最終更新日:2025/6/1

杏林製薬(株)

業種

  • 薬品
  • 日用品・生活関連機器
  • 医療用機器・医療関連

基本情報

本社
東京都

取材情報

知識ゼロからの専門職

医師の向こうにいる誰かのために。情報で医療に貢献するMR=医薬情報担当者という仕事

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知識0の不安を打ち消す実践的な研修と手厚いサポートとチーム制

コーポレートメッセージに「健康はキョーリンの願いです。」を掲げる杏林製薬。医薬品メーカーだけに理系学部出身者が活躍をするイメージがありますが、多くの文系出身者がMR認定資格を取得し、活躍しています。

文系学部出身の若手MR2人に、MR職を志したきっかけや研修制度、MRの仕事の内容とやりがい、記憶に残っている仕事などを訊きました。

・M.Uさん(写真右)
 首都圏支店 厚木第一営業所/経営学部卒/2020年入社

・R.Fさん(写真左)
 首都圏支店 厚木第二営業所/経営学部卒/2020年入社

人のためになる仕事に惹かれてMRを志しました

経営学部出身ということもあり、当初は金融系の会社を調べていたのですが、大学の就職説明会に杏林製薬の人事担当者が来られて、MRという仕事を知りました。ただ、文系の学生にとって医薬品メーカーはハードルが高く、不安がありました。そこでMRの先輩や人事の方に研修や教育体制の話を伺い、そのうちに自分でもやればできるかなという気持ちになりました。振り返ると、誰かのためになる仕事である点に魅力を感じていたのだと思います。

入社してから配属されるまでの4カ月間はずっと研修でした。製品に関する知識や情報を徹底的にインプットし、アウトプットの場として実際の場面を想定したロールプレイング研修など、実践的なカリキュラムが組まれていました。研修期間終了後、約2カ月間は、配属先にて、先輩方と医療機関などへ同行訪問し、情報提供や製品紹介の方法を指導していただくなど、先輩方がどのように営業活動しているのかを見せていただきながら仕事を学んでいきました。並行してMR認定試験に向けた勉強も行い、入社半年後に一人でのMR活動がスタートしました。このように半年間、十分な時間をかけて段階的に学べるため、自信もつき、戸惑いなく仕事に取り組むことができたように感じています。

現在、私は厚木第一営業所に所属し、相模原市中央区を担当しています。エリア内の開業医や調剤薬局の先生を訪問して、自社製品の紹介や関連情報の提供などを行っています。担当数は70~80軒ぐらい。メインは耳鼻科、泌尿器科、呼吸器科ですが、当社ではプライマリー(初期診療)の製品を広く扱っているため、内科などにも訪問し製品を紹介しています。

私たちMRの仕事は、医薬品を適切に使用するための情報提供と収集です。そのために、科学的根拠に基づいた医薬品情報を医療関係者に提供し、使用後の医薬品の情報を収集して会社に報告するとともに、会社が解析した結果を医療関係者に伝達する活動を行っています。ただ、私たちが直接患者さんと接するわけではないため、自分が紹介した薬が患者さんの役に立っているのか、なかなか実感しにくいのが正直なところです。しかし、ある時、担当医の先生から「この間紹介された薬を患者さんに処方したら、とても効果があったようで喜んでいました」と言われたことがありました。その言葉を聞いた時、自分の仕事が患者さんの健康に繋がっていることを実感し、大きなやりがいを感じました。

文系からのMRへの挑戦

「私の周りは文系出身が多いです。文系として勉強してきたことや、趣味の話に先生が興味を持たれることもあります。大切なのはコミュニケーション能力ですね」(M.Uさん)

カリキュラムに沿って真面目に取り組めば不安は解消されます

大学3年の6月頃から就職活動を始め、どんな仕事があるのか調べていた時にMRという職種を知りました。医療に貢献できるやりがいのある仕事ということで興味は持ちましたが、理系の人しか就けない職種と考えていたため、文系の自分には無縁だと思っていました。それでも諦めきれず業界のことを調べ、当社とは別の製薬会社で働くMRの方から、「むしろ文系出身者の方が多い会社もあるよ」と聞き、MRという職種に挑戦しました。

入社当初は薬の「く」の字も知らない状態でしたが、当社の研修は文系出身者でも理解し、成長できるようカリキュラムがつくられています。しっかりと前向きに取り組んだところ、MR認定資格試験も突破できました。ただ、私は緊張しやすい性格で、人前で話すのが苦手。MRというと医師と対面して話をする以外に、大勢の前に立ってプレゼンテーションするイメージもあったため、そこにハードルを感じていました。しかし、研修ではさまざまな知識を得るのはもちろんですが、プレゼンテーションの練習などもあり、徐々に自分の弱点も克服。不安は解消されました。

現在は厚木第二営業所に配属され、藤沢市を担当しています。基幹病院に加え、クリニックも70~80軒ほどを訪問し、当社の薬に関する情報提供などをしています。当社の注力領域である泌尿器科、耳鼻科、呼吸器科に加え、消化器科なども訪問しています。病院に関してはアポイントを取って訪問する施設が多数ですが、クリニックの場合、面談できる時間が決められている所が多く、設定されている曜日・時間に合わせ、アポなしで訪問することが多いです。

これまでで一番記憶に残っているのは、90代で足腰が悪い女性患者さんのケースです。ある日、肺炎を起こしてしまい、状態も悪いので、クリニックの先生は入院させたいと考えましたが、患者さんが拒絶されたそうです。そこで私が情報提供していた薬を使用したところ、肺炎が完治したと言われました。その薬は抗菌剤で、データを示しながら、「こういった菌種や疾患に効果があります」「このような患者さんの治療にお役立てください」とご紹介していたのですが、同様の症状を訴えた患者さんが来院されたのでご処方をしていただきました。これまで諦めずに情報提供してきていたので、ご処方をしていただき本当に嬉しかったですし、何より患者さんが治り、先生から感謝されることにこの仕事のやりがいを感じました。

