最終更新日:2025/6/27

関西設計(株)【カナデビアグループ】

業種

  • 建築設計
  • 機械設計
  • 機械
  • 建設コンサルタント
  • プラント・エンジニアリング

基本情報

本社
大阪府

取材情報

記事で読む社会科見学

巷で人気のあのアトラクションも、実は関西設計の仕事です

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多彩な事業分野に携わる高度な技術で業界内の知名度アップ!

建築・土木、産業機械の構造設計で培った確かな技術が認められ、遊戯施設でも力を発揮する関西設計。意外と知られていませんが、アレもコレも実は私たちが縁の下の力持ち!そんなプロジェクトについて紹介します。

【EXPOCITY大観覧車プロジェクト】
■久保 竜也さん
建築設計部 部長/2002年入社

【日本最大級ウォータースライダープロジェクト】
■貴島 啓介さん
建築設計部/2020年入社

高さ日本一×世界初の免震構造!EXPOCITYの大観覧車プロジェクトで知ったものづくりの醍醐味

大阪万博エキスポランド跡地に日本一の高さとなる123mの大観覧車をつくる──。そんな依頼が舞い込んだのは2013年のことでした。2007年に建築基準法が改正され、高さ60mを超えるものは国土交通省の大臣認定が必須となって以来、該当する遊戯施設の建設実績は国内では皆無。本件が法改正後の全国初の適用物件となり、当社にとっても前代未聞の挑戦になりました。

もともとは耐震構造で設計を開始しましたが、建設予定地が活断層の北端に位置し、万が一大きな地震が発生すると相当な揺れが生じることが判明。耐震構造で対応するには国内の既存観覧車に比べ、数倍の寸法の鋼材が必要になること、接合部の取り合いが難しいことに加えて、中心軸径が過大となり陸上輸送の限界を超えるという致命的な問題が発生しました。そこで急遽、免震構造への転換を決め、従来建築物で実績のある基礎免震の採用へと踏み切りました。

耐震構造から免震構造へ。言葉にするのは簡単ですが、実際の免震設計は困難を極めました。すでに進んでいた計画を変更するとともに、回転輪の繰り返し応力の疲労や風による渦励振・ガスト応答の疲労を考慮した設計、縮小模型を用いた風洞実験を実施。また、社内のチェック&デザインレビュー(DR)には、主担当に加え、役員・職制とともに精査に取り組みました。そして1年半という膨大な時間を費やし、ついに大臣認定の審査をクリアすることができたのです。

そしていよいよ建設へ。組立工事では100m以上の高所作業と重量物の設置作業の両方をこなせる国内有数の鳶職人の協力を得て、着実に進行していきました。私自身も積極的に工場や現場に出向き、ともにものづくりをする仲間との信頼関係づくりに注力。設計にとどまらず製作・工事の最前線に足を運んだことで、多くの専門家や業種の存在を知ることができ、積極的に関わることの大切さを学ぶことができました。

そしてプロジェクトの始動から足かけ4年。2016年7月にエキスポシティにてお披露目された「日本一の大観覧車」は数多くのメディアに取り上げられ、今も地域のランドマークとして愛されています。(久保さん)

関西設計のとある1日

立場的には私が上司ですが若手技術者から学ぶことも多々あります。例えば、テーマパーク通の貴島さんから園内の施設配置を教えてもらったり。勉強になります。(久保さん)

日本最大級のウォータースライダーの構造基準を検証!前例のないものづくりを陰で支えるやりがい

私はテーマパークが大好きで「遊戯施設やイベント施設に関わる仕事がしたい」と考えたことから、関西設計を志望しました。当社は建築・土木構造物や産業機械の設計技術を生かし、遊戯施設の構造設計でも力を発揮しており、【EXPOCITY大観覧車プロジェクト】の成功でアミューズメント業界での注目度がより高まっていると感じたのが入社の決め手です。しかし、私は学生時代に構造設計を学んだことがなく、専門はメディアデザイン。入社後に一から勉強し、知識や技術を蓄えていきました。

入社当時はコロナ禍だったため2年目までは遊戯施設の案件はほぼなく、3年目ごろからテーマパークのイベント案件(小規模のステージやパネルの構造計算)を任されるようになりました。4年目についに新規で遊戯施設の許認可、具体的には対象となる構造物の安全検証や設計図書の作成、建築確認の取得などを担当。ここでは、私が携わった【日本最大級ウォータースライダープロジェクト】についてお話したいと思います。

日本最大級の遊園地として知られるとある施設が、建設を決めたのが海外製の日本最大級のウォータースライダーです。同社製のスライダーは国内にすでに複数台導入されていましたが、今回は既存のものを上回る高さと大きさを誇る施設。巨大なメガホンのようなファンネル(ろうと)が特徴的なスライダーとなっており、最高部の高さ約30m、コース全長約140m、最大傾斜約50度という絶叫必至のアトラクションです。

テーマパーク好きの私としては心躍る仕事だったのですが、海外製の施設が国内基準を満たしているかを確認するのは想像以上に至難の業。暴風時の荷重などを検証する項目が多いうえに、検証過程で設計調整が必要なことがわかり、本国とのやり取りが必要になってしまいました。また、通常は海外製の鉄骨を使うのですが、今回は短納期やコスト面との兼ね合いから国内での加工というイレギュラーな対応も発生。私一人ではやり遂げることは難しかったかもしれませんが、先輩方にアドバイスをもらえたからこそ半年後の納品を実現することができたと感謝しています。(貴島さん)

関西設計のとある1日

様々な技術を持つ先輩方と同じフロアで働けるので、話を聞いて学ぶことができます。将来は自分の強みを持ち、周囲の役に立てる人材になりたいと考えています。(貴島さん)

