最終更新日:2025/3/1

(株)高島屋

  • 正社員
  • 既卒可
  • 上場企業

業種

  • 百貨店

基本情報

本社
大阪府

取材情報

仕事・キャリアパスについて伝えたい

私自身が「いつも、人から。」を体現する存在になることを目指して

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高島屋で挑戦し、成長してきた若手社員の軌跡

京都店で婦人服関連のさまざまな業務に携わった後、バイヤーにキャリアチェンジした村井さん。お客様や社内外の多くの方々との関わりを通して、一歩ずつ成長をしてきた約5年間を振り返っていただいた。

■ 村井 明日香
MD本部 婦人服・婦人雑貨・子供・ホビー部 婦人服(関西)バイヤー
文学部美学芸術学科卒
2018年入社

先輩の横顔

京都店で長く女性向けファッションに携わってきた村井さん。お客様の思いに寄り添う接客を通して、満足していただける提案を実践してきた。
シフト制で土日が休みの週もあれば、平日が休みになることもある。週末に友だちと予定を合わせて休みを取ることもでき、計画的に空いている平日の旅を楽しむことも。
村井さんは2022年にバイヤーへとキャリアチェンジしたばかり。周囲のサポートを受けながら、新しい挑戦を通して少しずつ視野を広げ、成長を遂げている。

館全体でワクワク感を演出する百貨店の総合力に魅かれて

大学時代は芸術系学科で学び、絵画やポスターなどの魅力を言葉で伝えるという学問を専攻していました。学びを重ねていく中で自分のアイデアが相手の想像を超えたとき、喜びと感動に包まれる表情を見るのがうれしいと思うようになり、就職活動では専攻の延長上にある広告・デザイン業界を志望していました。就職活動中には他業界にも視野を広げたのですが、その一つが百貨店業界でした。よく話を聞いてみると、百貨店での仕事は接客販売だけではなく、館内装飾や商品の配置などを通してワクワクさせる仕掛けを作りながら、館全体でお客様の五感に訴えていることがわかり、私の目指しているものと合致していると感じました。中でも高島屋は「いつも、人から。」の経営理念のもと、人を大切にしていく企業文化が根付いており、社員のチャレンジを推奨している点に大きく共感。選考中に出会った社員の皆さんの柔らかな物腰にも安心感を覚え、ここで頑張っていこうと決心しました。

以来、約5年にわたって高島屋京都店で勤務してきました。実は京都店には、こどもの頃から祖母や母と通っており、思い出に残る店で働けるのは感慨深いものがありました。創業の地でもあるだけに、京都店は昔ながらの馴染みのお客様も多く、私よりも高島屋のことに詳しいお客様も少なくありません。その中で少しずつお客様に満足していただけるように自分を磨いてきました。

最初の1年間はキャリアワールドという複数の婦人服ブランドが軒を並べる売場のフロア管理を担当。各ブランドのスタッフのサポートを行うとともに、館内全体のプロモーションに合わせた商品着せ付けの依頼や、オンラインの商品管理など、多岐にわたる業務を手掛けていました。正直なところ、各ブランドの商品全てを把握することが難しかったため、スタッフの皆さんとコミュニケーションを密に取って、困ったときに連携できる信頼関係の構築を心掛けていました。

スタッフの皆さんには頼りなく映っていたかもしれませんが、自分にできることを考え、レジまわりの決済に関する質問など一つひとつの対応を丁寧に行うよう心掛けていました。異動するとなったときに、スタッフの皆さんから温かいメッセージをいただけたことが、とてもうれしかったですね。

催事担当から売場の最前線へ。さまざまな立場から高島屋を見つめる

2年目に入ってからは約1年間、婦人服の催事を担当しました。一般的に百貨店の催事というと地域の物産展などを思い出す人が多いかと思いますが、同じ会場でファッションをテーマにした催事も数多く開催されています。当時はどのような催事にするのか企画を立てた上で、準備や当日の運営、効果検証までを担っていました。

配属約5カ月後には一つの催事を任されることになり、ちょうどその隣の会場でSNS映えを意識した食品の催事が決まっていたので、若い世代にもご来場いただけるようなファッションを集めることを企画。各ブランドに声をかけ、自ら図面を見ながら配置を決め、当日も責任を持って運営しました。上司の皆さんは私の意志を優先し、目標の実現に向けて背中をしっかりと押してくださいました。催事担当はブランドの営業担当者をはじめ多くの方々とやり取りをしていくことになります。おかげで視野を広く持つことができるようになるなど、貴重な時間を過ごすことができました。

ここまでのキャリアでは売場を管理する立場にいましたが、3年目からはようやく売場の最前線に立つことに。高島屋のデニムセレクトショップ『DENIM STYLE LAB(デニムスタイルラボ)』で販売担当職を担いました。ショップマネジャーのほかに正社員は私のみ。ほかは販売に特化したメンバーで運営しており、私にもおのずと大きな裁量と責任が課されました。実際、ショップマネジャーが不在の時は私が現場の意思決定を担い、販売戦略や売場づくりの計画などにも深く携わっていきました。

異動したのは2020年春のこと。コロナ禍の影響によって百貨店全体の来客が激減した時期でしたが、その中でも来店してくださるお客様のために、高島屋としての付加価値の高い接客を意識していました。来店されたお客様との会話の中で好みのスタイルをつかみ、その方の雰囲気などを見ながら一人ひとりに合ったコーディネートをご提案しました。そんな地道な積み重ねを通して、お客様に「選んでもらって良かった」と満足して購入していただけたときのやりがいは格別でした。

