最終更新日:2025/4/14

(株)日立ハイテクフィールディング

  • 正社員

業種

  • 検査・整備・メンテナンス
  • 半導体・電子・電気機器
  • 医療用機器・医療関連
  • 機械
  • 精密機器

基本情報

本社
東京都

取材情報

仕事・キャリアパスについて伝えたい

問題解決力とやり抜く力を活かし、医療を支えるサービスエンジニアへ

PHOTO

医用機器の安定稼動を担う――この使命感がやりがい

井上さんは学生時代の経験を通して「問題解決に挑む技術職」に自らの適性を見いだし、サービスエンジニアの道へ。医用機器の予防保全に尽力するエピソードの端々から、まっすぐな使命感と充実感がうかがえた。

井上 雄太さん
医用機器部
2019年入社/電子情報工学科卒

大学ではおもにプログラミングについて学び、卒業研究では地元(福岡)を襲った熊本地震に関するシステム構築に取り組んだ井上さん。学業以外ではマンドリンクラブの部活動に励み、3年次から部長を務めたことで、コミュニケーション力や調整力が磨かれたと振り返る。

サービスエンジニアの仕事ぶり

医用機器部の井上さんが担うのは、血液の成分分析などに用いる装置。医療機関や検査機関、試薬研究機関などのお客様先を訪れ、装置の安定稼動に尽力している。
不具合を未然に防ぐ「予防保全」をめざし、お客様と装置の状況や部品の更新情報などをこまめに共有。大学でマンドリン部の部長として対外折衝した経験が活きているという。
北海道支店の一員として、帯広の拠点とも協力してお客様をフォローする。先輩・後輩との連携にも学生時代の経験が活きている。出張に行くことも楽しみと話す。

精密機器の安定した稼動維持を通じて、人々の健康維持に欠かせない医療を支える仕事。そこに強く惹かれた

私が卒業研究のテーマに選んだのは、データベース管理システムの構築。私の地元を襲った熊本地震は、皆さんの記憶にも残っていると思います。これから先もその痕跡を受け継ぎ、災害対策に活かしたい。その思いを起点に、地震による道路の法面のひび割れ状況をデータベース化し、誰もが閲覧できるシステムを組み上げるという課題に取り組みました。
学業を通して得られたのは、粘り強く問題解決に取り組む姿勢です。システムを構築するプロセスでは、想定外のエラーに直面することがあり、その都度、原因を一つひとつ検証し、解決策を導き出すことの連続でした。システムはシビアですから、「何となくこうだろう」は通用せず、論理的に仮説・検証を行う力も身に付いたと感じています。

一方、学業以外で力を入れたのは、マンドリンクラブの部活動です。私はマンドリンとともに旋律を奏でるクラシックギターに全くの未経験から挑み、週4回の練習で技術の習得に打ち込みました。その努力が買われたからか、3年次からは部長を務め、4年次にはクラシックギターのパートリーダーを務めるまでに上達できました。
部活動で磨かれたのは、調整力です。公民館や福祉施設などで演奏を披露する際には、部長として地域・施設の方々と準備や進行の段取りなどを打合せし、部員の取りまとめを行いました。自分たちで主催する年2回の演奏会では、会場の手配や集客、当日の運営などにも気を配り、関係各所との調整役を務めました。こうした経験から、幅広い年齢層の方々との調整力が鍛えられたと思います。

就職活動で企業研究に取り組むにあたっても、「さまざまな人たちとかかわり、問題解決に貢献できる仕事がしたい」という思いを抱きました。お客様先を訪れて製品メンテナンスや不具合対応を行うサービスエンジニアがまさにそうだと考え、志望度を高めていきました。そして出会ったのが、精密機器の技術サービスを手がける当社だったのです。人々の健康維持に欠かせない医療にかかわり、今後もなくてはならない医用機器を扱っていることに将来性を感じたことも、入社の決め手の一つになりました。また、私は好奇心が強いタイプで、いろんな地域で暮らし、働いてみたいという気持ちがあったので、全国に拠点を展開している点でも当社はうってつけでした。

