最終更新日:2025/4/15

(株)美和製作所

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大阪府

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自動車から半導体、電気、航空宇宙まであらゆる分野の技術革新に貢献!

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新分野の研究開発に欠かせないグローブボックスの老舗メーカー

「グローブボックス」という製品を見聞きした方は少ないと思いますが、あらゆる分野の最先端の製品開発に欠かせないもの。最先端の技術進化や新しい製品づくりに貢献する同社の技術力に迫ります。

■営業部部長 松浦 琢二/2007年入社

入社以来、東京営業所で主に自動車メーカーを担当し、7年目に所長に就任。2022年4月には本社で営業部長として全社の営業を統括する。長年、営業の最前線で活躍し、お客様の新しいものづくりを支えてきた松浦さんに、グローブボックスの老舗メーカーである美和製作所の製品の特徴や強み、プロジェクトや、これまでに手がけてきた仕事について語ってもらいました。

まだある!美和製作所の魅力

「45年以上の歴史と実績をもとに的確なアドバイスを行い、最適な提案ができることが強み。白金触媒による酸素除去など他にはない独自製品も手がけています」と松浦さん。
グローブボックスの設計から部品の製造、組立まで自社一貫体制。様々なプロセスを学び、知見を広げることができ、自分が手がけた製品の完成を目にできることが魅力です。
部署内はもちろん、営業や設計、製造など部署間のコミュニケーションも円滑。年代を問わずに仕事からプライベートまで気兼ねなく会話のできるアットホームな雰囲気です。

グローブボックスの先駆者として新しい技術に挑戦し、歴史と実績を培う

美和製作所は今から45年以上前、二次電池の研究開発を行う大手電機メーカーから「グローブボックスをつくれないか」と依頼を受けたことがはじまりです。当時、国内にはグローブボックスの専門メーカーはなく、まさに先駆者としてゼロからの挑戦でした。以来、製品の設計から製造、販売までを一貫して担うメーカーとして今日まで走り続けています。

耳慣れない業界だと思いますが、身近な製品ではスマートフォンの二次電池や電気自動車のバッテリーの研究開発に使用され、より高寿命で安全、高性能な製品づくりに貢献しています。ちなみにグローブボックスとは、その名のとおりグローブ(手袋)とボックス(密閉容器)を一体化した製品。ボックス内で手作業をしながら大気中では不安定な材料を扱ったり、有害な物質から人を保護する役割を持ち、全国の研究機関や実験室などで導入されています。特に材料開発の分野において、酸化の原因となる酸素や腐食の原因となる水分を含む外気に触れると予期せぬ反応が起きるため、ボックス内部を不活性ガスに置換して酸素・水分濃度を下げ、ゴミ・塵のないクリーンな空間をつくります。

製品のすべてはオーダーメイド。研究対象の材料や条件により、求められるスペックは一つひとつ異なります。当社は創業以来、半導体や電子、電気、機械、自動車、化学、食品、医薬品、原子力、航空宇宙に至るまで、あらゆる分野の研究開発を支援。常に初めての挑戦で試行錯誤を繰り返しながら課題を乗り越え、独自の技術力やノウハウを培い、進化させてきました。この歴史と実績こそが当社の強みなのです。

小惑星探査機『はやぶさ』をはじめ、数々のビッグプロジェクトにも参画

当社は、これまでメディアに取り上げられるような数々のビッグプロジェクトにも携わってきました。特に難易度が高かったのは、『はやぶさ1プロジェクト』です。2010年6月、小惑星探査機『はやぶさ』が小惑星の表面物質(サンプル)を搭載したカプセルを地球に持ち帰ることに成功。この物質を大気中で汚染せずに取り出すため、宇宙航空研究機関機構(JAXA)から依頼を受けてクリーンチャンバを製作しました。宇宙に近い環境の再現に向けて酸素・水分濃度は1ppm以下、これまでにないクリーンな空間をつくるため、JAXAの職員の方々に協力していただき、未知の分野に挑戦して製品化に至りました。

この経験を活かして『はやぶさ2プロジェクト』では、サンプルは有機物や含水鉱物が多く含まれているという予測のもと、より高度な環境測定ができるように工夫。さらに作業性の向上を図りました。2020年12月には無事にカプセルが届き、JAXAでは惑星の起源だけでなく、地球の水の起源などの探求を目指しています。現在、当社では2026年打ち上げ予定の火星探査計画に向けて準備を進めているところです。

そのほか、2011年3月に事故が発生した福島第一発電所事故の廃炉に向けた取り組みでは、「漏らさない」をテーマに気密度を重視したグローブボックスを開発しました。また、社会インフラに関するプロジェクトにも参画。多くの建物に利用されるコンクリートの性能評価は、人々の暮らしの安心・安全に関わるもので、その重要性はますます高まっています。当社では、グローブボックスの技術を応用し、漏れがないように気密性を高めた低濃度CO2環境試験室を完成させ、業界に大きく貢献をしています。