私が起点となって、高島屋をより良い場所へと進化させたい

販売担当職を担っていた時は棚卸しなどのバックヤード作業も重要な業務。売場を運営しながら同時に裏で検品を行いますので、段取りやスケジュールの調整に苦労したことも。困ったときには売場メンバーとお互いに意見交換し、試行錯誤しながら計画を立て、なんとか課題を乗り越えていくことで、ショップの運営を進めてきました。

ショップには約2年半所属していましたが、様々な雇用形態の売場メンバーと一体となって雰囲気の良いショップづくりに尽力してきました。一人だけの力では良い売場は作れないので、“協働”を心掛け、お互いの信頼関係を育んできました。大変なことも多かったですが、お客様の喜びの表情を一番近くで見られるのが売場メンバーにとっての何よりの励みです。

2022年秋からはMD本部のバイヤーとなりました。販売担当職として売場にいた頃、バイヤーの広い視点からの意見がショップ運営においてとても重要だったため、私も同様の立場にチャレンジしてみたいとの思いが強くなったことから、「オープンエントリー制度」を活用して、バイヤーになることへ挑戦しました。異動後は大阪店と京都店の婦人服売場を担当しています。

各ブランドの販売員、営業担当、各店売場担当者など売場に関わるさまざまな人に対して、売場全体の売れ筋や、お客様の傾向、ニーズの変化などを細かく伝えながら、今後の売場づくりや商品づくりに生かしてもらうのがバイヤーの務め。関西では2022年春から常設された部署なので、最初は各ショップの人に私の役割を理解してもらうのに苦労しました。そんな中、1週間ほど体調を崩して病欠した後に売場に出たときに、私が休んでいる間、フロアの状況がわからずに困っていたとの声を聞き、自分の役割が少しずつ伝わってきたのだと手ごたえを感じました。

イベントスペースで期間限定のショップを開催するとき、今まで高島屋で出店されていなかったブランドを誘致するといった取り組みにも携わっています。新ルートの開拓はバイヤーの重要な任務。無事に出店ができてお客様が喜んでおられる様子を見るのは本当にうれしいです。これからは関わる多くの人に「村井に仕事を任せたい」と思ってもらえるバイヤーになることを目標にしています。そうなっていくことで「いつも、人から。」の経営理念を体現できるようになると思っています。

学生の方へメッセージ

私が就職活動生だった時代を振り返ると、「どの業界が合っているのか」「自分の長所はどこにあるのか」「今の進め方で合っているのか」など、本当に多くの不安を抱えていました。そんなときは一緒に就職活動に臨んでいた友人と話をすることで、お互いに新しい気付きを得ることができました。進みたい方向があるのになかなか進めないでいる私の背中を、そっと押してくれたのも友人たちです。自分の中に溜めていたものをアウトプットすると、やりたいことが自然と見つかっていくはずです。友人はもちろん学内の就職活動課なども活用しながら、自分の思いをアウトプットすることを意識すると良いと思います。

百貨店で働く人は、とにかく人と関わるのが好きな人が多いです。また、高島屋は今、若手社員のアイデアを吸収して会社を変革させていこうとしている最中ですので、旺盛な好奇心を発揮して新しいアイデアを形にしていく気持ちも大事にしてほしいですね。チャンレンジをして万が一、失敗をしたとしても、先輩がしっかりとフォローをしてくれます。私自身、いくつかの部署を経験してきましたが、どの部署でも同じように上司や先輩方がフォローしてくれました。人のすばらしさは高島屋の何よりの魅力だと思っています。

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「無理をせず、楽しく就職活動に取り組んでください」と学生にメッセージを送る。村井さんは、困ったときには人に話すことで、就職活動を乗り切ってきたとのこと。

マイナビ編集部から

京都店でお客様や社内外の方々と密接に関わってきた村井さんは、販売、催事、フロア管理など、さまざまな仕事を経験。どの部署でも周りに支えられながら、一歩ずつ成長することができたという。バイヤーになった今、関わってきた人への恩返しの意味を込め、しっかりとバックアップしていこうとさらなる自己研鑽を続けている。経営理念の「いつも、人から。」に魅かれて入社した村井さんは、まさにその言葉を体現する人間力と発信力を兼ね備えた人材に成長していこうとしている。

歴史を紐解くと、高島屋は1831年に京都で古着・木綿商として創業した老舗中の老舗。2031年には創業200年という節目の年を迎えることなる。今や国内百貨店のみならず、海外出店、まちづくり戦略、金融事業などにもチャレンジしており、その活躍の場は大きく広がっている。働く人にとって快適な環境を提供しようと、良好なワーク・ライフ・バランスの実現にも着手中。さらに個人の自主性を尊重したキャリアアセスメント制度を採用し、村井さんも活用した「オープンエントリー制度」のほか、毎年、全社員を対象に次年度の配属に関する希望などを調査する「自己申告制度」なども導入している。

企業メッセージとして「”変わらない”のに、あたらしい。」を掲げ、伝統を守りつつ、変化を先取りして新しさを貪欲に追及しているからこそ、高島屋ブランドは長きにわたって高い評価を受けているのである。

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200年企業の実現に向けて、古きと新しきを融合していこうとしている高島屋。そのためには、新卒の若い力と柔軟な発想力が、強く求められている。

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