最終更新日:2025/6/1

日信化学工業(株)【信越化学グループ】

業種

  • 化学

基本情報

本社
福井県

取材情報

先輩100人100の就活

機能性樹脂の研究・開発・製造を支える、風通しの良い環境と人間関係

  • 理系学科系統 専攻の先輩

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社員間の交流で「未来の素材を化学で拓く」がさらに躍進

快適な暮らしを支える様々な製品。それらに使われている機能性樹脂を研究・開発・製造しているのが日信化学工業だ。大好きな化学に没頭して働く若手二人に、自身の就職活動や働く楽しさについて聞いた。

左:T.Uさん 研究所 第一研究室(福井大学工学部 材料開発工学科※ 大学院卒業 ※は現 物質生命化学科)
右:A.Sさん 研究所 第二研究室(福井工業高等専門学校 物質工学科、環境システム工学専攻卒業)

他部署とのコミュニケーションが仕事へのヒントや気づきになり、研究がさらに充実していく

きっかけは、高校2年生の時に行った化学の授業での実験です。成功や失敗という結果以上にその工程、つまりイメージを持って実験することや、どうすれば上手くいくのかを考えていくことに楽しさと面白さを見出しました。自ずと大学でも実験・研究ができる工学部に進学しました。大学3年時の就職活動では、「研究職で新しいモノを作って、売れたらいいな」と夢見る一方、大学で実験・研究を続けたいと考えるように。悩んだ結果、大学院を選択。大学4年時にはエマルジョンを、大学院ではリポソームをそれぞれ分析し、結果を出すことができました。日信化学との出会いは、地元イベントの企業ブースでした。信越化学は大手企業として知っていましたが、日信化学は初めて聞く社名。目には見えない、でもいろいろな製品に不可欠な“縁の下の力持ち”的な機能性樹脂を扱っていることを知り、驚きました。その後、事業内容を調べて候補企業とし、見学やインターンシップで感じた働きやすさや人の良さが入社の決め手になりました。

現在はコーティングや塗料、インキ、接着剤などに使用されるソルバインの研究に従事しています。新製品の開発や、ソルバインをいろいろなモノに入れて評価したり、新規用途のために組み合わせなども研究中です。実は、入社直後は生産技術に関する業務を行っていました。生産の効率化や開発など現場業務で、研究職とのギャップがあり、戸惑ったり、悩んだり、わからないことが多い日々でした。しかしその都度、先輩に聞いたり、自ら考えたり、困ったらまた先輩に相談したりを繰り返すことで少しずつわかってきましたし、今となっては現場の理解が研究にも生かされています。また、営業社員と共に、メーカーとの打ち合わせに同席もします。社内とは異なる視点や意見、アドバイスを貰える良い機会で、勉強にもなっています。かといって、入社4年目の自分は大きく成長しているかといえば、まだまだ発展途上。一歩ずつ確実に進んでいれば良いと思っているところです。

職場は風通しの良い雰囲気で、仕事のしやすさを実感しています。研究所の社員は約30名。部署や分野は違ってもいろいろな話をしますし、違う分野からの視点が研究のヒントや気づきになることもあります。それらを生かして暮らしに役立つモノを研究していきたい。そしていつか製品化され、目に見える形になることを目指しています。(T.Uさん)

就職活動時や就職後に役立った、学生時代の経験

よさこいで、県外に踊りに行くこともあったT.Uさん。「県外の方との交流で価値観の違いや考え方を知り、視野も広がりました。いろいろな所に行くのは勉強になります」

困りごとの改善や提案、自由度が高い様々な研究を通じて、自分なりのやりがいを見つける

理科や化学が好きで、高校進学時には高等専門学校(高専)を進学先に選択しました。高専は3年時から合同説明会等に参加できますが、当時はまだ将来の構想が曖昧で、就職か進学かでとても迷っていました。高専4年時になっても気持ちは定まらず、流されるまま秋頃から皆と一緒に就職活動を始めましたが、最終的には進学への想いが強くなり、専攻科(2年間)へ。本格的な就職活動は、専攻科1年時の秋頃から始めました。合同説明会でいくつかの企業を回り、企業説明会や工場見学にも参加するうちに、仕事をする上で自分が譲れないポイントがわかってきました。私の場合は、休日が120日以上、通勤距離が遠くない、業務に見合った給料、そして自分が学んできた化学が活かせること。それらを総合した結果、出会ったのが日信化学工業でした。