研究者とともに最先端分野に携わり、自分の世界を広げていける環境

近年、リチウムイオン電池を超える次世代電池として、長寿命で小型化・薄型化が可能な「全固体電池」が注目されています。私は長年にわたり自動車メーカーのお客様を担当するなか、その研究開発に使用するグローブボックス導入のお手伝いをさせていただきました。特に重視したのは、人体に有害な物質を封じ込めること。グローブボックスの性能を損なわず、安全性を確保するためにインターロック装置を設置し、作業性の向上も実現させました。全固体電池は開発段階でこれから製品化されるもの。多くの研究者や技術担当者の方々と打合せを重ね、一緒にものづくりをしながら最先端技術に携わる。自分の世界をぐんと広げられることが魅力です。

自社一貫体制の当社では、製品の部品から組み込んでいるため、本人のやる気さえあればイチから製品を学ぶことが可能。機械や電気関連の設計担当者として、専門分野を究めることもできます。グローブボックスは普段の生活の中で触れることは少ないですが、大学等で専門知識を学んできた方、ものづくりに興味のある方は知的好奇心を満たす経験ができるはずです。

2022年4月から営業部長として営業全体の統括を任された今、さらに知名度と実績を広げ、会社の発展に貢献したいと決意を新たに。その一方で、働きやすい環境づくりにも注力していきたいですね。当社では機械設計・技術開発以外の職種は、全学部全学科を対象に採用を行っているため、専門知識を持たない新卒社員が大半です。彼らが不安を感じることなく、安心してスタートダッシュを切れるようにOJT研修の見直し、さらにワークライフバランスを大切にできるように業務の効率化を推進。若手が成長を実感し、モチベーション高く活躍できる環境を整えることが、私の使命だと考えています。

学生の方へメッセージ

「興味が持てる分野」「自分が働きたいと思える会社」をポイントに企業研究をすることをおすすめします。私の場合、いろんな会社のホームページを調べるなか、「グローブボックス」という聞いたことのない製品に興味を持ったことがきっかけ。決め手になったのは、展示会に呼んでもらい、お客様で賑わう当社のブースを見たとき、こんなに注目を浴びている凄い製品に携わってみたいと思ったからです。ぜひ、みなさんも身近な製品だけでなく、自分が知らない業界にも目を向け、実際に職場を見学したり、先輩に話を聞きながらイメージを膨らませてみてください。

そのほか、自分に合っている会社がどうか見極めることも大切です。例えば面接という短時間の中で、普段どおりに会話ができ、円滑にコミュニケーションが図れるかどうか。私は数多くの企業の中で当社が一番話しやすいと感じました。今もその判断は間違いなかったと思っています。

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研究機関や実験室などで使用されるグローブボックス。普段、目に触れることのない製品を身近に感じたり、製造工程を見学できるのは、学生ならではの特権です。

マイナビ編集部から

1975年の創業以来、クリーンな空間の創造をテーマに掲げ、グローブボックスを主軸にガス循環精製装置や電気炉などの開発装置を手がけてきた美和製作所。電気・化学・自動車・製薬、そして航空宇宙まであらゆる分野において、お客様の夢の実現に向け、独創的な先端技術で最適なソリューションを提案し続けている。

国内有数の大手企業や大学、研究機関からの信頼は厚く、これまでに数々の大型プロジェクトにも参画。2021年12月には宇宙航空研究機関機構(JAXA)から『はやぶさ2』のミッション成功の成果として感謝状を授与されたことからも、その技術力の高さが伺える。また、エネルギー業界においては45年以上の実績があり、パソコンやスマホの二次電池、電気自動車のバッテリーの研究開発に貢献。二次電池市場は急拡大し、全固体電池をはじめとする新製品が開発されるなか、同社への期待はますます高まっていくであろう。

さらに注目したいのは、トップと社員、社員同士の距離が近いことだ。年に数回、本社の敷地内で実施されるバーベキューでは、部署を超えて多くのメンバーが交流を楽しんでいるという。若手社員が「仕事とは違った雰囲気で盛り上がり、毎回必ず参加しています」と語るように新入社員もすぐに職場に馴染み、誰とでも気軽にコミュニケーションの取れる風通しのいい職場につながっている。そんな定着率の高い安定企業で働く社員たちの幸せそうな笑顔が印象に残った。

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上司や先輩は面倒見がよく、わからないことは何でも質問や相談できる雰囲気。知識や経験のない人も安心して仕事に集中でき、オンリーワンの技術を磨くことができます!

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