最終更新日:2025/3/1

トラスコ中山(株)【東証プライム市場上場】

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業種

  • 商社(機械・プラント・環境)
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基本情報

本社
東京都、大阪府

取材情報

プロジェクトストーリーを紹介したい

"即納こそ最大のサービス"の精神でモノづくりの現場を支えるプロツールサプライヤー

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「富山の置き薬」の発想を製造現場に置き換えたMROストッカー

企業の競争力は独創力にあると考え、あらゆることへ挑戦を続けるトラスコ中山。この理念のもと究極の即納を実現した「MROストッカー」を軌道に乗せた先輩社員2名に誕生の背景や今後の展望について伺った。

(写真右)
●上園宏一さん/2008年入社
営業企画部 MROストッカー推進課 課長

(写真左)
●植木美加さん/2012年入社
営業企画部 MROストッカー推進課

発注も管理もいらない置き工具「MROストッカー」への思い

「売上は使っていただいた対価であり、どれだけお客様の役に立っているかを示す一つの基準。真にお客様が求めているサービスを創り上げていきたい」(上園さん)
「MROストッカーを契機に、売上に直結する貴重な情報をユーザー様から直接得られるようになり、当社の営業ほか多彩な部署の財産として活かされています」(植木さん)
使いたいときに必要な分だけすぐに使える、究極の即納を実現した置き薬方式のMROストッカー。「2021年度グッドデザイン賞(業務用システム・サービス)」を受賞した。

“ユーザーの敷地内に当社の在庫を置く”という究極の即納サービス「MROストッカー」はこうして誕生した

当社は、モノづくり現場で必要とされる各種工具や消耗品などの工場用副資材であるプロツール(MRO商材)を仕入先様から仕入れ、機械工具商やネット通販企業、ホームセンターなどの得意先様に販売する専門商社です。創業以来、卸に徹しお客様の利便性を向上させることを第一に考えた独自のビジネスモデルを構築してきました。そんな当社の強みは、何といっても現場で求められるプロツールの在庫数。国内外3,500社以上のメーカー様の商品約450万アイテムを取り扱い、在庫数も約60万アイテムを保有。独自の物流システムで、「必要なときに、必要なモノを、必要なだけ」お届けできるようにお客様のニーズに応えています。

その一つが、MRO(Maintenance, Repair and Operations)ストッカー。これは「富山の置き薬」の発想から、モノづくりの現場であるユーザー様のもとへ、当社の多種類・一定量の在庫を常設し、使用した分だけ代金を頂戴するシステムで「少しでも早く欲しい」というお客様の声に応える究極の即納サービスといえます。このサービス誕生のきっかけは2017年のボスコンと呼ばれる当社の全国事業所長会議でした。「モノづくりの現場がどのような商品を必要としているかを把握するための情報を入手し、各拠点にその在庫を置くことで、より迅速にお届けできるのでは」といった提言が出たことを受け、当社の社長が「それなら直接、ユーザー様の敷地内に当社の資産としての在庫棚を置かせてもらえばいいんじゃないか。」と、さらに一歩踏み込んだ形へ昇華させたんです。

まさに、社長の独創力から生まれた前例のないサービス。2022年にMROストッカー推進課を立ち上げ、事業として確実に全国展開し、お客様に役立つものとして浸透させていくためにも販売店様やエンドユーザー様の協力を得て、どれだけの需要があるのかというヒアリングを重ね、製造現場での問題点や課題を掘り起こし、その解決策を一つひとつご提案しながら仕組みを構築していきました。現在、活用している専用アプリの必要性も含め、実際に設置させていただく実証実験を繰り返し、収益性が見込まれる・サービス化できると判断。ユーザー様の利便性をはかるだけではなく、販売店様のメリットや当社のビジネスに役立つ機能を盛り込んだプロジェクトとして本格的にスタートさせました。

