最終更新日:2024/7/12

国土交通省 関東地方整備局

業種

  • 官公庁・警察・消防

基本情報

本社
埼玉県

取材情報

知識ゼロからの専門職

未知なる仕事を通して広がる知見が、何よりのモチベーションに

PHOTO

道路や河川などの土木インフラを、多角的に支えていく仕事

国土交通省の地方整備局でも、最大規模のエリアを管轄する関東地方整備局。土木を軸とする仕事が多いとはいえ、業務内容は実に多岐にわたっており、3名の先輩のように“専門外”に挑戦する人材も数多いという。

鈴木 建留
企画部 企画課
理工学部土木工学科卒/2019年入省

梅野 朱里
荒川下流河川事務所 流域治水課
地域環境科学部造園科学科卒/2022年入省

関本 真太郎
千葉国道事務所 木更津出張所
農学部総合農業科学科卒/2022年入省

先輩から一言

「若手も意見が言いやすく、主体性を持って仕事をすることができます。何にでも挑戦する柔軟な行動力があれば、当局では大きく花開けます」(鈴木さん)
「上司が意見を聞いてくれるので楽しく仕事に臨むことができています。新しいことを学ぶ気持ちを持って、前向きに業務に臨む姿勢が大切だと思います」(梅野さん)
「気さくに話をしてくれる先輩がそろっているのも当局の良さ。横浜時代は寮に住んでいましたが家賃は月4000円。生活面の手厚いサポートもありがたいです」(関本さん)

【鈴木さん】技術とは一味異なる業務を通して、新たな知見を獲得

大学時代は土木工学全般を専攻し、研究室では衛星画像を分析して土壌等を調べるリモートセンシングをテーマにしていました。就職先としては最初から公務員志望でしたが、一つの分野を究めるのではなく、設計や計画、工事など幅広く見つめてみたいと考えた結果、関東地方整備局にたどり着きました。地方整備局の中でも最も規模が大きく、道路や橋梁、トンネルといった多様なインフラに携われるのが入省の大きな決め手となりました。

実は入省以来、土木技術に直接かかわらない業務に臨んできました。最初の2年間は長野国道事務所工務課に配属され、新しく作る国道バイパスの工事の発注、金額の算出などを手がけていきました。現場ではなく事務所にいる時間が圧倒的に長い仕事で、山のような書類に向き合いながら国交省ならではの独自ルールやシステムを学んでいきました。発注時の入札のもととなる基準作り、契約締結などにかかわったおかげで、地方整備局の仕事の流れを身につけることができました。

その後は横浜国道事務所の工務課に異動。同じ業務を担当しましたが、圏央道の延伸というかなり大きな業務を担当したこともあり、作業量が圧倒的に多くなりました。トンネルや橋梁の工事も含まれていたことから、視野を広げるという意味でも貴重な期間でしたし、若手が多い職場だったので私が教える立場になり経験を重ねることもできました。

現在は本局の企画課の一員となり、当局全体の予算にかかわっています。管轄エリアの1都8県及び政令指定都市から負担金をいただいている事業があるのですが、各案件の内容に関して局内の各部署から資料を集め、各自治体へ説明を行うのが主たる業務となっています。局内外の調整事が非常に多い立場なだけに、何事も期限をしっかりと決めて進め、関係者に迷惑がかからないようにスケジューリングしているつもりです。各自治体とは年度初めに会合の場もあり、毎回準備には苦労をしていますが、その分なんとか無事に終わったときはホッとした気持ちに包まれます。

いずれも大学での専攻とは関係のない業務ばかりですが、柔軟な視点を持つのを忘れずにここまでやってきました。業務の流れというところは見えてきましたので、将来は計画や調査、設計、工事といった部分にも本格的にかかわることで、技術面で貢献できる人材に成長したいですね。

