最終更新日:2026/3/1

(株)ウォーターエージェンシー

  • 正社員
  • 既卒可

業種

  • 環境・リサイクル
  • 設備工事・設備設計
  • 薬品
  • ビル施設管理・メンテナンス
  • 検査・整備・メンテナンス

基本情報

本社
東京都

取材情報

事業について伝えたい

水インフラ施設の運営管理を構想する「設計」のリーダーが語る業界の最新動向

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安心・安全な水処理の「かたち」を提案書にまとめるプロの証言

水インフラ施設の運営を受託する株式会社ウォーターエージェンシーとは、どんな役割を担っているのか?また、業界はどんな方向に進んでいこうとしているのか?提案の最前線を担う中野健博さんに語っていただいた。


中野 健博さん(1999年入社/農学生命科学研究科卒)
水マネジメント事業本部 設計室 室長
技術士(上下水道部門)
大阪で生まれ育ち、現在は東京に単身赴任中。週末は大阪に帰り、家族との時間を過ごしている。学生時代は陸上部で活躍していたので体力には自信あり。今はスポーツとしてはスキーを続けており、毎シーズン欠かさずゲレンデに出る。もうひとつの趣味は映画鑑賞。SF系から「泣けるもの」まで幅広く鑑賞している。

各地の水インフラ施設において、実務や施設の管理を担当。営業の仕事にも従事するなかで提案スキルも習得

大学院では、薬剤の合成に関する研究に取り組んでいましたが、就職にあたっては、環境を守る仕事に就きたいと考えました。市役所に勤務し、公害(大気汚染)に関する仕事に取り組んでいた父の影響が大きかったと思います。当時、自宅近くを流れていた川がとても汚く、「まずは、この川をきれいにすることができれば、きっと大きな手ごたえが感じられる」と思ったのです。そこで、大学に相談し、紹介していただいたのが当社でした。

入社1年目に配属となったのは、偶然にも自宅近くを流れる川の上流にある下水道施設を管理する現場でした。施設の運転管理から始まり、水質分析をメインとした仕事も担当。ここで約3年にわたり勤務した後、当時の奈良支店という事業所に異動。ここでは、実務を離れて営業を担当することとなりました。水処理がうまくいかないという相談をもちかけられると、すぐに駆け付け、各現場の状況に応じたアドバイスを行うのです。下水道施設に入ってくる水の汚れ方は、その地域によってかなり異なっています。また、処理施設そのものについても、基本的な仕組みは同じなのですが、個々の施設毎に処理機器の動き方の傾向も異なります。そうした点を考慮しながら、より、理想に近い下水処理ができるようアドバイスさせていただくわけです。

ちょうど、2000年から2006年頃にかけて、自治体が運営していた水インフラ施設の運営管理を、できる限り民間に委託していこうという動きが活発になっていました。当時、単なる入札ではなく、詳細な技術資料をつけて行う提案型入札が盛んに行われるようになっていったのです。そうした委託対象の1つに、県の水道局が運営する施設がありました。そこの受注が当社に決まると、私自身が施設管理者として、引き続き現場業務を担当させていただくことになったのです。
この現場で約1年半にわたり勤務した後、本社に異動となり、引き続き提案型入札業務を担当。そして再び関西に戻って、営業や技術面でのアドバイスを行う仕事に従事した後、2012年から本社に復帰。水マネジメント事業本部 設計室に在籍し、今日にいたっています。

これまでのキャリアステップをふり返ると、現場における施設の運営管理から営業の仕事まで、その都度、難易度の高い仕事に挑戦させていただくことができました。バランスよく専門知識やノウハウを身につけてきたことが、今の仕事に大いに役立っています。

