最終更新日:2025/7/10

アルインコ(株)【東証プライム上場】

  • 上場企業

業種

  • 金属製品
  • リース・レンタル
  • 非鉄金属
  • スポーツ・レジャー用品(メーカー)
  • コンピュータ・通信機器

基本情報

本社
東京都、大阪府

取材情報

探そう!理想の先輩・働き方

安全、軽量で扱いやすい仮設機材で高齢化に悩む建設業界を救え!

  • 機械系 専攻の先輩

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約3年の歳月を費やして完成させた新製品「ヘリオムーブ」

建設業界における高齢化は大きな課題。年齢を重ねた職人さんがもっとラクに、安全に作業できる室内足場を生み出すため、入社4年目から「ヘリオムーブ」の開発に挑んだ秋田さんの成功秘話を紹介します。

■秋田 晴貴さん
2017年入社 生産本部 技術開発部 設計二課

入社以来、アルミ製の仮設機材の設計に携わる秋田さんですが、アルインコとの出会いは実はフィットネス機器。学生時代にアルインコ製品を愛用していた親しみやすさから興味を持ち、企業研究を行うなかで建設・建築業界における圧倒的な認知度を知ったといいます。大学で学んだ建築知識が生かせることと、東証プライム上場企業という安定性にも魅力を感じて入社を決めた秋田さんの現在の仕事を覗いてみましょう。

3年目で初めての新製品開発に成功!その直後に巡ってきたビッグチャンス

入社後は主に既存製品の改良に携わっていましたが、3年目の夏に初めて新製品の開発を任されました。それがアルミ合金製のスロープ「かるスロ」だったのですが、この設計を終えた直後に2つ目の新製品開発として担当したのが今回お話する移動式室内足場「ヘリオムーブ」です。前回よりも難易度が高い案件ではありましたが、スキルアップに最適だと上司から抜擢していただきました。

移動式室内足場とは商業施設やホテル、オフィスなどの天井の仕上げ工事の際によく使われる製品です。自社でも同様の鉄製品はありましたが、鉄はどうしても重い。高齢化が進む建設業界では軽さや組み立てやすさなどのニーズが非常に高まっており、私はこの課題に応えるべく2020年12月から鉄より軽量なアルミ素材を使った新製品開発に乗り出したのです。

尚、当社における開発スタイルは製品によってさまざま。チームで取り組むことも、個人でコツコツ取り組むこともどちらもあります。もちろん、個人で担当する案件であっても、困ったことがあればいつでも上司や先輩に相談できる点は安心ですね。私はどちらかと言えば自分でああでもないこうでもないと色んな考えを巡らせながら解決していくのが好きなタイプ。上司もそんな私の個性を尊重し、この案件では設計にどっぷり没入できる環境を与えてくれました。

秋田さんの仕事場拝見!

「ヘリオムーブ」を担当し、一から自分で考えた構造で特許申請できたのも大きなやりがいになりました。もうすぐカタログに掲載される予定なので、それも楽しみです。

「ヘリオムーブ」は想定以上のヒット!生み出した新構造は現在、特許申請中

「ヘリオムーブ」設計のヒントになったのは、市販の折り畳み式テーブルの構造です。使わない時はコンパクトに収納ができ、使用時には簡単に組み立てられる室内足場の開発にあたって、特にこだわったのがオプション部材の充実を図ること。足場本体の天板端部に溝を設け、レール式にすることで、現場ごとのニーズに合わせて各種オプション部材を容易に装着できるよう工夫しました。

…というと大きな問題なく順調に完成したように聞こえるかもしれませんが、製品化までに費やした期間は約3年、試行錯誤の日々でした。同製品の開発は試作段階からお客さまより問い合せが寄せられ、完成したら是非購入したいという声が上がり、プレッシャーとともに大きなやりがいが感じられる仕事でもありました。実は、とあるお客さまからは「できれば2023年秋に欲しい」との要望があり、希望納期である2023年秋までには無事に量産化が進んでほしいと思っていましたが、不具合が発覚。大阪から兵庫にある工場へ、上司とともに何度も駆けつけ、不具合の原因究明・改善に必死で取り組んだ事を今でもよく覚えています。結果的に工場の方の協力もあり、無事に納品することができました。足場は何よりも「安全性」が大事。品質に妥協せず、安心安全な製品を市場に供給する事ができて本当によかったと思っています。

その後「ヘリオムーブ」の問い合せが途絶えることはなく、販売開始から半年ほどで600台を納品するほど、すでに人気製品へと成長。マーケットインの開発が主流である業界の中で、プロダクトアウトの新製品がここまで市場に受け入れてもらえた事は大きな自信に繋がりましたね。現在は、実際に現場で使用している方々の声を基に、更なる付加価値をつけられる様、引き続き同製品のカスタマイズに携わっています。

秋田さんの仕事場拝見!

