最終更新日:2025/4/25

太陽誘電(株)【東証プライム市場上場】

  • 正社員
  • 上場企業

業種

  • 半導体・電子・電気機器
  • 金属製品
  • 機械

基本情報

本社
東京都

取材情報

仕事・キャリアパスについて伝えたい

「他の会社にはできないことをやっていこう」という企業風土が生むやりがい

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人間が持つ五感のひとつ「嗅覚」のセンサ開発に挑戦

恩田陽介
開発研究所 機能デバイス開発部
2010年入社
大学院 数理物質科学研究科 物性分子工学専攻修了

大学院では材料科学を専攻していた恩田さん。参加した学会で太陽誘電の研究発表を聞き、同社のビジネスに興味を持ったのが入社のきっかけだった。現在、入社8年目。まだ誰も完成させたことのない領域に、挑戦している。

部署間の垣根がない、フリーアドレスを採用したオフィス。必要なときに必要な人と。そんなフレキシブルな環境が、密なコミュニケーションを生んでいる。
センサの評価をする実験室。多彩な経験を通じて、全体を見渡せる技術者になりたいという人には、最適なフィールドがある。
さまざまな専攻分野の人たちが、それぞれの能力や個性を発揮しながら活躍している。チームワークを活かしながら、より次元の高い成果を目指していく企業風土を持つ。

まだまだ完成度が低く未熟な「においセンサ」の可能性に着目したプロジェクト

群馬県高崎市にある開発研究所。ここは豊かな自然に囲まれた高台に位置する、独立したR&D拠点です。太陽誘電の技術者たちが集結しているエキスパート部門で、材料の開発をする人、製品の設計をする人、量産化に向けた装置の開発をする人、製品評価にあたる人など、さまざまなテーマに取り組む人たちがいます。大学での専攻分野も幅広く、電気、電子、機械、化学、材料、情報、システムなど、いろいろな分野の技術者が集まっています。風通しが良く、新人でも、自分の意見を遠慮せずに堂々と言える自由度の高い社風の中、チームで協力しながら個性的な研究開発を行っています。
私は入社以来、一貫して研究開発に携わってきました。薄膜を使ったデバイスの研究を4年間担当した後、現在は「においセンサ」の開発に従事。当社は「日本初」「世界初」の技術や製品を数多く世の中に送り出してきた技術立社ですが、今、手掛けているのも、まだ誰も完成させたことのない分野への挑戦です。最新の装置や高価な機器類を揃えるなど、設備への投資にも力を入れており、「他の会社にはできないことをやっていこう」という気概が感じられます。
未来のロボットは人間に代わるものという想定がありますが、人間が持つ五感において、例えば視覚ならカメラ、聴覚ならマイク、触覚なら圧力、といったセンサはすでに存在しているものの、「味覚」と「嗅覚」については未完成の領域です。そこで私たちは「嗅覚」の分野に着目し、研究を開始しました。

AIと融合することで、課題だった「複数のにおい」を判別する技術の確立に成功

センサを搭載するものは、ロボットでもスマートフォンでもいいと思いますし、応用もいろいろなことが考えられると思います。使用用途としては、体臭や口臭の管理、空調管理、遠隔のにおいの検出、工場でのガス検知セキュリティ、あるいは医学分野での応用など、幅広いフィールドでの活用がありえると考えています。
今、センサは大きな進化を遂げ、ダウンサイジング化が実現する一方で、AI技術と融合し、複数のにおいを判別できるようになりました。それは私たちにとっても、この研究をしているすべての人たちにとっても、なかなか越えられない大きな壁でしたから、ひとつの課題をクリアし、大きく前進したことを意味します。
私が担当しているテーマは、においを検知する感度をいかにして上げていくかというものです。実はこれも難題です。開発段階における効率化で大いに役立ったのは、コンピュータシミュレーションでした。においの成分を変えると結果がどのように変わるのか、また、検知器の形状も大事だと気付いてからはデザインにも気を配り、シミュレーション、試作、実験という繰り返しによる試行錯誤を毎日毎日続けていきました。

やってみなくてはわからない。でもそれには「自由にやらせてくれる社風」が必要

シミュレーションでは「おっ!」と思える面白い結果が出ても、実験では思った結果が出なかったり、また逆に、シミュレーションでは予測を裏切られても、試しに実験してみるといい結果が出るといったことも。コストや効率を考えると絞り込みも大事ですが、発想を豊かにし、いろいろなことにトライしてみることは、やはり貴重な一歩です。失敗が予想だにしないいい方向へと導いてくれたケースもあって、やはり未知の分野へのチャレンジは面白いなと、実感したものです。また、自由にやりたいことをやらせてくれる当社は凄いなとも思います。
私たちのプロジェクトが目指しているのは、まだ誰も到達していない「世界初」の領域です。当面の目標にしているのは「人間の鼻」。現在、世の中に出回っている「においセンサ」の実力は、人間の嗅覚感度に達しておらず、今の技術をさらに高めなくてはなりません。しかしそれは通過点。その先には「犬の鼻」を目指すという目標があります。犬の嗅覚はさらに人間の嗅覚より感度が高いため、現状のセンサから比べると、私たちが取り組んでいる目標が、どれほど途方もないものかがお分かりでしょう。
その遥か彼方にあるゴールを目指すためには、さまざまな知恵が必要です。そのひとつのキーワードは、材料技術とセンシング技術とAI技術の融合。素材開発を得意としている太陽誘電にとって、新しく必要とされているフィールドです。
ゴールのひとつとして、IoT社会での応用を念頭に置いています。今は気付かれずにいる、人間が生活していく上で発しているにおいを検知し、その異常をネットワークでつないで情報化していけば、医学でも、防災でも、セキュリティでも、世の中を便利で安全な社会に変える可能性を持っていると考えています。

学生へのメッセージ

学生のみなさん、こんにちは。当社の職場環境についてご紹介しますね。
私の担当するプロジェクトの上司たちは、年次がそれほど離れていないこともあり、どんなことでも気軽に相談でき、話し合える関係にあります。「これを言ったら…」と躊躇する重苦しい雰囲気がまったくないので、会話のキャッチボールが自然と生まれ、新しいアイデアへとつながっていく好循環を生んでいます。
この自由度の高い社風は、当社のオフィス環境づくりにも表れています。部署ごとに部屋がわかれておらず、施設内はどの席に座っても自由なフリーアドレス。私はデバイスの部署ですが、材料の部署の人を見つけ、PC一つ持って隣に座って話し込む。そんな光景は日常です。このクリエイティブな環境が、先進的な製品づくりと若い技術者の成長につながっていると感じています。
海外の研究機関との共同研究など、フィールドはグローバルです。部門によっては、自ら海外に出向いてミーティングをする機会もあり、世界を相手にしたビジネスに興味がある方にとっても、魅力あるステージが広がっている会社だと思います。
当社に興味を持っていただけましたでしょうか? ぜひ、太陽誘電の未来を支える学生の皆さんに会えることを楽しみしております。

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緑豊かな自然に囲まれたR&Dセンター。最新・最先端の設備や機械を備え、研究開発の成果は世界中のユーザーへと発信されている。

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