前例のないサービスを実現できた原動力は「人がやらないことをやる・人がやる前にやる」という当社のDNA

このMROストッカーは、プロツールの管理・調達に伴うすべての業務を一括してデジタル管理するシステムであり、お客様は使いたい商品を手に取り、スマホの専用アプリでバーコードを読み取り、数量を入力して会計が完了。補充依頼が自動で当社に送られ、当社は販売店様に納品。販売店様がMROストッカーに補充するという仕組みになっています。このようにユーザー様は、使いたいときに使えることで納期ゼロ、ルーティーンで発注している商品の発注の手間がゼロ、在庫は当社の資産であるため在庫管理や棚卸といった管理コストもゼロ、部署間での重複発注や不必要な発注からくる無駄遣いゼロなどメリットが多数。おかげさまで認知度も高まり、現在、北海道から沖縄県まで全国約1,400拠点に設置。約300件が導入予定となっています。

このような従来なかった独創的なサービスを、当社がビジネスとして実現できたのは、「人がやらないことをやる」「人が売らないものを売る」「人がやる前にやる」といった考え方が当社のDNAとして息づき、今に引き継がれているからこそ。そのベースにあるのは、常にお客様の立場に立ち、現場の課題を解決する方法を考えるという強い思い。そして、圧倒的な在庫力と当社独自の物流ネットワーク、確立したデジタルによる在庫管理システムなどが複合的に関わり合い、ビジネスとして展開できているといえるでしょう。

当社にとっては、MROストッカーを置くことで、販売店様だけではなくエンドユーザー様とのコミュニケーションも増え、モノづくり現場が抱えている課題や欲しい商品情報などを得られる機会が増えました。また、プライベートブランドは毎年約1万アイテムのスピードで開発を進めていますが、エンドユーザー様からのご意見を商品開発に活かしつつ、MROストッカーを通じて得られる多彩な情報を新たな在庫戦略につなげるなど、会社の成長にも有効な販売ツールとなっています。このプロジェクトがスタートして7年目を迎える今、認知度も高まり実績も出ています。これからは導入拠点を増やすとともに、ユーザー様からのご意見をもとに改善やアフターフォローにも力を注ぎ、モノづくり業界全体の利便性向上に貢献したい。そして、最終的にはMROストッカーが事業部化され、このプロジェクトを会社の一つのセグメントとして、損益決算書や貸借対照表にしっかりとインパクトを残せるような事業に育て上げていきたいです。

若手のうちから裁量権があり、自由な社風から生まれるやりがいと達成感。成長を促して柔軟な発想力を育む

このMROストッカーは在庫を当社が持ち、お客様は自社内の棚に商品を取りに行くだけ、料金も使った分だけとなると、コンセプト的にはお客様にメリットしかないはず。しかし、セキュリティ面に関する不安や既存の購買フローの変更に伴う手間などで、当初はなかなか成約につながりませんでした。ですが、お客様とコミュニケーションを密にとり、他部署を巻き込んで協力を得ながら、課題を一つひとつ解決していきました。MROストッカー推進課は専任2人の部署ですが、立ち上げから実地検証、仕組みづくり、営業、MROストッカーに関わる業務の効率化など、立案・実行・実績管理のすべての面において常に主体性を持って活動しています。

このように意見が言いやすく、若手のうちから裁量権をもった仕事ができるのも当社の特色です。内勤営業であるSSP(セールス&サポート)も商品提案や価格交渉などにおいて、ルート営業のSSL(セールス&ソリューション)では決まった予算に対し、どのお客様で売上を上げ、どんな商品やサービスの提案をするかなど自由度が高く、個人の裁量に任されており、自分で考える力や発信力が育まれます。何事も人に言われてやるのでは成長しません。自ら考えて実行することで、数字が付いてきて、結果が出るということを真剣に考えながら仕事に向き合える人が成長できる。自分の判断で仕事を進めていくため、達成感ややりがいも高まるでしょう。また、そこから新しいビジネスが生まれるかもしれません。こういうサイクルに気づき、自己成長を促して前向きに取り組んでもらうために、裁量権をもたせているといえますね。

