最終更新日:2025/6/3

倉敷ボーリング機工(株)

業種

  • 金属製品
  • 化学
  • 受託開発
  • 検査・整備・メンテナンス

基本情報

本社
岡山県

取材情報

知識ゼロからの専門職

未知なる世界に踏み込んだからこそ、可能性は無限大に広がり続ける!

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「溶射って何?」から始まった、三者三様の挑戦。

見たことも聞いたこともない。当然専門知識は一切ない。けれど「だからこそ、挑戦してみたい」。そんな純粋で前向きな好奇心に従って溶射の世界に飛び込んだ、3名の若手社員にそれぞれの“今”を語ってもらった。

◇製造部 生産管理グループ 濱田 菜々子(2022年入社/工学部卒/写真左)
◇経営企画部        平松 柚葉(2023年入社/教育学部卒/写真中央)
◇研究開発部        藤井 柊平(2020年入社/工学部卒/写真右)

【経営企画】国語教員志望から、“理転”就職。溶射技術の魅力に迫る日々。

高校教員を志して教育学部で学んだ私は、得意の古典とはまったく畑違いである技術系の業界にチャレンジしました。なぜなら、4年間文学・古典をしっかり学んだことで、かえって未知なる理系の世界に興味を持ったから。技術職となるとハードルが高かったのですが、技術力を強みとする企業の営業職や事務職なら、文系出身の私でもその技術の一端に触れられるのではないかと思ったんです。そこで非技術系の職種に絞り、製造関連の企業をリサーチ。その中で当社は、教育学部での学びがもっとも活かせそうな人事関連の部署の求人があったので、面接を受けてみることにしました。

入社後、配属先の経営企画部では主に、企業サイトやブログ、社内報の作成のほか、取材を受けた際の原稿チェックや安全保障貿易管理に関わる手続きなどを行っています。当社の取引先の中には海外に工場を構える企業も多く、溶射加工を終えた製品を当社から直接海外に発送することも少なくありません。溶射で形成した皮膜の成分によって外為法の規制対象となることもあるので、海外発送の可否を見極め、最適な処理・手続きを行うのも重要な業務の一つです。

経営企画部はとにかく業務の幅が広く、また溶射はそもそも専門性の高い技術のため、私の周りでは日々聞いたことのない専門用語が飛び交います。新入社員研修で基本的なことは一通り学んだものの、文系出身の私はそれだけでは知識が追いつかないことも多々あります。なので、溶射のテキストを常に携え、分からないことがあれば即調べたり先輩に教わるなど、見聞きしたことはすべて吸収するつもりで、とにかく懸命に学び続けているところです。

現在は、「技術の一端に触れたい」という私の想いを存分に汲んでいただき、県外で開催される展示会などにも社長が積極的に同行させてくださるので、日々充実を実感。この恵まれた環境、そして身に余るほどのチャンスを与えてくださる周囲の期待に応えるためにも、学びと成長の歩みを止めることなく前進し続けたいと思っています。
◇経営企画部/平松 柚葉

知識ゼロから挑戦した先輩社員3名が思う、「倉敷ボーリング機工(株)」の魅力とは。

「業務領域が広く、成長途上の私には学ぶべきことだらけ。とはいえ、休日はしっかりとれるので、友人と遊びに出かけてしっかりリフレッシュしています」(平松さん)

【研究開発】未知なる溶射の世界に飛び込み3年半。新たな技術の確立に挑む。

工学部時代、主に金属素材や電気・電子について学んだ私が「溶射」という未知の技術に興味を持ったのは、「なんとなく面白そう」という漠然とした好奇心からでした。情報サイトでたまたま当社を見つけ、作業風景や検査業務を体験できるインターンシップに参加。高度な技術に驚きつつも、想像以上に幅広い分野で広く活かされていることを知り、ますます心惹かれるように。学生時代の専門領域とは異なりましたが、「工学分野での研究開発職」という希望には合致していたため、思い切って挑戦してみようと思ったのです。

