最終更新日:2025/3/26

(株)ビー・エム・エル(BML)【東証プライム市場上場】

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東京都

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仕事・キャリアパスについて伝えたい

臨床検査の依頼・結果報告のデジタル化を進める縁の下の力持ち

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より正確・迅速な結果伝達を可能にするシステム職の仕事とは

臨床検査会社においてシステム開発者は一体どのような役割を果たしているのだろうか?3人の社員にお話を伺った。

■楠本梨沙さん(カスタマーシステム部・病院検査システム2課、2020年入社)
■青山良介さん(カスタマーシステム部・カスタマーサービス2課、2012年中途入社)
■坂下翔平さん(基幹システム部・基幹システム課、2014年入社)

ビー・エム・エルで活躍するシステム職の先輩たち

外出前に得意先情報を確認する青山さん。医療機関が抱える情報システム上の課題を見つけるのも重要な仕事の一つだ。
医療関係を志望して入社した楠本さん。プログラミング経験ゼロからスタートするも、3年目の今は多くの仕事で独り立ちしている。
大学時代からプログラミングを学んでいた坂下さん。未経験者であっても仕事に携わるうちに、業務を遂行できるようになるので安心してとびこんできてほしいという。

当社の検査データをタイムラグなく診察室へ。医療機関内情報システム全体の見直しも。

私が担当しているB-Connectというシステムは、お客様の電子カルテや検査システムから検査の依頼情報を受け取り、そして社内で実施した検査結果の情報をお客様のシステムにお渡しする、「リンク」にあたる部分です。

医療機関では病院、クリニックを問わず電子カルテの導入が進んでいますが、そこから出力される検査の依頼情報で当社が検査を受け付けられるという言うわけではありません。また、ただ検査結果をお返しするだけでお客様のシステムに取り込まれると言うわけでもありません。医療機関の電子カルテシステムをB-Connectに繋ぎ、依頼情報を当社の形式に変換して受け付け、その検査結果が即時、患者さまの電子カルテに反映されるようお客様の形式に変換して戻す。それが私たちの開発しているシステムです。1カ月におよそ100施設を担当しています。

そう聞くと単に2つの情報システムを連携するだけと思われるかもしれません。しかし電子カルテはメーカーごとにシステムがまったく異なり、さらにそれをカスタマイズして運用されている医療機関もあります。したがって連携にあたっては個々の医療機関ごとに、異なった技術的対応が要求されます。

そしてこのようなデータ連携のために医療機関内の情報システムの詳細を伺っていくと、電子カルテとは独立して設置されている健康診断システムや透析システムに遭遇することもあります。せっかくのシステムが電子カルテと連携していないのです。もちろん医師にとっては、そのようなデータを電子カルテ上で確認できた方が望ましいはずです。そうした場合私たちは、弊社のシステムを使わず、各システムと電子カルテの連携をご提案することもあります。そのような連携は不可能だと思われている施設も多く、こうした提案は大変喜ばれます。

このように私たちの仕事には、システムのプログラムを構築するだけではなく、お客様の感じている問題点や課題を会話の中から探りだす能力も求められています。逆に言えば仕事を続ける中で、そのような能力が磨かれるということです。さまざまな人とのコミュニケーションをとる事が好きな方は活躍できる環境だといえるでしょう。

病院検査室の検査データを瞬時に診察室へ。プログラム経験ゼロからの挑戦。

B-ConnectがBMLのサーバー内で構築するシステムであるのに対し、私が開発しているB-Linerというシステムは、お客様の検査室でご利用いただいている臨床検査システムです。院内の各種分析装置を管理し、検査の結果報告までをよりスムーズにするだけなく、当社の検査室で行われた検査結果も自動的に報告されます。また院内の電子カルテや健診システム、医事システムなどとも連携することができ、お客様の多様なニーズに合わせて院内の効率化をかなえることができるシステムです。

B-Linerに携わる部署は大きく3つに分かれています。私が所属するシステムの開発を担うチーム、お客さまの元へ訪問してヒアリングや導入の日程調整、セッティングなどを担う導入担当チーム、導入後お客さまのサポートを担うコールセンターチームです。

システムの導入は、おおむね以下のような段階を経て進みます。まずシステム導入が決まると導入担当の社員が医療機関サイドのニーズを細かく聞き取ります。弊社でパッケージとしてご用意しているシステムで対応可能であれば問題ありませんが、そうでない場合、私たちがシステムをカスタマイズ、あるいは新規プログラムを作成して連携を可能にします。

ひとたびシステムが完成しても、医療機関側の情報システムに何らかの変更が生じた場合、当社サイドではそれに対応するためのプログラム修正が必要になることがあります。そういう意味では同じお客様と長期間お付き合いできる仕事といえるでしょう。

開発担当者は直接お客さまと接する機会は少ないですが、導入担当者を通して、感謝の言葉をいただけることもあります。そのような時は単純に嬉しいと感じますし、「もっと頑張ろう」とモチベーションにもなります。

私はシステム・プログラミングに関する知識がまったくない状態で入社しました。しかしそんな私でも、プログラミングのスキルは入社後の研修で習得できるのです。研修後は既存プログラムの小さな修正から始め、3年目になる今年から一人で新規プログラムの設計、コーディングをしています。私以外にもプログラム未経験で入社した人はたくさんいますし、文系学部出身者も珍しくありません。

