最終更新日:2024/8/29

(株)ユーベック

業種

  • 試験・分析・測定
  • 環境・リサイクル
  • 化学
  • 農林・水産
  • 専門コンサルティング

基本情報

本社
千葉県

取材情報

先輩達の”キャリアアップ”

生物好きの少年の熱意が、ユーベックのエースとして環境を守るまで

  • 生物・農学系 専攻の先輩

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分析技術者として視野広く成長できる職場です

環境検査や測定分析を専業とするユーベックでは、多くの社員が分析技術者として活躍しています。
先輩社員の1人、S・Tさんに入社の経緯から現在までの充実したキャリアアップの道のりをお聞きしました。


業務部営業課 係長 S・Tさん
2009年入社。茨城大学理学部卒。入社後、大気・水質・土壌とあらゆる現場調査および分析を経験し、分析技術者としてエキスパートに成長。現在は顧客対応も担当している。資格は公害防止管理者(水質関係第一種)を取得。

S・Tさんの毎日

「平均的な1日のスケジュールは、午前・午後合わせて2現場でサンプリング。水質から土壌まで関東圏の状況に詳しくなり、環境への意識もさらに高まりました」と振り返る。
現場調査の結果を記した「野帳」のデータチェックから速報の確認までパソコン作業も多い。正確さを求められる地道な作業が、環境計量士による報告書の質を担保する。
営業課でお客様との直接の関わりが増え、「『ありがとう』と言ってもらえる機会が多くなりました」と笑顔。「分析ひとすじ」の若手時代から人としての幅も広がった。

大学とは比較にならない設備環境。そのスケールに圧倒されました

化学分析に興味を抱くきっかけは高校時代にさかのぼります。私の高校には保健委員会の下に環境班という活動グループがあり、代々、近くの川に棲息する水生生物を研究していました。多いのはヨシノボリという魚で、異常個体が頻繁に採集されることから、分布の割合を算出したり学会で発表したり。そうした方面の興味が高じて、大学では生物科学コースを専攻しました。中でも川の水質と水性生物の関係性を詳しく調べようとしたのですが、大学にはそこまでの技術が揃っておらず、分析できるのは窒素、リンとpHくらい。次第にもっと広く深く、かつ具体的に、分析という作業に携わりたいと思うようになりました。「分析」をキーワードに就職サイトで企業を探し、まさに自分がやりたいことにどんぴしゃの事業内容、と感じたのが当社です。

もっとも、就職活動が遅れたせいで、すでに募集は終わっていました。諦めきれず思いあまって会社に電話したところ、なんと社長が会ってくださることに。社内を案内していただき、分析機器の豊富さや、設備の充実ぶりに目を見張りました。大学では手分析ばかりで、そもそも分析機器自体がありません。スケールの違いに圧倒されました。幸運にも採用されたのは、私の分析に対する興味や熱意を評価して頂いたのかもしれません。入社してから気づいたのですが、当社は一人ひとりの個性を大切にする社風。いまは自由な形式で自己アピールができる「自己紹介書」があり、ユニークな視点や発想を持つ人ほど面白がられているようです。

データチェックも担当し、あらゆる分析に精通する

当社は、土壌と水質、大気調査を中心に、多岐にわたる環境調査を行っています。私が最初に所属したのは技術部環境測定係(現・技術課)で、大気調査がメインの業務でした。大気調査は工場の煙突をはじめ、ホテルやゴルフ場などのボイラーや焼却炉から煤などを採取するサンプリングを行い、流量などを測定して含まれる排ガスや有害物質の濃度を調べます。使用する器具や採取方法など何もかも初めてでしたが、最初に一般分析室でみっちりと器具の使い方を学び、また先輩からも丁寧に教わったので、戸惑うことなく作業に入れました。さらに「様々な分析に関わりたい」という私の意向を汲んでいただき、大気以外にも河川の水質を調査したり、土壌汚染の現場に行ったりと色々な経験を積ませてもらいました。特に印象的だったのは、やはり河川調査です。胴長の防水スーツを履いて川の中に入り、専用の機械で流量を測定していると学生時代を思い出しました。河川調査の多くは官公庁案件で、調査結果が自治体独自の「環境白書」に記載されることもあり、環境基準を超えた場合には必要な対策が講じられます。環境に貢献しているという手応えをダイレクトに感じる調査です。

次に所属した品質保証課では、大気・水質・土壌と引き続きすべての現場に行ってサンプリングと分析を行うほか、分析者から上がってくるデータのチェック作業も担当しました。分析の種類もどんどん増え、例えば鉄やヒ素、カドミウムなどを調べる金属分析では、金属分析室にある機械のほとんどの操作に精通するまでになりました。分析してデータチェック、という作業をひたすら繰り返す日々でしたが、やりたいことに思いきり取り組む充実感は大きかったですね。後輩にも自信を持って教えられるようになりました。

