最終更新日:2025/6/1

原田産業(株)

業種

  • プラント・エンジニアリング
  • 環境・リサイクル
  • 機械
  • 機械設計

基本情報

本社
埼玉県

取材情報

経営者の視点

選別機のプロフェッショナルが紡いできた四半世紀のキャリア。仕事への熱い思い!

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代表取締役が語る、「これまで」と「これから」

原田 直輝 代表取締役社長

今回、インタビューに答えてくれたのは、大豆選別機のパイオニアメーカーとして業界を切り拓いてきた原田産業の代表取締役社長、原田直輝氏。そのキャリアは、アメリアでの海外留学時に通訳として同社の取引先へ足を運んだことからはじまったという。営業を担った新人時代から現在に至るまでに得たさまざまな気づき、やりがいを語っていただきながら、これから社会へはばたく皆さんへ熱いメッセージを伝えてもらった。

できない自分を悟った新人時代。だからこそ経験の全てが成長の糧になった

当社、原田産業は、食品業界やリサイクル業界に向けて「選別機」という機械を企画・設計・製作して販売しているメーカーです。特に、「大豆選別機」においては国内外で高いシェア率を誇っており、「国内にある大手大豆加工メーカーのほとんどが当社の選別機を利用している」と言っても過言ではないほど。さらに、その技術を応用して開発された「リサイクル素材選別機」も年を追うごとにニーズが高まっており、今や当社の売り上げの約3割がリサイクル業界向けの選別機で占められています。私は、この原田産業の社長を2014年から務めています。先代社長が築いた地盤があったとはいえ、現在までの道のりは決して平坦なものではありませんでした。ここでは、私が歩んできた新人時代からの道のりをご紹介しつつ、当社の魅力や仕事の面白さをお伝えできればと思っています。

中学時代、高校時代の私は卓球の部活動に明け暮れていました。世界の舞台での活躍も視野に入れていましたが、父親が立ち上げた原田産業をゆくゆくは継ぎたいという思いも心のどこかにあり、さんざん悩んだ末に選んだのが「海外留学」という道でした。語学の専門学校に2年間通い、単身アメリカへ。大学に3年半、コミュニティカレッジに2年通いつつ、原田産業のアメリカやカナダでの商談において通訳も担当しました。その頃、北米では日本向け大豆の選別ニーズが高まっており、当社の選別機械への関心もとても大きくなっていました。「このチャンスを逃すまい」と、就業ビザを取得した私はさっそくアメリカの企業へ売り込みを試みましたが、もちろんうまくいきません。当たり前ですよね、当時の私には、機械の知識も、ものづくりの経験もほとんどなかったのですから。それを悟った私は、「まずはお客さまのことを知るところから始めなくてはいけない」と、出向という形で取引先の現場で働かせてもらうことにしました。25歳の頃のことです。アメリカの大豆種苗会社、日本の大豆選別会社、日本の納豆加工メーカーで経験を積み、どれくらいの物量がどのような工程を経てどこへ流れているのか、そのなかで求められる選別機械のスペックはどういったものなのかを理解していきました。自社製品だけでなく、ライバル社の機械に触れられたことも良い経験になりましたね。ものづくりの苦労を共有できたことで人脈も一気に広がりました。

社内での一コマ

これまでの自身のキャリアについて熱く語る原田社長。新人時代の“下積み”経験が、その後の営業活動や組織のマネジメントに大いに生きている。

お客さまからの厳しいお言葉の中に、当社への期待と飛躍へのヒントがあった

その後、1997年に「社長室付き」という肩書きで自社へ戻り、営業を担当することになりました。当社の営業は、お客さまと技術スタッフ・施工管理スタッフの間に立ち、提案から導入、運転後のフォローまでトータルにサポートするミッションを担います。扱う製品はお客さまのニーズに合わせて作られるカスタムメイド品であるため、商談フェーズでも技術的なやりとりが多く発生します。営業というポジションであっても、技術的な知識を持っていれば活躍のチャンスが大きく広がるのです。

その営業の新担当として、まずは取引実績のあるお客さまへご挨拶回りをしました。ところが、どこへ行っても「おたくは売ったら売りっぱなしだよね」といった手厳しい意見をもらうばかり。歓迎される雰囲気はまるでなく、若い私にはつらい時間が流れました。しかし、お客さまの生の声を聞けたことで、当社にさまざまな問題点があることも分かりました。その一つとして、新規導入ばかりに注力し、既存顧客のフォローアップやメンテナンスがおろそかになっている現状が見えてきたのです。また、お客さまのお叱りの言葉の中に、当社への期待や愛情が多く含まれていることも、お客さまと信頼関係を深めていくなかで理解できるように。その期待に応えたいと、営業時代は「どんなに難しい局面でも最後まで全力でやり抜く」を信条に、全国の現場を飛び回っていましたね。社会やお客さまから必要とされ、その期待に応えることに大きな喜びを感じていました。また、「食」や「環境」といった生活に直結する分野に仕事を通じて貢献できることにも大きなやりがいと誇りを感じていました。

その後、2003年からは専務職を任され、会社全体の運営にも関わるようになりました。お金に直接関わる部分は先代社長が担当し、私は対外的なフォロー、つまりお客さまからいただくクレームへの対応をメインに行っていました。自身が直接関わっていない案件でも問題が起きればすぐに現場へ飛んでいき、自ら最前線に立って改善策を考え、実行。実は、社長の息子である私の入社をあまり快く思っていなかったベテランメンバーたちも社内にはいましたね。でも、そうした社員たちが、このときの私の働きを高く評価してくれたのです。うれしかったですし、組織を運営していく自信にもなりました。