検査実施はもとより、結果報告も迅速に。根幹を支えるシステムに携わるやりがい。

私は基幹システム部の基幹システム課で、お客様である医療機関から検査依頼データを受け取り、当社の検査システムに検査の指令を出し、検査結果を送信する、当社の心臓部となるシステムの保守・改修を担当しています。

医療機関からの検査依頼は従来、紙の依頼書で受け付け、依頼書は検体と一緒に当社まで運ばれてきます。その依頼情報を営業所で入力し、初めてシステム上で依頼が成立して検査の準備に取りかかることができるというのが今までの流れでした。
しかし、医療機関に電子カルテが導入されたことで、医師が検査を指示した段階で依頼情報が送出できるようになり、それを当社システムで正しく受け取ることで、速やかに検査に入ることができるのです。依頼書の運搬のための手間や時間は減り、記入や入力ミスのリスクも軽減することが可能になりました。

それでも現在、国内における医療機関の電子カルテ導入率はまだ5~6割程度です。紙の伝票で検査依頼を受けるケースはまだまだあります。その際は検体と一緒にお預かりした紙の依頼書を営業所でスキャナーを用いてデジタル化し、依頼データとして、総合研究所や地域ラボの検査システムに送信されます。この、紙の依頼書を読み込むシステムを私は主に担当しています。営業所は全国に100ヶ所以上あるため、日々保守活動をしながら、全国の患者さまの検査依頼が正しく取り込まれるようシステムを支えています。

また、2年に1度行われる保険点数の改定時には報告書の出力にも影響があるため、その対応もしています。医療の現場ではまだまだ紙でのやり取りを希望されるお客様が多く残っており、そういったお客様との依頼・報告が正確に、よりスムーズに行われるよう業務に携わっています。

検査会社も近年、業務の迅速化が求められるようになってきました。検査そのものの時間短縮も大切ですがそこで短縮した時間を無駄にしないよう、情報のやり取りにかける時間も省かなければなりません。この後者を私たちシステム部門は担っているのです。医療分野のインフラをシステムで支える仕事は、非常に社会貢献性の高い仕事であり、大きなやりがいを感じています。

学生の方へメッセージ

企業研究をする際には長期的な視点でみていただきたいと思います。
「本当にやりがいを感じながら取り組める仕事なのか」どうかをよく見極めてください。そして、自分が興味をもてること、やりたいと思えることをあらためて自分に問いかけてみてほしいのです。医療の分野で盤石な体制を築いている当社では、腰を据えてキャリアを積んでいける環境があります。

また自分が「表に出て輝く」タイプなのか、「縁の下の力持ち」タイプなのかも考えてみましょう。世の中には、表に出る活躍をあまり好きではない人たちも相当数います。裏方にまわり、モノを創り上げていく。そしてそれを使う多くの人たちを支える「モノづくり」がシステム職の役割ではないでしょうか。当社は出身学部に関係なく、医療の分野で社会に貢献していけるさまざまな仕事があります。

そして進みたい業界が決まったら、自分の勝負したい分野でどのような強みがあるのか、それに共感できるかにも目を向けてみましょう。会社の強みと自分の指向が一致していれば、自分自身が納得するのではないでしょうか。社会に出て働くうえで大変だと感じることがあっても、後悔することはないはずです。

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「プログラミングはデジタルな“モノづくり”。そういう視点で見るとシステム職も少し違って見えるでしょう」山下祐二さん(システム本部・本部長、取締役執行役員)

マイナビ編集部から

まさに「縁の下の力持ち」たちだ。検査センターといえば検査技師にスポットが当たりがちだが、技師が出した結果も、正確かつ迅速に患者さまに届かなければ価値は半減する。にもかかわらず検査データのやり取りは漫然と、依頼も含めすべて紙で行われてきた。そこに風穴を開けたのが同社のシステムだ。デジタル時代にふさわしく、正確な検査結果を瞬時に診察室へ届けるシステムを開発し、改善を続けている。

また記事でも紹介した青山さんのコメントが興味深かった。相談で訪れた医療機関の情報システムを確認して、改善策を提案するという話。システム職だからこそ見える改善策なのだろう。日本では院内の患者さまの情報さえ一元化されていない施設が少なくない。そう考えると今後、検査センターのシステム職による施設内情報システムの問題発見・解決能力が、大きなマーケットを切り開く可能性も否定できない。日本にある医療機関の数を考えればかなりの市場規模になるはずだ。

そう考えると、検査センターのシステム職は「縁の下の力持ち」ではなく、近い未来には花形職種になるのではないか。そんな思いを抱かせるような勢いが、今回お話を伺った三人全員から感じられた。さらには、システムや技術の知識がない人でも多くの社員が活躍しているという。少しでも興味がある人には、ぜひチェックしてもらいたい会社だ。

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文系・理系の出身を問わず多くの社員が活躍しているBML。有志で意見を出し合い「自分たちの働きたい職場」をテーマにフロアを改装するなど、フラットな風土がある。

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