当社は人材育成にも力を入れており、物流・営業・本社部署など部門を超えた仕事が経験できるジョブローテーションをはじめ、そこで得たスキルを活かし、増員希望部署に自らの意志で応募できるオープンポジションチャレンジ制度など、より自分に適したキャリアを描ける各種チャレンジ制度を導入。自ら手を挙げるという意欲を重視し、社員一人ひとりの成長をバックアップしています。この独創力を大切にする社風のもと、今までにない発想で新たな価値を生み出したいという思いのある人は、当社で自分の可能性に挑戦してみませんか。

学生の方へメッセージ

お客様の困りごとを解決し、利便性の向上をはかるために、製造業全体のサプライチェーンをどう改善していくかを突き詰めて考えるのが当社の販売戦略です。そのツールの一つが膨大な在庫であり、MROストッカーであり、デジタルや「最速・最短・最良」の物流システムだったり。そして、その結果が売上や利益につながっていく。すべては「人や社会のお役に立ててこそ事業であり、企業である」という当社の方向性やミッションを理解していれば、年次や社歴にこだわらず、やってみたいことに挑戦できる社風があります。責任は伴いますが自分自身のやりたいことを、自らの独創力で実行できることは面白いと思いませんか。
(上園さん)

当社の販売戦略として、モノづくりを支えるサプライチェーンにDXを適用するなど、デジタル化にも力を入れており、「DXプラチナ企業2023-2025」にも選定されました。しかしDXはあくまでも手段。データを活用して人や社会のお役に立てるようなサービスを生み出し、新たな価値を見いだしていくのは人です。MROストッカーもそうですが、ベースになるのは人と人との情報共有であり、販売店様やユーザ様との信頼関係の中から共に成長していくことが大切だと思っています。当社は、自ら手を挙げ挑戦できる環境が整っています。柔軟な発想でお客様の利便性に貢献したいという思いのある人をお待ちしています。
(植木さん)

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MROストッカーを立ち上げ、軌道に乗せた2人。売り上げに直結する製造現場の声や情報を大切に、アフターフォローにも力を入れるなど、新規事業を成功に導いている。

マイナビ編集部から

TRUSCOとは「TRUST(信頼)+COMPANY(企業)=信頼を生む企業」を意味している。その名の通り、1959年の創業以来、日本のモノづくりを支えるプロツールのサプライヤーとして顧客との信頼関係を基盤に、顧客の利便性を向上させるビジネスモデルを築き、独自のサービスを展開し続けている。

2030年には在庫100万アイテムを目標としており、その強みは膨大な在庫と在庫出荷率92.1%という実績で「トラスコなら必ずある」という信頼の証でもある。そして、全国28か所の物流センターを拠点とする、必要なときに必要なだけ最小ロットで届ける物流体制も特徴のひとつ。このような戦略のベースにあるのは、顧客の成長に貢献したいという強い思い。今回取材したMROストッカーもその一つだ。

同社を牽引しているのは、飛びぬけた独創力を持つ中山社長だが、インタビューでは社員一人ひとりがジョブローテーションを通して培った知見やスキルをもとに、柔軟な発想で積極的に挑戦し、その環境を整えていることも社の成長につながっていることが伝わってきた。

製造業は日本の基幹産業だ。「メイドインジャパンの誇りを胸に、競争力の源泉である独創力でどう優位性を保ち、効率を上げていくかということにチャレンジできるのも醍醐味であり、そこに面白みを感じて当社に挑戦してもえたら嬉しい」と語る上園課長。自分の可能性に賭けたいという意欲ある人には働き甲斐のある会社だといえるだろう。

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同社の既存の販売ルート別戦略であるファクトリー・eビジネス・ホームセンター・海外ルートに加わる新たなセグメントとして、MROストッカーを育て上げていくという。

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