最終更新日:2026/5/21

大日本塗料(株)【東証プライム上場】

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大阪府

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プロジェクトストーリーを紹介したい

雲の中で塗料を塗る!

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~スカイツリー(R)を実現した技術者と営業~

◆千葉健一郎さん/技術開発部門開発部/1998年入社/大学院了
◆桜井康之さん/塗料事業部門構造物塗料事業部/2007年入社/経済学部卒

世界一高い電波塔、スカイツリー(R)には日本が世界に誇る最先端技術が結集されている。タワーの塗装にはDNTの技術が使われた。スカイツリー(R)プロジェクトを実現させた若手社員たちの活躍を追う。

熾烈な受注合戦を勝ち抜いたのは、DNTの優れた技術があったから

東京タワーに代わる世界一高い電波塔を作る。そのニュースをDNTの営業部門が入手したのは、2008年のことだった。鉄塔を塗装するメーカーとしてどこを使うか。大手塗料メーカー数社の受注競争が始まった。入社2年目の桜井さんに声がかかったのはその頃だ。

「フットワークの軽い若手が必要だったのだと思います。それに私は入社以来、高速道路や橋梁を塗装する塗料の営業を担当していました。大きな構造物の塗装を手がけた経験が、私が選ばれた理由だったかもしれません」

施工会社に太いパイプを持つ先輩社員や上司も加わり、技術系社員も交えて、何度も戦略会議が行われた。桜井さんも末席で必死に議事録を取った。

「当社としても、世界的に注目度の高いスカイツリー(R)の塗装は何としても受注したい案件でした。ですから周囲のプレッシャーは相当なものでしたね。絶対にこの案件を取るのが、私たちの使命。そのためには、他社と差別化できる技術と提案内容が必要でした」

同じ頃、技術側の担当者に抜擢されたのが、当時那須工場の構造物塗料事業部に所属する千葉さんだった。大学院では高分子膜の物性を研究。入社後は建材用の水系塗料の研究や構造物の重防食用上塗り塗料の開発に携わってきた。

「当社は耐候性に優れたフッ素樹脂塗料の厚膜化技術をもっていました。環境に配慮して揮発性有機溶剤(VOC)の排出量を削減し、かつ実際の施工性を考えた塗料使用を提案しました。」

各社しのぎを削る熾烈なプレゼン合戦が行われた。提案書や見積もりの作成、サンプルの制作など、営業部隊はスカイツリー(R)受注に向けて全力を尽くした。技術部門もそれをサポートした。最終的に技術の先進性が評価され、DNTに決定。そのときの安堵感を、桜井さんは今でもはっきり思い出す。

「うれしさより先に、これで社内の期待に応えられたというほっとした気持ちのほうが強かったですね。でも本当の仕事が始まるのは、受注したあと。浮かれている暇もなく、すぐに塗料の開発にとりかかったんです」

営業と技術のお仕事拝見!

測定器で塗料の塗膜の厚さを測定する技術開発部の千葉さん。「塗料が均一に塗られているか、目的の膜厚になっているか測定します。塗料は奥が深い世界です」

「雲の中で塗料を塗るときはどうするんだい?」

鉄塔に使われる鉄骨は、全国にある橋梁メーカーの工場で各部位ごとに手分けして作られることになった。その段階で塗装が行われ、さらに現場に運ばれて組み立てられるときにも塗装が行われる。塗装の仕様や塗り方を均一にしておかないと、組み立てたとき、色や品質がバラバラになり、見た目も耐久性にも問題が出る。営業の桜井さんは全国の工場を飛び回り、品質の統一化と情報の共有化に努めた。

「スカイツリー(R)には大きな注目が集まっていましたから、施工するゼネコンさんの求める基準もシビアなものがありました。お客様と現場をつなぎ、双方の要望や意見を伝えて橋渡しをするのが私の仕事。私のところで情報が変更されないよう、正確さを心がけ、調整役に徹しました」

一方、千葉さんのほうもさまざまな課題に取り組んでいた。

「橋梁のような重防食用途に適用する上塗り塗料は、高い光沢感が求められます。でもスカイツリー(R)は航空機への配慮から、ギラギラさせてはいけない。耐久性を維持しながら、つやを消し、さらに見た目も美しい塗料を開発するのが難しかったですね」

あるとき、那須工場で塗料を塗る職人たちと、サンプルの塗り味を試していた。するとある職人がこんなことを質問した。「雲の中で塗料を塗るときはどうするんだい?」

「今までの常識ではあり得ない問題でした。スカイツリー(R)はあまりに高いので、上部は雲の中に突き出てしまう。雲は水分が多く、塗料が乾きにくいんです。想定外の課題が次々と出てきて、その都度対応に追われました」

全ては手さぐりだったと、千葉さんはふり返る。経験もデータもない中、DNTの威信をかけたプロジェクトは進んでいく。そんな時、千葉さんを支えたのは、若い桜井さんのアクティブな動きだった。

「桜井君は何か問題が出てくると、すぐにお客さんのところに飛んで行って話を聞き、情報を伝えてくれます。スムーズな情報のやりとりが不安材料を一つひとつつぶし、問題が大きくなる前に解決できていました」

それは桜井さんも同じだ。

「お客さんから難しい要望をいただいて、千葉さんに持ち帰ると、すぐに動いて対応してくれました。クイックレスポンスが重要なので、非常にありがたかったですね。『俺に任せておけ』と言った千葉さんの背中がとてつもなく大きく見えましたよ」

営業と技術のお仕事拝見!