溶射とは、溶融した材料を製品表面に吹き付け皮膜を作る技術のことで、材料は金属やセラミック、プラスチックなどがあります。また、その形状も粉末やワイヤー、棒状のものまで多岐にわたります。研究開発職の使命は、その膨大な選択肢の中からクライアントの要求に最適な材料・加工条件を特定すること。さらに、溶射後の製品検査や不具合発生時の原因究明なども行っています。

受注開発と同じく重要な業務なのが、自社ノウハウの拡張を目的とした新溶射技術の確立です。中でも私は現在、粒径の小さなセラミック材料を用いた皮膜形成技術の確立に取り組んでいます。細かな粒子で隙間の少ない緻密な皮膜が実現すれば、電気抵抗が上がったりサビにくくなったりといった効果が見込まれますが、それを実現するのは容易ではありません。というのも、材料の粒径が小さくなればなるほど材料を供給するための装置やホースの中で詰まったりダマになったりするリスクが高まり、溶射皮膜を正常に形成することが難しくなってしまうのです。3年近くかけてその課題を最近ようやくクリアしたのですが、現在の“溶射実績”は50cm角の小さな試験片のみ。溶射範囲を広げても同等の品質が維持できるのか、セラミック皮膜の緻密化によって本当に耐電圧特性や耐食性は向上するのか。製品化に向けた研究開発の山場はまだまだこれからです。

とはいえ、初めは「溶射とは何か?」というところからのスタートだった私が、装置を駆使して試験溶射を行い検査工程まで一通りカバーできるようになったのですから、成長実感は十分。今後も知識を身に付けながら、さまざまな開発に挑戦したいと思っています。
◇研究開発部/藤井 柊平

知識ゼロから挑戦した先輩社員3名が思う、「倉敷ボーリング機工(株)」の魅力とは。

「私は、総勢5名の研究開発部の中で最若手。先輩方がとにかく親切でいつでも気軽に相談できる環境なので、新しいことにもどんどん挑戦できます」(藤井さん)

【生産管理】あらゆるニーズへマルチに応える、技術品質のスペシャリストを目指して。

工学部在学中は機械工学科で四力をまんべんなく学び、卒業後は自動車部品の設計職に2年ほど従事。家庭の事情による転居で転職先を検討した際、偶然出会ったのが溶射加工を行う当社でした。同じ理工学系の分野とはいえ、「溶接」は知っていても「溶射」は見たことも聞いたこともない状況。ただ溶射技術に関連する塑性変形については少し学んだ経験があったので、どことなく親しみが感じられ、思い切って飛び込んでみることにしました。

私が在籍する生産管理グループは、ひとことで言えば製造工程をマネジメントする役割を担っています。受注後の材料手配もすれば、製品図面から溶射図面を書き起こして生産工程を立て積算。現場作業者への指示や進捗管理も行います。さらに、溶射加工後の製品は専用機器や薬液を使って測定・検査し品質精度を担保。受注量や納期の関係で外注加工を行う場合は、協力会社の手配と納入品の品質管理なども行っています。実際の溶射加工を行うわけではありませんが、製品完成までの全工程を見渡すポジション。溶射に関わるあらゆる知識と技術への理解が求められる苦労はありますが、だからこそ製品が無事お客様の要求通りに完成したときは、大きな達成感を味わえます。

専門知識ゼロから飛び込んだ世界ですから、もちろん入社直後は右も左も分からない暗中模索の状態。設備や技術に関する理解不足から協力会社の発注先を誤り、あやうく未完成品を納入しかけ社内対応で助けてもらいました。これまでお客様にご迷惑をおかけすることなく何とかやってこられたのは、上司や先輩たちの手厚いサポートと製造チームの高度なスキル・対応力のおかげだと実感しています。

