最終更新日:2025/4/22

(株)キーテック【JKホールディングスグループ】

  • 正社員

業種

  • 建材・エクステリア
  • 商社(建材)
  • その他メーカー
  • 農林・水産
  • インテリア・住宅関連

基本情報

本社
東京都

取材情報

仕事・キャリアパスについて伝えたい

技術と品質を高め、木造建造物の可能性を開拓し続ける

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品質管理、製造、営業。それぞれの社員が見たキーテック

木材メーカーであるキーテックでは高強度のLVL(単板積層材)で実力を発揮している。品質の高い製品を世に送り出すためにチャレンジし続けている品質管理、製造、営業の3名の社員の想いに迫ってみた。

■宇佐美 都和子さん
業務管理部 品質管理課
生命環境学群生物資源学類卒/2022年入社

■酒井 大地さん
製造本部 木更津工場
環境建築学部環境建築学科卒/2021年入社

■吉田 智則さん
営業本部 LVL営業部 次長
農学部森林資源科学科卒/2002年入社

活躍する3人の横顔

品質管理担当として活躍中の宇佐美さん。「未経験で入社しましたが、困ったときに助けてくれる方が必ずいるので、安心して身を委ねられる会社だと実感しています」
LVLの製造の最前線に立つ酒井さん。職人技というべき製造技術を究めようと挑戦を重ねている。「いつかは製造の全工程をまとめる立場になれるように頑張りたいです」
営業担当者として、日本全国、そして海外を飛び回っている吉田さん。「毎週2~3日は出張しています。40歳までに全都道府県を制覇しました」

経験ゼロからの挑戦。日々、成長する自分を実感する【宇佐美さん/品質管理】

私が学んできたのは食品加工学で、卒論は香辛料の乾式粉砕をテーマに選びました。就職先としても当初は食品会社をイメージしていたものの、学部卒での技術系は狭き門でしたから、幅を広げて企業を見ていくことにしました。携わるならば衣・食・住いずれかだと考えていましたので、授業で少し触れたことのある木材で“住”に関わりたいと思うようになりました。キーテックに決めたのは工場内の気さくな雰囲気が決め手です。木材工場というと職人気質な緊張感が漂っていると思いきや、和気あいあいとした人の温かさに溢れており、働きやすい空気に共感して入社を決めました。

最初の3か月は新人研修が行われ、本社や工場の各部門をまわりつつ、配属先での基礎研修も受けながら木材について学びました。7月には品質管理課の一員となり、木更津工場で製造されたLVLに関して、毎日の製品試験を通して不良品を確認するとともに、お客さま先からの依頼試験にも対応しています。

品質管理における試験は、曲げによる強度測定はもとより、ホルムアルデヒドや接着剤の分析などの項目に分かれています。専攻とは異分野でしたから、検査機ではじき出される数字に関して、最初はそれが正しいのか、異常なのかも全くわかりませんでした。それでも先輩たちの熱心な指導のもとで理解が少しずつ深まり、1年目の終わりには1人で全てこなせるようにはなっていきました。

その時期、新製品を作るにあたり、私が開発と連携して試行試験を実施することになりました。ラインで作った数多の試作の品質を確認し、データとしてまとめ上げて関係者に見せていくというプロセスを通して、新しいモノを作る大変さを実感しました。また、2年目になって後輩が配属されたのも転機となりました。一人で検査できるようになったとはいえ、後輩に正確な形で教えるためには、感覚だけで理解していた部分を言語化する必要があります。指導を通して自分自身の作業の総復習できたのは貴重な時間でした。

品質管理はあくまでも裏方ではあります。しかし、自分たちの試験があってこそLVLの品質が担保できるだけに信頼を支える重要な役割を担っていると思っています。今後も品質管理について勉強をするとともに、積み上げた木材に関しての知識を生かして開発、広報、営業などさまざまな業務にチャレンジしたいですね。

モノづくりのスぺリャリストとして、職人技に磨きをかける【酒井さん/製造】

大学時代、木材の材料学を専攻した私は、キーテックの得意分野であるLVLを主に研究していました。研究での経験を活かした場で働きたかっただけに、おのずとキーテックが候補に浮かび上がりました。見学で垣間見た工場内からも、研究に直接つながるモノづくりをしているのがわかったのですんなりと入社を決めました。

手に職を付けたいとの思いから、面接の段階で製造職を希望し、以来、木更津工場でLVLを作り続けています。木造建築の強度を高めるために有効なLVLは、丸太を薄く切った木材を、同一繊維方向に貼り合わせて製造されます。私は主に貼り合わせる工程を手掛けていますが、水分を均一にした上で1枚1枚ゴミを除去し、エアをかけて仕上げた上で接着剤を付けて貼り合わせ、熱板で温めていくなど、実に多岐にわたる工程で成り立っています。

私自身、これらすべての工程に幅広く携わることで、貼り合わせに関して総合的な技術を身につけてきました。同じ工程でも木材の種類によって作業に違いが生じますし、気温や湿度で接着剤の仕様などもガラリと変えなくてはなりません。経験がモノを言う世界ではありますが、周囲の先輩が快く教えてくれるのはもちろん、過去のノウハウをマニュアルとして残してくれており、学ぶ気持ちがあれば一つずつをしっかりと身につけていくことができます。

知識以前に苦労したのは、工場内での連携面でした。全工程が流れ作業で進んでいるため、万が一、私の作業が滞ってしまうと周囲に迷惑をかけてしまいます。少しでもミスをなくすべく心がけたのは報告・連絡・相談の徹底です。周囲とコミュニケーションを密にすることが、円滑なモノづくりにつながるのだと実感しています。

