実現に向けた新たな技術開発など、リンナイのモノづくりについて広く語っていただきました。

リンナイの過去・現在・未来

1920年の創業以来、脈々と受け継がれるモノづくりへの想い。本社ショールームでは、大正期からの暮らしを支えた革新的な製品の数々を見ることもできます。
ハイブリッド給湯器「ECO ONE」やガス衣類乾燥機「乾太くん」など、環境貢献度の高い製品を展開。国内外で、「健全で心地よい暮らし」を支えています。
カーボンニュートラルの実現に向け、水素燃焼機器や電化対応機器の研究開発を推進。家庭用給湯器においては世界で初めて、水素100%燃焼の技術を確立させました。

<創業>─100年前に灯されたモノづくりへの情熱の炎を、絶やすことなく次の100年へ

リンナイのモノづくりは1918(大正7)年、創業者である内藤秀次郎と林兼吉が今川焼き屋の店先で、青く燃える海外製の石油コンロを目にしたところから始まります。この2人は、実は小学校からの同級生。自宅も近く、就職先まで同じ名古屋のガス会社であるなど感性的にも深く通じるところがあったのだと思います。まだ20代だったふたりは「こんなコンロを自分たちも作りたい」と強く惹かれ、自力で商品化へ。2年後には独立して「林内商会」を立ち上げ、加圧式石油ガスコンロの製造・販売をスタートさせました。金属の加工や溶接に多大な苦労を重ねながらも、「業界にないモノを作ろう」「熱機器で世界の生活文化に貢献しよう」と新技術を形にしてきた強い志は、今も当社のDNAとして引き継がれています。

1930年代には既に「技術のリンナイ」と呼ばれるほどの評価を受け、全国のガス会社へ製品を納入・販売しています。しかし一方で社会は戦時色を強め、ついには燃焼機器が贅沢品として販売禁止に。航空機製作所として業態変換を余儀なくされ、名古屋への大空襲では工場壊滅まで追い込まれました。
戦後、株式会社へと改組した林内製作所の転換点となり、新たな事業成長を支えたのは、ドイツで開発されたシュバンクバーナーとの出会いです。ヨーロッパ視察でこのガス赤外線バーナーを知った内藤明人副社長(当時)が、技術提携を決意。国内初のシュバンク式ガス赤外線ストーブを製造販売すると共に、その応用によって国産化を実現させました。技術提携に求められた契約料は2億円。年間売上が6億円であった当時、それは企業の命運を左右する大きな決断だったはずです。
新たな技術をもとに、1970年代には高度経済成長期の需要にあわせた小型ガステーブルコンロなど、数々の大ヒット商品が生まれました。1967年のアメリカ進出をはじめ海外へも拠点を広げ、コア技術の開発や重要部品を内製化。リンナイの原点思想である「品質こそ我らが命」は、ひとつ間違えれば大きな爆発事故につながるため、他の家電よりもいっそう安全性が求められるガス機器において、重要な部品を自社内で責任をもって作るという真摯な姿勢から始まり、現在まで続く大きな強みとなっています。

<現在>─世界のニーズを一つひとつ汲み取って、独自技術で「心地よい暮らし」を支える

常に時代の変化を見据え、心地よい暮らしを支える新たな技術・製品へ挑戦するリンナイ。1990年代以降は、環境意識の高まりを受けた省エネ商品やシステム商品、さらには時短ニーズに対応したいわゆる「ラク家事商品」も数多く展開しています。

代表的なものにハイブリッド給湯・暖房システム「ECO ONE(エコワン)」があります。これは家庭で大きなエネルギー消費を占める給湯において、電気とガスを組み合わせ、効率良くお湯を供給するシステム。2010年に販売をスタートし、カーボンニュートラルに向けた社会の動きやガス・電力の自由化による販売チャネルの変化に後押しされ、直近では売上台数前年比50%増という大きな成長を見せています。
ガス衣類乾燥機「乾太くん」は1992年の登場以来、自社独自の技術で進化を遂げてきたロングセラー商品です。共働き世帯の増加や天候不順などを要因とした衣類乾燥機のニーズに、ガスならではの乾燥スピードの速さや仕上がり感で応え、2023年夏には累計販売台数100万台を突破しました。日々の入浴の質を高めるとして人気の「マイクロバブルバスユニット」にも、微細な泡を水に溶け込ませる独自技術が使われています。「業界にないものを作る」という創業の精神は、他社との差別化を図る原動力。100年にわたる当社の、成長拡大のカギともいえるでしょう。

海外展開においては個々の国・地域の価値観を理解し、暮らしや社会の課題へ貢献する「ユーイズム」の精神を大切にしています。
例えばタンクにお湯を貯めて使うスタイルが主流のアメリカでは、湯切れの不安や熱効率の低さを日本で広く普及しているタンクレス給湯器で解決。省エネ・省スペースの優位性も生かし、買替えを主体とする新しい市場拡大を見込んでいます。中国では現地の大手ガス企業と合弁会社を興し、ハイエンドの給湯器を中心に需要に応えてきました。中国全体の所得増加を受けて、近年では沿岸部から内陸エリアへも販売地域を拡大。インターネットを通じた販売力の強さも大きなポイントです。
今後は中南米やインド、アフリカでも販路拡大を図っていく方針です。各地の生活文化に合わせて現地主体のマネジメントを行いながら、グローバルに、リンナイの品質とマインドを育てていきます。

