最終更新日:2026/2/12

庄司建設工業(株)

  • 正社員

業種

  • 建設
  • 建築設計

基本情報

本社
福島県

取材情報

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一般土木から港湾など特殊施工まで!地域のインフラを支えてきた老舗建設会社

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地元で数多くの実績を積み重ね、2022年には100周年を迎える。

庄司建設工業は福島県南相馬市に根差し、港町のインフラ整備などに携わってきた老舗建設会社です。そこで働く従業員たちに、同社と世の中とのつながりや地域社会を支える取り組みなどについて話を聞いてみました。

鈴木善行さん(中央)
東北工業大学工学部土木工学科を卒業後、1986年に入社。相馬営業所で相馬港の維持管理を担当。2001年の本社土木部異動を経て2003年には相馬営業所に戻り、2018年からは次長に。
志賀暖史さん(右)
東北文化学園専門学校建築土木科を卒業後、2019年に入社。土木工事部工事課に配属され、道路工事などを中心に担当してきた。2021年からはほ場整備工事に携わる。
紺野修さん(左)
東北学院大学経済学部経済学科を卒業後、小売業や製造業の会社を経て2014年に入社。総務部総務課の課長として、採用、従業員教育、システム管理など幅広い業務に取り組む。

「港をつくっている」という実感。ビル3階建て規模の構造物を移動させる大規模港工事を経験。

相馬営業所の次長を務めています。入社後はほぼ相馬営業所で過ごしてきました。立地している相馬市は太平洋に面した港町です。相馬営業所では相馬港の維持管理に関わる業務にも従事。私も長年、浚渫(しゅんせつ)などの海洋土木工事に携わってきました。
浚渫とは水中から土砂を取り除くこと。港内には川や海から流れ込んできた土砂がたまり、放っておくと水深が浅くなって船の航行に支障が出てしまいます。これを防ぐため、規定の水深が保てるよう船で定期的に土砂を掘削しなければならないのです。
このほか震災前にはケーソンの製作や据付工事などにも関わりました。ケーソンとは鉄筋コンクリート製の大きな箱。これを海に浮かべて護岸工事の基礎にするのです。10m以上の大きな物を海上に浮かべて運び、決められた場所に据え付けました。こういったスケールの大きな海洋土木工事は、当社ならではのものではないかと思います。この工事で味わったのは、まさに「自分たちの手で港をつくっている」という感覚です。最近ではケーソン制作・据付工事も少なくなってきましたが、私にとっては大きなやり甲斐が得られた仕事として記憶に残っています。
そういった地域のインフラを支えてきたことが、当社と世の中との最大の接点でしょう。特に当社は280t吊りの大型クレーン付き起重機船なども所有。これは福島県内でも3社ほどしか所有しておらず、ここ相双地域では当社のみの機材となります。当社は相馬港などのインフラを維持することで、地域の暮らしやビジネスを支えているのです。
そういったやり甲斐も大きい半面、仕事には大変な面もあります。特に大きいのは自然を相手にしている点。陸上の仕事と異なるのは、たとえ晴天でも海の状態がよくなければ仕事にならないことでしょう。特に冬の相双地域には蔵王下ろしという冷たい北風が吹くため、海が荒れたり寒さにさらされたりするなど私たちも大きな影響を受けています。
加えて災害などが発生すれば最前線へ出動。消防、警察、自衛隊、役所と共に復旧に当たることになります。当社では東日本大震災発生時も船で作業中だったため、慌てて相馬港から沖合に移動して津波被害から逃れました。私は娘の卒業式で仙台市にいましたが、交通網に影響が出て当日中に戻れませんでした。その帰路では「もっと災害に強い道路をつくらなければ」と強く感じました。
(鈴木善行/相馬営業所次長・1986年入社)