実験で出たデータを持ち寄り、結果を解析する千葉さんとチームメンバー。わずかな配合の違いでも機能に差が出る。チーム内での意見交換と情報共有は欠かせない。

歴史的な建造物に関わった誇りが、一生の財産になる

営業と技術、それぞれが連携しあいながら、スカイツリー(R)プロジェクトは進んでいった。基礎だけだったタワーが少しずつ形になり始めるにつれ、千葉さんと桜井さんが現場に足を運ぶ回数も増えていった。基礎が深く掘られた現場に立ち、千葉さんは技術者として新鮮な驚きを覚えたという。

「極厚の鋼材が集まってひとつの柱になり、組み上がっていく。その迫力に圧倒される思いでした。自分はものすごい現場に関わっているんだな、震える思いでしたね。社内の大先輩に本四連絡橋の橋梁の塗装を手がけた方がいます。その人と話していたら、技術者として歴史に残る建造物に携わる経験は一生に一度あるかないかだぞ、と言われました。あらためて、この仕事のやりがいを実感しました」

桜井さんも営業として仕事の面白さをかみしめていた。

「何が面白いといって、普通の人が絶対に行けないところに行けるのがすごいですね。私は塗膜の調査のために、スカイツリー(R)のてっぺん、アンテナの先まで登りました。下は晴れて温かくても、タワーの上のほうは雪が降っている。634mの電波塔のてっぺんに立つと、世界観が変わる気がします」

今スカイツリー(R)は完成し、千葉さんはプロジェクトを離れた。現在は桜井さんら営業部隊と技術の一部が残り、塗装の定期的な調査や分析を行っている。この仕事を通じて桜井さんは見違えるように成長した。

「DNTは若いうちから大きいプロジェクトに参加させてくれます。知識面で不安があっても、チームで動くので、周りの人がフォローしてくれます。私も入社2年目からスカイツリー(R)に関わらせてもらって、自分に自信がつきました」

千葉さんにとっても、心の中ではプロジェクトはまだ終わっていない。

「この仕事は塗装が完了したら終わりではありません。スカイツリー(R)はこのあと何十年も立ちつづけます。その間、私の手がけた塗装がしっかり本来の役目を果たし、20年25年と鉄骨を守りつづけるのか。それを見届けない限り、この仕事はつづいているんですよ」

今、桜井さんと千葉さんは別々の仕事に携わっている。それでもときどき顔を合わすと、二人の会話はきまってスカイツリー(R)の話になる。歴史的な建造物に関わった二人の挑戦はまだ終わっていないのだ。

営業と技術のお仕事拝見!

営業の桜井さんは羽田空港の滑走路や晴海のゲートブリッジなど大型案件にも関わっている。「お客様の要望を聞き、技術につなぐのが楽しい」と笑顔で語る。

学生の方へメッセージ

〔千葉さん〕塗料は液体の状態で出荷しますが、塗ったあとは塗膜になります。私たちは液体の段階と塗膜になった状態の両方ともに責任も負わなければいけない。とても手間がかかる製品です。でもそれだけに面白い。どこまでやっても飽きるということがありません。会社は「人」が素晴らしく、みな親切で面倒見がいいのが特徴です。定着率も高いですし、とても働きやすい会社だと思います。

〔桜井さん〕私は入社する前は、塗料のことをまったく知らず、興味もありませんでした。でも実際に関わってみると、塗料はものすごく深い世界で、ぐいぐいひきこまれてしまいました。私のように文系の人間で、塗料について何も知らなくても、心配はいりません。社内は若い人が多く、話しやすい雰囲気です。早い段階から大きな仕事をまかせてもらえるので、やりがいを持って仕事ができますよ。

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大日本塗料の採用ホームページにも様々なプロジェクトに挑む社員たちが登場しています。是非ご覧下さい!

マイナビ編集部から

大日本塗料は創業90年以上になる総合塗料メーカーである。塗料と聞くと、家庭用のペンキを連想する人が多いが、同社の場合は家庭用より産業用塗料で躍進をつづけている会社だ。サビや風雨、太陽光などによる劣化を防ぎ、いつまでも表面の美しさを保つには、同社の技術が欠かせない。その製品は自動車や建物の外壁、橋や高速道路の橋脚や側面などにつかわれている。さらに同社には塗料を塗ることによって、抗菌・抗ウイルス性を付与したり、光や音をはねかえす製品もある。顧客のニーズを徹底的に分析することにより、他社に先駆けて、高付加価値の製品をいち早く開発できるのが、同社の強みといえよう。
社内はベテラン、若手の交流も活発で、安定感もある。取材では栃木県にある那須工場を訪問したが、若い社員が伸び伸びと仕事に取り組んでいる姿が印象的だった。社員同士の会話から生まれる温かさといったものを大切にしている会社である。研究開発職、営業職とともに、じっくり仕事をきわめたい人にぜひおすすめしたい会社である。

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大日本塗料の製品は産業界のあらゆる製品に使われているため、拠点は日本だけでなく、世界各国に広がっている。

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