キタムラ機械(株)

工作機械本体の制御や工作機械に実装する新しい機能の制御プログラムを作成しています。制御で大切なことは、機械を使用するお客様にとって使いやすくて喜ばれる機能を設計することだと考えています。最近では工具のIDシステムを新規に設計しました。これまでオペレーターが機械に工具を取り付けると、その工具の長さなど工具情報を機械に手入力で設定する必要がありました。このシステムを使用することで、工具のIDチップから工具情報を読み取り、自動で機械に設定されるようになり、オペレーターの手入力の手間を省くことができるようになりました。このようにどんな機能をつければお客様の作業効率が上がり、機械を心地よく使ってもらえるか考えるところが制御の重要なところでもあり、面白いところです。

制御設計は、機械全体の動作を作りこむ、とても大切な仕事です。例えば、ランプが1つ点灯しないという不具合でも製品は欠陥になります。不具合が出て機械が動かなければ機械を組み立てる現場の人に迷惑をかけることにもなり、責任ある仕事です。そのために、作成したプログラムの動作確認を念入りに行う必要があります。自分で悩みながらも、うまくプログラミングして、機械が思ったとおりに動作してくれた時にはとても達成感がありますし、自分が設計した機械が組立ラインにずらっと並んでいる姿を見たり、製品として出荷されていくと努力したかいがあったと思います。

もともとロボットの制御のような機械を自由自在に動かす制御設計に興味があり、地元の富山で機械メーカーを中心に就職活動をしていました。その中で当社のことを知り、この工作機械業界の中でも高精度、高品質な機械として評価され、特に精度が必要な航空機や人工衛星の部品加工に使用されていることを知りました。また、世界中に機械が納入されており、海外で名の知れた航空機や自動車メーカーにも納入実績があり驚きました。地元の富山にいながらにして、このような世界的にも高精度な機械として評価される機械の設計に携わりたいと思い、入社しました。

入社３年目の時に、全て新規で設計された多面パレット装置の制御を担当させてもらいました。それまでは、既存の機械のプログラムをお客様の要望に合わせて機能追加したり、マイナーチェンジするのが主な仕事だったため、元になるプログラムがないところから設計を行うはじめての経験でした。不安はありましたが、上司とよく相談して制御の仕様を決め、プログラムを作成しました。初めての設計だったため、動かしてみると不具合がたくさんでてしまいましたが、不具合をきちんと直し、実際に製品としてお客様に納品できた時は、自分でも新しい製品を開発できるんだという自信が持てました。さらに納品したお客様に２台目の注文を頂いたときは、設計した機械を認めてもらえたように感じて更に嬉しく感じました。

就職活動をしていた当時は、あまりたくさんの企業を見ることができませんでした。説明会に行った際にも、自分から積極的に詳しい話を聞くことはしませんでした。実際に働いている人の話を聞くことで、自分が働きやすい職場か、価値観があっているのか、わかると思います。仕事内容や、福利厚生も大切ですが、働く方々の雰囲気や、価値観などを事前にわかると、よりギャップが少なく仕事ができると思います。