最終更新日:2025/4/28

(株)カメラのキタムラ【カメラのキタムラ、子ども写真館スタジオマリオ】

  • 正社員

業種

  • 専門店(家電・OA機器)
  • フォトサービス
  • 通販・ネット販売
  • 専門店(その他小売)

基本情報

本社
東京都

取材情報

事業について伝えたい

お客さまの思い出を未来へとつなげていくために。“キタムラ流DX”の魅力

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オムニチャネル戦略の確立と、3つのDXへの挑戦

DX推進のキーパーソンで(株)キタムラ 代表取締役社長の柳沢さんと、2022年2月に発売を開始したお名前シール「ぺたねーむ EXPRESS」のマーケティングを担当した阿部さんにお話を伺いました。

■柳沢 啓さん
(株)キタムラ 代表取締役社長
1997年入社(写真左)

■阿部 慶二郎さん
統合マーケティング本部 マーケティング部
2021年キャリア入社(写真右)

先輩の横顔

柳沢さんは大学卒業後、店舗スタッフとして入社。バイヤーなどを経てEC事業を担当し、キタムラのネット事業を確立しました。現場とネット、双方の仕事に精通しています。
「ぺたねーむ EXPRESS」のマーケティングでは、商品開発担当者と緊密に連携した阿部さん。サイトの構築、顧客体験の設計に関しても、スピード感を前面に打ち出しました。
「ネット販売は確かに効率的なのですが、お客さまに“ファン”になってもらうためには実店舗が不可欠。だから、リアルもネットも頑張らないといけないんです」(阿部さん)

“3つのDX”により、一生涯を通じてお客さまの“フォトライフ”に寄り添いつづける(柳沢さん)

「カメラのキタムラ」といいますと、「昔からあるプリントショップ」とか「ロードサイドでよく見る、普通の小売店」というようなイメージを抱く方が少なくないかもしれません。1934年創業の伝統ある会社だけにそう思われるのも無理はありませんが、こうしたイメージは誤解だと思います。なぜなら、当社のEC事業の売上は全体の6割以上を占めているからです。

インターネット事業を開始した1999年以来、当社は店舗とネットの融合に力を入れてきました。そして、店舗とネット・SNSなどのさまざまな接点をシームレスにつなげることで、お客さまの購入体験を最適化する「オムニチャネル戦略」を確立。“ECで注文した商品を店舗で受け取る”新たな流れを創り上げるとともに、DX推進企業へと変貌を遂げてきたのです。

当社のDXの本質は、デジタル技術を使ってお客さまの思い出を未来へとつなげていくことにあります。赤ちゃんのエコー写真を残せる「おなかのフォトブック」から遺影写真まで、一生涯を通じてお客さまの“フォトライフ”に寄り添いつづける――。
こうしたビジョンを実現するため、当社はいま、「3つのDX戦略」を推進中です。これは、デジタル技術を生かし、新たなフォトライフの可能性を模索する「商品のDX」、リモート接客やライブコマースなど、デジタルやAIを活用して営業力強化を図る「営業のDX」、お客さまとの信頼関係をより強くするための「顧客基盤のDX」のことで、新たな取り組みも次々とスタートしています。
例えば、循環型社会への関心の高まりを受けて「リユースカメラの買取事業」の規模を拡大し、「AI査定」を導入。デジタルの力を駆使して、誰でも、どの店舗でも正確な査定を行うことができる仕組みを構築しました。DXの推進とともに、お客さまとのリアルな接点である店舗の価値はこれまで以上に高くなっているのです。

当社には、フィルムからデジタル写真への転換をはじめとする劇的な環境変化に直面するたびに、試行錯誤を積み重ね、本部と店舗が一体になって最適解を徹底的に探すことで成長を続けてきた伝統があります。そして、変化に対して柔軟に対応できる人材、新たな課題に対して積極果敢にチャレンジできる人材が多数活躍しています。新たな時代のフォトライフを提案し、お客さまとの信頼関係を守りつづけていくために、今後もたゆみない挑戦を続けていきたいと思っています。

リアルとネットの双方に本気で取り組むキタムラだからこそ、「売る力」に磨きを掛けられる(阿部さん)

「良い商品や体験をユーザーに届ける力」に磨きを掛ける――。これが私のいちばんの目標であり、マーケティングの本質だと思っています。前職では健康食品の通信販売を手掛ける会社で、ネット広告の運用やクリエイティブのディレクション、利益管理などウェブマーケティング全般を手掛けていたのですが、“体験型店舗”の存在感の高まりもあって、オンラインだけでできることに限界を感じ、転職を決断。「良い商品や体験をユーザーに届ける力」を思う存分に発揮できるのは、実店舗を構え、かつ、ネットビジネスにも力を入れている企業に違いないということで、当社への入社を決めました。