構造を考え、設計する時は一人で集中して仕事ができ、量産化になれば製造、品質保証など部署を越えた仲間とチームでものづくりを進められる。メリハリある環境があります。

自らの知識、技術を注ぎ込み、「ヘリオムーブ」を超える新製品を生み出したい

「ヘリオムーブ」という製品名は「ヘリオドール」というゴールドイエローの色合いが印象的な宝石がその由来。この製品も天板をぐるりと囲むゴールドイエローが外観の特徴であり、宝石から取った「ヘリオ」と移動式を表す「ムーブ」を組み合わせ、「ヘリオムーブ」と命名しました。

3年かけて自分でイチから生み出した製品ですから、当然愛着はありますし、思い入れもひとしお。でも、本音を言えば時間に限りがないのであれば、もっともっと色んな機能や性能に関する検討を突き詰めたかったという思いがゼロではありません。市場が求めるニーズや納期を満たしつつ、技術者として「完全にやり切った」と言えるところまで設計開発を究めたい思いは強いですね。「ヘリオムーブ」は今後もしばらくは需要が絶えないと思いますが、この製品を超える新製品を生み出すことが私の新たな目標です。

今回、自分自身の仕事を振り返ってみて、当社は一人ひとりの志向を踏まえ、その社員がどんな環境で働きたいかを考え、尊重してくれる企業だと感じています。若手のうちからチャンスをもらい、やりたいことをいち早くカタチにしたいという方にはぴったり合う環境ではないでしょうか。安全性の高い足場で世の中の建築を支えるだけでなく、業界の課題解決にも大きく貢献できる、そんな社会貢献度の高い仕事に興味が湧いた方、ぜひ企業研究を通じて、当社事業や製品たちを深掘りしてみていただければ幸いです。

秋田さんの仕事場拝見!

私も今年で8年目。自分の技術を磨くだけでなく、後輩指導にも力を注いでいます。若手のうちからチャンスをもらえる社風なので、いち早く成長できますよ!

企業研究のポイント

「何に関わりたいか」は考えていても、意外とそこに「どんな風に関わりたいか」まで深掘りしている人は少ないのではないでしょうか。「モノづくり」でいうならば、ただ漠然と「モノづくりに関わりたい」だけではなく、「どのように、どの領域で関わりたいか」をしっかりイメージすることが重要だと考えています。たとえば、ひと口に開発職や営業職といっても、企業によってその業務内容や範囲はさまざまです。

当社はメーカーの中でも、開発から販売まで一貫して関われることが特徴です。製品設計開発業務であれば、企画段階からスタートし自ら設計、試作、検証、評価まで責任を持って担当します。ゼロから手掛けた製品がカタチになり、世に出ることは技術者にとって何よりのやりがいになっています。また、営業職であっても、お客さまからの声をもとに製品の改良や開発に関わることが可能です。これも高いシェアと優れた技術、ノウハウを持つ当社ならではの関わり方だといえるのではないでしょうか。

「誰が」「どんな場面で」「どんな風に必要な(役立つ)モノ」なのか…。自分の仕事が製品にどう活き、それが社会にどう貢献できるのかをより具体的に想像することで、ミスマッチが少なくなりますよ。(総務人事本部 人事部 人材開発課)

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あらゆる建設工事に欠かすことのできない「足場」。学生の皆さんも、実は街中で多く目にしているはず。「アルインコ」の業界シェアはトップクラス。

マイナビ編集部から

アルインコのコアビジネスである、建設用「足場」と聞いて、すぐにイメージが浮かぶ人は少ないかもしれない。しかし、少し意識してみれば住宅から中・高層ビルの建築まで、「足場」はあらゆる建設工事現場に欠かせない仮設機材だということがわかるだろう。

そんな「足場」の製造・販売・レンタルでトップクラスのシェアを誇るのがアルインコだ。東証プライム上場の大企業でありながら、若手のうちからチャンスをもらえるのが大きな魅力。「『ヘリオムーブ』の開発も上司から声を掛けてもらい、チャレンジしたのが事の発端。成長につながる経験が積めました」と秋田さん。アルミ製の移動式室内足場は他社も開発しているが、他にない新たな構造がヒットにつながり、特許申請という付加価値をもたらした。

建設に関わる安定的事業を基盤にフィットネスや無線電子機器など事業の多角化を進めてきた同社だが、ただやみくもに事業を拡大してきたわけではない。景気などの外的要因に左右されない強固な企業へと成長するため、各業界のNO.1を目指すことでバランスのとれた事業展開を実現しているのも特徴だ。歴史と実績のある安定した土台のもと、これからも時代とともに変化し挑戦を続けるアルインコにぜひ注目してもらいたい。

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コアビジネスの「足場」以外にも、フィットネス関連製品や無線機器のメーカーでもある同社。さまざまなモノづくりに関わることができるのが特徴だ。

会社概要に記載されている内容はマイナビ2026に掲載されている内容を一部抜粋しているものであり、2027年卒向けの採用情報ではありません。企業研究や業界研究にお役立てください。

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