社内での一コマ

同社の営業は、お客さまと技術部門のいわば仲介役。カスタムメイドの製品を扱うため技術的な打ち合わせを行うこともあり、専門知識があるとより活躍の場が広がる。

社員がいきいきと活躍でき、広く社会に貢献できる企業を目指して

2014年、代表取締役社長に就任したのちに目指したのは、利益主義に偏りすぎない会社の運営。当社ならではの良さや強みを維持しつつ、それまでの経験を生かした会社の改革にも乗り出しました。一つは、既存顧客に向けたフォローアップ体制の強化です。メンテナンス担当の数を増やし、既存顧客の満足度向上を目指しました。この効果は、近年のリピート率の高さに如実に現れています。さらに、社員の孤立化や負荷の偏りを避けるため、同じ職種のメンバーがペアで案件に関わる体制を導入しました。まだ一部の案件での適応ですが、その体制をゆくゆくは全案件に広げていきたいですね。そのほか、協力会社との連携を強化することでマンパワーを確保し、社員の負荷軽減に努めています。今後力を入れていきたいのは、グローバルビジネスの強化ですね。ドイツメーカーとタイアップして製品ラインナップを強化し、環境プラント需要が高い東南アジア圏にも市場を広げていこうと計画中です。また、2020年に立ち上げた開発部をしっかり軌道に乗せることも目標です。学術機関と連携した先進的な案件などを主に対応する、シンクタンク的な役割を担う部門ですが、そこで培った技術やノウハウを新たな製品づくりや提案へとつなげ、社会へ貢献し、当社の存在意義や存在価値をさらに高めていきたいと考えています。

私の経験を通じて皆さんにお伝えしたいのは、まずは現場を知り、感じてもらいたいということ。そして、失敗を恐れず果敢にチャレンジしてもらいたいということです。「百聞は一見にしかず」という言葉がありますが、まさにそのとおり。たとえ失敗したとしても、自身で知恵を絞り、手を動かした経験は必ずや成長の糧となります。もちろん、チャレンジのためには、周りの先輩たちや上司たちのフォローも重要でしょう。当社には、20代から70代まで、年齢、性格、強みもさまざまな、バラエティに富んだメンバーたちが在籍しており、皆、自分らしくいきいき活躍しつつ、後輩たちの成長を力強くサポートしています。私としては、さまざまなカラーを持った人が、その人らしくやりがいを持って働ける職場づくりをこれからも進めていきたいですね。

社内での一コマ

社員たちとの交流機会を大切にしていると語る原田社長。そこで得られた社員たちの声を会社づくりに生かしていることが、会社の持続的な成長につながっている。

企業研究のポイント

企業研究も大切ですが、理想の会社に出会うためには自己分析も欠かせません。すでに取り組まれた人がいらっしゃるかもしれませんが、そこで「自分にはリーダーシップが足りない」と感じても、どうか落ち込まないでください。実は、社長職を務めるこの私も、リーダーシップには自信がありません(笑)。どちらかというと、自身は影役、サポート役のほうが向いていると自己分析しています。もちろん組織にリーダー役は必要ですが、サポート役も不可欠。その両方がバランスよく存在してうまく機能している組織は、本当に順調な事業運営ができます。手前味噌になりますが、当社がまさにそう。ですから、繰り返しになりますが、「リーダーシップが自分に足りないな」と思った人も、ぜひ大いに胸を張ってください。みんなの頑張りをさりげなくフォローできるあなたは、とてもステキです!

このコロナ禍で、思うように活動できずジレンマを感じていらっしゃる方が多いのではないでしょうか。でも、社会人になれば、いくら努力をしても、才能があっても、どうにもならないことがいくつもあります。今回のコロナ禍は、その経験に慣れるための一つの経験だとプラスに捉えて、なんとかモチベーションを維持しながら頑張ってもらいたいですね。皆さんがベストを尽くせることを心からお祈りしています。

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風通しの良い社内の中で、20代から70代までの幅広い年齢層の社員たちがチームワークを生かして製品づくりに取り組んでいる。

マイナビ編集部から

今回取材に応じてくださったのは、業界で高いシェア率を持つ選別機メーカー「原田産業」の代表取締役を務める原田社長。入社前のアメリカ留学時代から、社長として活躍する現在に至るまで、さまざまな時代の活躍エピソードを、当時の仕事への思いと共にざっくばらんに語ってもらった。
特に印象深かったのは、新人時代の話。先代社長の息子ということでお客さまからダイレクトに苦言を呈されたり、社員から冷ややかな視線を浴びたりと社内外からの風当たりが強かったようだが、その状況にくさらず成長の原動力にし、学びや社内改革につなげていったというのはさすがだ。笑顔と柔らかな物腰の中にある、原田社長の芯の強さを感じ取ることができた。また、専務時代のエピソードも印象的。トラブルの矢面に立って現場のメンバーと一緒に汗をかいていたという話から、現場に寄り添いつつ会社を進むべき道へ導く理想のリーダー像を原田社長に重ねた人も少なくなかったのではないか。
同社には、世界を相手にできるトップレベルの技術力とノウハウ、ネットワークがある。そういったアドバンテージを生かしつつ、自身の強みも伸ばし、原田社長のもとで成長・活躍することができるだろう。

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製品は全てカスタムメイドで作られる。世界にたった一つのものづくりだからこそ味わえるやりがいや達成感が、社員たちの活躍や成長を支えている。

会社概要に記載されている内容はマイナビ2026に掲載されている内容を一部抜粋しているものであり、2027年卒向けの採用情報ではありません。企業研究や業界研究にお役立てください。

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