2021年9月に入社し、その後はマーケティングチームの一員として、当社が進める“3つのDX”に、さまざまな形で関わっています。入社直後から、2022年2月にサービスを開始した「ぺたねーむ EXPRESS」のプロジェクトに関わりました。
この商品は、子育て世代がターゲットで、コンセプトは「最短1分注文!最短1時間仕上げ!」。入園入学前はお子さまの持ち物全てに名前をつけるという慣習が日本にあり、共働き世代にとってはSNSで「地獄」と表現されるほど大変な試練として知られています。しかし、その手間を一気に楽にしてしまう商品で、最速で提供できる仕組みを作りました。これはリアル店舗とネットやアプリ環境に本気で取り組んでいる、当社ならではのサービスです。
おかげさまで売上は順調で、2024年には「2024年度グッドデザイン賞」と「日本子育て支援大賞2024」の2つの賞を受賞できました。自分が関わったプロジェクトが、社会に良い影響を与え、認められる瞬間は、本当に嬉しく、やりがいを感じます。

「商品の“CMO”としての自覚を持て」。チャレンジングな課題に挑戦するカルチャーの魅力(阿部さん)

当社には、社員一人ひとりが知識やスキルを最大限に発揮しながら、チャレンジングな課題に対して積極果敢に挑戦するカルチャーが根付いています。マーケティングチームが専門職寄りの集団ということもあるのかもしれませんが、私が入社後、わずか1カ月でお名前シール「ぺたねーむ EXPRESS」のマーケティングを任せてもらえたのは、その証拠といっていいでしょう。

上司から「商品の“CMO(チーフ・マーケティング・オフィサー)”としての自覚を持って、仕事に取り組んでほしい」といった言葉を掛けてもらうことがよくあるのですが、実際、かなり大きな裁量を与えてもらっており、自らのアイデアをフルに生かしながら、自由闊達に仕事を進めることができています。

また、マーケティングの上流から下流まで、すなわちマーケティング戦略の策定から実行に至る全てのプロセスに一貫して携われることや、オムニチャネルを通してお客さまとの「質」の高い接点を膨大に確保していることも、当社の魅力といっていいでしょう。
ひと言で言えば、短期間でPDCA(計画、実行、評価、改善)を回しながらマーケティング戦略を実行したり、机上の空論に陥りがちなマーケティング仮説に“肉”を付けたりと、文字どおり“なんでもできる”のです。「デジタルの力で小売業界に変革を起こしたい」という高い志をお持ちの方にとっては、最高の環境だと思います。つまり、キタムラはマーケッターとしての“個”の力を、飛躍的に高めてくれる会社だということです。

ここからは、私個人の目標になりますが、「良い商品や体験をユーザーに届ける力」を磨くためにも、「誰に、何を、どのようにして伝えるか」というマーケティングの基本を徹底しながら、最先端のデジタルマーケティングの知識やスキルを習得していきたいですね。そして、将来的には、時代の流れと共に変わる“変化”を先導していける存在になり、当社のDXをリードしていきたいと思っています。

学生の方へメッセージ

企業研究を行う上で2つのポイントを挙げたいと思います。1つは、「自分で情報を取ってくる力」を徹底的に鍛えることです。この記事ではDXを中心にお話ししましたが、リアルとネットを融合させた、新しいマーケティングを行うためにも、デジタルやテクノロジーについての知識のみならず、より幅広い分野の知識を身に付ける必要があります。学生の皆さんには、目の前の課題を解決するための情報を取得する力に磨きを掛けるだけでなく、ある種の趣味として、さまざまな分野の情報を楽しみながら収集する習慣を身に付けていただきたいと思います。

もう1つは「自分の考えに自信を持つこと」です。企業研究を進めていくうちに否定されたような気分になることもあるかと思いますが、気にする必要はありません。自分が調べ考える領域は人一倍時間も使っているので、“誰にも負けない”という気持ちで臨んで欲しいと思います。こうした気概がなければ、どんなに良いアイデアも実現できませんし、目標も達成できません。柔軟に考えながらもいい意味でプライドを持ちましょう。

(阿部さん)

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DXの進展とともに、店舗で働く社員の仕事も進化しつつあります。従業員専用のコールセンターや、オンライン接客の仕組みの構築など、日々新たな挑戦に取り組んでいます。

マイナビ編集部から

カメラ用品店「カメラのキタムラ」や記念日スタジオ「スタジオマリオ」など、全国で1,000以上の店舗を運営する「(株)カメラのキタムラ」。本文でも述べられているように、非常に早い時期からECの成長に力を入れてきた。

同社のEC関与率が6割超ということだけでも筆者は大いに驚かされたのだが、さらに驚いたことがある。同社の社風・雰囲気についてお話を伺ったときのことである。「失敗よりも成功の可能性が少しでも高ければ、ゴーサインを出す」。これがキタムラでは当たり前というのだ。
キタムラでは「即断・即決・即行動」の姿勢が浸透し、実践されている。筆者はここに、同社がDXで躍進を遂げた理由とその強さの秘密を垣間見たのである。また、日本の小売業を変革するのは、こうした確固たるビジョン・思いを持って、リアルとデジタルの融合を図る企業に違いないと確信した。

DXやウェブマーケティングに興味関心をお持ちの方はもとより、店舗でお客さまとコミュニケーションを取りながら豊かなフォトライフの創造に寄与したい方、新たな小売業を自らの手で創り上げていきたいという志をお持ちの方、そして、チャレンジングな課題への挑戦を通して飛躍的に成長したいという熱意ある方にもオススメの会社である。

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プリントサービスやカメラ販売、フォトスタジオなど写真に関する事業を多角的に展開中の(株)カメラのキタムラ。お客さまに寄り添った提案力で根強いファンを集めています。

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