最終更新日:2025/5/16

市光工業(株)

  • 正社員
  • 既卒可
  • 上場企業

業種

  • 自動車・自動車部品
  • その他電子・電気関連
  • 機械
  • 半導体・電子・電気機器
  • 機械設計

基本情報

本社
神奈川県

取材情報

仕事・キャリアパスについて伝えたい

明るく、鮮明に照らすテクノロジーで、未来のクルマ社会に貢献する

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若手設計者たちの感じるやりがい、将来の夢

名だたるメーカーの自動車に搭載されるランプの設計に携わる市光工業。3人の若手設計者たちも早い段階で大きな仕事を任され、一歩ずつ成長を遂げている。それぞれが歩んできた道のりに迫る。

K.M.さん(左)
先行開発本部 プラットフォーム部バイファンクション開発課
工学部動力機械工学科卒/2024年入社

Y.M.さん(右)
開発本部 伊勢原ランプ設計部リアコンビランプ設計一課
工学部材料科学科卒/2023年入社

S.O.さん(中央)
開発本部 光学設計部光学設計一課
工学部機械工学科卒/2020年入社

会社の雰囲気は?

先行開発を手掛けるK.M.さんの周りには、30~40代のキャリアある先輩がそろっている。若手にも技術を継承するべく、懇切丁寧に教えてくれるのが心強いという。
Y.M.さんの所属部署は社内でも1、2を争う賑やかさ。別部署のメンバーを呼んで飲み会を開くなど、交流を楽しんでいるメンバーがそろっているという。
技術者が得意先と会話して、あるべきランプの形を探るのが同社の流儀。S.O.さんも大手完成車メーカーの担当者と密に話し合いながら形にしていこうと努力を重ねている。

【K.M.さん】1年目から先行開発へ。先輩の豊富なノウハウを学ぶ日々

自動車のエンジン回りに関する研究をしていた私は、最初から就職先として自動車業界を考えていました。専攻に直結する動力系の企業のみならず、クルマの“顔”が好きだったのでランプまわりのメーカーも視野に入れていくと巡り合ったのが市光工業。大学のキャンパスの近くに会社があったので、日頃から看板を見かけていた企業でしたし、福利厚生面の手厚さにも安心感を覚えて当社で頑張っていくことに決めました。

最初の2か月は厚木の工場で組み立てや蒸着といったラインに入り、モノづくりのプロセスを学んでいきました。配属になったのは次世代モジュールやユニットを開発する先行開発本部。私は「バイファンクション」というハイビームとロービームを同時に制御するユニットにおいて、光学面から新技術を探るという役割を担っています。

0から1を生み出してみたいという思いから志望して先行開発に配属となったのですが、どうしても経験がものを言う世界ですので、最初は知識面の壁に当たってばかりでした。それでもわからないことを知るのが楽しくて、探求心を持って調べる毎日を過ごしてきました。光学の基礎教育をはじめ、学べる場所が多かったのも心強い限りでした。

ただ、ランプは特殊な技術だけに、ネットを調べても正解がなかなか出てこないのが難しいところ。そんな中で頼りになるのは先輩たちの存在で、質問を投げかけるといつも丁寧に教えてくれるので本当に助けられてばかりです。おかげで最近は小規模ながらも担当機能を受け持つようになりました。光が照射されたときの強さをシミュレーションしているのですが、4月の段階に比べれば理解も深まっており、なんとか仕事を形にできているという手応えも感じています。

現在は先輩の指導を受けている段階なので、まずは独り立ちすることを目標に定めています。先輩たちの豊富な知識を吸収していくことで、いつかは自分なりに新しい製品のアイデアを形にしてみたいと夢を描いています。

【Y.M.さん】設計の意味や意図を、言語化していく力が大切

大学時代、軽音サークルで活動していたのですが、ステージを華やかに演出するために欠かせない照明に興味を覚えるようになり、就職活動では光にかかわる企業を志望するようになりました。当社の存在を知ったのは、自動車業界で働く兄から聞いたのがきっかけ。説明を聞いてクルマのライトも面白いと感じましたし、上場企業の安定感も決め手になって入社するに至りました。

工場での実習を経て配属されてからは、クルマの背面のブレーキやウインカーなどのランプが一体となった「リアコンビランプ」の設計に携わっています。最初は先輩のサポート業務から入りましたが、まったく知らない単語が飛び交い、自動車会社個別の設計ルールもわからず、頭を悩ます時間が続きました。

先輩たちはそんな私を見て手取り足取り教えてくれましたが、中でも印象に残っている「すべての形状に意味がある」との言葉。人の命にかかわるランプという自動車部品は、何となく設計をするのではなく、そのサイズや形状の一つひとつに理由があります。ときにはコンマ1ミリのレベルでどんな意図をもって設計したのかを問われるだけに、一つひとつに意志を込めて作るのはもちろん、その選択をした根拠を説明できるようにならなくてはと思っています。

2年目になってからは、既存部品のマイナーチェンジを任せられるようになりました。一部だけの変更とはいえ、デザイン自体も変わるので樹脂成形する必要があるのですが、金型に流し込むときに問題がないか、流動解析をかけながら細かく確認を重ねています。次第に“できること”が増えていくのがモチベーションにつながっています。