【梅野さん】命を守る仕事の責任を全うするために、学びを重ね続ける

造園学を専攻した私は、大学で奄美大島の景観をテーマにした研究室に所属していました。私自身、環境に興味があって進学したので、まさに目指していた研究テーマに向き合うことができていました。就職先としては環境省まわりの団体をイメージしていましたが、当局でも環境を切り口にした仕事がありますし、仕事と家庭を両立して働いている同性の技官も多いことから、安心してキャリアを積めると入省を決めました。

最初は利根川下流河川事務所の流域治水課に所属し、洪水の流量計測、流域全体の管理計画の策定をはじめ、多岐にわたる業務に臨んでいました。幸運にも最初に携わったのは環境まわりの仕事で、河川に生息する鳥類や植物の調査、近隣の中学校の生徒に対する環境学習の実施といった業務でしたから、楽しく入り込むことができました。

ただし、仕事の大多数は専門外の分野ばかり。河川の流量計算や掘削工法といった土木分野の専門技術には悪戦苦闘させられました。打ち合わせの内容さえ理解できないこともありましたが、一通り話が終わった後、上司が私のために時間を作ってくれて、仕組みについて図説で解説してくださったりと手厚いサポートに助けられました。周囲のみなさんがやさしく教えてくれたおかげで、今の自分があるのだと思います。そうした中では“わからないことを素直に聞く”ことが成長につながるというのもよくわかりました。

2024年4月からは荒川下流河川事務所の同じ課に異動。ただし、業務内容はガラリと変わり、荒川流域の自治体を対象にした防災に関する取り組みを進めています。万が一、洪水が発生した際の避難計画を作り上げるとともに、台風等が迫っている場合、対応するべく体制を取り、気象庁と連携しながら23区に情報を提供していく重要な役割を担っています。配属後、上司からは「“命を守る仕事”であり、何よりも最優先するのが人命だ」という話を聞いて身が引き締まる思いがしました。責任を全うするためにも、早め早めに質問をして不明点をなくしていくのを心がけています。

それにしても入省以来、本当に多彩な分野の業務に向き合ってきました。そのたびに新しい知識が身に付くのが面白いと感じているところです。今後は環境系の経験を生かして、周囲に貢献できれば嬉しいですね。土木系出身者が多い組織ですので、私のバックボーンを生かして新しい風を吹かしていければと思っています。

【関本さん】未知なる仕事との出会いに、新鮮な感覚を覚える日々

幼い頃から昆虫に興味があった私は、大学で環境生態学コースに進み、農業にかかわる害虫の生態学を研究していました。その経験を活かすために農林水産省系列での就職を視野に入れていたのですが、当局の技官が農学科生も対象としており、道路や河川といった大規模なインフラに携わるのも面白いかなと選考に進んでみました。異分野で不安はあったものの、専門である環境保全の知識を活かせる場面もありますので、思い切って頑張っていくことに決めました。

新人時代は横浜国道事務所計画課に所属。計画のみならず、工務課の業務も手掛けている部署だったので、私も業者向けの資料作りや入札決定後の工事方法の策定、工事中の課題対応といった現場に近い仕事を主に手がけていました。当時は圏央道の延伸まわりの業務が主体で、案件のスケールも非常に大きなものでした。

最初は土木のことがよくわからず、上司に言われたままこなすしかありませんでしたが、自主的に勉強したり、上司に確認を取りながら学んでいくことで、次第に土木の多様な工法などについてもわかってくるようになりました。また、環境アセスメントにかかわる調査を担当するチャンスにも恵まれ、騒音や振動、大気汚染の状況を確認していく業務を通して、私が大学時代に培った経験を活かすこともできました。

現在は木更津出張所に所属しています。事務所では道路整備に携わっていましたが、出張所では作った道路の管理を担当しています。自らハンドルを握って木更津周辺から延びる国道などの状況を日々確認しながら、再舗装が必要な個所のチェック、防草対策の提案などを行っています。過去2年とはまったく仕事の感覚が異なっていますが、反対に新鮮な気持ちで取り組めています。

