最終更新日:2025/4/25

扶桑薬品工業(株)【東証プライム上場】

  • 正社員
  • 上場企業

業種

  • 薬品
  • 商社(薬品・化粧品)

基本情報

本社
大阪府

取材情報

仕事・キャリアパスについて伝えたい

生命(いのち)を支える新たな医薬品の開発・改良に挑む研究者たち

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医薬品の研究開発の最前線で活躍する先輩社員にインタビュー

人工腎臓用透析液の大手メーカである扶桑薬品工業(株)。その研究開発センターで日夜、創薬研究・開発、製剤化に取り組む2人の先輩社員に仕事のやりがいなどをお聞きしました。

■堂本 莉紗さん(写真左)
研究開発センター 薬理安全性研究課
2022年入社/大学院 薬学研究科修了

■大谷 瞳子さん(写真右)
研究開発センター 理化学製剤開発課
2022年入社/大学院 生命ナノシステム科学研究科修了

先輩たちのとある1日

「学生時代から仮説を立て実験・検証しながら研究の精度を高めることが好き。ただ研究するだけでなく、成果をかたちにできるのが企業で働く魅力だと思います」(堂本さん)
「液剤だけでなく、固形製剤の処方設計にも挑戦中」と大谷さん。画像は錠剤の崩壊試験を行う様子。「壁にぶつかった時は自分で考え、先輩にもアドバイスを求めます」
仕事中はそれぞれの研究に真剣に取り組んでいますが、同期の2人はオフでは和気あいあい。「お互いの情報交換、プライベートの話などワイワイ盛り上がることもあります」

医薬品開発に不可欠な非臨床試験を担当。大好きな実験を通じ、早期開発を支えています

大学院では薬学研究科の博士後期課程に在籍し、抗がん剤の副作用である末梢神経障害性疼痛の発症などについて研究していました。就職しても健康・医療に関わる生命関連産業分野に携わりたいと考え、透析患者さまにとってなくてはならない人工腎臓用透析液に強みを持つ当社への入社を決めました。また、学生時代に当社と共同研究を行うなかで、研究職の方々の人柄に親しみを感じていたことも入社を決める後押しになりました。

私は入社以来、研究開発センターの薬理安全性研究課に所属し、医薬品開発に伴う非臨床・薬理安全性試験に携わっています。薬理安全性試験とはヒトを対象とする臨床試験の前に行うもので、培養細胞や動物を対象とする試験のことを指します。薬理安全性試験を通じ、開発候補となる医薬品の有効性・毒性・副反応などを検証するのが私の仕事です。まだ入社2年目ではありますが、チームの責任者も任され、試験のスケジュールやどんなデータを収集するのかなどを決め、試験計画書を作成する役割も担っています。

一からの開発も改良もどちらも世に出るまでの期間は長く、10年、15年もの歳月を要します。また、何千何万という化合物の中から医薬品になるのはごくわずか。論文や資料を参考にすべて同じ条件で実験をしているつもりでも、うまくいかないこともあります。結果にたどり着くまでのハードルが非常に高い仕事ではありますが、だからこそ仮説・実験・検証・考察を重ね、自分が考えた通りの結果が出た時にはとても嬉しく感じます。
(堂本さん)

承認申請に必要な分析・データ取得を担当。自分が処方設計した製剤を早く世に出したい

私は大学院の生命ナノシステム科学研究科で、ホルモンなど内分泌系および卵巣を中心とする研究を行っていました。卒業後はこうした知識を活かして人の命に関わる仕事がしたいと考え、医薬品業界・研究職を軸に就職活動を行うなかで当社を知りました。当社は人工腎臓用透析液の大手メーカーですが、不妊治療関連製品の開発でもよく知られ、私は透析とは違う側面から興味を持ち、入社を決めました。

入社以来、研究開発センターの理化学製剤開発課に籍を置き、医薬品製剤全般の製剤研究、分析研究に携わっています。製剤研究では原料や剤形、容器の選定に関わる処方検討を行い、分析研究では製剤の品質を評価する試験方法の分析、求める品質を決定するための規格の検討、温度や光など製剤の経時変化の分析に携わっています。医薬品を世に出すためには厚生労働省の承認を得なければならないのですが、私が携わる仕事はこうした承認申請に欠かせないデータを取得する業務になります。また、患者さまが服用しやすい剤形や、コメディカルの方々が扱いやすい容器を考えることも、理化学製剤開発課の重要なミッションです。

最もやりがいを感じるのは、自分の取得したデータや作成した書類が承認申請に役立った時ではないかと思います。「と思います」と表現したのは、実は私はまだ自分が処方設計した医薬品が世の中で流通した経験がなく、早くそれに携われたらいいなと思っているからです。開発センターでの仕事はとても面白く、日々手ごたえを感じながら取り組んでいます。
(大谷さん)