入社から約5年間は検査分析グループに在籍していました。製品が規格内であるかはもちろん、試作品との比較や新機能の確認、外部からのクレームに対する原因追及などを行っていました。その後、2020年秋に現部署に異動になり、現在は壁紙処理剤の研究開発に携わっています。研究らしい一からものを作るという仕事だけでなく、新しい技術の確立や、お客様のご要望・お悩みに合わせた製品の改良・改善・提案、原料変更による既存品への影響調査等を行っています。研修で一度お世話になったとはいえ、異動となると改めて学び、覚え、実践することが多くなりましたし、お客様や他部署との関わりも増えました。もちろん、わからないことやできないことはまだまだあります。そんな中でも心がけているのは、PDCA(Plan、Do、Check、Action)を意識し、良い結果も悪い結果もしっかりとまとめることです。

研究は検査分析とは違って、得られた結果が正解、答えとは限りません。結果を整理してまとめておくことでそれがいつか役に立ち、新しい研究に繋がるかもしれない、そういう意味では、やりがいも感じられるようになってきました。気になるテーマで自分なりに考えたり、試作をしてみたり、自由に行動できる環境もやる気につながっていると思います。好奇心でやってみた実験で、新たな発見や気づき、驚きがあるのはとても楽しいです。

キャリアチェンジによって多方面の分野を経験できるのはありがたいことですから、まずは今の仕事に慣れるために、目の前のことを頑張ろう!それが目下の目標です。(A.Sさん)

就職活動時や就職後に役立った、学生時代の経験

企業説明会や見学会の後は手書きのお礼状を送っていたというA.Sさん。「名前を覚えられ、その後の説明会では声もかけられ、さらにいろいろな話を聞くことができました」

自分の内面を知り、仕事への軸を自覚する。インターンシップでは、“働くこと”を実感しよう。

企業研究で大切なことは、「自分は何をしたいのか」という軸を持つことです。私の場合、大学3年時の就職活動で、「自分は研究職に就く」という確固たる軸ができたことで、本番では迷わず、ブレることがありませんでした。そして、もう一つの軸が人です。仕事をする上で人との関りは必要不可欠です。働く人達を知る方法として合同説明会や企業見学がありますが、私がおすすめしたいのはインターンシップです。できれば1日だけでなく、2~3日や1週間など日数があるほうがベターです。というのも、やはり1日では何もわかりませんし、わかったとしても上辺だけ、その時だけの可能性も大きいのです。それよりも数日間体験して、人はもちろん人間関係、職場環境、流れる空気感などを実感したほうが良いでしょう。私は日信化学で2週間のインターンシップを経験しました。いろいろな業務経験の他、人の良さや働きやすさを実感することができました。見学や説明会で見聞きするのも良いですが、やはり体験に勝るものはないでしょう。(T.Uさん)

自分はどんな人間なのか? そして自分に向いている業種、職種は何なのか? 学生時代、特に企業研究をする時期は、まさにこのようなことを考える時期だと思います。自分にしっかり向き合い、考えてみる。自分でわからなければ、家族や友人に聞くのもいいと思います。自分のことがわかれば、企業研究で企業を調べていく中で、好きなことや興味のあること、仕事をする上でゆずれないポイントが必ず見えてきます。私の場合は、休日や通勤距離(時間)、給料などがそうでしたが、すべてにおいてバランスが取れていることが基本です。給料が多くても休日が少ない、逆に休日が多くて給料が少ない、どちらも違うと思うのです。ゆずれないポイントとのバランスを考えながら、企業をチェックしていきましょう。それと、気持ちの持ちようも大切です。上手く進まないからすべてがダメになるわけではないし、自暴自棄になる必要もありません。必要以上に気負わず、自身の直感を信じてみるのも良いと思います。(A.Sさん)

