最終更新日:2025/5/22

三和ボーリング(株)

  • 正社員
  • 既卒可

業種

  • 建設コンサルタント
  • 建設
  • サービス(その他)
  • 専門コンサルティング

基本情報

本社
富山県

取材情報

仕事・キャリアパスについて伝えたい

災害対策やインフラ整備の地質調査を実践。土木建設の“縁の下の力持ち”として貢献。

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地質調査のエキスパート集団を目指して。

土木建設事業の基礎を支える地質調査・ボーリング、測量、メンテナンスなどを手掛ける専門業者。地質調査のエキスパートとして活躍する杉山茂久さんに現在の仕事内容や学生へのメッセージなどをうかがいました。

地質調査部長の杉山茂久さん(後列右から2番目)は1967年、静岡県生まれ。富山大学理学部で地質学を専攻。フィールドワークを通して地表地質踏査技術を学び、就職後に技術士 応用理学部門(地質)を取得。1995年、県内にある調査会社に入社。2008年に当社に転職。現在は地盤調査部部長として数多くの現地調査をこなすと共に後進の指導にも尽力している。

画像は社屋屋上での集合写真。
明るく、アットホームな社風が自慢の三和ボーリングスタッフ。雄々しい立山連峰が一望できる社屋の屋上でスマイル!

大学時代のフィールドワーク体験が現在の思考や判断の基礎になっているという杉山さん。「とても過酷な経験でしたが、あの経験があるから今の私があります!」
設計者や現場監督が知りたいことを把握し、欲しいデータを収集して、数値化する。自分の専門領域だけでなく、土木建設や土壌汚染など様々な分野の知識も必要な仕事です。
道なき道を登って現場を調査。目に見えない地面の中や構造物の中を予測し、仮説を立てて解析していく。一つひとつの現場経験が知識となって蓄積されていきます。

●大学時代のフィールドワークがこの仕事の基礎になっている。

 当社では災害対策やインフラ整備工事に必要な地質調査やボーリング調査を行っています。私が在籍する地質調査部では、道路や線路、トンネル、橋梁などの建設工事の前段階である地質調査を行い、設計者や現場監督者に有益なデータを作成しています。調査方法は目視や計測のほか、ダイナマイト、地下構造推定などから最適手段を選び、クライアントが求めるデータを作成します。

 私自身は大学時代、理学部の地球科学科で古い火山体の地質調査を専攻していました。子どもの頃は天体観測が好きで、専門的に学んだことが職業に繋がれば幸せだろうなと思って進学しました。
 専攻した地質学コースはフィールドワークが主体で、実際に山中に分け入って露頭を調べ、採取した岩石試料の成分調査をするというもの。一人で40日間、地図と高度計とコンパスを頼りに急峻な沢や谷を登り降りする毎日で、しかも露頭から最大限の情報を引き出し、地質の空間的な分布をイメージする頭脳労働でした。このフィールドワークで培った「三次元プラス時間軸の考え方」や「広い視野と絞った視野を使い分けること」は今、この仕事の基礎になっていると感じます。

 大学で学んだ知識と技術を職業として生かすことができているのは、自分でも幸せだと思います。そうはいかない人も多いと思いますが、学生時代に多岐に渡る思考法に触れること、学問に限らず自分の強みを見い出すことは大切なことだと思いますね。

●地面の奥深くに眠っている危険を解析し、最適なデータ書類を作成。

 例として橋梁を新設する事業を挙げます。まず、橋梁が位置する場所の全体的な地質状況を把握するための地質調査を行い、橋梁を計画する上での地形や地質のリスクを明らかにします、次に橋梁位置が決まった段階で、基礎など構造物の設計施工に必要な地質工学的情報を得るための地質調査を行います。このように、事業の段階によって、地質調査の目的が異なることに注意しなければなりません。

 地質調査の手順や方法にはある一定のマニュアルはありますが、個々の事例にはマニュアルのみで対応できないことが少なくありません。これまで培った知識や技術、そして経験を生かして、的確な地質情報を提供できるよう努めています。