夢をかたちに!自分が手掛けた医薬品を1日も早く患者さまに届けたい

【堂本さん】自分が非臨床試験に携わった開発候補品が医薬品になる、という経験を早くしてみたいと思っています。先述したように化合物から医薬品になるまでの道のりは険しく、そう簡単に経験することはできません。しかし、医薬品の研究開発に携わる研究者なら必ず掲げるのがこの目標ではないでしょうか。私もできれば、研究職人生の中で1つか2つの成功体験をしてみたいと思っています。自分が手掛けた医薬品を世に出す難しさはありますが、若手にチャンスを与えてくれる当社は成長する楽しさを味わえるのが魅力。重要な役割を任せてもらえたり、学会に参加して情報収集したり、意欲次第で色々なチャンスを掴めるので、皆さんも入社後はぜひアグレッシブに仕事に取り組んでください。

【大谷さん】自分の取得したデータや作成した書類が承認申請に役立つことがやりがいではないかと先述しましたが、言い換えれば、これは私が実現したい目標でもあります。まだ2年目なので実績が少ないですが、近い将来、必ず夢を叶えたいと思っています。また、現在は液剤の処方設計が中心ですが、固形製剤の処方設計に携わることも目標の一つです。今後も着実に技術を習得し、求める物性や結果が得られる設計ができる研究者になりたいと思っています。私は学生時代、現在の仕事とはまったく異なる研究に携わっていましたが、専門知識がなくても一から学び、成長できるので心配はいりません。優しい先輩方が手厚くサポートしてくれるので、異なる研究分野の方も興味があれば、ぜひ当社にエントリーしてください。

学生の方へメッセージ

【堂本さん】大学院に進んだ方は、企業に就職するか、大学に残って研究を続けるかで悩むことも多いと思います。私も同様に悩んだことがありますが、将来、自分がどうなりたいかを考え、就職を選びました。大学で研究を続けるのもいいですが、研究の成果をかたちにしたいと考えるなら、やっぱり就職。私は学生時代にこんなシミュレーションをして、自分の意思を確認しました。5~10年後に同じ薬学部出身の友人たちと集まったと仮定し、その際に薬剤師として働く友人が最近処方した、ある新薬の話をしたとします。その時に「それ、私がつくった薬だよ」と言える未来を選択したいと思い、就職を選びました。みなさんも自分の未来をしっかり見据え、なりたい自分になれる選択をしてください。

【大谷さん】大学院生だった時は研究や学会発表、修論に追われ、就職活動が後回しに。情報収集を怠ると後々響いてくるので、就職を考えるのならなるべく早く行動することをお勧めします。学生時代の研究と関わりのあることを仕事にしようと考える方が多いと思いますが、当社の研究職はまったく異なる研究をしていたという人がほとんど。専門知識がなくても入社後に学び、力を発揮している方が大勢います。大学院での研究分野に固執せず、自分が本当にやってみたいことにぜひチャレンジしてください。企業に入れば一から学ぶことが多いので、どうせなら新しいことに挑むのも面白いと思いますよ。

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「大学院の研究分野にこだわらず、本当に自分のやりたいことに挑戦してほしい」と大谷さん。「企業に就職して研究成果をかたちにするやりがいを味わって」とは堂本さん。

マイナビ編集部から

人工透析液の大手メーカーである扶桑薬品工業(株)は、2022年に創業85周年を迎えた。長い歴史の中で培ってきた信頼と実績で、医療業界で高い認知度を誇っている。

今回お話を伺った研究職のお2人は研究開発センターに所属し、堂本さんは薬理安全性研究科、大谷さんは製薬技術研究部でそれぞれの研究に取り組んでいる。所属する部署の規模は双方ともに15~20名ほど。若手からベテランまで幅広い世代が活躍しているという。いずれも若手にチャンスを与える風土は共通で、上司や先輩のサポートのもと、積極的にチャレンジできる環境が整っている。もちろん、部署内のコミュニケーションは取りやすく、質問なども気軽にできるというから安心だ。また、働きやすさにも力を注ぎ、完全週休2日制・年間休日124日と休みが充実。有給休暇も取得しやすく、時間有休、半日有休など自分の予定に合わせて取得できるのも特徴だ。

やりがい、働きやすさともに申し分ない同社で、ぜひ自分の夢を叶えてほしい。医薬品の研究開発、製剤化、市場への流通までの道のりは決して平坦ではないが、人の命に関わる仕事は社会貢献度が非常に高く、生涯にわたって誇れるもの。専門外の人材も育ててくれる同社なら、成長する喜びも味わえるだろうと感じた。

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「生命(いのち)支えて、生命(いのち)育む」を理念に掲げる扶桑薬品工業。人工腎臓用透析液や不妊治療関連製品の新薬創出を目指しているのが、この研究開発センターだ。

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