就職活動時や就職後に役立った、学生時代の経験

市場が求めているものや、次世代に求められるものを予測しながら、ユニークな発想や創造力、豊富な経験、実績を組み合わせ、チームワークで新素材を作り出していきます。

企業研究のポイント

信越化学工業グループの一員である日信化学工業は、塩化ビニル系樹脂やシリコーン系樹脂、合成樹脂エマルジョンなど機能性樹脂の研究・開発・製造を行っています。研究・開発は一朝一夕ではできません。でも、自由な社風と職場環境、自由に意見が言い合える良好な人間関係が研究・開発のベースとなり、より良い製品につながっています。このような会社の環境をよく知るためにも、インターンシップはできるだけ早い時期から動きましょう。多くの企業を見ることができますし、2~3日間の内容であればより深く知ることができます。インターンシップを有意義なものにするには、資料では知り得ない「自分が聞きたいこと」を準備しておくこと。例えば、研究や開発に関する具体的な質問や資料やデータから見えてきた疑問などです。積極的に質問することで、自分に合った企業を見つけることができます。

企業研究やインターンシップでの注意点は、話をしっかり聞くこと。当然のことですが、意外にも企業に訪問する機会があっても、話を聞いていない人やよそ見をしている人がいます。常識は知っておくべきですし、社会人として必要不可欠です。また、企業が自社の欠点を話してくれるかもポイントです。それが担当者の方の個人的な意見であればなお良し。ホームページに掲載されていない内容こそが企業研究に必要な情報です。社風や職場環境、人間関係など、企業の本当の姿が見えてくるでしょう。

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信越化学工業グループの一員で、塩化ビニル系樹脂やシリコーン系樹脂、合成樹脂エマルジョンなどを製造。汎用樹脂の力を最大限に引き出すことを目指しています。

マイナビ編集部から

快適な暮らしや社会に欠かせない様々な製品。製品や製造の改良に欠かせないのが、日信化学工業が研究・開発・製造を続ける機能性樹脂である。「未来の素材を化学で拓く」を企業コンセプトに、研究所内で約30名の社員が日夜、励んでいる。研究というと「自らの研究だけに没頭している」とイメージしがちだが、同社では社員間のコミュニケーションが盛んで、まったく違う分野からの視点が研究のヒントや気づきにもなるとか。それに製造・販売・営業などの幅広い業務を経験することもでき、それがまた研究をより深く、広く、有意義にさせることにもつながっているようだ。今回、2人のインタビューを通じて、職場の風通しの良さと自由度の高さ、そして学生時からの「化学好き」をさらに深められていることも知ることができた。

機能性樹脂は見てすぐにわかる表面的なモノではなく、むしろ隠れてしまう“縁の下の力持ち”的存在である。「目に見えないので、“何作っているの?”と聞かれても説明が難しい」(T.Uさん)というのも頷ける。そんな状況を打破する試みの一つが、同社の「モノづくり出前講座」である。子ども達が同社製品に触れながら、“縁の下の力持ち”の凄さを実感するというものである。「機能性樹脂に興味を持つ良い機会になればうれしいです」(T.Uさん)の言葉通り、子ども達の学びや探究、就職などの将来にも役立っていくはずだと感じた。

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化学に長けた人材が集まり、個々の力を発揮することで、知識や情報、技術の質はさらに向上。その結果、世界を驚かすような素晴らしい新素材や製品が誕生しています。

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