中野さん&人事担当者の横顔

「実家の近くを流れる川を、きれいにしたい」という想いから始まった中野さんの挑戦。20年を経た今、その想いは大規模ビジネスを構想する仕事へと昇華されている。

入札案件獲得の「かなめ」となる提案書の作成。情報収集を徹底し、ニーズを捉えた内容に仕上げていく

現在、私の名刺には「水マネジメント事業本部 設計室」という部署名の記載があります。学生の皆さんは、設計という言葉から、図面を作成する仕事を思い浮かべるかもしれません。しかし、私たちが取り組む設計は、そうした仕事ではありません。水インフラ施設の運営管理業務に携わる当社が行う設計とは、業務の進め方全体についてのデザイン(=設計)です。もっと具体的に言いますと、お客さまからの要求について、どのような体制のもと、どういう方法で作業を完了させるのか。そして、どういうレベルの水質を作り上げるのか、などを示した「設計」なのです。また、そうした管理を合理的に進めるために、例えば、水質自動制御システムやウェアラブルカメラなどのツールを導入するのであれば、それらについても一つひとつ提案書に明記していきます。言い換えるなら、水の安心・安全を担保するためにどういう方法を採用するのか、どういうやり方で進めていくのか、などに関する具体的な設計なのです。こうして、私たちが作成した提案書はお客さまが入札の際に受託者を選定するための資料となります。

選ばれる提案書を作るためのポイントは、なんと言ってもお客さまがどんなニーズや要望を持っていらっしゃるのかを、案件ごとに正確に把握することです。最も重視されるポイントは何なのか。 ある時は、コストのかからない運営が求められていることもあります。また、ある時は、雇用創出による地元住民への還元が求められていることもあるわけです。この場合は、水インフラ施設の運営のために地元の住民を採用することで地域に貢献します。こうしたケースでは、清掃業務や植栽管理などを積極的に地元の会社に発注するというやり方もあります。自治体は、その地域における公共の利益を追求する団体なので、こうした地元還元を重視するニーズは多分にあるのです。

私の部署では、1年当たりおよそ20件もの提案書を作成しています。現在、当社では全国で230案件以上の運営管理契約を結んでいますが、このうち約80件が提案型入札を経て契約にいたったものです。これらは、いずれも3~5年の契約が結ばれており、契約終了年度には新たに入札が行われるため、再度しっかりした提案書を作成する必要があるのです。

中野さん&人事担当者の横顔

室長として、経験豊富な6人の精鋭スタッフをまとめる中野さん。それぞれが培ってきた知見、営業センスを集約しながら、より完成度の高い提案書を練り上げていく。

官から民への流れのなか、業務の幅はさらに拡大する傾向に。だからこそ精度の高い提案を心掛けたい

近年では、私たちが受託する業務範囲も次第に拡大する傾向にあります。一昔前であれば、施設の運営管理を行うため一定数の要員を配備し、お客さまの指示に沿って確実な操作や点検・整備を行うことだけが求められていました。しかし、最近では民間に委託する業務内容が拡大され、より包括的な内容が委ねられるようになってきたのです。

協力会社の採択もその一つ。清掃会社や修理・メンテナンス会社の選定は、これまでお客さまサイドで行ってきました。しかし最近では、民間企業に委ねられるようになってきています。その際、委託料金の中にそうした外注費を計上し、協力会社の管理を含めて請け負う形になってきているのです。このほか、電力代も含んで受託するというケースもあります。委託を受けた私たちの方で電力の供給先を選定し、予算内でやりくりしていくわけです。こうなると予算総額もどんどん膨れ上がっていきます。その最たるものは、「コンセッション方式」とよばれる委託方法です。上水道や下水道の管理・運営事業全体を外部の民間企業に委託しようとしているのです。

こうして委託の内容・規模が拡大しつづけていくなか、絶えず意識しているのは確実に履行できる計画の立案です。コンセッションのような方式で自治体の事業全体を一括受託した場合、県民・市民の皆さまに向けて提案内容をしっかり履行していることを示していかなければなりません。また、その履行によって、どれだけの合理化・経費削減などのメリットが得られたのかについても開示していく必要があるのです。
その意味でも、今後より緻密な提案が求められるでしょう。一つひとつの計画内容についてより詳細に検証を加え、「本当に履行可能な内容か?」と自問自答しなければなりません。履行できない提案をしてしまえば、当社の信用力低下に直結してしまいます。

