最終更新日:2025/3/1

(株)三澤牧場

  • 正社員
  • 既卒可

業種

  • 農林・水産

基本情報

本社
北海道

取材情報

仕事・キャリアパスについて伝えたい

メガファームならではの環境、制度の導入を進め、働きやすさを追求する次世代型牧場。

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想いは多様、出身地も異なる3人が語る、三澤牧場の魅力と目標

農学部ながら、異なる専攻。営業職を経ての転職。経済学部から地元の基幹産業へ。想いもきっかけも違うものの、なぜか意気投合。入社2年目がリアルに感じる牧場の日常と、働く環境、そして今の思いを聞きました。

哺育班 伊藤 里菜さん/2021年入社
搾乳班 桜庭 泰生さん/2021年入社
繁殖・治療班 溝越 拓人さん/2021年入社

入社2年目のスタッフ、それぞれの日々

「休日の朝、思い立ってハンドルを握り、あちこち出歩くことが多いですね。教科書に載っている、北海道の名所・旧跡などを訪ねてみたいと思っています!」(伊藤里菜)
「牛は言葉が通じませんが、毎日、搾乳で触れていると、性格などがわかってきます。しっかりと一頭一頭に目を配り、神経を使うことを心がけています」(桜庭泰生)
「最新鋭のロボット搾乳機の管理も私の仕事。稼働状況を確認しつつ、同時に、出入りする乳牛の体調をチェック。気も使いますが、手応えのある仕事です!」(溝越拓人)

7牧場のISに参加し、三澤牧場への入社を決意。哺育した子牛を出荷する時はお母さんのような気持ちに。

大学は農学部で、植物系を専攻しましたが、動物にも興味があり、就職活動では動物関連の業界も選択肢として考えました。そのなかで酪農の仕事を見つけ、ある牧場のインターンシップに行って、大発見をしたんです。ここにいる大きな搾乳牛は、すべてお母さん! 考えれば当たり前ですが、母牛の偉大さに感動し、酪農への興味が深まりました。その後、7カ所ほどの牧場のインターンシップに参加。スタッフの印象がよかったことと、自分がこの町で、この牧場で働いているイメージができたことが三澤牧場に入職を決めた理由です。

私の所属は哺育班。子牛を育てる仕事を担っています。世話をしているのは、黒毛和牛と、乳牛と黒毛和牛を交配させたF1種の子牛。黒毛和牛は約2カ月、F1種は1カ月ほどミルクをあげたり、寒くないように毛布をかけたりとケアを行いますが、仕事を始めてみて驚いたのは、機械化が進んでいること。1カ月ほどは人の手で、大きな哺乳瓶でミルクを与えていますが、その後は哺乳ロボットで哺乳を行います。子牛が自分でミルクを飲めるようにした設備です。私たちは、主にミルクの補充や、飲みが悪い牛のチェックなどを行っています。

作業は効率化されていますが、黒毛和牛の子牛は弱いので、常にケアが必要です。時には、命の危機に直面する子牛もおり神経を使いますが、手をかけて育てた子牛が見違えるような体格に育って出荷されていく姿をみると、頑張ってよかったと感じると同時に寂しさもあり、母親になった気分になります。和牛は一頭一頭、名前をつけることが義務付けられており、私はその命名も担当。決まりはないので、好きなアニメのキャラクター名をつけたりすることもあります(笑)。

私は現在、チームリーダー的な役割を与えられ、業務の進め方の改善策を考えるなど、責任ある仕事を任せていただいています。役員のサポートも受けながら、働きやすい環境づくりに取り組んでいきたいと思っています。コロナ禍のなか、以前よりは少ないようですが、社長を含めて全社員で焼肉に行くといったイベントもあり、社内の親睦を図る機会となっています。部門の異なる同期とも顔を合わせることができ、私にはとても楽しい時間。仕事に向かう意欲も高まります。
(哺育班 伊藤 里菜/2021年入社)