<未来>─カーボンニュートラルの実現へ。豊かな地球環境を持続させるために今、注力すべきこと

リンナイは2020年に創業100周年を迎えました。「つないだ情熱を次の100年へ。」のスローガンのもと、2019~2021年の3年間を周年事業期間に設定し、お客様やステークホルダーの皆様へ長年の感謝と今後の展望を伝えてきました。コロナ禍でやむを得ずイベント規模を縮小する場面もありましたが、100年の伝統を継承し、この先も世界の豊かな暮らしを支えていくための確かな節目になったと思います。

次の100年─未来へと視点を移した時、私たちが最も力を入れているのは、カーボンニュートラルを実現するための具体的な取組みです。
当社では2030年目標および2050年の脱炭素社会実現に向けた企業方針を掲げ、「開発」「製造」「販売」の各分野でCO2排出量削減を目指しています。省エネ機器から電気機器・ハイブリッド機器などの再エネ製品、さらには、よりクリーンな水素燃焼機器へ。イノベーションを加速させるため、2025年度までに5年間でグループ連結総額500億円規模の投資も進めてきました。
例えば販売領域では高効率な「ECO ONE」「エコジョーズ」の普及を進め、CO2排出量を急減。スマートハウスなどのエネルギーマネジメントシステムと組み合わせて目標達成を目指すほか、海外でも省エネ給湯機器の普及を進めます。事業活動におけるCO2排出には長期的な視点で改善活動や環境対策に取り組み、2050年までにゼロにすることが目標です。再エネ設備や非化石燃料設備への切り替えと共に、グリーン電力購入や創エネ設備の整備にも積極的に取り組んでいます。

開発分野では、家庭用給湯器において世界で初めて水素100%燃焼技術の開発に成功しました。燃焼時に水しか排出しない水素は、新たなエネルギーとして活用が期待される一方、その普及には家庭に水素を供給するインフラ体制が必要となります。
そのため、今後の社会・インフラの動向を見極めつつ、同時に電化の技術開発についても取り組んでいます。その一環として、研究・開発の拠点として新たにイノベーションセンターを建設し、カーボンニュートラルに向けたエネルギー変革に対して、柔軟に取り組む方針です。

創業100周年を経て、次の100年へ。主に家庭での熱機器を提供するメーカーとして、社会課題に真摯に向き合いつつ、私たちはこれからも「Creating a healthier way of living」のブランドプロミスのもと、健全で心地よい暮らしを実現するための技術・品質を追究していきます。

学生の方へメッセージ

私たちが作る商品は、クルマやスマートフォンと同じく、世界中の人々の暮らしに欠かせないものばかりです。キッチンのガステーブルコンロや食器洗い乾燥機、室内を快適に保つ暖房機、いつでも安全に清潔なお湯が使える給湯器。ただ、あまりに当たり前にあるために、学生の皆さんにはなかなかその性能や技術の進化を意識しづらいかもしれません。
自動車業界が100年に1度の変革期と言われるように、熱エネルギー機器の分野も今、ハイブリッド製品や電化製品、さらには水素燃焼機器など、大きな進化を遂げているところです。私たちも企業のHPや動画サイト、SNSなどを活用して商品力の発信に力を入れていますし、新卒採用における学生の皆さま向けのイベントとして、人気商品の体験会も開いています。開発者や営業社員と直接話ができる機会もありますので、ぜひ私たちの商品について、そしてモノづくりにかける想いについて知ってもらえたらうれしいです。

リンナイの原点思想に、「品質こそ我らが命」という言葉があります。品質に関わるコア技術を自社で開発し、内製化にこだわること─砕けていえば、やれることは自分たちでやるという企業文化が根付いています。新しい分野にも臆せず挑戦し、「良いモノを世界に届けよう」という想いのある方なら、喜びとやりがいを持って仕事をしていけると思います。
【採用担当】

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「私たちの当たり前の生活は、多くのモノに支えられている」と話す採用担当の皆さん。「暮らしのインフラを作る魅力を、ぜひ当社で感じてみてください」

マイナビ編集部から

寒さのひときわ厳しい昨今の冬、温かなリビングに戻った時、お風呂のお湯に浸かった時、ホッとひと息ついて癒しを感じることも多いだろう。その心地良さを大正年間から100年以上、熱エネルギー機器で追究してきたのがリンナイだ。

今回は創業時からの歴史に沿って、商品の進化の過程や同社のモノづくりへ対するこだわりについて伺った。例えば給湯器分野では高度成長期の瞬間湯沸かし機能から追い炊き機能、地球環境課題に貢献するハイブリッド製品の開発まで、その進化は今なお継続中。1度単位で温度設定をしてふんだんにお湯を使えるのも、実は日本の給湯器技術の高さによるものという。近年ではミストサウナやマイクロバブルバスユニットなど、いっそうの快適性を追求したバスシステムも登場した。
ガス機器のイメージが強い同社だが、カーボンニュートラルの実現に向け、水素や電気を使った新しい技術開発にも積極的に取り組んでいる。2022年には国内で初めて、家庭用給湯器における水素100%燃焼技術の開発に成功。2024年には業務用水素グリラーでJIA認証を取得するなど、燃焼時にCO2を出さないクリーンで安全なエネルギーとして、今後も活用を進めていくという。

日ごろ当たり前のように享受している生活の質は、企業の絶え間ない努力とモノづくりへの想いに支えられている。この機に改めて、暮らしを支えるモノの背景を意識したいと感じられた取材だった。

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電気や水素などあらゆるエネルギーの活用で、「熱と暮らし」「健康と暮らし」の課題に取り組むリンナイ。世界に求められるモノづくりの面白さを、広く体感できる企業です。

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