ウォーターエージェンシーは、国内でもトップクラスの契約施設数を持ち、全国のいたる所で、安心・安全な水の供給に取り組んでいます。出張先などで、お客さまから「ウォーターエージェンシーのユニフォームを着ている人を見かけたよ」と、声をかけてもらうことも少なくありません。今後も伝統ある企業の一員であることを胸に刻み、精度の高い提案に取り組んでいきたいと考えています。

中野さん&人事担当者の横顔

採用担当の竹中さん(右)と結城さん(左)。「水インフラ施設の運営は、あまり知られていない分野かもしれませんが、調べるほどに、奥深さを理解いただけると思います」

学生の方へメッセージ

今、就職活動をスタートするにあたって、皆さんはどんなことを考えているのでしょうか?やりたいことがなかなか見つからずに、悩んでいる人も多いことでしょう。私にも、高2と中3になる2人の息子がいます。それぞれ将来の職業のことも、ぼんやりと考え始めているようです。

20年以上の社会経験を積んだ今、強く思うのは、やはり社会に貢献している実感が持てる仕事かどうかが大切だということです。私の場合、それは水というインフラにまつわる仕事でした。しかしこれは、たまたま水であっただけに過ぎません。電気であっても、鉄道であっても構わないわけです。どんな仕事であれ、自分のやったことが誰かの役に立っていることが実感できれば、それはやりがいにつながります。そして、仕事と向き合う上での大きな力になります。

なかでもインフラに関連した仕事であれば、そうした実感を持ちやすいのではないでしょうか。我々が会社生活の中で、改めて口に出して言うことはないのですが、やはり多くの仲間たちがその部分にやりがいを感じているのです。今後、AIやIoTの普及により、この業界の仕事も大きく変わっていくことでしょう。それをけん引していくのは、これから入ってくる若い人たちにほかなりません。新しい技術を身に付け、新しい感性を持った方々と、共に働くことを楽しみにしています。
(中野さん)

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運営管理の最前線では、より安心・安全な水を供給するために、常に新しい工夫が求められている。仕事は決して受け身ではなく、想像力を働かせることが大切だ。

マイナビ編集部から

戦後の復興期から高度経済成長期へ。水道インフラの急拡大にともない、水インフラ施設の運用管理は、自治体から委託を受けた民間企業が行うようになっていった。まず委託されていったのは、下水処理関連の仕事だったという。上水関連の仕事は自治体に残し、まずは下水から民間委託していったためだ。こうした経緯から、同社が請け負っている業務も、大半が下水関係の仕事で占められているということだった。これからの時代、新しい枠組み作りが求められ、下水処理関連の分野は、非常に重要な役割を担いつつある。その下水処理を汚れ仕事のように捉えるのは、「本末転倒」と言えるだろう。

そんな、同社が求める人材は「優しさ」を備えた人だという。同社が掲げる企業理念は『全ては公益のために』ということ。そこには、水という命に関わるインフラを取り扱う者として、決して忘れてはならない視点が表されている。誰もが、当たり前のように蛇口をひねり、渇きをいやしたり、料理を作ったりする水。その管理を担う人間であればこそ、人を愛おしく思い、なにかしてあげたいという気持ちが大切なのだという。

同社で働く社員は、全員が水を使う一つひとつのご家庭や住民一人ひとりの安心・安全を至上命題として仕事に取り組んでいる。そうした矜持の高さのようなものが取材を通して、ひしひしと伝わってきた。

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本社ビルの地下1階にあるコントロールルーム。モニターで、全国各地で管理する水インフラ施設の稼働状況を確認。異変があればスピーディに対応できる体制を整えている。

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