現在はまだ難易度が低めの案件を中心に担当していますが、今後も一つひとつの経験を着実に積み上げながらさらなる研鑽に励み、お客様からのどんな高い要求にも対応できるオールマイティな生産管理職に成長できたらと思っています。
◇製造部 生産管理グループ(本社チーム)/濱田 菜々子

知識ゼロから挑戦した先輩社員3名が思う、「倉敷ボーリング機工(株)」の魅力とは。

「若手も臆することなく意見できる風通しのよい社風ですが、一方、自分の仕事には厳しく向き合う責任感の強い先輩ばかり。技術者としての誇りを感じますね」(濱田さん)

企業研究のポイント

情報収集に企業HPや会社見学を利用する人は多いと思いますが、与えられた情報が必ずしも「自分にとっての事実」とは限りません。たとえば「和気あいあいとした社風」とあっても、感じ方は人それぞれ。その場に身を置いたとき「その通り」と感じる人もいれば、「そうでもない」と感じる人もいるはずです。大切なのは「自分にとって正か否か」。そこを見極めるためにも、インターンシップなどの体験機会をぜひ活用しましょう。(平松さん)

企業研究の目的は、単に気になる企業への理解を深めることだけではありません。学生時代は知る機会のなかった業界・企業に広く目を向け、あらゆる可能性の中から自分にベストな舞台を見つけ出す貴重な機会。インターンシップなどに参加するうち、興味関心はおのずと絞られてくるものですから、早々に志望先を絞り込まず、専門・非専門を問わず視野を広げて臨むことが大切です。(藤井さん)

社会の成り立ちや業界・企業の特性について学生時代に知り得ることはとても限られていて、知っている世界だけに目を向けていると、多くの可能性を取りこぼすことになります。そのため、企業研究の際は積極的に知らない世界に目を向けるよう努めましょう。学生時代の学びや経験を活かすにしても、意識的に「知らない会社」に目を向けてみると、思わぬ“優良企業”に出合えるかもしれませんよ。(濱田さん)

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倉敷ボーリング機工(株)が手がける表面処理加工のサンプル。表面を削って下地を整え(左)、溶射加工(中)を施した後、表面研磨(右)で仕上げる。【工程例】

マイナビ編集部から

『倉敷ボーリング機工(株)』が得意としている溶射は、業界の外側にいる私たちの目にはとてもニッチな技術に感じられる。けれど、ひとたび産業界に目を向ければ、その技術が航空・宇宙から自動車部品、半導体製造装置に至るまで、幅広い分野で活かされていることを今回のインタビューを通して知ることができた。

溶射技術がそれほど多用されている最大の理由は、溶射加工が用いる材料や手法によってありとあらゆる機能・効果を発揮しえることにある。耐食性・防錆・耐摩耗性から耐熱・耐衝撃・耐薬品性、さらに潤滑性・防滑性に熱伝導性、電気絶縁性、硬度の強化補修効果など。その活用の舞台は「溶射にできないことはない」と思えるほどに広い。

さらに注目すべきは、溶射が新たなモノを生み出すための技術ではなく、溶射技術そのものが商品となっていることだ。モノではないので価格競争に巻き込まれにくく、また、既存製品・部品の耐性を高めたり低下した性能を復活・向上させたりすることで過分な廃棄・製造を抑制し、環境負荷を低減させる効果も期待できる。

この物価高と環境規制の時代において、カタチなき技術そのものが商品となることのメリットは計り知れない。この先の長い未来を生き抜かねばならない若き人材にとっても、これほど心強く、誇れる舞台はそう多くはないであろうと感じられた取材であった。

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近年は健康促進への取り組みも、より注力。倉敷本社2階の通路脇には、リクライニングシートを備え付けた休憩スペースも完備されており、多くの社員が利用している。

会社概要に記載されている内容はマイナビ2026に掲載されている内容を一部抜粋しているものであり、2027年卒向けの採用情報ではありません。企業研究や業界研究にお役立てください。

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