新人時代に先輩の設計をサポートしたクルマは、既に発売されて身近な街を走っており、見かけたときには問題なくランプがついているか思わず確認してしまいます(笑)。また、試作品ができあがってフロアに持ち運ばれ、スイッチが入って光るその瞬間、関係する各部署の先輩たちから歓声が上がったときには、チームでモノづくりをする良さをひしひしと感じます。より高いレベルで設計できるように、これからも自己研鑽を重ねていきたいですね。

【S.O.さん】光の複雑な動きを捉え、クルマの特性に合った形で設計していく

モノづくりにかかわりたいと思い、就職活動では精密機械系のメーカーを重点的に探していました。自動車業界は候補の一つという程度でしたが、市光工業の説明会でプロジェクションマッピングを駆使してクルマから道路に映像を投影する技術を作っていると知り、ただ単に明るく照らすに留まらず、ユニークな仕事に取り組んでいる点に魅かれて入社しました。

以来、ヘッドランプ製品の光学的な機械制御設計に携わっています。クルマの前方を照らすといっても、対向車への眩しさを抑えたり、光の当たりにくい部分を改善したりと、さまざまな要素を考慮しなくてはなりません。しかも車種によって求められる最終形が異なりますし、法規的なルールへの対応といった作業も発生しますから、半年から1年の時間をかけてじっくりと設計を形にしていくことになります。

光学に関しては専門知識が乏しかったので、配属後は先輩の手伝いをしながら基礎を身につけていきました。先輩と得意先のやり取りに耳を傾け、議事録を紐解いたりしながら真摯な姿勢で学び続けてきましたが、経験豊富な先輩が丁寧に教えてくれるのが大きかったです。

昨年度に初めて丸ごと任された製品が、先行開発チームが作ったユニット型ヘッドランプでした。実はお客さまに導入する最初の事例で、私は設計後の調整やテスト、試作などに携わりました。今の自動車開発は基本的には机上の3Dモデルの中で行われるケースが多いものの、今回は実機となるまでが見られただけに、モノづくりの醍醐味をたっぷり味わうことができました。製品化はもう少し先の話ですが、自分が作ったクルマが公道を走る日を今から楽しみにしています。

同じように照らしたと思っても、反射の仕方によって光が強くなったり、反対に消えてしまったりすることもありますので光学は本当に奥深い世界だと思っています。今後は担当したことのないリフレクタータイプのヘッドランプにも携わりたいので、より深く光を理解し、現象を先読みして捉える力を身につけていきたいと思います。

学生の方へメッセージ

■就職活動を始めるのが遅くなってしまったとしても、焦る必要はありません。周囲の友だちに影響され過ぎることなく、自分の描いた将来像とリンクした企業と出会うことを第一として、コツコツと就活に励んでください。当社に合っているのはコミュニケーションをとることが好きな方。一人で悩みを抱え込むことなく、先輩に相談しながら課題を解決できるのであれば、自然とチャンスがつかめると思います。
<K.M.さん>

■私自身、社会人になることにネガティブなイメージを持っていたのですが、実際に働いてみるとやりがいも大きく、楽しく生活を送ることができています。“やってみないと分からない”とはよく言われますが、まさに社会人になるタイミングでその言葉の本質を実感しました。まずは挑戦をしてみるという姿勢を持つことをおすすめします。
<S.M.さん>

■自動車部品メーカーである当社ですが、クルママニアだけが活躍しているわけではありません。私も移動手段としてクルマを活用していた程度ですから、さまざまな人材に活躍の場が広がると思います。学生時代にやっておいた方がいいことをあえて言えば、グローバル企業を考えているなら、英語には慣れ親しんでいた方がいいのと、光学設計を目指すなら中学程度の光の屈折の知識はおさらいしておくといいと思います。
<S.O.さん>

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世代の近い3人の若手エンジニア。担当業務は異なっても、部署の垣根を超えて連携しながらよりよいランプを生み出そうとしている。

マイナビ編集部から

市光工業が得意とするランプは、クルマが安全に走行する上で欠かせない部品の一つ。前方を明るく照らし出すヘッドランプはもちろん、ブレーキランプや方向指示器など、“光る”ことで安全を確保する技術は、一台のクルマに数多く搭載されている。設計者として活躍中の3人の先輩たちは、日本の大手完成車メーカーの厳しい要望に応えながら、そうしたランプを通じて安全かつ快適な運転環境の実現に力を注いできた。

技術と経験がものを言う世界だけに、どの部署でも長期的な視点に立って若手を育成していこうとしているのは、3人の仕事ぶりからも伝わってきた。学生の段階では機械や電気、光学といった専門性を高度なレベルで身につけていなくとも、モノづくりへの飽くなき情熱を胸に抱いていれば、おのずと成長できるフィールドが、同社には広がっていると感じた。

社内制度の整備にも力を入れており、フルフレックス制度、若手を対象にした社宅制度なども完備。直近では産休・育休から復職した社員に10日間の特別休暇を付与する制度がスタートした。おかげで子どもが突然の病気のとき、有休を消化しなくとも休めるようになったという。これからも社員の声に耳を傾けながら、ますます働きやすい環境を整えていく構えだ。

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神奈川県伊勢原市にある本社のエントランス。多くの設計開発者は本社に机を構え、国内の自動車メーカーの要望にしっかりと応えている。

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