最終更新日:2025/4/21

理研計器(株)【東証プライム上場】

  • 正社員
  • 既卒可
  • 上場企業

業種

  • 精密機器
  • 商社(精密機器)
  • 設備工事・設備設計

基本情報

本社
東京都

取材情報

仕事・キャリアパスについて伝えたい

より広く、より深く。仕事を突き詰めながら前進し続ける先輩たち

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開発センターで働く社員の、チャレンジングな姿勢に迫る

理研計器で仕事をする技術者は、どんなところにやりがいを見出しているのか。開発センターをリードする、2人のベテラン社員の研究テーマとキャリアステップから、入社後の働き方をイメージしてみよう。

■武藤 弘樹さん
技術開発本部 研究部 研究二課
(2002年入社/工学部画像工学科卒/左)

■山下 大輔さん
技術開発本部 研究部 研究二課
(2002年入社/理工学研究科材料工学科了/右)

先輩社員の横顔

【武藤さん】学生時代にプログラミングのおもしろさに目覚め、今も自宅でソフトを作ることが多い。流行のガジェットを試したり、PCの自作やチューンナップも行うことも。
【山下さん】休日は、幼稚園に通う息子と公園で遊ぶのがなによりの楽しみ。近頃はプラモデルづくりにも興味を持ち始めたため、一緒に作るのも楽しみとのこと。
同期入社でもある2人。それぞれ、技術者・研究者としてたどってきた道程は異なるが、お互いをリスペクトするとともに、競い、高め合いながら仕事に取り組んできた。

技術部を経て、コアとなるセンシング技術の研究部へ。世界の動きにフィットした熱量計の研究を(武藤さん)

入社後、まず配属されたのは技術部でした。ここで取り組んだのは、古くから当社にあった機器のバージョンアップ作業。当社ではさまざまな用途に応じた測定器を製作していますが、それらのシリーズ製品一つひとつについて、次々とバージョンアップを手がけていきました。一緒に仕事をしていた方が機械的な図面を描くことに秀でていたので、私はソフトの開発をメインで担当していました。

こうして、14年間にわたり技術部の仕事に取り組んだ後、2016年に研究部に異動となりました。学生の皆さんは、技術部と研究部の違いにいまいちピンとこないかもしれませんね。技術部が担当しているのは製品を形にしていく部分で、機構、電気、ソフトウエアといった分野に取り組む技術者が、連携して一つのモノを作り上げていきます。ガス検知器の会社と聞くと、化学系の人が多いと思われがちですが、機電系の技術を学んだ方も多く活躍されていますね。しかし、ここにはセンシングの部分はあまり含まれていません。このセンシングの部分を担当しているのが、当社でいうところの、研究部というセクションです。センシングは、当社のような検知器・測定器を提供する会社において、コア技術となる部分です。したがって、この部分における基礎研究のレベルを引き上げていくことは、会社の技術力を高いレベルに保つ上で非常に重要となってくるのです。

現在、私のチームでは熱量計に関する研究にも取り組んでいます。当社の作る熱量計は精度が非常に高く、これまで困難とされていたシェールガスのカロリー測定に適しているという点で大きな注目を浴びています。また、風力発電が普及したヨーロッパにおいては、余った電気エネルギーを水素に置き換えることが一般化しています。今やこうして作られた水素は膨大な量となり、都市ガス網に組み入れようという動きも出てきています。当社の提供する熱量計は、水素に含まれるカロリーも測定することができるため、こうした局面でも真価を発揮していくことでしょう。そういった意味では、まさに世界の動きにフィットした製品と言えると思います。この熱量計に代表されるような、エコロジーな社会に貢献する製品を作り、当社の事業全体をけん引していくような研究を続けることが、今の私の目標です。

視野を広く持ち、積極的に知見を広げていく。チャレンジングな研究開発姿勢が魅力の企業(山下さん)

入社以来研究部において、大気中光電子収量分光についての基礎研究から開発に携わってきました。これは、学生時代の恩師が創設した分野でもあります。大学院で取り組んだ研究内容を継続しつつ、日々、この技術の可能性について探求しています。

大気中光電子収量分光装置がこれまで使われてこなかった分野があれば、そこで使ってもらえるようにするにはどうすればよいのか、あるいはこの装置を役立てることができる分野は他にどんなところがあるのか、といったことを考えることが仕事とも言えます。また、異分野の研究者・技術者の方々とお会いして、この技術について紹介することもあります。研究に取り組むと同時に、これまで得られた知見をPRする立場にあるというわけです。

そして、もう一つ。手軽に持ち運びできるX線解析装置の研究開発も、入社以来長年にわたり手がけてきたテーマです。従来持ち運びができなかったX線解析装置を、対象物がある現場まで運べるとあって、文化財の解析等の分野で利用されています。これを用いることで、たとえば「古い仏像にどのような顔料が使われているか」などといったことがその場で判明します。また、文化財の修復においては当時使われていたものと同じ物質を使用する必要があるのですが、その物質を特定する際にもこの装置が役立ちます。これまで、ツタンカーメン像や戦国武将の甲冑など、さまざまな歴史的資料の解析に活用されてきました。

当社は、必要に応じて積極的に外部の有識者・専門家に意見を求め、新しい知見を獲得していこうとする積極的な姿勢を持った会社だと思います。私も、日々の研究活動においては、様々な分野の研究者と会話を交わすことが多いですね。また、何か新しい研究成果が発表された場合、すぐに導入の可否が検討されます。長い歴史を持つ会社でありながら、非常にチャレンジングな姿勢も持ち合わせています。ガス検知という柱を持ちながらも、研究活動においては分野を限定せず、幅広い視野を持って臨む。そこもまた、理研計器という企業における、強みの一つだと感じています。