迅速な対応力とフットワークの軽さも、お客様の支持につながっています

主任に昇格すると同時に業務部営業課に移り、今は分析から離れています。仕事はお客様の対応と現場サンプリングが中心です。お客様の業種は様々で、近くに京葉工業地域があることから大気調査や水質調査では工場、土壌調査では環境コンサルティング会社からの依頼が多いですね。大気調査はあらかじめ年間の測定スケジュールが決まっていますが、土壌調査はひと月前など急に依頼されることが多く、現地に伺う日程調整や採取の打ち合わせ、見積もり作成、さらに調査結果の速報をお送りすることが主なお客様対応です。営業課でサンプリングする土壌調査は建築の時に出る「残土」がメインなので、重機を動かしてもらうか、自分がスコップで採取できる状態なのか、細部まで打ち合わせが必要です。残土が無事に出せないと基礎工事もできず、建設現場がストップしてしまいます。そうした面でも当社は対応が迅速で、フットワークが軽いことからお客様に感謝されることが多く、それが今の大きなやりがいですね。よりお客様に信頼していただけるよう、現在は土壌汚染調査技術管理者の資格取得を目指しています。

2019年に係長になりましたが、現場に出ていることが多いので、正直言って部下のマネジメントはあまりできていないかもしれません。ただ、当社はもともと和気あいあいとした社風で、上下関係を過度に意識することなく、役職者とも話のしやすい職場です。私も部下と顔を合わせるたびに他愛ない冗談を言い合っていて、自然と親しめる関係性を築けていることが、何かあったときのチームワークの良さにつながっていると思います。また私がTOC計や原子吸光光度計を現在でもたまに扱っているように、当社では営業課のスタッフも分析を行います。同じ分析技術者という連帯感から営業課と技術課、品質保証課も仲が良く、部署間の対立などとは無縁です。化学分析という具体的な方法を通し、全社一体となって環境に貢献する。そんな最前線の仕事に誇りを抱いています。

企業研究のポイント

地球温暖化への懸念や、SDGsへの関心の高まりなど、「持続可能な環境を守ろう」という意識は広く浸透しつつあります。学生の皆さんも「環境を守る仕事をしたい」との志を抱いて企業研究にのぞむ方もいらっしゃるでしょう。企業側にしても、今や環境問題に無関心なところは少数派と言えます。ただ企業の場合、メーカーやコンサルティング会社など業種によって環境問題へのアプローチは様々です。自分自身が「環境保全」に対してどんな立場で関わりたいのか、それを実現できる仕事は何か、企業研究ではこうした点を意識してみてください。

当社は、「数字」という具体的な指標を通して環境にアプローチする会社です。法律で定められた有害物質を法律で定められた通りに分析して数値を示す。例えば一見きれいな水でも有害物質の濃度が基準値をオーバーすることもありますし、濁った水でも基準値内に収まっていることもあり、それは化学分析をしないとわかりません。基準値を超えれば必要な対処が講じられるという明晰な世界です。環境に関する仕事は多岐にわたりますが、その中でも具体的にイメージしやすく、かつ最前線にある化学分析に興味を持ってくだされば幸いです。

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「環境をどう守るか、就活では多くの企業の取り組みが漠然と感じられるなか、『数字で守る』という当社にピンときました」と担当のOさん。全社員の意識が高い会社だ。

マイナビ編集部から

環境調査の結果を公的に証明する「計量証明書」を作成・発行できるのは環境計量士だけ。難関の国家資格ゆえに大手でも取得者は少ないが、ユーベックはその環境計量士が経営する分析専業の会社である。設立から30年足らずと業界の中では比較的若いほうだが、高精度の測定・分析技術と迅速な対応力により、すでに確固たる評価と信頼を得ている。

環境に有害な物質および、その測定・分析方法は法律で厳格に定められており、採取や分析には緻密さと正確さが求められる。同社では技術・営業といった部署を問わず、全員が分析に携わることが特色だが、それができるのもしっかりとした技術研修を行っているからだ。当然ながら社員たちの環境意識は高いが、一方で職場の雰囲気はとてもフランク。業務に真剣なぶん、肩の力を抜けるところはリラックスする良い意味でのゆとりがあり、S・Tさんもざっくばらんにこちらの質問に答えてくれた。環境に関連する業種の中でも、まさに最前線に位置する同社で、分析技術者として着実に成長できる。

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吸光光度計で分析した亜硝酸イオンの濃度は色が濃いものほど高い。文系・理系関係なく、さまざまな分析技術を一から修得できる。

会社概要に記載されている内容はマイナビ2025に掲載されている内容を一部抜粋しているものであり、2026年卒向けの採用情報ではありません。企業研究や業界研究にお役立てください。

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