営業職から、憧れていた生き物相手の仕事へ。「搾乳部門は任せた」と言われるようになることが目標です。

私は伊藤さん(上)、溝越さん(下)と同期ですが、新卒ではなく中途入社です。高校卒業後、地元・青森県の不動産会社、自動車ディーラーで営業の仕事をしていました。小さい頃から生き物に関わる仕事がしたいという思いを抱いていましたが、チャンスがなくて……。結果として始めた営業職も楽しかったのですが、やはりその気持ちが忘れられず、改めて調べるなかで三澤牧場と出会いました。「酪農なら北海道」と思い込み(笑)、探した結果でした。一度は挑戦してみよう、ダメなら諦めようという気持ちだったんです。

そんなスタートでしたが、早いもので2年目。私が担当しているのは搾乳業務です。搾乳を行う専用の牛舎に牛を入れ、乳房に取り付けて圧力を利用して乳を搾るミルカーという器具を装着。搾乳が終ったのを確認してミルカーを外し、牛を放すというのが一連の仕事です。的確に搾乳を行うというのはもちろんですが、毎日、一頭一頭の牛に触れながら、それぞれの特徴などを覚えるとともに、しっかりと観察して何らかの変化を捉え、異変などに気づくことも大切な仕事です。

前職は人対人の仕事。それが今は人対動物。人が相手なら話が通じるので、考えを聞いたり思いを伝えることができますが、当然ながら牛には話は通じませんし、何をいいたいのかもわかりません。対人間の場合は、相手によって話し方や表情を工夫する必要があり、その点が大変ですが、動物にはそうした面での気遣いがないので楽ともいえます。ただ、体調が悪くても伝える手段がないので、朝は元気に見えた牛が、夕方には元気がなくなるといったこともあり、神経を使って観察する必要があることが、大変なところですね。

そうしたなか、毎日、牛を見ていると異変に気付けるようになってきます。たとえば、乳房炎を早期発見し、早期治療を行った結果、元気になった牛の姿を見ると心からよかったと感じます。逆に、病気の予兆を発見できなければ死んでしまうこともあるので、しっかりと牛を見られるようになることが大切です。さらに経験を積み、知見を増やしながら、「搾乳班は桜庭に任せた」といわれるようになることが目標です。新卒ではないものの、仲間として接してくれる同期がいるのもうれしいですね。
(哺乳班 桜庭 泰生/2021年入社)

経済学部から酪農の世界へ。乳牛の不調の原因を見つけ、治療を施して快復させられた時がやりがいです。

私は、繁殖・治療班という部署に所属し、乳牛の治療を担当しています。乳牛は、身体は大きいのですがデリケートな動物。特に分娩直後は体調を崩しやすいので、状態をチェックし、投薬など必要な治療を行います。牛舎から「牛の様子がおかしい」という連絡を受けて駆けつけることもあります。聴診器で胃の動きを調べたり、検温して異常を察知したり。判断が付かないものは上司に相談し、獣医さんにも協力を仰ぎます。体調の悪い牛を見つけ、どんな症状かを見極めて治療を行い、快復させられた時はやりがいを感じます。

当牧場では、全自動の搾乳ロボットを導入しており、私はその管理も担当しています。牛が自分で入り、搾乳が終わると自分で出てくるので、人の手で絞ることがないという最新鋭の機器です。搾乳に向かう牛の体調をチェックするほか、何らかの理由で自分から入らない牛を搾乳ロボットに誘導したり、また、機器のメンテナンスも行います。治療にしても搾乳の管理にしても、気がつけば1日中、牛とくっついている生活(笑)。でも、自分にはそれが、とても楽しいですね。

牧場の仕事にも、すっかりなじんでいますが、大学は経済学部で、酪農とは縁がありませんでした。ただ、もともと動物が好きだったということと、生まれ育った北海道で働きたいという思いがあり、ある牧場のインターンシップに参加しました。あまりきれいではなく、臭いもきつい現場というイメージも正直あったものの、行ってみるととても衛生的。これなら働いていけそうだと実感できたんです。三澤牧場は、700頭あまりを飼育するメガファームというところに惹かれ、見学に来て入職を決めました。知識のない世界でしたが、自分に合った職場に出会えたと感じています。