それぞれのプロジェクトを終えて。2人の先輩から学生のみなさんへメッセージ

【久保さん】入社から3年ほどはプラントや装飾塔(モニュメント)などの部分的な構造設計に携わり、徐々に規模の大きな案件を担当するようになりました。今もよく覚えているのは、入社5年目ごろに携わったごみ焼却施設一棟丸ごとの設計です。

私は構造設計の担当者兼プロジェクト全体の取りまとめを担い、意匠設計や設備設計など他分野の設計者、関係する各業者を指揮する役割を任されました。まだ若い当時の私にとって、設計に携わりつつプロジェクト全体を俯瞰し、多くの関係者をマネジメントすることはとても大変な仕事でしたが、この経験があったからこそ「大観覧車プロジェクト」を成功に導けたと自負しています。

事業部の部長になってからは最前線で設計に携わる機会は減りましたが、日ごろから部下や後輩に伝えているのは「旗振り役としてのスキルは早くから磨いたほうがいい」ということ。一つの構造物を完成させるために、多くの人が関わっていると知ることでお互いの仕事を理解し、尊重しながら調整し合うことで、より良いものづくりにつながると感じています。大きな仕事で成功を収めるためには日ごろの地道な努力が大切。小さな積み重ねがビッグプロジェクトで花開くことを、学生のみなさんにもぜひ知ってほしいと思います。

【貴島さん】日本最大級のウォータースライダープロジェクトでは、建設段階とオープン時に現地に足を運びましたが、巨大な遊戯施設を目の前にして感じたのは「すごい」の一言。机上ではわからなかった、圧倒的な大きさと高さに言葉を失ってしまいました。当時まだ入社3年目の私に責任ある仕事を任せ、「やってみたい」という意欲を後押ししてくれた会社は、本当に懐が深いと思います(笑)。

今後も様々な経験を積み、その実績が評価されてオファーをもらえる設計技術者になることが私の目標です。当社は営業がいないので、お客様から評価されるには仕事で成果を上げることが必須。逆に言えば、自分の力でビジネスチャンスを生み出し、結果を出すやりがいが味わえます。技術に軸足を置きつつ営業的な提案力も発揮できるなんて、すごく面白いと思いませんか?幅広い役割を担い、自分の可能性を試してみたい人にとって関西設計は格好のステージだと思います。

関西設計のとある1日

「貴島さんは案件開始前の条件確認が強み。すでに見積にも携わり、マネジメント力にも期待しています。あとは…おいしい飲食店に詳しいのも頼れるポイント!」(久保さん)

企業研究のポイント

学生のみなさんに伝えたいのは、なるべく多くの企業との出会いの場を設けること、自分の軸を持つことの2つです。話を聞ける機会があれば足を運び、人事担当者はもちろん、先輩社員のリアルな声にも耳を傾けてみてください。また、自分が何を大切にしているのか、譲れないものは何なのかを分析し、できるだけ希望を叶えられる職場を選んでください。

ちなみに私は建築業界、遊戯施設に携われる仕事、大阪をキーワードに企業研究を行っていました。これらすべてが揃っていたのが当社だったのですが、後押しになったのが私服OKという環境です。私は学生時代からファッションに興味があり、私服で働けることにも魅力を感じました。実はこのファッションへの興味は実際に仕事でも役立っています。例えばテーマパークの方々と打ち合わせをする際に、トレンドを意識した服を着ていると「新しいアイディアを提案してくれそう」という好印象を持ってもらえます。このように技術者=堅いという先入観を覆し、さりげなく自社の新たな一面を示しているのも当社の魅力の一つではないでしょうか。建築設計に携わる会社も一歩掘り下げればそれぞれ個性があるので、ぜひ色々な企業を調べてみてください。
(2020年入社/建築設計部 貴島啓介さん)

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各分野のプロたちが知識・技術を結集することで成功した「大観覧車プロジェクト」。魅力的なランドマークであり続けることを願い、また新たな挑戦を続けていきます。

マイナビ編集部から

高度な技術力で建築・土木構造物をはじめ、プラント、産業機械、遊戯施設、船舶、海洋構造物など、様々な分野の設計・エンジニアリングをトータルに手がける関西設計。カナデビア(旧日立造船)グループという安定基盤のもと、総合エンジニアリング会社として成長し続けている。

この取材では建築設計部の部長と若手技術者のお二人にインタビューを行い、アミューズメント施設の人気アトラクションを陰で支える仕事の面白みについて伺った。「EXPOCITYの大観覧車プロジェクト」をきっかけに遊戯施設案件が増え、アミューズメント業界内での認知度が格段に上がったんですよね?と尋ねると、「いえいえ、それは先輩たちの技術と実績があったからこそ」と久保部長。「構造と産機での技術の礎が評価され、その融合体のような遊戯施設へとつながりました」と教えてくれた。現在は貴島さんをはじめとする若手の成長も著しく、業界内では関西設計が遊戯施設分野で広く認知されるようになっているようだ。

社長も「さん付け」で呼び合うフラットな社風は風通しがよく、取材時も穏やかで温かい雰囲気を感じた。関西設計ならではの仕事の醍醐味や社風に少しでも興味があれば、ぜひ同社を企業研究の一社に加えてもらいたい。

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オープンでフラットな社内では、若手・ベテランの区別なく、チームとして自由にディスカッションしたり、アドバイスしたりと、一人ひとりが伸び伸びと働いています。

会社概要に記載されている内容はマイナビ2026に掲載されている内容を一部抜粋しているものであり、2027年卒向けの採用情報ではありません。企業研究や業界研究にお役立てください。

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