将来、管理することとなる整備中の道路を定期的に訪れて、工事の進捗を確認するのも私たちの仕事。訪れるたびに道路が少しずつ完成に向かっているのが見て取れるのは大きなやりがいです。また、今では専門外だった土木の工法に関しても理解できる範囲が拡大しており、自身の成長も面白みにつながってます。事務所と出張所の経験を通して、道路事業の全体像が少しずつ見えてきたと手応えもつかんでいます。さらに深く道路を理解した上で、将来的には環境アセスメントがらみの仕事にも積極的にかかわっていければ嬉しいですね。

企業研究のポイント

関東地方整備局は公の組織ではありますが、最初から公務員になりたいからとめざす人はほとんどいません。街づくりや道路づくりなどを通して、新しいインフラを作るところに“ワクワクする”という思いを持った人が集っています。だからこそ、就職先を探す際には名前だけを見るのではなく、自分のやりたいことは何なのか、深く掘り下げていくのが重要だと思います。今の段階では自己分析をしっかりと行うことで、あなた自身がどんな分野にワクワクするのかを浮き彫りにしていってください。

もし世の中にある道路や河川、建物に興味を持ったのであれば、誰がどんなふうにかかわり、どうやって作っているのかを具体的に調べてみてください。国土交通省はもとより、地方自治体やさまざまな立場の企業・団体が社会インフラを形にし、支えているのが自然と見えてくるはず。その上で自分の感覚に合う場所を探すのを心がけましょう。

インターンシップや現場見学といったチャンスがあれば、ぜひ有効活用するべきです。実際目にすれば具体的なイメージがわきやすくなるかと思います。そこで働く人の話に耳を傾けることで、自分の興味の幅を広げていってください。

ちなみに多くの企業団体がSNSでの投稿に注力していますが、社員の生の声を知るためにも有効なツールです。私どももSNSでの写真投稿に注力しているので、社風を調べるという意味でも活用してみてください。
<人事担当者一同>

PHOTO
人事担当者のみなさん。「誰かと対話を交わしながら技術を学び、助け合い、チームワークで仕事を進めていく姿勢が何よりも重要な仕事です」と業務の特色を解説する。

マイナビ編集部から

国土交通省の中でも関東地方整備局は、関東周辺の1都8県を管轄する地方支分部局として活動している。人口集中する首都圏の道路や河川、港湾、空港、公園などの整備や維持管理、保全指導などを手掛けている同局の責任は非常に重い。しかも、台風や地震といった災害が頻繁に発生する日本にあって、不測の事態に直面した際には、緊急対応の先頭に立つことになる。3人の先輩職員の話からも伺えたように、社会的使命が大きな組織だからこそ、責任とやりがいもまた大きい。

3名とも技官として活躍しているが、それぞれ学校で学んできた専門分野とは異なる領域で仕事をしている。対応している社会インフラが多彩で、しかも関東一円に広がっているため、職員たちは一つの分野のみに集中して仕事をするわけにもいかない。異動をすれば転職をしたかのような新しい業務に携わることになるが、先輩たちからは未知への挑戦を楽しんでいる声が聞こえてきたのが印象的だった。

職員の成長を支えるための技術力向上の場は多数用意されている。研修メニューは多岐にわたり網羅するほか、定期的に教育担当官であるベテラン職員が伝統の技術を事細かく伝授してくれる場も設けている。若手に対してはメンターの先輩が付いて、業務的なフォローもあるという。たとえ異分野からの入省であっても、不安なく思い切りチャレンジできるはずだ。

PHOTO
さいたま新都心合同庁舎2号館に本部を構える。土木インフラを支える組織だが、国営公園や官庁施設の管理なども行っているだけに、多様な背景を持つ人材が力を発揮できる。

会社概要に記載されている内容はマイナビ2025に掲載されている内容を一部抜粋しているものであり、2026年卒向けの採用情報ではありません。企業研究や業界研究にお役立てください。

トップへ

  1. トップ
  2. 国土交通省 関東地方整備局の取材情報