 若い頃、ある山間部を切り拓いて道路を建設する計画があり、それに伴う地質調査を担当したことがあります。現場を歩くと、かなり大きな崩壊の跡を発見。ふもとにある集落に行って聞き取り調査をしたところ、数十年前に一家全員が亡くなる災害があったことが判明。このままの計画では大規模な斜面崩壊を誘発する危険性が高いと判断し、慌てて資料をまとめて報告した結果、道路ルートの変更に繋がりました。

●近年は自然災害が多発。その予防対策に技術士のスキルが必要。

 私は地質学を専攻した技術者としてこの業界に入りましたが、実際の調査業務では、土木工学の知識はもちろんのこと、実際の設計や施工の知識もある程度必要です。近年では土壌汚染や重金属に関する知識が必要なケースもあります。調査のための調査にならないようにするためにも、周辺分野の知識は大切ですね。

 現在の地質調査の技術というのは、過去から何十年もかけて熟成されたものであり、今も更新され続けられているものです。ですから自分が今、やっていることは全てではなく、ある研究分野の一部を切り取って使いやすくしているようなものです。だから、本質を知るには学会などに積極的に参加して最新の研究成果や技術動向に触れ、可能であれば実務に繋げることが大切です。
そして何より大切なのは、技術者倫理でしょう。誰のために、常にそういう気概をもって、仕事に臨まなければならないのだと思っています。

 技術者になるには、それなりの時間がかかります。気力も体力も使い、苦労も多い仕事ですが、快適な暮らしを支えるためのインフラ整備の一翼を担い、地域社会の安全を守るなど、公共の利益に貢献できることは大きなやりがいです。

学生の方へメッセージ

 企業研究をする上でのポイントをいくつかお伝えしたいと思います。
1.業務体制がしっかりしているか? 
 企業の評判は取引先を見ればわかるといいますが、業務体制を知る上で一つの参考にはなると思います。どんな会社と仕事をしているのか、どの部分を外注しているのかなど…。外注に頼ってばかりでは、何でも丸投げになってしまって自身の技術を高めることができなくなりますので、その辺りのバランスも見ると良いでしょう。要は規模や知名度だけでなく、ちゃんといい仕事をしているかということです。

2.財務状況がしっかりしているか?
 学生さんにとって、会社の財務状況は毎月もらうサラリーに直結することです。今、いいだけでなく、研究開発や社員教育に継続して投資できる企業体力を有しているのかということも大切な着目点でしょう。情報通信技術の進化に応じた調査機器の導入、地盤情報の三次元展開など、既に導入されつつある分野に十分投資できるか、という視点もポイントの一つだと思います。

3.社内教育の体制
 新人教育はOJT が主体となります。とはいえ、技術者不足が深刻な昨今、複数分野の専門技術者を社内に揃えるのも困難です。そこで、講習会や学会への参加といったOffJT で補完することが重要となります。所属学会や大学等の教育機関との連携や参加への「本気度」を会社訪問・先輩訪問等で推し量るのも良いのではないでしょうか。

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社長と社員がいつでも話し合えるオフィス。明るく、自由な空間で、コンサルタント会社にあるような堅苦しさはなし。ワークライフバランスも整っています。

マイナビ編集部から

 建設土木事業において、地質調査は重要な役割を担っています。同社では調査・解析スタッフもボーリング技術士もすべて社内にいるため、チーム体制での意思統一が図れ、情報伝達もスピーディというメリットがあります。また、地元の公共事業を数多く手掛けているため、地域の地質特性や地元民俗文化に精通している点も強みとなっています。

 湯川雅昭氏が社長就任したのが2013年12月。今年が6年目になります。まだ52歳と若く、経営コンサルタント出身であることから、各事業を論理的に考察し、臨機応変に対処していく柔軟さを兼ね備えています。そんな社長がムードメーカーとなり、現在のような「何でも言いやすい」「社長までストレートに意見が伝わる」という風通しの良い社風ができあがったのだそうです。
 調査会社のような堅苦しさもなく、土木会社のような縦組織の雰囲気もない…。大きなガラス窓からいつも自然光が降り注ぎ、いい空気が流れているオフィスでした。

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明るく、気さくな雰囲気の湯川社長。社員の気持ちに寄り添い、働きやすい職場環境づくりに取り組んでいます。

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