こんなことを心掛けて、業務に取り組んでいます。

建設業の平均年齢上昇を心配し、自身が培った経験を「若手に引き継ぐことが重要」と話す。普段の仕事でも若手育成を図り、技術継承に向けて細かいアドバイスを送っている。

震災復興に携わろうと選んだ土木工事の道。普段通行する橋を手掛けた会社で働く喜び。

土木工事部工事課で働き、これまでに道路工事などに携わってきました。2021年からは水田や畑などのほ場整備工事を中心に担当しています。この工事ではほ場の面積や状態を調べた後、地震などで崩れたりゆるんだりした地盤を整備。用水路を新たに設けたり、排水路を直したりといった業務にも対応しています。
道路工事は発注元が県や市町村となる公共事業。つまり自治体の土地で行う工事になります。対してほ場整備工事は民間の土地で行われるもの。それぞれの現場に地主様がいらっしゃいます。中には現場で細かいご要望を出されることもあるため、自治体担当者とは異なる形で丁寧に対応するよう心掛けてきました。
仕事ではほ場の地主様や道路沿いの住民から「ありがとう」と感謝されることも。そういったお言葉をいただくと、仕事を通じて自分が地域に貢献できていることを実感します。
私がここで働きたいと考えたのは、自分も震災復興の力になりたいと考えたからです。当時は母の実家が流されるなどの被害も受けました。そんな経験から「将来は建設業界で働きたい」と考え、高校卒業後は建築土木科のある専門学校に進んだのです。
当社を選んだのは地元の橋を架けたのが当社だったからです。趣味の釣りに出掛ける際、その橋をよく通っていたことから「こんな建造物をつくる会社で働きたい」と思い、父親に聞き「庄司建設がつくった橋だ!」ということを覚えておりました。意外かもしれませんが、私も含めインフラ設備を当社が手掛けたことを地域の方は覚えていただいており、それも働く上でのやりがいです。
当社ではこういったインフラを数多く手掛けてきましたが、私は車や徒歩で移動するたび、その橋や道をつくったのが当社であることを強く意識してしまいます。庄司建設工業は数々のインフラを建設し、維持することで世の中に大きく貢献している会社なのです。
そんな工事を手掛けてきたのが、大勢の先輩方です。入社当初から優しく、そしてときに厳しく工事や会社のことを教えていただきました。20代は会社全体で20名ほどですが、世代交代を目指し、丁寧に指導してくださいます。
教わったことで特に重要だと感じたのは、とにかく安全管理が大切だということ。どんなに工事がうまくいっても、事故が起きてしまえば評価されません。このことを常に意識して日々現場に臨んでいます。
(志賀暖史/土木工事部工事課・2019年入社)

こんなことを心掛けて、業務に取り組んでいます。

最近ではほ場整備工事を担当している志賀さん。重機なども使う工事では安全管理を強く意識している。食や環境にも関わるだけに、施工中の環境への影響にも気を配る。

若手の採用や教育によって世代交代を進め、地域貢献とともに認知度アップも図りたい。

総務部総務課の課長を務め、採用、従業員教育、システム管理などの幅広い業務に対応しています。当社で本格的な新卒採用に取り組み始めたのは、定年を迎えた上司の後を引き継いで担当した2019年からです。とはいえ少子高齢化やコロナ禍などの影響もあり、建設業界にはなかなか若者が入ってこない状況となっています。
いまでこそ新卒採用にも力を入れていますが、2011年の東日本大震災以前は一時期採用を控えていました。ただここ5~6年ほどは、人々に貢献できる仕事をしたいと考えている方を中心に毎年5名前後を採用。この先も含めて安定的に採用できそうだと手ごたえを感じています。
そもそもこうして積極的に新卒採用に取り組んでいるのは、従業員の年齢層が上がっているという問題があるためです。社内の平均年齢は50代となっており、定年再雇用も含めると60代以上で働く層も約3割に上っています。元気があるうちはいいのですが、年齢的な体力低下は止められません。限界を迎える方も出てくるのではと予想しています。
このため若手を採用すること、技術面も人格面も教育を施して世代交代を進めることは、当社にとって喫緊の課題となってきました。ただし現在はコロナ禍もあり、やりたいことややるべきことができていない状態。状況を見ながら、少しずつやるべきことの環境づくりを進めていきたいと考えています。
合わせて建設業界全体として大きな課題となっているのが、慢性的な人手不足です。少ない人数で業務を回していくには、デジタル化やICTの活用が欠かせません。同時に若手への技術継承を進めることも必要。採用だけでなく、従業員教育の環境整備も進めることが必要でしょう。
そうして取り組んでいきたいのが、建設工事を通した地域貢献です。当社は道路、橋、建物といった地元の暮らしを支えるインフラを数多く手掛けてきました。こうしたインフラは、普段生活している限りなかなか気にしない物。当社も地元でこそ、そういった会社として知られているものの、今後はもっと広く認知されるようPRすべきではないかと感じています。
ちなみに建設業以外では、デイサービスなどの介護施設やフィットネスジムなども経営。こういった事業も当社の認知につながっているようです。
(紺野修/総務部総務課課長・2014年入社)