文系からのMRへの挑戦

「面接の時、私がどんな質問をしても人事担当の方がちゃんと見てくれているような気がして。そういった人柄にも惹かれて入社を決めました」(R.Fさん)

安心して働くことができ、成長できる環境が整えられています

当社はチーム制を採用しており、チーム全体でどう製品を普及していくかを考え、実行しています。そのため誰か一人に責任が重くのしかかったり、仕事量が偏ったりということがありません。全員で責任を全うし、全員で成功を喜び合う。そこが当社の魅力の1つと言えるかもしれません。また、当社の社員は基本的に誠実で、穏やかな人柄の人が多いため、会社全体も落ち着いた雰囲気があり、皆で協力して頑張ろうといった雰囲気の中で働いています。

また、働きやすさも感じています。一生懸命に頑張って成果を出し、営業所長の役割を目指す人もいれば、MRのスペシャリストとして第一線で働き続けたい人、またプライベートを大切にしてワークライフバランスを重視したい人など、働くことに対して多様な価値観を持つ社員がいます。その選択を会社から強制されることはなく、各自のキャリアパスを尊重し、どんな志向を持っていても受け入れてくれる。そんな懐の深さがこの会社にはあります。
<M.Uさん>

私が当社のイメージを訊かれて真っ先に思いついたのは、アットホームな会社ということ。当社は物腰が柔らかい方が多いことに加え、チーム制を導入しているので、入社したばかりであまり力のない状態でも、絶対に突き放すことはなく、しっかりと先輩方がサポートしてくれます。そのため、すぐに馴染めますし、安心して働くことができます。こうした体制が整っていることは、当社の魅力の1つだと思います。

学習や研修も充実していますし、配属されてからも一人前になるまでしっかりと面倒を見てくれるので、スピードの早い成長が期待できます。ワークライフバランスについては、MRは基本的に自分で医療機関への訪問スケジュールを決められる職種なので、有休休暇も取りやすいと思います。自分でスケジュールを組めるのはストレス軽減に繋がり、リフレッシュしながら働いています。
<R.Fさん>

文系からのMRへの挑戦

2020年入社の同期で、ともに文系学部出身のM.Uさん(左)とR.Fさん(右)

企業研究のポイント

方向が明確に決まっていれば別ですが、まだ漠然としている段階では、大学で行われる就職ガイダンスや合同企業説明会などに参加することは、自分の可能性を拡げることにも繋がるので大事なことだと思います。その際、どうしても大企業や有名企業に目が向いてしまいがちですが、いい会社はたくさんあるので、先入観を持たず、幅広い視野で企業研究に取り組んでみてください。また、自分にとって譲れないものに関して調べることも大切です。例えば、仕事の取り組み方とか、ワークライフバランスとか、転勤のこととか。気になる点は納得いくまで調べることをお勧めします。
<M.Uさん>

入社する前と入社した後で、同じところもあれば、ギャップを感じるところもあると思います。今はインターネットで調べる人が多いと思いますが、インターネットや本から得られる情報にはどうしても限界があり、それだけでは会社の中身までは見えません。できれば実際に働いている方に会って、話を聞いてみることが大事なのかなと思います。その人を通して会社の雰囲気も感じ取ることができますし、理解も深まります。その上で本当にその会社が自分に合っているのか、じっくり検討するのが、結果、一番の近道になると思います。
<R.Fさん>

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「企業研究の段階では、できるだけ広い視野で会社選びすることが重要。先入観なく、気になったら話を聞くという姿勢で臨めば、いい結果が得られると思います」(2人)

マイナビ編集部から

大学に文系学部と理系学部がある以上、それぞれの枠の中で会社や仕事を選ぶのは当然のことだ。今回取材した杏林製薬は研究開発職は理系出身者を対象としているが、MRは文系も理系も対象としており、実際にMRは多くの文系出身者が活躍している。

M.Uさんは「当社に限らず、文系の方も結構活躍している」と答える。では文系ならではの良さはあるのだろうか。少し考えて「MRは、文系理系に関係なく活躍できる職種です」と回答。R.Fさんは「文系出身者は薬剤の知識がないため苦労する場面も多い」と率直な感想を述べ、「文系出身、理系出身であっても、研修制度が整っており、学部に関係なく同じ目線で仕事ができる」と続けた。

薬に携わる仕事であるだけに、理系的な勉強は必須になるが、だからといって文系はダメで、理系はいいということでもない。MRは翻訳すれば医療情報提供者。薬の情報を提供することが仕事であり、そこに文系も理系も関係はない。コミュニケーション能力は必要だが、これについても、話し上手とかお喋り好きということではない。必要なのは正しい情報を正しく伝えることであり、口下手でも構わないのだ。

過去に勉強してきたこと、例えば文学の話を訪問先の先生が面白いと思っていただけるかもしれないし、旅行や映画の話題に興味を持っていただけるかもしれない。今までの経験を存分に生かせる仕事と言えよう。

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チーム制を導入している当社。複数のMRでエリアを担当することで、チームとしての結束力を高めるとともに、業務に集中できる環境を実現。個々の成長も促す。

会社概要に記載されている内容はマイナビ2026に掲載されている内容を一部抜粋しているものであり、2027年卒向けの採用情報ではありません。企業研究や業界研究にお役立てください。

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