現在は長尺のLVLを製造しており、その長さは10mにも達しています。その製造には通常より大型の機械を駆使することもしばしば。仕事の難易度は高いですが、経験を積んだ今は次の工程も想像しながら先回りをして行動できており、少しずつ成長を遂げた自分がいるのを感じます。

先日は母校の木造校舎に私たちが作ったLVLが採用され、営業担当に写真を見せてもらったときは感慨深い気持ちに包まれました。ホームセンターに販売されているLVLでも当社製を見かけることが多く、仕事の影響力の大きさがわかります。これからも製造職として多くの技術を身につけ、それをもとに行動に移せるようになりたいですね。

取り扱う商品が、全国の中・大型木造建築で採用される醍醐味【吉田さん/営業】

私は現在、営業として主にハウスメーカーや設計事務所を担当しています。最近では木造の中・大規模建築物が増えてきていますが、大型の木造建築はまだ実例が少なく、それほど規格化されていません。そのため、設計の段階で「ここに木を使いたいんだけど」「強度が強い木の材料はない?」といった設計士のご相談に対して当社の製品を使用していただけるように提案し、少しずつ知っていただくようにしています。

木造の中・大規模建築物が増えている背景には、2010年に「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律(木材利用促進法)」が施行されたことにあります。森は手入れしなければ荒廃してしまうため、木材を有効活用することで森を再生させようという取り組みが国を挙げて積極的に行われるようになりました。木造建築はコスト面でもメリットがあり、LVL(単板積層材)や合板といった木の建材のメーカーである私たちにとって、追い風が吹いているのです。

LVLといっても、ピンと来ない方も多いと思います。これは、大根のかつらむきのように木を3ミリメートルの薄さにむいて、それを貼り合わせて作る構造材のこと。当社のLVLは、優れた強度と安定性に高い評価を得ており、大学、保育園、幼稚園、公共施設などさまざまな木造建築物で使われています。最近はコンビニも木造で建てるケースが増えてきました。実際に、現在私が担当しているのはある小学校の建築。これは、日本最大級の木造3階建ての校舎を建てるというプロジェクトです。前例のない大規模な案件のため責任も感じていますが、大きなプロジェクトに自分が携われることにうれしさを感じますね。

私は入社してから約10年間、木更津工場で品質管理や製造に携わっていました。その経験を生かし、当社で使える材料を探すため海外の工場に視察にも行きます。先日出張したのはルーマニア。過去には中国や米国、カナダ、フィンランド、ドイツなどにも行き、より良い製品づくりのために自ら赴くようにしています。私が実感している当社の良さは、個人の裁量が大きいこと。やりたいことを提案しやすく、実現しやすいんですね。自由度の高さが大きな魅力だと思います。

学生の方へメッセージ

私は就職活動に時間がかかり、夏ごろまで面接を受けていました。それでも焦らず、自分のやりたいことをじっくりと探した結果、キーテックに巡り合うことができました。もし当社の品質管理を目指すのであれば、正確にやり抜くための集中力を持ち合わせていてほしいですね。(宇佐美さん)

就職活動は苦労も多いでしょうが、社会人とコミュニケーションした経験は、仕事に就いてから必ず活きてくるはず。前向きにチャレンジしましょう。当社が扱うLVLに関しては大型木造建築物の普及を受け、需要がますます高まり続けています。自分たちが作ったLVLが世の中に広がっていく醍醐味を共に味わいましょう。(酒井さん)

前向きな姿勢で自ら動ける人は、どんな会社に入っても活躍できると思います。上司の指示を待っているだけでは、良い仕事はできません。求められているのは、自ら行動し、成長していく人。当社はそうした人材が裁量を持って働ける会社ですよ。(吉田さん)

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困ったときにお互いを助け合い、支え合う文化が根付いている。大学で木材や森林を専攻していなくとも、入社後の学びを通していくらでも成長することができる

マイナビ編集部から

東証スタンダード上場企業たるJKホールディングスの一員であるキーテックは、LVL(単板積層材)製造でその名を知られる木材メーカーである。求めやすい価格帯で高強度を実現するLVLは、大型化・複雑化が進む傾向にある木造建築物において欠かせない材料となっている。

LVLの開発の中枢は、取材に登場した2人の技術職が所属している木更津工場となる。一方、山梨県身延町にも工場があるが、こちらは国産材を100%用いた合板を専門に製造しているという。日本の国土の大半を占める森林において、人工林の割合は4割に達している。近年、その人工林が年輪を重ね過ぎており、伐採して新世代に交代させなければ、日本の森林が衰えてしまう危険性に直面している。だからこそ、国を挙げて国産材利用には積極的に取り組んでおり、同社も山梨工場はもちろん、木更津工場のLVLの原料も約半分を国産材に変える取り組みを進めている。

取材を通して社員たちから、木材のスペシャリストとして誇りを持って仕事しているのがよく伝わってきた。木は文字通りの“生き物”だけに、専門的に学んできたからといってすぐさまこの道を究められるわけではない。モノづくりに情熱を燃やし、自ら主体性を持って行動できる人材、チームのメンバーとコミュニケーションを交わし、協調し続けられる人材こそが、キーテックでは多くのチャンスをつかむことができる。

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古くは江戸の木材の集積地だった新木場に本社オフィスを構える。ビル自体はJKホールディングスのもので、グループの力を結集して課題解決に臨んでいる。

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