学生時代に磨いた問題解決力やコミュニケーション力、やり抜く力が活きていると実感

入社後の私は、医用機器のサービスエンジニアとして、血液の成分分析を行う装置を担当しています。病院や検査機関、試薬研究所などのお客様先を定期的に訪れ、装置の設置やメンテナンス、部品交換の提案・実施、不具合発生時の復旧対応を行っています。

私の場合は入社1年目に装置の製造工場で研修を受け、実機の組み立て・調整業務を通して装置に関する理解を深めました。2年目には、研修用の装置が設置された当社の技術センタにて、メンテナンスや修理の模擬トレーニングを繰り返し行い、そのポイントや流れを身に付けることができました。そして、3年目から配属となったのが北海道支店。福岡出身の私は「最北!」と驚きを隠せませんでしたが、初めて暮らす土地でキャリアをスタートできることにワクワクしたことを覚えています。

支店に配属後、まずは先輩のもとでOJT(On-the-Job Training)を行いました。先輩に同行し、実際のお客様とのやりとりや業務内容について間近で学んだうえで、1カ月後には単独での訪問をスタートしました。まず定期メンテナンスからはじまり、支店配属の2年目から徐々に不具合対応も出来るようになりました。当社ではひとり立ちまでのステップが手厚く、ひとり立ち後も現場で不明点等があれば上司・先輩に即座に連絡し、アドバイスをもらうことができます。ただ、頼るばかりではなく、可能な限り自分で不具合を解消すべく取り組んだことが、成長に結びついているとも思います。

あらためて振り返ってみると、学生時代の研究で問題解決に挑んだ経験が、お客様先で不具合を丹念に検証し、真因を見つけ出すという今の仕事のベースになっています。また、お客様と日頃からこまめに連絡を取り、装置の状況や部品の更新情報などを共有することが、お客様に寄り添うサービスエンジニアの基本になります。その面では部活で培ったコミュニケーション力や調整力が役立っています。そしてもう一つ活きているのは、やり抜く力。部活では週4日練習を重ね、演奏会では数時間にわたって演奏することもあり、最後までやり抜くことの大切さを学びました。その経験が、サービスエンジニアとして「何としてもお客様のお困りごとを解決するんだ」という粘り強さの源泉になっていると思います。

不具合の防衛ラインであることに使命感とやりがいを感じる日々。お客様の信頼を深めたい

医用機器に不具合が発生すると、検査結果を待つ患者さんに影響を及ぼしてしまいかねないため、早期の復旧が求められます。そのため、医用機器のサービスエンジニアは24時間体制で対応できるよう、当番制で待機をする日を設けています。

北海道支店に来て2年目の夏、私が待機当番だったある日。得意先の病院から「装置の調子がおかしい」という連絡が届きました。すぐさま駆けつけた私は、装置の状況を確認後、考え得る原因を一つずつ検証。しかし、なかなか原因を特定できず、時間が刻々と過ぎていきました。復旧が遅れると、医師・患者さんへの検査結果の報告が遅れてしまうため、何とかしなければいけない。使命感に駆られ、原因究明に向きあった結果、ようやく原因を探り当て、復旧を果たすことができたのです。「おかげで助かりました。長い時間対応してくれてありがとう」。お客様がそう言ってくださったときには、とびきり大きな達成感がありました。

医用分野はとりわけ緊急性が高いこともあって、定期メンテナンスによって装置の不具合の芽を未然に摘み取る「予防保全」が重要になります。ひとり立ちしてからのことでしたが、メンテナンスの際に部品の劣化が見られたため、お客様に部品の交換を提案したものの、お客様に「十分動いているから大丈夫。次のタイミングにするよ」と、見送られたことがありました。しかし後日、その部品が起因して不具合が発生。お客様から「井上さんの指摘通りでした。もう先送りにはしません」と、私に信頼を置いてお任せいただけるようになりました。このようにさまざまなケースを経験しながら、不具合の防衛ラインとなることに使命感とやりがいを感じる日々です。