こんなことを心掛けて、業務に取り組んでいます。

震災直後に比べ、現在では積極的に若手を採用しているという紺野さん。職場への定着を目的に、総務部門として教育や相談対応など若手をサポートできるよう心掛けている。

企業研究のポイント

企業研究を行う際には、その企業の独自性に注目してほしいと思います。同じ建設会社でも得意分野はさまざま。どんな特徴を持っているかで、取り組める工事や働く現場に大きな違いが出てくるのです。
当社の場合は海洋土木工事に取り組んでいることが特徴。これは国と福島県からの受注業務で、相双地域でも担当しているのは当社が中心です。携わる建設会社の多い道路工事などと違い、受注先が限られる海洋土木工事には独自のノウハウも必要です。現場を見学した学生からは「驚いた」「興味が湧いた」との声を聞くことも少なくありません。
また労働環境面では遠方への転勤がないことも特徴。当社は地元密着型企業のため、勤務先は南相馬市の本社と相馬市の相馬営業所のみとなっています。震災後には道路復旧工事などが多かったものの、現在はほ場整備工事が増加。そういった案件に数多く取り組んでいることもあり、除染関係の案件には基本関わっていません。
このほか2022年には100周年を迎えることもポイント。これは地元で確かな実績を積み重ね、信頼を築いてきたことを示す証となっています。
企業研究では建設会社というイメージだけで研究先を絞らないことが大切です。いろんな企業を見比べれば各社の特徴も把握でき、興味が持てるかどうかも見えてくるはず。そういった中で自分と合う職場を見付けていただければと思います。
(紺野修/総務部総務課課長・2014年入社)

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相馬港の維持管理業務など、海洋土木工事にも携わる庄司建設工業。大型クレーンを装備した起重機船を擁するなど、相双地域でも独自の強みを持った建設会社となっています。

マイナビ編集部から

取材を通じて感じたのは、地元との強固なつながり。庄司建設工業は道路工事、建設工事、海洋土木工事などで街づくりを支えるほか、ゴミ拾いや献血など地域活動にも取り組んでいた。
そんな企業姿勢の基盤とも言えるのが、五つの文からなる経営理念だ。その中には「地域から信頼され愛される企業をめざします」との一文もあり、地元密着姿勢の浸透が図られていた。
建設会社としての庄司建設工業は、現場での工事を担当する会社。紺野さんによると、工事にやり甲斐を感じるタイプが向いているという。60代が従業員の3割を占めるなど社内の年齢層が高いものの、その分若手の採用にも積極的なようだ。さらに社内にも世代交代が重要視されている雰囲気があり、先輩従業員も若手の指導や教育に力を入れている様子。今後を見据えれば、この点は若手にとってメリットではないかと感じられた。
ただしその中に飛び込むには、年齢層が離れた層とのコミュニケーションが必要になる。現場の規模にもよるが、大勢の関係者と工事を進めていくだけにチームワーク意識も欠かせないだろう。紺野さんは「体育会系の方が向いているかも」と話していた。
そんな建設会社らしさもあるものの、取材対象者によると職場の雰囲気は良好。全体の1割と人数は少ないものの、女性の技術者や事務職も活躍中だ。結婚や子育てを経て復職するなど長い勤める女性も多く、育休取得率は100%となっている。

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庄司建設工業では道路工事や水路工事にも取り組み、地元のインフラ整備を支えてきました。ゴミ拾いや献血活動も行うなど、多方面から地元に根差した事業を展開しています。

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