入社時に考えたことと、今後の仕事にかける想いについて

■入社動機

<武藤さん>学生時代は干渉計とよばれる、光を用いた測定器に関する研究をしていました。就職にあたっても、レーザーを用いて物を正確に測定する技術に関わる分野に進みたいと考えました。数多くの企業を訪問するなか、当社では、光干渉計を用いたガスの測定器を手がけていることが判明。当時開発中だった製品を見せていただいたところ、自分のやってきた研究と直結した内容であることがわかりました。さらに、古くは炭坑で用いられる製品を作って以来、干渉計の領域で膨大な知見を積み重ねてきたという経緯を耳にし、自分もそこに加わりたいと思い入社を決意しました。

<山下さん>大学院では、表面分析や電子状態など、材料の評価に関する研究を行っていました。理研計器に目を向けた理由は、研究室の教授が発明した大気中光電子収量分光装置に関する研究を、当社でも行っていたこと。この会社なら、まさに大学院で取り組んだ研究をそのまま継続することができると思いました。この装置はさまざまな材料特性を評価することができるため、例えば有機ELディスプレイなど、製造の現場でも広く導入されています。このように世の中の様々な分野で活躍する技術に携われることもやりがいの一つです。


■今後の抱負

<武藤さん>私のキャリアをふり返ると、当社のメイン事業であるガス検知器に関わる仕事には、それほど多く関わってきませんでした。しかし、一方でそれ以外の分野における幅広い知見を得ることができました。そのためガス検知器外の領域で、新たな事業の柱となる技術を打ち立てていくことが今後の目標となっています。マーケットの動きや法律の改正など、新しい製品が生まれるきっかけは、さまざまあると思います。そうした動きも見極めつつ、時流にあったものを提供していきたいです。

<山下さん>基礎研究に携わっていても、最終的には多くの人に使ってもらえる技術につなげていきたいという思いがあります。だからこそ今ある技術を、多くの人にご購入いただける製品づくりにどうつなげていくか、市場そのものをどう開拓していくか、ということを、もっと突き詰めていきたいと思っています。時代の流れを捉えることも、心がけたいですね。また、製造の世界で新しい材料が出てきたら、私が手がける材料解析の技術がどう生かせるのかをすぐさま検証するといった積極的な姿勢も保ち続けたいです。

学生の方へメッセージ

<武藤さん>やはり、やりたいことをやっていくのが長く続ける上で重要だと思います。これから活動に乗り出す皆さんは、いろいろな会社を見て、その会社で自分のやりたいことができる可能性がどれだけあるのかをしっかり見極めていただきたいですね。私も最初は違う業種も見ていましたが、結局やりたいことができるのは当社だと考え、最終的な決断をしました。理研計器の製品群の中には、皆さんが獲得してきた知見やさまざまな技術を生かすことのできるものが、いくつかあると思います。そして「何か自分にもできそうだ」とか「ちょっとおもしろそうだな」と思えたなら、ぜひ当社まで足を運んでみてください。

<山下さん>企業研究活動を始める前に、まずは自分自身を見つめ直し、強みがどこにあるのかをしっかり把握しておくと良いでしょう。私の場合、X線解析装置は学生時代に最も力を入れて研究していた分野であり、当社であればその強みが生かせると考えました。また、専門分野に加えて、プラスαの何かを身につけておくことをおすすめしたいですね。私はソフトを触ることも好きだったため、装置の仕組みもわかり、プログラムも書けます。製品の改良や試作に取り組む際など、専門の担当者に頼む前に思い付いたことを自分で試せるのでとても役に立っています。

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普段は真剣に技術を追求している社員たちだが、ひとたび仕事場を離れるとフランクな会話に花が咲く。同じ分野に携わる者同士として、言葉を越えた一体感があるようだ。

マイナビ編集部から

理研計器は1939年、理化学研究所主任研究員であった辻二郎博士により設立された。当時、爆発事故が頻発していたオイルタンカー内のガス濃度を分析するため、辻博士が光波干渉計式ガス検知器を開発したことに端を発する。その後、石炭産業がさかんになると、光波干渉計式ガス検知器の需要も急増。理化学研究所内での製造が困難になるほど増加したため、その製造会社として誕生したのが理研計器であった。以来、時代の要請に応えながら、多種多様なガス検知器を世に送り出してきた。

設立当初より卓越した技術力をアドバンテージとして取引先の信頼を獲得してきた同社だが、企業としての強みはそれだけではない。安定した事業運営を続けながらも、一方では常に新たな技術分野に目を向け、時代の要請に応えるべく研さんを重ねてきた。また、ゆるぎない事業基盤もあるからこそ、目先の利益にとらわれず、中長期的な視野に立った技術追求ができたのだ。実は、こうした開拓精神を持ち続けている点こそ同社の真骨頂である。上記でご紹介した山下さんの、蛍光X線に関する研究などが、その最たる例だ。

そんな同社が求めているのは、なによりチャレンジ精神旺盛な人材である。常に現状に満足することなく新しい分野を貪欲に追求していく、そんな人物が必要とされている。80年もの歴史を持つ同社ではあるが、こうしたチャレンジの積み重ねこそが今日の屋台骨を作り上げてきたのだ。

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部門間の壁を越えた連携で、より良い製品をお届けしようと努力を重ねる社員の皆さん。オフィスでは年次や社歴に関係なく、積極的に意見交換する姿が見られた。

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