私の所属する北海道支店と帯広サービスステーションが手分けして、北海道全域のお客様を担当しています。広範囲におよぶため、全員で進捗を確認しあい、お互いにコミュニケーションをとりながら進めています。相談しやすい上司・先輩ばかりなので連携を取りやすく、私自身も帯広にいる後輩から相談・質問があればいつでも応じ、力になれるように努めています。とはいえ、装置の機能は多岐にわたり、私自身も知識・技術の習得にたゆまず励んでいるところです。「井上なら間違いない」。そんな全幅の信頼を寄せられるエンジニアをめざします。

学生の方へのメッセージ

「自分に向いている会社・仕事なのかどうか」という視点を持つことが、入社後のギャップを減らし、充実した社会人生活を送るためにも大事なことだと思います。

といっても、何が自分に向いているのかを考えることは、なかなか難しいこと。私の場合、大学の教授から「黙々とパソコンに向かう仕事よりも、いろんな人や現場に携わるほうが向いていると思うよ」とアドバイスを受け、はっとしたことを覚えています。その言葉を念頭に置きながら、企業研究を進め、サービスエンジニアという仕事と出会うことができました。入社後、仕事内容も働き方も自分に合っていると実感し、この選択をしてよかったとつくづく思います。

もちろん専攻分野を活かす道もありますが、まずは専攻分野にとらわれず、周囲の意見も参考にしながら「自分のやりたいこと」を探ってみてはいかがでしょうか。そして、企業研究を行う際には「生の声」に触れることをおすすめします。企業のホームページや情報サイトから得る情報ももちろん手がかりになりますが、先輩社員との懇談会、インターンシップなどの場を活用し、気になることがあれば率直に聞いてみると、よりリアルな情報を得られると思います。

皆さん一人ひとりが充実感にあふれた日々を送れるよう、心から応援しています!

PHOTO
「サービスエンジニアは決して簡単な仕事ではありません。でも、自分の技術によってお客様の課題を解決でき、感謝のお言葉をいただける素晴らしい仕事です」と語る。

マイナビ編集部から

医用機器・半導体関連装置・電子顕微鏡・分析装置・計測機器など、先端技術が結集された機器・装置を製造する日立ハイテクグループ。その一員として、機器・装置の据付や点検、メンテナンスを担い、お客様の装置の安定稼動を支えているのが同社である。

井上さんから「予防保全」という言葉が聞かれたように、サービスエンジニアがめざすのは「不具合を未然に防ぎ、機器・装置の安定稼動を守る」ということ。そのために定期メンテナンスで不具合の兆候がないかどうか目を凝らし、必要に応じてお客様へ部品の交換等を提案する。しかし、どうしても不具合に見舞われることはある。そうした際には、サービスエンジニアが現場へいち早く駆けつけ、復旧のために尽力する。機器・装置を深く知るからこそ、お客様からはその知識・技術に対して厚い信頼が寄せられている。

「“お客様に寄り添う”意識が強いことは、技術サービスを担う当社の風土だと思います」とも、井上さんは話してくれた。担当の隔てなどもなく、お客様のために必要であれば互いにフォローしあい、ベストを尽くす。そこには専門知識だけでなく、問題解決力やコミュニケーション力、連携・調整力といった力が幅広く活かされる。実際、井上さんから伺った学生時代の経験がベースとなって、人々の健康にかかわる医用機器を扱う仕事に強い使命感として反映されていると感じた。

PHOTO
井上さんと人事担当の皆さん。「福利厚生が手厚いことも、当社の魅力です。そうした待遇面についても、率直に聞いてみるといいですよ」と井上さん。

トップへ

  1. トップ
  2. (株)日立ハイテクフィールディングの取材情報