入職当初は、体力的に大変さを感じることもありましたが、仕事に慣れるまでに、それほど時間はかかりませんでした。職場には20代のスタッフも多く、和気あいあいとした雰囲気ということも大きかった気がします。同期とは、休みが合えば一緒に出かけたりもしています。上司・先輩も話しやすい方ばかりなので、その都度、教えていただきながら、知識を増やしているところで、まずは治療についてスキルアップしていくことが目標。後輩ができたので、育成にも取り組んでいきたいと思っています。
(繁殖・治療班 溝越 拓人/2021年入社)

学生の方へメッセージ

私の実家は茨城県です。湧別町とは距離にするとずいぶん離れていますが、牧場からほど近いオホーツク紋別空港から飛行機に乗れば、東京までは1時間ちょっとでひとっ飛び。決して大旅行といった感じはなく、同じ関東地方の地方都市から帰るよりも、むしろ帰省しやすいんです。牧場の近くには、大きなショッピングセンターなどはありませんが、生活にもまったく不便はありません(伊藤 里菜)

生まれてからずっと青森県で暮らしてきて、北海道に来たのは小学校の修学旅行以来。牧場の仕事と同時に、ここで暮らすことをとても楽しみにしていましたし、行ってみたいところがたくさんあるんです。休日を利用して、一人で観光スポットなどを訪ねることもありますし、北海道が地元の溝越さんに案内をしてもらい同期のスタッフと一緒に出かけるなど、北海道を楽しんでいます(桜庭 泰生)

有給が取得しやすく、連休が取れることも三澤牧場の特徴。5日程度の休みを取り、旅行などに出かけることも普通にできます。また、勤務はシフト制なので、予め希望を出せば自分の用事に合わせて休むことも可能です。私は、少しゆっくり時間をとって実家に帰る時などに利用しています。プライベートも思い通りに過ごし、やりたいことができるのがいいですね。(溝越 拓人)

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2021年に入社し2年目を迎えた同期の3人。哺育班(伊藤さん)、搾乳班(桜庭さん)、繁殖・治療班(溝越さん)と部署は異なりますが、一緒に遊びに行くことも多いそうです。

マイナビ編集部から

2008年に株式会社となり、現在は飼育頭数700頭というメガファームに成長を遂げている三澤牧場。同牧場を率いる三澤実社長に、酪農への思いと牧場の今後について伺った。

「当牧場は、『カウコンフォート』を大切にすることを理念としています。直訳すると、牛の快適性。大切なパートナーである牛が健康・快適に、ストレスをできるだけ感じずにいられるよう、ソフト、ハードの両面において、取り組みを継続しています。特にソフト面では、たとえば思い通りに動いてくれない牛を叩いたり、大声を出して誘導したりといったことを決してせず、やさしく接することを全スタッフに徹底しています」

餌の与え方にも、独自の考え方で取り組んでいるという。

「TMR(混合飼料)と呼ばれる餌を、毎朝、トラクターで配布しますが、当牧場では一般的に必要とされる量よりも多めに与えています。無駄が出ない方が経営的にはプラスですが、餌の量に余裕がないと弱い牛が食べられないことがあるためです。何よりもまず、牛を大切にしたい。その想いから、十分な量の餌をあげるというのも私たちが守っている方針です」

2023年には新たに牛舎を建設し、牛を導入して1,300~1,400頭規模に拡大したいと話す三澤社長。売上の拡大以上に、規模を大きくし、人を増やすことで働く環境をさらに整えたいという話に、将来性を感じた。

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牛が生活する環境を整えるため、ハード面では暑さに弱い成牛のために牛舎を冷やす設備を入れたり、逆に寒がりな子牛のため、燃料コストを度外視して暖房を入れています。

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